Thursday, November 24, 2011

VII.6. NHK『あさイチ』が食事サンプル中の放射性物質の測定値を訂正して謝罪

2011年11月24日、NHKテレビの番組『あさイチ』が、10月17日放送の「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」で発表した数値に間違いがあったとして、謝罪し、訂正した。

10月17日放送の番組では、北海道、福島県、東京都、大阪府、広島県の計7家族から食事を提供してもらって、首都大学東京の研究室に分析を依頼し、それぞれの食事に含まれる放射性物質の数値を比較した。うち札幌、福島県須賀川、東京江戸川区、大阪府岸和田市の4家族分のサンプルについて、1キログラム当たり5・69~3・39ベク レルのセシウム134が、目黒区の家族のサンプルからセシウム137が検出されたとし、郡山市の家族の食事からは放射性物質ゼロと報告した 。

さらに、水道水1リットル当たり200300ベクレルのカリウム40が測定されていた。

こうした数値に視聴者から疑問の声が上がった。それに対し、NHKは元の測定を行った首都大学東京と外部分析機関に二つにデータの再分析を依頼する一方、番組ホームページから測定値を削除したり、文章を変更したりしていた。 

11月24日に発表されたのは、その再分析の結果である。変更されたのは、次の二点。
  1. 札幌、須賀川、江戸川、岸和田の4家族のセシウム134の測定値を、すべてND(=検出限界以下)と訂正。
  2. 10月17日の番組では、「検出せず」「ゼロ」と報告されたものをすべて「ND」に訂正。
そして、ミネラルウオーターに含まれる量の1000倍にもあたると指摘された、水道水のカリウム40については、12月15日に放送予定の検証番組の中で発表するとしている。


(1)(NHK) あさイチ 『放射能・食卓調査の再検証結果』(2011年11月24日放送)


Uploaded by on Nov 23, 2011
http://www.youtube.com/watch?v=EkWsZWEgnZ0 (2011年11月24日閲覧)

(2)(NHKあさイチHP)10月17日(月) 放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html (2011年11月24日閲覧)

(番組ページから抜粋)
放送でお伝えした数値に誤りがありました。再検証後の数値は、以下をご覧ください。
また、なぜこうしたミスが起きたのか検証する番組を12月15日(木)に放送します。
皆様のご意見を、当サイトのトップページからメールでお寄せください。

食卓まるごと調査とは?


参加者は?


今回調査にご協力いただいたのは全部で7家族です。

福島からは、郡山・須賀川の2家族。
郡山のご家庭は、地元福島の農家を応援したいと、なるべく地元の野菜を買うようにしています。
しかし、9か月になる赤ちゃんに、本当にこのまま地元の野菜を与え続けて本当に大丈夫なのか、不安が消えません。一方、須賀川の一家は、農家で、家で食べ る野菜のほとんどが自家製のもの。ただし、野菜は出荷しておらず、これまで放射線の検査は一度も受けたことがありません。さらに、水も水道ではなく、敷地 内からわき出るわき水を使っています。 

東京からは、2家族が調査に参加。江戸川区にお住まいの一家は、食品からの被ばくをなるべく減らすため、西日本の食材を食べるようにしています。もう一家族は目黒から。こちらは、産地は気にせず買い物しています。

そのほか、全国的な広がりを知るため、札幌(北海道)、岸和田(大阪)、廿日市(広島)のご家族にもご協力いただきました。それぞれ、地元の食品を食べることが多い方々です。地域による差は、出るのでしょうか?

分析のしかたは?


それぞれの家族に一食分余分に食事を作ってもらい、一日分をまとめてミキサーにかけて完全にかき混ぜ、分析用のサンプルを作ってもらいます。それを一週間続けて東京の研究室に送ってもらいました。

分析をしたのは、首都大学東京・福士政広教授研究室です。「ゲルマニウム半導体検出器」を用い、各サンプル7200秒かけて分析しました。さらに各家庭1サンプルは、30000秒の追加測定を行いました。

調査の結果は?


当初、放送で発表した数値に誤りがあったことがわかりました。原因は、分析装置の調整の不備です。なお、検出されたデータそのものに不備はなかった ということです。装置の再調整は、別の専門機関の協力も仰ぎ、二重のチェックを行いました。この度は、誤った数値を公表し、申し訳ありませんでした。

前回放送した誤った数値         再検証後の数値
<セシウム134>
札幌     5.69Bq/kg  →  ND (検出限界:8.2Bq/kg)
須賀川  3.66Bq/kg  →  ND (検出限界:5.7Bq/kg)
江戸川  4.05Bq/kg  →  ND (検出限界:5.2Bq/kg)
岸和田  3.39Bq/kg  →  ND (検出限界:4.5Bq/kg)

<セシウム137>
目黒  8.97Bq/kg  →  8.5Bq/kg  ※誤差1.9Bq/kg
                                               (検出限界:5.2Bq/kg)

カリウム40については、12月15日(木)の放送内で結果をお伝えできるよう、再検証作業中です。

→詳しい分析結果を見る(PDF)

●詳しい献立をみる
→札幌(北海道)(PDF)
→郡山(福島)(PDF)
→須賀川(福島)(PDF)
→江戸川(東京)(PDF)
→目黒(東京)(PDF)
→岸和田(大阪)(PDF)
→廿日市(広島)(PDF)


(3)(NHK)あさイチ10/17「食卓丸ごと放射能チェック」番組全体の文字起こし http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1000.html(2011年11月24日閲覧) 

上のリンクは、 みんな楽しくHappy♡がいい♪様のブログページ、「あさイチ10/17「食卓丸ごと放射能チェック」番組丸ごと書き出しました。」から転載させていただきました。

 

02:51 10/29 2011

2011年10月17日報道されたNHK「あさイチ」の「放射能大丈夫?食卓まるごと大調査!!」元のデータの信頼性に疑いが 


NHK『あさイチ』が10月17日、食卓の内部被ばく調査を放送。その結果は、福島の食材を食べる郡山市の一家でも被ばくゼロ、東京でも産地を気にして いるか否かにかかわらず被ばく量に差は無かったとされる。ところが測定データを精査すると検出限界が示されておらず、天然放射性物質「カリウム40」のあ りえない値(1㍑あたり200~300ベクレル=水道水にミネラルウォーターの1千倍ものカリウムが入っていることになる)とセシウムによる被ばく量とを 比べて安全の根拠とするなど、不審な点が多い。測定した研究者に取材すると、機械の故障等で正確なデータではなく再分析中とのこと。いい加減なデータで安 全をPRしたNHKは質問状に対し返事をせず、NHKのサイト上からデータをこっそり消した。(消された測定データはPDFダウンロード可)

【Digest】
◇NHK『あさイチ』福島郡山市一家の食事から放射能ゼロ
◇疑問1:検出限界ゼロとは
◇疑問2:水道水にミネラルウォーターの1千倍のカリウムは不自然
◇「食材産地を気にすることは風評被害」と言わせる思惑
◇福士政広教授「測定器の調子が悪かった、現在再分析中」
◇NHKホームページからデータ削除するも返事はなし


◇NHK『あさイチ』福島郡山市一家の食事から放射能ゼロ
 毎日の食事からの内部被ばくはいったいどれくらいになるのか?今、国民の関心がいちばん高いテーマのひとつだが、10月17日にNHK総合テレビの朝の情報番組『あさイチ』で「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」という特集が放送された。
データが少ない食品の放射能汚染のへの不安にこたえるため、全国各地の家族に協力をしてもらいそれぞれの家族が1週間食べた食事をまるごと検査して、どれくらいの放射性物質が含まれているかを調査したものだ。
特集の概要はNHKのホームぺージに紹介されている。内部被ばくが高いと推定される福島県からは2家族が参加。郡山市の家族は、地元福島の農家を応援しようと、なるべく地元の野菜を買っているという。
もう一家族は須賀川市の農家で、家で食べる野菜のほとんどが自家製。さらに水も家の敷地内のわき水を使っているという家族だ。どちらも福島産食材多食派代表だ。
一方東京都からも2家族が参加。江戸川区の家族は、食品からの被ばくをなるべく減らすために西日本の食材を選んで食べるようにしている。「気にする派」の代表だ。もうひとつ目黒区の家族は産地を気にしていない「気にしない派」代表といえる。
それ以外に北海道の札幌、大阪府の岸和田、広島県の廿日市から3家族が参加した。いずれも地元野菜を中心に食べている。
それぞれの家族に毎回の食事を一膳分余計に作ってもらい、1日の終わりに3回分の食事をミキサーにかけてすりつぶし、分析用のサンプルを作る。それを1週間続けて東京の研究室に送ってもらうという仕組みだ。
分析を行ったのは首都大学東京の福士政広教授の研究室。測定器としては一番精密に測定できる「ゲルマニウム半導体検出器」を使って、それぞれのサンプルを2時間かけて分析。
番組の中で福士教授は「通常行なわれている食品検査は20分程度なので、より精度の高い測定ができます」と説明。さらに確認のため各家庭毎に1回分のサンプルを選んで8時間(30000秒)の再測定をするほどの念の入れようだ。

つづきを読む

(2011年11月24日閲覧)


(5) 『あさイチ』のために測定を行った首都大学東京・福士政広教授のインタビュー http://blogs.yahoo.co.jp/purelys9/6905642.html(2011年11月24日閲覧)

放射能と政治とお金のお勉強さまのブログから転載させていただきました。


 (転載はじめ)

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02:51 10/29 2011
疑問2 水道水にミネラルウォーターの1000倍のカリウム?
 さらに、自然界に存在する「カリウム40」という放射性物質も測定されている。

 カリウム40は、ヒトにとっても必須ミネラルであるカリウムの中に0.017%含まれている放射性物質で、食品についてもカリウムを含むものについては、そのカリウム濃度に応じて、カリウム40が含まれている。体内でも常に約4000ベクレルあり、年間0.17ミリシーベルト被ばくしているが、それは自然界にもともとあるものだけに、安全とはいえないが、避けることができない。

 以前、mynewsjapan記事でもカリウム40とセシウムを同時に計ってしまう測定器の場合、過剰評価に繋がってしまうという指摘がされていた。今回の測定器は、完全に分けて測定できるわけだが、なぜか常識で考えられる範囲を超えて、膨大な濃度のカリウム40が測定されている。

 例えば水道水について測定されているが、水道水1リットル当たり200300ベクレルのカリウム40が測定されている。それが本当だとすると、水道水1リットルに10gのカリウムが含まれる事になる。

 市販のカリウムが多いとされるミネラルウォーターでも、1リットル中のカリウム含有量は10mg60mg程度だ。そうすると、今回、全国各地の水道水には、ミネラルウォーターの1661000倍のカリウムが含まれていたことになる。そんな水、とても飲めないだろう。

 全体として、とてもいい加減な測定を行っているように見えてしまうわけだ。そんなデータで、福島の食品も安全、食材の産地を気にしても、気にしなくても、被ばく量に違いはないと主張されても、信じられない。

「食材産地を気にすることは風評被害」と言わせる思惑
 現在問題になっているのは、自然界の被ばくに加えた福島原発由来の追加的な被ばくをどれだけ抑えるか、だ。それに何の関係もないカリウム40を、なぜわざわざ計ったのだろうか?

食材産地こだわり派代表の東京江戸川区の佐藤さんだけ、セシウムとカリウム40の被ばく線量を比較して指摘している。
 
 テレビの中では、食材産地を気にする派代表の東京都江戸川区の佐藤さんに対して、カリウム40による被ばく量を計算して、セシウムによる被ばく量と比較している。

 「(セシウムの被ばく線量がとてもわずかだとしても)それでも少しでも出たらいやだな、という方も多いと思いますので、参考のために自然界にあるカリウム40も今回、測定しまして、それによる被ばく量を計算しまして、江戸川の鈴木さんの場合、年間610マイクロシーベルトと。これはもともとこれだけ被ばくしていたのに加えて、今回2.5マイクロシーベルト被ばくするようになった、ともいえます」と解説している。

そして佐藤さんに風評被害の反省を言わせている。
 
 
 
 その前後で、これまで東北や関東の食材を避ける努力をしてきた江戸川の鈴木さんに「(測定値が)思ったよりみんな低かったら、今まで私がやってきたことが風評被害に加担をしているのではないかと反省したい」と言わせている。

福士政広教授「測定器の調子が悪かった、現在再分析中」
 測定値の信頼性は、本当に確保されていたのか。実際に測定を行った首都大学東京健康福祉学科放射線学科の福士政広教授に話をうかがった。

--基 本的なところなんですが、測定データをみると、検出されなかった場合、「測定値ゼロ、誤差ゼロ、検出限界ゼロ」と表記されていますよね。公的機関の分析な どでは「検出限界以下」と表現されているようですが、今回のデータでは、検出限界もゼロというのは本当なんでしょうか?

 「測定器自体が非常に不安定な時に測定していたということもあって、そのすぐ23日後に重要な部分が壊れてですね、修理に出して1週間前くらいに返ってきたという状況です。そういう状況だったので検出限界は手計算でやっていたんです。グラフに示されている検出限界の単位ですが、キログラム当たりのベクレルではないんですね。そう表記すればよかったのでしょうが、誤解を招くようですね」

--それで、検出限界をキログラム当たりのベクレルにすると、どれくらいに相当するんでしょうか。

 「5ベクレル/kgくらいになると思います」

--ということは、4ベクレル/kgということでは不検出、ということになるんですね。

 「そうですね、そういう形になりますね。」

--それと、カリウム40の値があまりにも不自然だと思ったんですが。私がおかしいと思ったのが、水と食事が同じくらいという点。これくらいのカリウム40がでているとしたら、水が1リットル当たり10g以上カリウムが入っていることになります。そんな水は飲めないだろう、と。

 「なるほど、そうですね。カリウム40については、校正が非常に甘いということがあったので、そちらは高めに出ることは予想されていました。この辺りは数値が10カウント位上がるとそうなってしまうんですよね。カリウム40に関しては信頼性がないので出したくなかったんですけどね。カリウムは、当初は測るつもりはなかったんですけど、途中から測ってくれとNHKから言われて、途中から入れたのもので、いろんないきさつがあるんですよ」

--NHKから連絡がありましたか?

 「ちょうどいま数値に関しては、ばらつきが大きいということで再調査しましょう、ということになっています」

--カリウムについてNHKの方から要請されたという話ですが、番組の中で、東京の江戸川区の、非常に食材の産地に気を使われている家族を例に、セシウムによる被ばく線量に比べて、天然のカリウム40による被ばく量が圧倒的に多いんですよ、と説明しているんですよ。

 「そうなんですか、私、全然見ていないものだから。NHKの使い方はちょっとおかしいな、カリウムを線量計算して比較すること自体、ナンセンスですよ。体に取り込まれている量は決まっているので

--カリウムデータのそういう使い方がおかしいのと、さらにそのデータも間違っているのでは、二重に間違っているわけですよね。また、セシウムも福島事故由来だとするとセシウム134137が大体11の割合で出るはずだと聞いたのですが、今回は、どちらか片方しか検出されていませんよね。

 「実は今回の測定では、セシウム134については、実は違うものを検出していた可能性があります。ビスマス214という別の核種のピークを検出して、それをセシウム134だと誤認した可能性があると。再分析している最中なんですけど、それはほぼ確実です」

--セシウム137については。

 「全部測った中では、一か所だけ137だけが出ているものだけは、確実に出ている、といえるでしょう。でも134が検出されていないので、それは福島由来とはいえないですね」

--でもNHKでは全部、福島第一原発由来のように話していましたよね。

 「私は福島由来ではないと思いました。たぶん福島由来だったら両方出てくるんだと思うんですよね」

--結局、今回放送されたデータは、いずれも訂正が必要ということなんですね。

  「現在、校正をし直して、また別の機関とクロスチェックをしよう、ということでやっています。今回の数値データは少し高めに出ているのと、別のものを検出 している可能性が高いのと、カリウムはかなり高めに出ているので、真の検出結果は、より安全側というか、ほとんど検出されないということになると思いま す。報道されたデータよりも、より安心できる測定結果になるでしょう、ということなんですよ」

 福士教授は、測定データの誤りのせいで実際の値より大きな値が出ていたという点を強調して、実際は、もっと少ないのでより安全だ、と強調される。しかし、その逆の可能性もあるのではないかと心配になる。

いい加減なデータを元に安全性をアピールしたNHKの責任は

1028日にNHKに出した質問状
 NHKに対しては、1020日に質問状を出している。NHKハートプラザの石川さんという人からは、担当者から1週間以内に返事をするということをお伝えします、という連絡が入ったが、今のところ返事は来ていない。返事が来ない代わりに、NHKのホームページから、今回の測定結果のデータが削除されてしまった。

 今回のような陰膳方式という、実際の食事を測定して暴露量を推定するというやり方は、放射性物質だけでなく、ダイオキシンなどの環境汚染化学物質についても、これまで行われてきたやり方だ。それ自体は適切に行えば全体の被ばく線量の推定に使える調査法である。

 しかし、気をつけて行わないと、実際の被ばく量よりも低く見積もってしまいがちになる。そうした点も踏まえ、この件に関しては、もう少し取材を続けていく。

(転載終わり) 

(5)(読売新聞)NHK、食事のセシウム量測定ミス…番組で謝罪 (2011年11月24日)   http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20111124-OYT1T00190.htm?from=tw (2011年11月24日閲覧)(全文転載)

NHKは24日、朝の情報番組「あさイチ」で、10月17日放送の「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」について、食事に含まれる放射性物質量の数値を誤って放送したと発表し、同番組内で謝罪した。

番組ホームページなどによると、問題の放送は、福島県や東京都などに住む全国7家族の食事サンプルを検出器にかけて分析し、放射性セシウムの数値などを測定する企画。

当初の放送で、食事サンプルから検出したとされたセシウム134の量は、再検証の結果、検出限界値以下の数値であり、信頼出来るデータではなかったという。原因は分析装置の調整不備としている。

NHKは、12月15日に、なぜこうしたミスが起きたのかを検証する番組を放送する予定。
(2011年11月24日08時58分  読売新聞)

(転載終わり) 

(6)(日経新聞)NHK「あさイチ」、セシウム測定ミスで謝罪 (2011/11/24 11:43)  http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819499E0E6E2E2948DE0E6E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2(2011年11月24日閲覧)

(全文転載)
NHKは24日、朝の情報番組「あさイチ」で、食事に含まれる放射性物質の量について誤った数値を放送したと番組内で謝罪した。

10月17日の特集「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」で、北海道、福島県、東京都、大阪府、広島県の計7家族から食事を提供してもらい、大学の研究室に分析を依頼し、それぞれの食事に含まれる放射性物質の数値を比較。うち4家族分のサンプルについて、1キログラム当たり5・69~3・39ベク レルのセシウム134が検出されたとしていた。

だが、視聴者の指摘などを受けて再検証した結果、分析装置の調整の不備で、自然界に存在 する別の放射性物質の数値をセシウム134と取り違えたことが分かった。実際にはセシウム134については4家族とも「検出限界以下」だった。キャスター を務める有働由美子アナウンサーは11月24日の番組内で「誤った数値を放送してしまうという事態になってしまい、大変申し訳ありませんでした」と謝罪し た。

また「検出せず」としたり、「0」と表記したりしていたサンプルについても、「検出限界以下」と表記すべきだったと訂正した。

12月15日の同番組で、なぜこうしたミスが起きたのかを検証した内容を放送するという。[共同]

(転載終わり)
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2011年12月24日投稿

NHKあさイチHPから 「日本列島・食卓まるごと調査・続報」(2011年12月15日放送)http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/12/15/01.html (2011年12月24日閲覧)(当該部分を転載)

(転載はじめ)

出演者

<日本列島・食卓まるごと調査・続報>
専門家ゲスト:安斎育郎さん(立命館大学名誉教授・放射線防護学)、岡野眞治さん(元理化学研究所)
ゲスト:室井佑月さん(作家)、内藤剛志さん(俳優)
リポーター:小林孝司アナウンサー

あさイチでは、原発事故以来、放射性物質に対する質問を多数いただいており、中でも最近では「そもそも私たちは毎日の食事でトータルとしてどれくらいの放射性物質を摂取してしまっているのか」という疑問を多数いただいておりました。そこで、全国各地、計7家族の一般家庭、一週間分の食事という限られた範囲ではあるものの、各家族の日々の食事の中に含まれる放射性物質の量を分析する調査を行い、その結果を踏まえて10月17日(月)に「日本列島・食卓まるごと調査」と題して番組を放送しました。

しかし、この放送でお伝えした調査結果について、「数値が不自然ではないか?」という指摘を複数いただきました。また、今回分析を担当した首都大学東京の福士政広教授からも、再度検査させて欲しいという申し出がありました。
そこで、前回の調査に関する再検査を実施し、新たにわかったデータについて、まず11月24日(木)に前回のデータを修正する内容の速報を伝えしました。さらに今回12月15日(木)は、最初にお伝えしたデータがどう間違っていたのか、また修正後のデータをどうとらえたらよいのか、さらには食卓まるごと調査のような手法の調査が日本各地で広がりを見せている現状などなどについてお伝えしました。

再分析したデータについて

前回の調査では食品をゲルマニウム半導体検出器という装置にかけ放射性物質を検出しました。この装置で検出されたスペクトルと呼ばれるデータについては問題がないということなのですが、このスペクトルをさらに分析し、実際のセシウムの量を割り出す装置に整備の不備があったということです。そのため、この装置の調整をやり直し、再度分析しました。なお、装置の再調整は、別の専門機関の協力も仰ぎ、二重のチェックを行いました。
新たな結果は以下の通りです。
→セシウム134については、すべての地点で1週間通して、「検出せず(ND)」
→セシウム137については、目黒で一日だけ「8.5ベクレル/キログラム」を検出
他はすべて「検出せず(ND)」

詳しい結果は、あさイチホームページで公開しています。
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/10/17/01.html

修正後の数値の体への影響について

前回10月17日(月)の放送では、検出したセシウム134およびセシウム137の数値について、すべて微量であり、仮にこの数値の食事を1年間取り続けたとしても、現在国が示す食品からの年間被爆許容量の5ミリシーベルトを大きく下回るとお伝えしました。
今回の結果で計算しても、例えば、セシウム137を一日だけ検出した目黒の食卓で、仮に毎日このセシウム137を8.5ベクレル/キログラム毎日とり続けたとして、またセシウム134も検出限界値が一番高かった日の 6.4ベクレル/キログラム毎日とり続けたとして、セシウムによる年間被爆量を計算するとトータルは0.08ミリシーベルトとなり、前回の放送の結果とほぼ同様、国が示す年間の被爆限度量(来年4月から1ミリシーベルト予定)を大きく下回るものでした。ほかの家庭も同様です。

「検出せず」とは

「検出せず」とはそのとき測ることができる一番小さな数値よりもさらに小さい値だったという意味です。「検出せず」には他にも「ND(Not Detected)」や「検出限界以下」「<」などなど、いろいろな表記方法があり、表現が統一されていないのが現状です。
一般に放射性物質の測定を行う場合、検出限界値という、そのとき測ることができる一番小さな数値が設定されます(この検出限界値は、測定する試料の量や含まれる物質、検出器の性能などによって、測定ごとに変化します)。測定の結果、この検出限界値未満の場合、検出限界値以上の大きな値である可能性がないのはもちろん、放射性物質があるかないかもわからないと考えられ、「検出せず」や「ND」と表記するルールになっています。

今回の検出限界値について

前回の検出限界値は装置の不具合による読み違ったデータを元に算出した数値でした。今回再分析を行い検出限界値も新たに算出しなおしました。この結果は、放射線分析の第一人者である岡野眞治博士によると、使用した装置や測定した試料の量などから考えて、今回算出したくらいの数値が妥当だということです。

カリウム40のデータについて

今回、カリウム40の数値も調べようとしました。しかし、首都大学東京の検出器が置いてある部屋のコンクリートにカリウムが多く含まれていると考えられ、これがカリウム40の測定に影響を及ぼし、測定が難航しています。現在、測定の第一人者である岡野眞治博士にも協力を仰ぎ調査を続けていますが、今回カリウム40について、測定値が出せるかどうかは未定の状況です。

横須賀の給食の調査について

横須賀市では、10月13日以降、市内の小学校で出される給食のまるごと検査を実施し、一週間毎にまとめて測定しています。これまで8回行った結果、ほとんどが「検出せず」。11/21~25の間に出された給食から、セシウム137が0.48ベクレル/キログラム検出されています。これは、検出限界値ぎりぎりの数値です。

測定結果は、随時ホームページで公開されています。
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/8330/kyuushoku/documents/teikyo.pdf

京都大学の調査について

京都大学大学院医学研究科 環境衛生学分野

教授 小泉昭夫
…食品の中に含まれる農薬やダイオキシンなどの汚染物質の調査、研究専門。全国各地の過去30年分の食事や母乳などを保存、継続調査を行うなどこの分野の第一線で活躍。放射線の専門家ではないが、今回の原発事故を受けて、福島の食事の調査に乗り出す。

今回の福島の食事調査(陰膳調査)の概要

・2011年7月2日からの8日間。福島県の福島市、相馬市、いわき市、二本松市の4か所で調査
・研究員男性5人(県外の人間)が「自分が福島県で食事をすると想定して」近所のスーパーや直売所で、おやつ、水も含め1日に口にする全ての食品、飲料、合計55日分を購入。(食事は調理済みのお弁当や総菜や菓子パンなど)
・ゲルマニウム半導体検出器を使用
20000秒間の測定。検出限界は0.2ベクレル/キログラム
・検査物は凍結乾燥。(含有する放射線が微量であるため、より正確により微量まで測定できるよう、水分など無駄な物質を取り除き放射線物質を濃縮)
・結果:セシウム134は36検体(65.5パーセント)に検出
最大で7.2ベクレル/日
セシウム137は35検体(63.6パーセント)に検出
最大で7.0ベクレル/日
年間の体への影響はセシウム134と137合わせ、最大で0.083ミリシーベルト/年

放射線の可視化写真について

・放射線を感光板の一種で撮影するオートラジオグラフィを用いました。

以下のホームページで調査の内容を詳しく知ることができます。
http://hes.med.kyoto-u.ac.jp/fukushima/EHPM2011.html

(転載終わり)

* * *

あさイチ「食卓丸ごと調査」続報12/15(番組内容一部書き出し)
みんな楽しくHappy♡がいい♪ 様のブログから転載させていただきました。

(転載はじめ)

あさイチ「食卓丸ごと調査」続報12/15(番組内容一部書き出し)


あさイチ 12月15日放送 
番組の内容を一部書き出します


ーーーーーー


前回の測定の結果について、
いったいなぜそのような間違いが起きたのか
測定に使ったのはこの装置です

111215_1032~01

右側の機械で放射性物質を検出
そして分類するのが左側
まんなかで放射性物質の種類と量を割り出します

検出された信号はスペクトルと呼ばれるグラフに変換されます
このグラフからどの放射性物質がどの位あるのかを読み解きます

前回の分析でセシウム134と読みとった部分。
しかし、機械に不具合があり、スペクトル全体がわずかにずれて表示されていました

111215_1027~01

これを正しい位置にずらします
前回セシウム134として測っていたところはビスマス214という自然界にある放射性物質でした。

ビスマス214は福島原発の事故以前からもともとある放射性物質です。

不具合を起こした機械を修理に出し、その後正常に動作しているかどうか別の検査機関でもチェックしました。
そのうえで改めてスペクトルの正しい位置で放射性物質を測定していきました


福士教授によりますと
「放射性物質の値が飛び抜けて高く出てきた値だと間違いに気付くという事が出来るんですが、
出てきた値が小さかったのでなかなか気づくことが出来なかった」
ということです

Q:このような間違いは多いのか?

小林アナ:一般的に放射性物質の値が小さいと特定が難しくなるという事が言えます。

Q:読む場所を間違える(スペクトルがずれる)事はよく起きる事なのか?

安斎:条件を安定的にしないと、起こり得ることですね。
   測定はちゃんとされているのにデータの解析の段階で間違えるという事はあり得る。

スペクトルの位置をなおして解析しなおした最新のデータ
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1149.html
↑ここに一覧にして出してあります。

Q:再分析の結果の数値をどうとらえていますか?

岡野:今回首都大学で機械を見せていただいて、測定の仕方を拝見したんですけど、
    いずれもこの結果については非常に妥当であると、いうふうにおもわれます。

111215_1023~01
岡野眞治さん(元理化学研究所)
Q:検出限界地がさまざまなのはなぜ?

岡野:検出限界値はですね、試料の量とか検出器の感度とか、測定する時間とか、
   そういう事によって変わるものでございます。

Q:今回それが検出限界3~8という幅ででていることのついては?

岡野:試料の量が、それぞれ、なんていうのか違いますから、そのために変わります。
   それから、試料の比重とかですね、中に入っている水分とか、そういうものが違うと変わるわけです。

Q:測定器の能力からして検出限界3~8は妥当なところと見てもいいのか?

岡野:そうですね、拝見した機械に於いては妥当だと思います。



検出限界地の一番高い数値
セシウム134が8.2
セシウム137が7,1
これで一年間食べ続けたと、計算してみます。

このお宅では平均で一日1.6Kg食事されたいますので

セシウム134
8.2Bq/Kg×1.6Kg/日×365日=4789Bq/年 ⇒0.09ミリシーベルト/年(人体への影響の数値)

セシウム137
7.1Bq/Kg×1.6Kg/日×365日=4146Bq/年 ⇒0.05ミリシーベルト/年(人体への影響の数値)

合計年間0.14ミリシーベルトの被ばくになります。
食品の被ばく量の限度(来年4月から)では年間1ミリシーベルトなので下回っています。

Q:安斎先生この数字はいかがですか?

安斎:放射線防護学の立場から言えば被ばくは少ないにこしたことないというのが大原則なんですよね。
   毎日毎日何十年も摂取し続けることで被曝が大きくなるんではないかという心配ですが、
   毎日毎日摂取し続けているものは自然界にある放射性物質で、
   我々は食事と一緒に毎日毎日取り続けているんですね。
   例えばカリウム40という1種類の放射性物質だけで、年間0.2ミリシーベルト位
   否応なく、我々も気がつかないうちに被ばくしているので、
   そういう数値と比べても、まぁ、下回っているからね。
   そんなに心配するようなレベルでないことは放射線防護学的には言える事です

Q:今回の検出限界値は放射線防護学の立場から見るとどうですか?

安斎:この検出限界値は十分低くて、
   例えば僕が持っている機械に比べると、十分低くて感度がいい機械と言っていいと思います
   測る食品によって測定したいものの邪魔になるような自然界の放射性物質を含んでいたりする量が違うので、
   どうしても検出限界値にはばらつきがあります。
   10Bq/Kg以下のものが測れる機械

Q:そうすると、人体への影響は、この検出限界値から見ると?

安斎:十分です。ただ、食事をしていてそれによる自然界の被ばくをさして気に留めていない人ならば
   それ以下のレベルだから、改めてそんなに気にすることはない。

Q:検出せずじゃなくて、たとえば目黒に8.5という数字が出ているが、これはどうですか?

安斎:それで食べ続けたとして計算しても、さっき言ったように。

具体的な数値を見てみましょう。
目黒の場合は実際に検出されたセシウム137が8.5という数値と、
セシウム134は検出されていないのでこれも札幌と同じように最も大きい検出限界値6.4を使って計算すると、

セシウム137   8.2Bq/Kg⇒0.04ミリシーベルト/年(人体への影響の数値)

セシウム134   6.4Bq/Kg⇒0.04ミリシーベルト/年(人体への影響の数値)

合計 0.08ミリシーベルト/年

という結果になります。やはり1ミリと比べても小さな結果になります。

Q:これも安斎さんおなじように?

安斎:同じように思いますね。十分低い、
   あっ、放射線防護学をやっている安斎育郎の立場から見ても十分低いレベルだと思いますね。

Q:福島第一原発から出てきているスペクトルを見ると、
  セシウム134と137というのはほぼ同量出てきているというのが一般的なパターンですが
  今回は片方しか出ていないというのがありますが、岡野さんはどのようにご覧になりますか?

岡野:今回の数字を見るとセシウム137が見つかって、134がないと。
   いう事は、先ほど申し上げました福島の影響じゃなくて
   何らかの形で過去の核実験とか、チェルノブイリの影響とか、
   そういうものが何らかの形でもって食品の中に入ってきて、そういう数字が出てきたんじゃないかと思われます。

Q:まだチェルノブイリの影響が残っているというふうに受け止めなければいけないと?

岡野:そうですね、ま、ヨーロッパの基準というのはかなり緩いですから、
   そういうものが入るという可能性は十分考えないといけないと思います



視聴者からのFAXについて・・・
あくまで全国7箇所家族だけに限られたもので、
あさイチはこの結果をもって食品に汚染がない、安全宣言したつもりではありません。


以下番組は、横須賀市の小学校の給食の調査などを紹介
京都大学の検査のVTR(食品を乾燥させて濃縮させて検査)

京都大学 小泉昭夫教授

「だから、今は安心なんですけれども、今後ですね、高くなる可能性がある。
今がピークじゃなくて今後も追っていかないと、どこの農耕地が高くなるか予測できないので、
今後も継続したモニタリングが必要になると思います。」


Q:岡野先生、いまのVTRをみていかがですか?

岡野:今拝見したところ、いろんな測定器でいろんなサンプルを測っている訳です
   より厳しくしようとするんでしたら、もっと感度のいい機械を使って測ると検出限界が下がってくる。
   一方、試料の量は先程のように濃縮してやると感度が上がるわけですから
   問題はどういう測定器を使うかという事が大事で、
   特に食べ物なんかについては大事なことは、食べ物の中には天然のカリウムがありますから、
   カリウムをちゃんと分けて放射性物質、たとえばセシウムを分けて測んなきゃいけない
   それにはスペクトルメータというような道具を使って測るというような事が適切な方法です。
   中身の分かる測定器でしかも感度のいい測定器を使えばより細かいことが分かるということになります。



10月の放送での
放射性物質カリウム40について(カリウム40の数値が異常に高かった)も質問を頂いているんですけれども、

小林アナ:カリウム40についても今分析し直しています。
実はですね、検出機を置いている土台になっているコンクリートにですね、カリウム40が多く含まれていて
その影響を強く受けているんです。
その影響が強いのでカリウム40の値が最終的に出ない可能性も実はあるんです。
ですから今、首都大学東京の福士教授はですね、
先程出ていただいている岡野さんの協力も得ながらカリウム40の値を出すという作業を進めているというところです。
コンクリートから出ているカリウム40の値を、測る時に受けてしまうという事です
どうやってその影響を取り除いて計算できるかというところの作業を今進めているところです

(転載終わり)

 

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