Friday, November 18, 2011

II.A.9.福島中央テレビが震災後4日間の報道を検証ー1号機・3号機の爆発映像の使用を「最小限にとどめようと決めた」

2011年9月11日、福島中央テレビは、『原発水素爆発 わたしたちはどう伝えたか?』という、震災後4日間の報道の検証を放送した。その中で、報道部長が、「被災した人たちの気持ちを考えて、この映像の使用を数日たってからは使用を最小限にしようと決め」た、と述べている。これは、報道部長が「インターネット上などでは、なんらかの圧力があって、放送しないのではと憶測を生」んだと語っているように、「情報隠蔽」の批判に応えるために制作したと思われる。だが、報道部長の「使用を最小限にしようと決め」たという証言からすると、(外からの圧力でなく、自主規制だったとしても)やはり意図的に映像の放送を控えたことに変わりはない。

そのほか、この検証番組では、「東電」という名前が一度も出てこない。一貫して、「福島第一原子力発電所」または「福島第一原発」と呼んでいる。「東京が使う電気を作っている」と福島の被災者が強調する割には、この番組では東電の名前が一切出てこないのはなぜだろう?福島中央テレビは東電に気を使っているのだろうか。。?

最後に、余談だが、「正門付近の放射線量が通常の20倍」と聞いて、「そんな少し。。」と感じたのは、その後続々と出てきた、原発事故前の何万倍、とか、何京ベクレル、といった数字に慣れてしまっているせいだろう。。 
 

福島中央テレビ 2011.09.11 原発水素爆発 わたしたちはどう伝えたか


Uploaded by kesanaideyoooo on Sep 11, 2011 http://www.youtube.com/watch?v=7V-0XBdS86A&feature=player_embedded (2011年11月18日閲覧)

文字起こし(投稿者による)(太字は投稿者)

(ナレーション)3月12日午後3時36分、福島中央テレビの情報カメラがとらえた、福島第一原子力発電所1号機の水素爆発の瞬間です。それは、10万人以上が避難し、放射能汚染の不安とたたかう日の始まりでした。2日後には、3号機も大爆発を起こします。世界に大きな衝撃を与えたこれらの原発事故の瞬間を、メディアで唯一撮影しました。この事故を、地元のテレビ局としてどう伝えようとしたのか、震災から4日間を検証します。

(福島中央テレビ報道部長 小林典子 )原子力緊急事態宣言が出される中で、地元のテレビ局としては、あの原発構内で起こったことは、ささいなことでもすぐさま報じるべきと考えました。例えば、あれが火災の小さな煙だったとしても、です。ただ、情報はあれしか、あの映像しかなかったんですけれども。 

(ナレーション)午後3時40分、福島中央テレビは、県内への放送を決めます。

(アナウンサー 大橋聡子)「先ほど1分前、福島第一原発1号機から大きな煙が出ました。大きな煙が出まして、そのまま、えー、その煙が北に向かって流れているのがわかるでしょうか?」

(NNNアナウンサー)「福島中央テレビからお願いします」

(アナウンサー 大橋聡子)「はい、福島からお伝えします。福島第一原発に関するニュースをお伝えします。福島第一原子力発電所のトラブルで、正門の付近では通常のおよそ20倍の放射線量が確認されました。国の原子力安全・保安院によりますと、えー、ごらんいただいているのは、午後3時36分の福島第一原発の映像です。水蒸気とおもわれるものが、福島第一原発からボンと噴き出しました」

(ナレーション)「世界ではじめてとなる、原発爆発の瞬間を記録したのは、福島第一原発から17キロ離れた山の中に設置した情報カメラです。福島中央テレビも含め、民放各局やNHKがもっと原発の近くに設置したカメラが地震の影響で撮影できなくなる中、このカメラだけが、唯一その瞬間を撮影し続けていたのです。あの映像がなかったら、放射能の拡散を、私たちは、どれだけ実感できたでしょう?そして、政府の発表は、一体どれだけ遅れたのか。私たちは、あらためて映像の力を思い知りました」

(福島中央テレビ報道部長 小林典子)「世界を駆け巡ることになった、この映像は、福島の人々の、それまであった平穏な暮らしを一瞬にして変えてしまった瞬間の映像ともなりました。それだけに私たちは、被災した人たちの気持ちを考えて、この映像の使用を数日経ってからは必要最小限にしようと決めました。

しかし、それがかえってインターネット上などでは、なんらかの圧力があって、放送しないのではと憶測を生むなど、映像と情報を伝えることのさまざまな側面を考えさせられる、特別な映像ともなりました」

(ナレーション)「今回お伝えしたのは、わずか4日間の検証です。ここから始まった福島の放射能とのたたかいの日々は今も続いています」

(文字起こし終わり)

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