Thursday, May 31, 2012

XIII.18.「原子力行政を問い直す宗教者の会」が福井県に大飯原発再稼動反対要請(5月30日)

2012年5月30日、「原子力行政を問い直す宗教者の会」が福井県に対し、大飯原発再稼動に反対する緊急申し入れを行った。 

大飯原発再稼働問題が、「経済(雇用や電力需給も含む)や技術的(安全性)な視点だけで議論されていることに怒りと悲しみをもって諫言いたします」。

原発問題は軍事問題(核兵器との関係性)であること、そして、被曝(労働者・住民)の悲しみを本質としていること」を、1993年の会結成以来訴えてきた宗教者たちは、<いのち>の視点から、(1)フクシマ原発震災の悲しみを共有すること、と(2)原発稼働は被曝(労働者・住民)が前提となる愚かさに目を覚ますこと、の二点を福井県知事に要請した。

1分間の黙祷と要請文読み上げの後、福島の僧侶、青森県の牧師、福井県高浜町の尼僧などが、それぞれの立場から意見を述べた。

【動画】【大飯原発再稼働反対】宗教者による福井県庁での要請

2012年5月30日、「原子力行政を問い直す宗教者の会」による福井県への緊急申し入れが行われました。福井県庁に様々な宗教関係者約100名が集合。仏教各宗派、ネパール仏教、キリスト教、イスラム教など、宗教の枠を超えて脱原発で協力し、福井県知事 への要請を行おうとしました。が、知事は顔を見せず、代わりに県原子力当局の課長が出席しました。
broadcast by @naasansan 


6月2日投稿こちらに、動画の内容書き起こしがあります。(みんな楽しくHappy♡がいい♪)
 

「原子力行政を問い直す宗教者の会」HP http://gts.mukakumuhei.net/


「大飯原発再稼動反対の要望書(案)」
 http://gts.mukakumuhei.net/advocacy.htm#201205againstoirestart

 2012年5月30日
福井県知事 西川一誠様
原子力行政を問い直す宗教者の会


福井県世話人



中嶌哲演(真言宗御室派)
岡山巧(真宗大谷派)
西條由紀夫(日本バプテスト連盟)


代表世話人(事務局)
 長田浩昭(真宗大谷派)
大河内秀人(浄土宗)
内藤新吾(日本福音ルーテル教会)
大飯原発再稼働に反対する要望書
今、大飯原発再稼働問題について、経済(雇用や電力需給も含む)や技術的(安全性)な視点だけで議論されていることに怒りと悲しみをもって諫言いたします。

私たちは1993年の会結成以来、原発問題は軍事問題(核兵器との関係性)であること、そして、被曝(労働者・住民)の悲しみを本質としていることを訴 えてまいりました。また、先月17~18日、「2012フクシマ全国集会」(テーマ:今、フクシマにて共に悩む―怒りと悲しみの<こえ>に呼び覚まされて ―/会場:福島市コラッセ福島)を開催し、別紙のアピールをまとめ、翌19日に福島県と日本政府に要望を伝えました。
これらを踏まえ、真実を問い続ける宗教者として<いのち>に立って、大飯原発の再稼働に反対し、以下2点を要望いたします。
1、フクシマ原発震災の悲しみを共有すること
フクシマ原発震災は想定されていた地震(津波)であり、想定されていた事故でした。私たちは、生きとし生けるものや、大地・空・海を被曝させた罪を懺悔し、再びこの痛ましい出来事を繰り返さないために全国から集まりました。
当会のメンバーを含めて福井県内にも福島から避難されている方がおられます。3.11以降の苦難の話をお聞きすると胸が痛みます。ところが、フクシマか ら怒りと悲しみの<こえ>が発せられているにもかかわらず、国は未だにこれまでの原子力政策そのものの過ちを認めることなく、真の謝罪さえもありません。 それどころか、経済原理に立って大飯原発の再稼働へと突き進んでおります。こうしたフクシマへの無反省・無感覚は、<いのち>の尊厳を見失っていると言わ ざるをえません。
知事は、国の意向の伝達者となることなく、住民の<いのち>の叫びを丁寧に丁寧に聞きとり、国の原子力政策の見直しを求めること。

2、原発稼働は被曝(労働者・住民)が前提となる愚かさに目を覚ますこと
私たちは、先の戦争責任を問うことを通して同じ国策である原発問題を明らかにしてまいりました。国家を強大にするために、絶対化された神話のもとで武力に よって<いのち>を傷つけたのが戦争です。情報操作によって真実を閉ざし、国民に我慢と忍耐を強要しました。原発問題はこの歴史に重なる迷いの構造を抱え ております。
つまり、この半世紀、国は原子力という新たな力をもって、強大な国家を目指そうとしました。そして、「安全神話」と「必要神話」という二つの神話をたれ 流すことによって、私たちは「安全でないのに安全」「必要でないのに必要」だと思い込まされてきたのです。その結果、弱い立場の人々や自然環境に負担と犠 牲が押しつけられ、被曝(労働者被曝、住民被曝)の悲しみは覆い隠されました。
フクシマを経験した今、原発の稼働は、被曝が前提となる愚かさに目を覚ます時が来ています。その被曝を、飛行機や喫煙のリスクと同列に評価することはで きません。なぜならば、そこに選択の自由はなく、一方的に受忍を強いられるからです。その痛み、<いのち>の叫びは、戦争で犠牲になった人々の声なき<こ え>でもあります。
大飯原発再稼働は<いのち>の道理に背き、愚行以外のなにものでもないことを深く自覚すること。 
以上


【関連リンク】

福島と全国の女たちが経産省前で座り込み
経産省前テントひろば

(田中利幸・広島市立大平和研究所教授)日米政府による原発推進と核兵器政策は最初から表裏一体のものであった: 田中利幸バンクーバー講演録(April 08, 2012) http://peacephilosophy.blogspot.ca/2012/04/blog-post_08.html


Friday, May 18, 2012

XIII.17.岩井俊二監督のドキュメンタリー映画『friends after 3.11』

岩井俊二監督のドキュメンタリー映画、『friends after 3.11』が第9回ソウル環境映画祭で上映された。

『friends after 3.11』HP http://iwaiff.com/fa311/

(韓国『中央日報』日本語版)「日本の原発事故に沈黙できなかった」という岩井俊二監督2012年05月14日09時57分) http://japanese.joins.com/article/039/152039.html?servcode=400&sectcode=410 (2012年5月16日閲覧)(全文転載)

  映画「ラブレター」(1995年)で知られる日本の映画監督岩井俊二。彼は昨年3月 11日の東日本大震災前に「番犬は庭を守る」という小説を書いていた。50年後の原子力発電所事故で放射能天地になった暗鬱な未来を描いた作品だ。汚染さ れていない体を持つために臓器移植が横行し、生殖能力低下で子どもを産むことが富の源泉になるという内容だ。こうした小説を書いていた中で大地震が起き た。彼の故郷仙台にも津波が襲った。福島原発事故が続いた。彼は大きな衝撃を受けた。衝撃は原発と環境に対する関心につながった。

  彼は15日までCGV竜山(ヨンサン)で開かれる第9回ソウル環境映画祭に、ドキュメンタリー「friends after  3.11」を持って訪韓した。科学者、メディア関係者、歌手、俳優、環境運動家など多様な人々と会い原発の危険性について意見を交わす内容だ。彼は「映画 監督以前に1人の人間として原発の弊害に対して知らせたかった」と話した。

  ――現実参加型監督に変わったものか。

  「放射能ディストピアを扱った小説を書いた創作者として原発問題に沈黙できなかった。沈黙するならば今後『ラブレター』のような作品 を作るとしても観客が私を真の創作者と受け入れてくれるだろうか。3・11直後、『小説をもっと早く出版し警戒心を呼び起こすべきだったのに』という恥辱感に陥った」

  ――福島原発事故は初期対応に失敗しただけで、原発は発電手段として依然有効だという意見もたくさんある。

  「福島原発は地震と津波で壊れたのではない。電源遮断という小さなことで災害が発生したのだ。当時『予想外』という表現がしばしば出 たが、そのような状況は世界のどこでも起こりうる。テロや戦争などに原発が利用されるならばSF映画のように恐ろしいことが発生しかねない。

  ――大震災後日本はどこへ向かっているか。

  「3・11以前、日本は未来がない淀んだ水と同じ状況だった。文化の流れも止まっていた。大震災はそのような腐っていく平穏を破る肯 定的側面もあった。生物は苛酷な状況で進化するものだ。より大きな震災など苛酷な状況は続くだろう。ところがいま日本は深刻な悩みの代わりに笑いばかりあ ふれているようで不満だ」

  ――今後環境と関連した計画は。

  「ミネラルウォーターを扱ったドキュメンタリーの続編を撮っている。水源の独占と環境破壊に対する警告のメッセージを入れた」

  ――小説「番犬は庭を守る」は映画で作らないのか。

  「本来はチェルノブイリ事故のため欧州で撮ろうと思った。そうするうちに福島原発事故が起き撮影地を変えようと思う。撮影地としては原発事故がまだ起きていないところが良さそうだ。50年後のソウルを背景にすればどうだろうか考えている」。  


写真拡大
岩井俊二監督は「私のドキュメンタリーは正解でなくひとつの意見」としながら「多くの人々が原発に対して勉強する契機になれば良い」と話した(写真=ソウル環境映画祭)。

(転載終わり)

Thursday, May 17, 2012

V.13.政府がIAEAと共催で「原子力安全に関する福島閣僚会議」を開催(2012年12月)

2012年2月17日、外務省は、今年12月15日から17日まで,国際原子力機関(IAEA)との共催で「原子力安全に関する福島閣僚会議」を福島県において開催することを発表した。同時に、 「原子力安全福島閣僚会議準備室」を軍縮不拡散・科学部不拡散・科学原子力課内に設置した。

これについては、 昨年(2011年)9月22日にニューヨーク市で開かれた「原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合」で、(就任後わずか20日の)野田首相がすでに開催を表明していた。国連演説で野田氏は、次のように語っていた。
  • 「(東電事故で)既に判明している『過ち』とそこから導かれる『教訓』があります。何よりも急がれるのは、それらに基づき、内外で原発安全性の総点検を進めることです。」
  • 「日本は、事故の教訓を世界に発信します。」
  • 「来年には、IAEAと共催の国際会議を我が国で開催し、総点検の結果や原子力の安全利用への取組の方向性を国際社会と共有します。」
以前このサイトでも指摘したように、野田首相のこの発言は、IAEA(国際原子力機関)のチェルノブイリ事故に対する態度と符合する。つまり、IAEAをはじめとする原発推進派にとって、チェルノ ブイリやフクシマのような壊滅的な事故でさえも、原発の必要性を否定するものではない。むしろ、推進派は、それらの事故を原発の安全性を高めるための「機会」として活用(?)しようとする。IAEAのウェブサイトに掲載されている動画"Discover the IAEA"の一部を引用する:

「チェルノブイリ事故は、人間にとっての悲劇であると同時に、原子力産業全体にとって壊滅的な打撃でした原子力を止めるかに思われた事故は、逆説的にも、全世界を原子力の安全性の再検討に向かわせました。各国は、原子力の安全性は全世界の関心事であることを理解したのです。」(強調は投稿者)(動画のナレーションの全訳はこちらにあります。)

つ まり、野田首相の国連演説は、IAEAに代表される、世界の原発推進勢力の基本姿勢に沿ったものだったのである。 それは、国連機関の日本人関係者や日本財界人の、「世界は日本に脱原発を求めていない。むしろ、より安全な原発の推進を求めている」という主張とも呼応するものだ。(下の【関連資料】を参照)

世界の原発推進勢力の東電福島第一事故への関心は、事故当初からの米国政府の強い関心や、事故後まもなく相次いだフランスのアレバ社CEOとサルコジ大統領、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルト会長兼CEOなどの来日にも表れている。最近では、米エネルギー省が、福島第一の廃炉と環境浄化に関して日本の環境省役人や東電社員を米国の(元)核施設や国立研究所に招いて協力体制を作ろうとしているかに見える。

さらに、昨年9月には、日本財団(笹川良一の日本船舶振興会の後身)が、放射線の健康被害を過小評価する科学者を海外から集めて国際会議「放射線と健康リスク-世界の英知を結集して福島を考える」福島県立医科大学で開催した。

12月のIAEAと日本政府共催の「原子力安全に関する福島閣僚会議」は、こうした一連の動きの中にあって、国際原発推進勢力が「福島の教訓」を生かした国際的な「安全神話」を創り出す(つくりかえる)試みと言えるだろう。

【外務省発表】

(外務省プレスリリース)http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/2/0217_03.html

原子力安全に関する福島閣僚会議の本邦開催

平成24年2月17日
  1. 我が国は,本年12月15日から17日まで,国際原子力機関(IAEA)との共催で,「原子力安全に関する福島閣僚会議」を福島県において開催します。
  2. 本閣僚会議は,国際的な原子力安全の強化に貢献することを主な目的としています。本会議は,東京電力福島原子力発電所事故から得られた更なる知見 及び教訓を国際社会と共有し,更に透明性を高め,そして,国際原子力機関(IAEA)行動計画の実施を含む原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組 の進捗状況を議論する機会となります。
(参考)本会議の概要
  1. 昨年3月の東京電力福島原子力発電所事故以降,我が国は,国際的な原子力安全の向上に資するため,同事故から得られる経験・教訓を国際社会と共有 することが我が国の責務である旨を表明し、昨年6月及び9月にそれぞれ同事故に関する報告をIAEAに提出する等の努力を行ってきた。
  2. このような観点から,昨年5月のG8サミットにおいて菅総理(当時)が,また,昨年9月の原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合において野田総理が、それぞれ本件会議の本邦開催を表明した。
  3. 今回の原子力発電所事故を受けて,国際的にも原子力安全に係る取組が進められている。昨年6月には,IAEAは,原子力安全に関する閣僚会議を開 催し,閣僚宣言を採択した。そして,同年9月の総会で,原子力安全に関する行動計画が確定され,右行動計画に基づく種々の措置が講ぜられている。
  4. これらを踏まえて,IAEAとの共催の下,原子力安全に関する福島閣僚会議を,本年12月15日から17日まで福島県において開催することとしたもの。
  5. 本件会議への参加国については,今後IAEAとも調整することとなるが,現時点では,IAEA加盟国(152カ国)及び原子力安全に関係する国際機関等に対する参加呼びかけを検討している。

(外務省プレスリリース)http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/2/0217_02.html

原子力安全福島閣僚会議準備室の設置

平成24年2月17日
  1. 本17日(金曜日),外務省は,「原子力安全福島閣僚会議準備室」を軍縮不拡散・科学部不拡散・科学原子力課内に設置しました。
  2. 同室は,本年12月に福島県で行われる原子力安全に関する福島閣僚会議について,会議を円滑に実施するため,省内外の連絡・調整,予算とりまとめ等,種々の準備作業を担当します。
(参考)原子力安全に関する福島閣僚会議
  1. 目的
    本閣僚会議は,国際的な原子力安全の強化に貢献することを主な目的とする。本会議は,最大限の透明性をもって,東京電力福島原子力発電所事故から得られた 更なる知見及び教訓を国際社会と共有し,国際原子力機関(IAEA)行動計画の実施を含む原子力安全の強化に関する国際社会の様々な取組の進捗状況を議論する機会となる。
  2. 日程・開催地
     (1)日程:2012年12月15日(土曜日)~17日(月曜日)
        このうち、閣僚級の全体会合は15日(土曜日)に開催。他に専門家会合を行う。
     (2)開催地:福島県

【動画】玄葉外務大臣会見(平成24年2月17日) http://www.youtube.com/watch?v=exP74yOi9KY 


Uploaded by on Feb 16, 2012
【主な項目】
○冒頭発言-原子力安全に関する福島閣僚会議の開催について
○米軍再編問題
○原子力安全に関する福島閣僚会議の開催
○米軍再編問題
○バラク・イスラエル副首相兼国防大臣の来日

会見記録(要旨)テキスト版はこちら
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1202.html#9


【関連資料】 

(1)2011年9月15日、BSフジ・プライムニュース

IEA(国際エネルギー機関)前事務局長の田中信男氏の発言:「世界は日本の脱原発を望んでいない。世界が日本に期待するのは、福島の教訓を世界に還元して、完全に安全な原発の実現に貢献することだ。」 「世界の国々の中でドイツやスイスのような脱原発は少数派。途上国も含め世界の趨勢は原発推進」。

(2総合資源エネルギー調査会 総合部会 第1回基本問題委員会(2011年10月3日)
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/1th.htm

榊原定征・東レ会長:「最近欧州に行って向こうの経済人と話した。彼らが日本に期待するのは、福島の経験と教訓を生かして、原発の安全性を高める、進化させる、それを世界に示して提案していくこと」

(3)「市民・科学者国際会議」(2011年10月12日)セバスチャン・プフルークバイル氏講演資料より

「原子力発電所はいかに安全かを、フクシマの原発事故が証明してくれる。」
 2011年9月, ロンドンで開かれた世界原子力協会(World Nuclear Association、略:WNA) の年間総会で。

投稿者註:世界原子力協会(WNA)は、原発のグローバル化を推進する国際業界団体。1975年にロンドンに設立されたウラン研究所(Uranium Institute)を前身とし、2001年に現在の名称に。原発産業に関するニュースを発信するWorld Nuclear News (WNN), 原発産業界のリーダーを養成するWorld Nuclear University、世界の原発産業で働く女性を支援するWomen-in-Nuclear (WiN)、「放射性物質の、安全で、効率がよく、信頼のおける輸送」を専門とするWorld Nuclear Transport Institute (WNTI) などと連携している。

【関連報道】

(読売新聞)汚染水除去など支援、仏アレバ社CEOが来日へ(2011年3月30日11時13分) http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110330-OYT1T00357.htm (2012年5月17日閲覧)

【パリ支局】AFP通信は29日、フランス原子力大手アレバのアンヌ・ロベルジョン社長兼最高経営責任者(CEO)が、福島第一原発事故の対応で日本側と支援策を探るため30日に来日する、と報じた。

アレバの日本法人「アレバジャパン」によると、ロベルジョン社長は30日夜にアレバの専門家5人と共に日本に到着する 予定。AFPによると、5人の専門家は、放射能汚染水の除去や使用済み核燃料一時貯蔵プールの管理の経験を持つ。ロベルジョン社長は滞在中、経済産業省や 東京電力幹部と、今回の事故を受けた支援策を協議するという。

アレバは世界最大の原子力産業複合企業で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料製造などを通じて日本との関係も深い。福島第一原発3号 機で使われているMOX燃料も製造している。ベッソン仏産業エネルギー・デジタル経済担当相は28日、東京電力からアレバを含む仏原子力産業界に支援要請 があったと明らかにしていた。
(2011年3月30日11時13分  読売新聞)
(転載終わり)

(J-CASTニュース) 仏アレバ、米GEトップが来日 目当ては「フクシマ」廃炉ビジネス(2011/4/14 12:25)http://www.j-cast.com/2011/04/14092836.html?p=all (2012年5月17日閲覧)(全文転載)

   綱渡りの状態が続く福島第1原発対策を支援する名目で、世界最大の原子力企業、仏アレバと米ゼネラル・エレクトリック(GE)首脳が次々に来日した。アレバは仏政府など政府関連機関が9割の株を持つ事実上の国営会社だけあって、サルコジ仏大統領もわざわざ東京にやってきた。
   人道的な支援という目的はもちろんだが、真な狙いは廃炉をはじめとする今後の「フクシマ」の商機にかかわろうとすることに他ならない。世界に広がっていた「原子力ルネサンス」のムードを吹き飛ばした今回の事故への不安を早期に火消ししようとの意味もある。

プルトニウムの取り扱いはフランスの得意分野

   動きが早かったのはアレバだった。「フクシマ」の建設には直接かかわっていなかったが、東日本大震災発生から1週間以内に、提携先の三菱重工 業を通じて、東京電力や日本政府に具体的な支援策を申し出たとされる。さらには、2011年3月末のアンヌ・ロベルジョンCEO(最高経営責任者)とサル コジ大統領の来日に合わせ、フランスの放射性廃棄物処理の専門家も来日し、プルトニウムを含む放射性物質漏えいの危機管理を支援することになった。特にプ ルトニウムの取り扱いはフランスの得意分野であり、日本にとっても心強いのは確かだ。
   アレバ首脳の訪日について三菱重工の幹部は「目的は廃炉ビジネス」と明確に指摘する。アレバは核燃料から原子炉の製造まで手がける世界最大の原子力総合企業だ。
   フランス政府が、欧州での原発受注が一巡した後、日米企業と互角に戦うため2001年、原子炉製造の「フラマトム」と核燃料を製造する「コ ジェマ」の経営統合を後押しした経緯がある会社。これまでに1979年の米スリーマイル島原発の事故処理を手がけたほか、1986年のチェルノブイリ原発 事故では廃炉の作業工程を受注するなど、世界を見渡しても原発事故処理では右に出る企業はないと言っていい。
   一方、「フクシマ」は第1、第2ともにGEが開発した「沸騰水型(BWR)」と呼ばれる原発でもある。なかでもGEは「今最も危険な状態」(政府関係者)と言われる第1原発の中の1号機の原子炉製造などを担当した。

GEは日立と廃炉に向けた事業計画を練る?

   1号機の危機脱出を助けるだけでも、多忙を極めるジェフリー・イメルト会長兼CEOが4月上旬に来日した理由として十分ではあるが、それだけ が目的ではない。GEは2007年に原子力部門を統合した日立製作所とともに、廃炉に向けた事業計画を練る方向にあり、日立の中西宏明社長とともにそのこ とを東京で確認したと見られる。
   さらには東電の勝股恒久会長、海江田万里経済産業相と相次いで会談。11年夏の電力不足に備えて火力発電所用のガスタービンなどを提供する考 えを示すとともに、廃炉に向けた事後処理支援を申し出た。こうしたなか、東芝も米原発機器メーカー、バブコック(B&W)とともに「10年で廃 炉」などにわかに信じがたい短期処理の提案を東電にしており、今後の行方が注目される。
   また、アレバ、GEのトップが来日した背景には、世界中で連日、「フクシマ」の危険な状況が伝えられるなか、原発推進の国益を背負いつつ、数 少ない世界の「原発メジャー」として事態を早期に収束させたい、との思惑がある。オバマ米大統領が、リビア情勢など世界に気がかりなことがいくつもある中 で、「フクシマ」に最大限のエネルギーを振り向けるのは、原発の旗を振り続けるためだ。電力の8割近くを原子力に依存するフランス政府も、アレバを後押し しつつフクシマの沈静化に注力する構えだ。

(転載終わり)

(日経新聞)福島第1原発「工程表、実現は可能」 仏アレバCEOに聞く 「廃炉作業30年以内に」(2011/4/23 7:00)(2012年5月17日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第1原子力発電所の事故対応にあたる仏原子力大手アレバ社のアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)がこのほど来日し、日本経済新聞の取材に応じた。東電がまとめた原子炉を安定停止させるための「工程表」について実現可能と評価、廃炉の作業が完了するのは30年以内との見方を示した。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故にも対処した専門企業のトップは福島第1原発の状況をどうみているのか。一問一答は次の通り。

――4月19日にアレバが発表した福島第1原発の汚染水処理策のポイントは。
「我々は最も早く、最適な条件で汚染水の処理に取り組む。処理コストは仏北部ラ・アーグにある当社工場でゆっくり処理するのに比べ高くなるのは間違いない。だが、東電の経営を危うくするほどになるとは思えない」
――東電の工程表をどう評価するか。
「工程表の発表は大きな前進だ。日本のメディアは野心的な目標と報じているが、実現は可能だと思う。工程表はできるだけ早く処理を進めなけ ればならないというニーズを反映したものだ。福島第1原発で早急に取り組むべきことは使用済み核燃料プールから核燃料を取り去ることだ。それからプールの 汚染水も取り除かなければならない」
福島第1原発事故の収束に向けた工程表を公表した東京電力の勝俣恒久会長(17日午後、東京・内幸町の本店)=共同
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福島第1原発事故の収束に向けた工程表を公表した東京電力の勝俣恒久会長(17日午後、東京・内幸町の本店)=共同
――アレバの原子炉なら今回のような事態は避けられたか。
「当社設計の原子炉は非常用ディーゼル発電機を4機備えているほか、非常用電源も2系統ある。それぞれ違う建屋に納めている。耐震設計で耐 水性も備えている。水素爆発を技術的に避ける解決策も考えてある。(水素を水に戻す)再結合器を提供することも可能だ。福島第1原発は対応が遅すぎた」
――最悪のシナリオは避けられたと思うか。
「悪魔のシナリオにはすでに少し入りかけている。ただ、チェルノブイリ原発事故とは全然違う。
ロボットが撮影した福島第1原発1号機の原子炉建屋1階=東京電力提供・共同
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ロボットが撮影した福島第1原発1号機の原子炉建屋1階=東京電力提供・共同
チェルノブイリでは制御棒が下がらず機能しないまま核分裂が連続して起きたが、福島第1原発では地震が発生したとき原子炉は止まった」
――廃炉まで何年かかるか。
「放射線が全く出ない状態に戻すのに10年以上かかる。効率的に取り組めば、廃炉の作業は30年以内に完了するだろう」
(聞き手は科学技術部 川合智之)

(転載終わり) 

(NEWSポストセブン)相撲はインテリの競技でないと言う嫌日派サルコジ来日の理由(2011.05.14 07:00)http://www.news-postseven.com/archives/20110514_20257.html (2012年5月17日閲覧)(全文転載)


東日本大震災後、外国首脳として最初に来日したのはフランスのサルコジ大統領だった。この来日に素直に謝意を表わすのは、あまりにもナイーブだとジャーナリストの歳川隆雄氏は指摘する。サルコジ大統領のしたたかな経済外交戦略を同氏が読み解く。

* * *

言うまでもなく、フランスは国内消費電力の8割を原発に依存し、原発プラントが輸出産業の柱になっている。そのフランスが強く怖れているのは、今回の原発事故の影響で世界中に脱原発の世論が広まり、原発プラントの輸出にブレーキがかかることである。

実際、2030年までに100基以上の原発を建設する計画を立てている中国でも、原発依存に対する疑問の世論が起きつつある。そのゆえ、サルコジは慌てて中国に乗り込み、胡錦濤国家主席、温家宝首相、原発担当の閣僚らに会い、あらためて原発を推進するよう説得した。

日本を訪問したのはその帰途だったが、当初、原発事故への対応に追われていた日本は訪日受け入れに消極的だった。だが、サルコジはG8サミット議長を盾 に「日本への支援と連帯を表明したい」という建前で押し切り、訪日を実現させた。サルコジはかつて「相撲はインテリのスポーツではない」と語るなど日本嫌 いとして知られ、これまで日本側からの訪日要請に応えてこなかった。それにもかかわらず、自国の国益を守るために緊急来日したのである。

こうした地ならしをした上で、5月のG8共同声明の中に、「より安全性を高め、原発を推進することでしか人類が生き残る道はない」といった類の文言を入れる腹づもりだ。
他国の危機に乗じてでも自国の国益を最優先に考えて行動するこうしたしたたかなリーダーシップが世界にあることを見逃してはいけない。
※SAPIO2011年5月25日号

(転載終わり)

Wednesday, May 2, 2012

IX.11.新型インフルエンザ特別措置法を可決・成立

新型インフルエンザの感染防止のためとして、発生時に集会の制限などを可能にする「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が4月27日の参院本会議で民主、公明などの賛成多数で可決、成立した。3月9日の法案国会提出からわずか2か月足らずのスピード成立だった。

憲法で保障されたさまざまな私権の制限を可能にするこの法案には、日本弁護士連合会と日本ペンクラブが反対声明を出していたほか、日本医学会なども慎重な審議を求めていた。

そうした批判を配慮してか、内閣委員会は「人権が過度に制限されることようがないようにすること」などを織り込んだ「附帯決議」を採択したが、附帯決議には法的効力はなく、また、読みようによっては、ある程度の人権の制限は仕方がないと言っているようにも聞こえる。

【新型インフルエンザ等対策特別措置法】

「新型インフルエンザ等対策特別措置法案」 http://www.cas.go.jp/jp/houan/120309influenza/houan_riyu.pdf 

**内閣官房サイトで法案の「概要」「要綱」「法律案・理由」などを見るには、こちらへ。
http://www.cas.go.jp/jp/houan/index.html

参議院内閣委員会「新型インフルエンザ等対策特別措置法案に対する付帯決議」(平成24年4月24日)http://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/180/f063_042401.pdf

**「附帯決議」の法的効力について
参議院HPの「参議院のあらまし 委員会の活動(1)法律案の審査」ページから抜粋 (太字強調は投稿者による)http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/keyword/katudo01.html


附帯決議とは、政府が法律を執行するに当たっての留意事項を示したものですが、実際には条文を修正するには至らなかったものの、これを附帯決議に盛り込む ことにより、その後の運用に国会として注文を付けるといった態様のものもみられます。附帯決議には、政治的効果があるのみで、法的効力はありません。

厚生労働省資料 「新型インフルエンザ等対策特別措置法案」について」(資料3-1) 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026qek-att/2r98520000026qjk.pdf (2012年5月2日閲覧)


【国会審議】

3.30衆院本会議 http://www.youtube.com/watch?v=sCmtkAoGAH0
「新型インフルエンザ等対策特別措置法案」についての内閣委員会委員長の報告と採決は、5:27から8:12まで。

Published on Mar 29, 2012 by

衆議院TV・ビデオライブラリ  内閣委員会 「新型インフルエンザ等対策特別措置法案」(180国会閣58)http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=41714&media_type=wb

参議院投票結果 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/180/180-0427-v001.htm

4.27参議院本会議  http://www.youtube.com/watch?v=kOWjcy5Renc
「新型インフルエンザ等対策特別措置法案」についての内閣委員会委員長の報告と投票は、1:05から5:00まで。

Published on Apr 26, 2012 by
【関連報道】






(毎日新聞) 新型インフル法:参院で可決・成立 発生時に集会など制限(2012年04月27日 11時06分(最終更新 04月27日 11時15分)) http://mainichi.jp/select/news/20120427k0000e010177000c.html (2012年5月1日閲覧)(全文転載)

新型インフルエンザの感染防止を目的に、発生時に集会の制限などを可能にした特別措置法が27日午前の参院本会議で民主、公明などの賛成多数で可決、成立した。共産、社民は反対し、自民は2大臣問責後の審議拒否中に、法案が内閣委員会で採決されたことを理由に欠席した。内閣委では、人権が過度に制約されないよう求める付帯決議がされていた。

特措法は、危機管理法制である災害対策基本法や国民保護法がモデル。新型などが発生し、首相が国民生活 に大きな影響があると判断した場合、緊急事態(最長3年)を宣言。都道府県知事は▽多数の人が利用する施設使用・催し物の制限の指示▽医師への医療の指示 ▽臨時医療施設開設のための土地等の強制使用▽医薬品や食品を確保するための保管命令−−が可能になる。保管命令に業者などが従わなかった場合は罰則を設 けている。

また、知事は交通機関やNHKを含む指定公共機関に対し、緊急事態宣言の発令時に「総合調整」という権限に基づく「必要な指示」ができることになっている。

衆参内閣委での政府答弁によると、私権制限の期間は「発生初期など1〜2週間を想定」(中川正春・防災 担当相)。電車やバスは「間引き、状況に応じた運行の可能性はある」(中川担当相)。NHKについては「報道の内容を規制する構成になっていない」(園田 康博・内閣府政務官)。さらに、新聞社を含む報道機関に対して「取材の自粛要請は想定していない」(園田政務官)としている。

私権制限の規定があることから、日本弁護士連合会や日本ペンクラブが特措法に反対を表明。医療関係者からも効果を疑問視する声が上がっていた。【青島顕】

(転載終わり)  

(毎日新聞) 新型インフル:特措法案 私権制限に慎重審議求める声
(2012年04月16日 20時51分) http://mainichi.jp/select/news/20120417k0000m040093000c.html (2012年5月1日閲覧)(全文転載)

新型インフルエンザの流行防止を目的とした特別措置法案が早ければ週内に成立する見通しとなっている。だが、集会禁止など私権制限が可能な内容で、日本医学会も慎重審議を求める声明を出すなど必要性や実効性を巡って異論が出ている。

法案は、新型インフルエンザなどが発生し首相が緊急事態宣言を出すと、都道府県知事の権限で医師への医療の指示、土地の強制使用などが可能になる。

112の医療関係の学会で組織する日本医学会は10日の声明で「国民の議論を踏まえ、慎重な審議、熟議 を尽くす」よう求めた。会長の高久史麿・東京大名誉教授は「医療の指示に従わなくても罰則はなく、学会として強く反対する理由はないが、個人としての意見 では『スペイン風邪』のようなパニックが日本で起きる可能性は少なく、法案は大げさに映る」と話す。09年に新型インフルエンザの国内侵入を防ぐため空港 で検疫を実施した「水際作戦」について、法案は対策強化を盛り込んだが、高久氏は「実効性が証明されなかった」と疑問視した。

上(かみ)昌広・東京大医科学研究所特任教授(内科学)も「潜伏期のあるインフルエンザに水際作戦は意 味がない。(施設使用の制限に伴う)集会禁止も経済活動にデメリットが大きく、慎重にすべきだ。09年の反省にたち、政府の情報開示と、医療の支援を政治 に義務づける立法にすべきだ」と反対している。

一方、3月末まで国立感染症研究所感染症情報センター長を務めた岡部信彦・川崎市衛生研究所長は「流行 初期は不明なことが多く、津波に例えれば『逃げてください』でなく『逃げろ』という対応も必要」と私権の制限は不可避との立場。09年の経験から「現行の 厚生労働省所管の感染症法では不十分で、省庁横断で対応できる法制が必要だ」と話す。ただし「運用は慎重にすべきだ」という。

法案には日本弁護士連合会や日本ペンクラブが反対を表明している。【青島顕、井崎憲】

 ◇法案で行政ができる主な私権制限

・検疫のための病院・宿泊施設の強制使用(29条)
・医療関係者に医療等を行う指示(31条)
・指定公共機関(NHKなど)に対する「総合調整」に基づく措置実施の指示(33条)=※放送実施の指示などとみられる
・多数の人が利用する施設使用や催し物開催の制限の指示(45条)
・臨時医療施設開設のため、土地等の強制使用(49条)
・緊急物資の運送・配送の指示(54条)
・医薬品・食品の収用・保管命令(55条)

(転載終わり) 

【反対声明など】

(日本弁護士連合会)新型インフルエンザ等対策特別措置法案に反対する会長声明(2012年3月22日) http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120322.html (2012年5月1日閲覧)(全文転載)

政府は、2012年3月9日、新型インフルエンザ等対策特別措置法案(以下、「本法案」という。)を国会に提出した。

本法案には、検疫のための病院・宿泊施設等の強制使用(29条5項)、臨時医療施設開設のための土地の強制使用(49条2項)、特定物資の収用・保管命令 (55条2項及び3項)、医療関係者に対する医療等を行うべきことの指示(31条3項)、指定公共機関に対する総合調整に基づく措置の実施の指示(33条 1項)、多数の者が利用する施設の使用制限等の指示(45条3項)、緊急物資等の運送・配送の指示(54条3項)という強制力や強い拘束力を伴う広汎な人 権制限が定められている。

このような人権制限は、その目的達成のために必要な最小限度にとどめられなければならないことはいうまでもないが、本法案においては、その必要性の科学的根拠に疑問がある上、人権制限を適用する要件も、極めて曖昧である。

すなわち、本法案の多くの人権制限の前提となる「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」の要件は、「新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大 な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章において同じ。)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延に より国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態」とされ、具体的要件は政令に委任し、法 律上は抽象的な定めがなされるにとどまっている。政府の新型インフルエンザ対策行動計画(2011年9月20日)によれば、新型インフルエンザの被害想定 の上限値は、受診患者数2500万人、入院患者数200万人、死亡患者数64万人という極めて大規模なものとされ、このような被害想定が、『万が一に備え る』との考え方により安易に用いられれば、本法案の上記要件を充足するものとたやすく判断されてしまうおそれがある。そもそも、この被害想定は、1918 年(大正7年)に発生したスペインインフルエンザからの推計であるが、当時と現在の我が国の国民の健康状態、衛生状況及び医療環境の違いは歴然としてお り、こうした推計に基づく被害想定が科学的根拠を有するものといえるのか疑問である。

また、新型インフルエンザ等緊急事態宣言に当たり定められる緊急事態措置の実施期間の上限を2年(32条2項)とし、更に1年の延長が可能としている(同 条3項)ことは、その人権制限の内容に照らして、長きに過ぎる。宣言後に緊急事態措置を実施する必要がなくなったときには速やかに解除宣言をするとされて いるが(同条5項)、これらの判断を政府に委ねるのみでは全く不十分である。新型インフルエンザ等緊急事態宣言には国会の事後承認を要するものとするとと もに、期間の上限はより短いものとし、国会の事前承認を延長の要件とすべきである。

さらに、個別の人権制限規定にも、多くの問題がある。

特に、多数の者が利用する施設の使用制限等(45条)は、集会の自由(憲法21条1項)を制限し得る規定であるが、その要件は、「新型インフルエンザ等の まん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるとき」(45条2項)という抽象的かつ 曖昧なものであり、その対象も、「政令で定める多数の者が利用する施設」とされているのみで、極めて広範な施設に適用可能な規定となっている。

他方で、一時的な集会などを制限することが感染拡大の防止にどの程度効果があるのかについては十分な科学的根拠が示されておらず、効果が乏しいとの意見も あるところであり、制限の必要性にも疑問がある。そのため、感染拡大の防止という目的達成に必要な最小限度を超えて集会の自由が制限される危険性が高い。

また、指定公共機関に対する総合調整に基づく措置の実施の指示(33条1項)は、日本放送協会(NHK)が指定公共機関とされ(2条6号)、民間放送事業 者も政令により指定公共機関とされ得る(同号)ことから、これら放送事業者の報道の自由(憲法21条1項)を制限し得る規定であるが、その要件である「第 20条第1項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合」にいう総合調整の内容は全く不明確であり、また、なし得る指示の内容についても、「必要な 指示をすることができる」とされ、具体的な限定は全くなされていない。表現の自由に対する規制が可能な条文としては、曖昧に過ぎるといわざるを得ない。む しろ、本法案の適用により国民の人権が広範囲に制約されることに鑑みれば、法適用の根拠及び各措置の結果等については随時全面的に情報開示を行い、専門家 らを含む第三者が広く検証できるようにすべきである。

当連合会は、去る3月2日の会長声明で、 本法案に先立って公表された「新型インフルエンザ対策のための法制のたたき台」に対し、2009年に発生したA型H1N1型インフルエンザに対し、その危 険性が不明な時点で「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」上の「新型インフルエンザ等感染症」に該当するとし、その危険性が季節性イ ンフルエンザと同程度であることが判明した後も適用を続けられたという経緯にも鑑み、新型インフルエンザ特措法についても、その拡大適用が懸念されること を指摘して、慎重な検討を求め、性急な立法を目指すことに反対を表明した。しかるに、本法案は、上記のとおり、科学的根拠に疑問がある上、人権制限を適用 する要件も極めて曖昧なまま、各種人権に対する過剰な制限がなされるおそれを含むものである。

よって、当連合会は、本法案に反対の意を表明する。


2012年(平成24年)3月22日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児





(転載終わり)  

(日本ペンクラブ)「新型インフルエンザ特措法」に反対する緊急声明(2012年3月30日) http://www.japanpen.or.jp/news/cat90/post_292.html(2012年5月1日閲覧)(全文転載)

●「新型インフルエンザ特措法」に反対する緊急声明

「新型インフルエンザ特措法」に反対する緊急声明

 政府は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を三月六日に閣議決定し、今国会での成立をめざしています。
  しかし、その内容は、感染症対策に名を借り、国民の基本的人権、移動や集会の自由、言論・表現の自由を一方的に制限するなど、あまりに重大な問題を含んで います。要綱段階で出された反対意見を踏まえ、法案では一部文言の修正がはかられましたが、法案が有する問題点はまったく解消されていません。
  例えば、同法案は、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの流行を確認した場合、首相が緊急事態宣言を発することができるとし、都道府県知事に対し て、住民の外出制限、公共・商業施設の使用制限、集会等の中止を求める権限を与えています。さらに、住民に対して強制的な予防接種も行えるとしています。
 これは、事実上、超法規的な戒厳令であるにもかかわらず、この発動の要件は政令で定めるとされており、厚生労働省の一部の決定のみで私たちの生存と権利と自由を制限することを可能としています。
  新型インフルエンザへの対応は不可欠ですが、誰もが当事者となりうる事態に冷静に対処するためには、危険性の実態や進行の段階、その対処の仕方など、確実 で透明性の高い情報の公開が必要であることは、先の福島第一原発事故の教訓であったはずです。その際に見せた〈政〉と〈官〉の不手際を検証もせず、いたず らに危機感をあおり、危機管理対策のみを突出させた本法案を制定することは、新型インフルエンザの対策にならないばかりか、民主主義の諸原理を蹂躙するも のと言わざるを得ません。
 日本ペンクラブは、政府がこの法案を撤回し、国民が新型インフルエンザ対策として熟議し、合意形成できる内容に根本的に改めるよう、強く要望します。
  
                                             ニ〇一ニ年三月三〇日
                 日本ペンクラブ会長 浅田次郎
(転載終わり)

 (日本医学会)「新型インフルエンザ等対策特別措置法案に慎重な審議を求めます」(2012年4月10日) http://jams.med.or.jp/news/024.html (2012年5月1日閲覧)(全文転載)

平成24年4月10日
日本医学会長
髙久 史麿

新型インフルエンザ等対策特別措置法案に慎重な審議を求めます

新型インフルエンザ等対策特別措置法案が国会で審議中ですが、法の整備に十分な議論を尽くされますようお願いいたします。
本法律案は、病原性が高い新型インフルエンザや同様な危険性のある新感染症に対して、2009年のパンデミックインフルエンザの教訓も踏まえ、必要な法 制を整えておくために、政府行動計画等の策定、政府対策本部の設置等の措置、さらに新型インフルエンザ等緊急事態における特別な措置を定め、国民の生命お よび健康を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的としたもの、とされています。
1918年から1919年に流行が始まり、世界中で4,000万人の生命を奪ったとされるスペイン風邪(インフルエンザ)や2003年に突然発生した重 症急性呼吸器症候群(SARS)等、社会へ破壊的な影響をもたらす新たな感染症は歴史上の大きな教訓であり、決して備えを怠るべきではありません。一方、 2009年のパンデミックインフルエンザは、比較的病原性の低いウイルスだったという幸運もありましたが、治療法の進歩や我が国の医療制度、医療現場の卓 越性も大きな役割を果たしました。法制度の整備の前提として、広く国民的な議論が必要だと考えます。
本法案に対しては、日本弁護士連合会長が懸念を表明されております。広く国民の議論を踏まえた上で慎重な審議、熟議を尽くして頂きますようお願い申し上げます。

(転載終わり)

【関連ブログ】

塩川鉄也 「【内閣委員会】新型インフル特措法可決/慎重審議と国民的議論を」 (2012-03-28)http://www.shiokawa-tetsuya.jp/modules/kokkai/index.php?id=75(2012年5月2日閲覧)

はたともこ 新型インフルエンザ等対策特別措置法成立 ~参考人質疑と法案審査で質問~ (2012年04月29日) (2012年5月2日閲覧)

木村盛世オフィシャルWEBサイト 「新型インフルエンザ等対策特別措置法案は有害無益(他)」 http://www.kimuramoriyo.com/25-swine_influenza/20120316.html (2012年5月2日閲覧)

Sunday, April 29, 2012

II.A.14.世界版SPEEDI試算未公表問題―責任を押し付けあう


(時事ドットコム)「ヨウ素10兆ベクレル」未公表=世界版SPEEDI試算-文科省、安全委連携不足(2012/04/03-12:49)http://www.jiji.com/jc/zc?k=201204/2012040300430 (2012年4月29日閲覧)(全文転載)

 東京電力福島第1原発事故で、昨年3月15日、放射性物質の拡散予測データ「世界版SPEEDI」の試算結果で、千葉市内で計測されたヨウ素を基に推計 した同原発からの放出量が毎時10兆ベクレルという高い値が出ていたにもかかわらず、文部科学省と原子力安全委員会の間で十分な連携が取られず、現在も公表されていないことが3日、分かった。

 文科省や安全委によると、世界版SPEEDIは放出される放射性物質の拡散状況を半地球規模で予測するシステム。日本原子力研究開発機構が同システムを運用しており、昨年3月も文科省の依頼を受け、試算を行っていた。

 それによると、昨年3月14日午後9時ごろに福島第1原発から放出されたヨウ素の量は毎時10兆ベクレル、セシウム134、137もそれぞれ同1兆ベクレルと推計された。

  この試算データの評価について、文科省は安全委の担当と判断し、同16日に安全委へデータを送るよう同機構に指示した。同機構はメールに添付して送信した が、安全委は重要情報と認識せず、放置したという。同様にデータを受け取っていた文科省も、安全委に公表するよう連絡しなかった。(2012/04 /03-12:49)

(転載終わり)

(東京新聞)世界版SPEEDI 「全部公表」データに穴 (2012年4月3日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012040302000142.html (2012年4月29日閲覧)(全文転載)

 写真

 東京電力福島第一原発事故の際、文部科学省の依頼で日本原子力研究開発機構(原子力機構)が放射性物質の拡散を予測した「世界版 (W)SPEEDI(スピーディ)」の試算結果の一部が、一年以上たった今も公開されていないことが分かった。緊急時に原発周辺への拡散を予測する国内版 の「SPEEDI」と同様に公表対象だが、試算結果が原子力安全委員会に送られたため、依頼主の文科省と安全委のどちらが公表するか宙に浮いたままになっ ている。

 未公表となっているのは、東日本大震災から五日目の昨年三月十五日に行われた試算結果。本紙が独自に入手した原子力機構の説明書によると、千葉市で観測された放射性物質の濃度を基に、WSPEEDIを使い一時間当たりの放出量を推定した。

 試算によると、千葉で観測された放射性物質は三月十四日午後九時ごろに放出され、濃度はヨウ素が毎時一〇テラベクレル(一テラは一兆)だった。十五日朝に房総半島まで広がったとみられる。原子力機構は添付文書に「計算の精度は比較的高い」と記している。

 濃度はピーク時の千分の一程度だった。

 文科省によると、この試算の翌日の十六日に官邸で放射線モニタリングに関する省庁間の協議があり、測定値の評価は安全委が担当することに決まっ た。WSPEEDIなどへの言及はなかったが、同省はそれらの運用も安全委の担当になったと解釈。試算結果を同省でなく、安全委に送るよう原子力機構に指 示した。

 原子力機構は、その日のうちにメールで安全委に送付。しかし、文科省と安全委の間の連絡が不十分で、昨年五月に文科省がWSPEEDIの試算結果をホームページで公表した際は、双方ともこの試算結果の存在に気付かなかったという。

 安全委は当初、本紙の取材に「結果は届いていない」と回答したが、その後、担当者のパソコンに届いていたことが分かった。

 政府は結果を公表する方針だが、文科省、安全委とも「自らが発表する立場ではない」と主張。互いに公表の責任を押しつけ合う事態になっている。

 放射性物質の拡散予測をめぐっては、文科省などが事故直後からSPEEDIで試算を重ねながら結果を公表せず、批判を招いた。昨年五月に政府は全面公開を表明。文科省はWSPEEDIの結果もSPEEDIに準じて、すべて公表したと説明していた。

 政府はSPEEDIについて「計算条件を設定した機関が公表する」としており、これに従えば文科省が公表することになる。

(転載終わり)

(東京新聞)世界版拡散予測 未公表さらに1500枚(2012年4月28日 夕刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042802000234.html (2012年4月29日閲覧)(全文転載)

 東京電力福島第一原発事故の際、広範囲の放射性物質拡散を予測する「世界版(W)SPEEDI(スピーディ)」の試算結果に公表漏れがあった問題 で、さらに千五百枚近い拡散予測図が未公表になっていたことが分かった。WSPEEDIを運用する日本原子力研究開発機構(原子力機構)から、原子力安全 委員会と文部科学省に同時に送られていたが、両者の間で十分な連携が取られず、宙に浮いた形になっていた。

 安全委は二十七日深夜、ホームページ(HP)に未公表分をすべて掲載した。

 公表されたのは、昨年三月十六日から四月八日にかけて福島第一から毎時一~五ベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した放射性物質拡散の予測図などで計千四百六十四枚。

 安全委は「事故でのWSPEEDIの活用は文科省の指示で始まった」とし、予測図は本来は文科省が公表すべきものだと主張してきた。今回の公表について「事故時の放射性物質の総放出量推定で予測図の一部を活用した経緯もあり、この推定の説明性をさらに高めるための資料として公表に踏み切った」とし ている。

 原子力機構は、事故後の昨年三月十四日からWSPEEDIの運用を開始。当初は文科省の依頼を受けて試算を続けていたが、同省は二日後の十六日、 省庁間の仕分けで、放射線モニタリングの評価は安全委の担当になったとして、試算結果を安全委に送るよう原子力機構に指示した。

 これを受けて、原子力機構は十六日以降、試算した予測図を安全委に送ったが、文科省にも送り続けた。

 安全委は文科省から一方的に予測図が送られ引き継ぎが不十分だったとも主張。経緯を示すため予測図とともに同省から安全委と原子力機構に送られた電子メールも公表した。

 WSPEEDIの予測図などは、国内版SPEEDIと異なり、政府としてすべて公表することは決めていなかった。ただ、文科省は全面公開したSPEEDIに準じる形で昨年五月、自ら原子力機構に試算を依頼した分を公表していた。

 大量の予測図が未公表になっていたことについて、文科省の担当者は「われわれが試算を依頼したものではなく、省としての公表対象には当たらない」としている。

<世界版SPEEDI(WSPEEDI)> 国内だけでなく世界の原発事故などによって放出される放射性物質の拡散状況を気象データなどを基に計算 して予測するシステム。旧ソ連チェルノブイリ原発事故を受け、日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)が1987年に開発に着手し、2009年に完 成した。100キロ~地球の半分程度まで広域に試算できる。SPEEDIの試算範囲は最大100キロ。

(転載終わり)

【一次資料】

原子力安全委員会 「東京電力福島第一原子力発電所事故に関するW-SPEEDIによる試算結果の公表について」(平成24年4月27日) http://www.nsc.go.jp/jaea_wspeedi/index.html (2012年4月29日閲覧)

文部科学省 原子力安全課 原子力防災ネットワーク  「WSPEEDIについて」 
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030108.html (2012年4月29日閲覧)

【関連ブログ】

【Peace Philosophy Centre】4月中旬、NHKに一瞬映った 「WSPEEDI」 3月15日被ばく予測マップ→5月18日NHKから返信、4月4日のニュースと確認 (2011年5月16日) http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/05/blog-post_16.html (2012年4月25日閲覧)

Saturday, April 28, 2012

XIII.16.『脱原発をめざす首長会議』が発足(4月28日)

2012年4月28日、城南信用金庫本社で、 『脱原発をめざす首長会議』設立総会と記者会見が行われた。

以下、設立趣旨などをレイバーネットの「28日に『脱原発をめざす首長会議』設立総会&記者会見」のページから転載。http://www.labornetjp.org/news/2012/1335493991923staff01

本年1月、パシフィコ横浜で開催しました「脱原発世界会議」がきっかけとな
り、脱原発を目ざす首長のネットワークが結成されることになりました。
全国35都道府県の69名の市区町村長(うち元職6名)が会員参加を表明されてお
り、4月28日の設立総会には会員参加希望の約半数の首長が参加されます。
顧問には超党派の国会議員の方々や佐藤栄作久元福島県知事にご就任いただきま
した。また、総会当日はゲストとして「エネルギーから経済を考える経営者ネッ
トワーク会議」代表の鈴木悌介世話役代表からご挨拶をいただき、韓国ソウル市
長や菅直人前首相からの賛同メッセージもご紹介します。会場が金融機関となる
ため、一般の公開はしておりません。会議の模様は13時より下記のUstreamでご
覧頂けます。是非、ご覧ください。  
ISEP      :http://www.ustream.tv/channel/isep
IWJチャンネル4 : http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi4

               「脱原発を目ざす首長会議」事務局 野平
                E-mail:mayors@npfree.jp
 
***********
 
(設立趣旨)
  3.11東日本大震災からはや1年が経ちます。あまりにも多くの犠牲を生
んでしまった震災は、全国民のみならず世界中に深い悲しみと同時に恐怖を与え
ました。特に福島第一原発のメルトダウン事故は、放射能汚染による広範で長期
的な健康、環境被害をもたらし、原発の安全神話は完全に崩壊しました。さら
に、これまで原発を推進してきた理由である「クリーンなエネルギー」、「経済
的なエネルギー」は全く根拠のないものであり、むしろ地域経済を破壊しただけ
でなく信頼の上に成り立ってきた日本の経済をも揺るがしかねないものであるこ
とも分かってきました。
  3.11以後頻発する地震により、大震災予測は前倒しの可能性ありと報告
もある中、原発立地自治体は言うに及ばず、近隣自治体も一刻も早く原発依存の
エネルギー政策について、決断をせざるを得ない事態に至っています。
  
  何より、自治体首長の第一の責任は「住民の生命財産を守る」ことです。
   今回の福島第一原発事故で学んだことは、たとえ経済効果が期待されるとし
ても、リスクの大きい政策は大きな犠牲を払う可能性の覚悟がいるということで
す。しかし、住民の犠牲の上に経済が優先されていいわけがありません。
  そして、子どもの生涯にわたる健康不安をもたらすようなものは、決して取
り扱ってはいけないということです。なぜなら、子ども達は私たちの未来であ
り、全ての子どもは、健やかに生きる権利を持っています。私たち大人は、自治
体は、子ども達の生存権を保障する義務があるからです。
  現状救済のため、市民が立ち上がり、地方議員もそれぞれネットワークを作
りながら活発な活動が始まっています。

  自治体の首長も自らの責任として、この事態に黙することなく、原発に依存
しない社会「脱原発社会」をめざし、すみやかに再生可能なエネルギーを地域政
策として実現することを積極的に進めていかなければなりません。
  また、福島原発事故による放射能汚染の問題は、日本全体が負わなければな
らない問題です。特に、放射能汚染にさらされた子ども達、汚染の中で生き続け
なければならない子ども達を支え続けることも日本全体の責任です。

  これらの自治体に課せられた重い課題を、効果的かつ実行力ある政策に変え
ていくため、首長がゆるやかなネットワークを組みながら、力を合わせて自立し
た地域づくりを進めるために、「脱原発をめざす首長会議」を設立します。
 取材にお越しいただき、報道していただけると幸甚です。
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(活動目的と取り組むテーマ) 
・新しい原発はつくらない
・出来るだけ早期に原発をゼロにする
 (1)原発の実態を把握する(原価、核燃料サイクル、最終処分場等)
 (2)原発ゼロに至るまでのプログラムを明確にする
 (3)地域での再生可能なエネルギーを推進する具体政策を作る
 (4)世界との連携による情報を共有する
 (5)子どもの避難や、安全な食品の提供などの支援をする
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(呼びかけ人)
石井俊雄(長生村長) 石井直樹(下田市長)  上原公子(元国立市長)
加藤憲一(小田原市長)桜井勝延(南相馬市長) 笹口孝明(元巻町長)
鈴木健一(伊勢市長) 鈴木望(元盤田市長)  田中勝已(木曽町長)
田村典彦(吉田町長) 根本良一(元矢祭町長) 保坂展人(世田谷区長)
松本昭夫(北栄町長) 三上元(湖西市長)   村上達也(東海村長)

(顧問)
石田三示(新党きづな 衆議院議員)    江田憲司(みんなの党 衆議院議員)
河野太郎(自民党 衆議院議員)        佐藤栄佐久(前福島県知事)
志位和夫(日本共産党 衆議院議員)    篠原孝(民主党 衆議院議員)
田中康夫(新党日本 衆議院議員)      福島瑞穂 (社民党 参議院議員)
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(お問い合わせ)
脱原発をめざす首長会議事務局
TEL:03-6851-9791, FAX:03-3363-7562, E-mail:mayors@npfree.jp 
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【設立総会の動画】

脱原発をめざす首長会議 設立総会 1/3  http://www.ustream.tv/recorded/22179359
13:00~13:25 総会開会
世話人、事務局長挨拶      
13:25~14:15 顧問、ゲスト挨拶&首長挨拶14:15~14:25 韓国首長ビデオメッセージ 14:25~14:55 記念講演会
『脱原発社会~地方自治体の可能性と役割~』
飯田哲也(ISEP/環境エネルギー政策研究所所長)
15:00~15:10 休憩


脱原発をめざす首長会議 総会 2/3 http://www.ustream.tv/recorded/22181702
2012/4/28 15:10~15:50
脱原発をめざす首長会議 総会


脱原発をめざす首長会議 総会 3/3 http://www.ustream.tv/recorded/22182505
桜井勝延南相馬市長
村上達也東海村村長 など

【関連報道】

(東京新聞)脱原発 政府に要求 首長会議、初会合 (2012年4月29日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042902000079.html (2012年4月29日閲覧)(全文転載)

 原発ゼロ社会の実現を掲げ、「脱原発をめざす首長会議」が二十八日、旗揚げした。東京都品川区の城南信用金庫本店で設立総会を開き、住民の生命と 財産を守るため、新たな原発は造らせず、原発のない社会を実現する決意を表明した。全国の地方自治体のトップが足並みをそろえ、政府に国の原子力政策の転 換を迫る考えだ。 

 この日までに三十五都道府県の首長や元首長計七十人が会員になり、設立総会には二十二人が出席した。

 設立総会では、政府に対し関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)などを拙速に再稼働せず、地元自治体・住民の合意形成を求め、 新しいエネルギー基本計画で原発ゼロを決定するよう求める決議を全会一致で可決した。今後は年二回、情報交換会や勉強会を開き、政府に政策を提言していく。

 発端は、今年一月、横浜市で開催された「脱原発世界会議」で、三上元(はじめ)静岡県湖西市長と上原公子元東京都国立市長が意気投合し、設立を決 断。日本原子力発電東海第二原発を抱える茨城県東海村の村上達也村長、東京電力福島第一原発事故で大規模な住民避難を強いられた福島県南相馬市の桜井勝延 市長らが呼び掛け人を務め、準備を進めてきた。先月末、全国約千七百の市区町村長に設立趣旨を郵送し、参加を呼び掛けた。

 設立総会で、三上、桜井両市長、村上村長を世話人に選出し、福島県の佐藤栄佐久前知事、与野党の国会議員が顧問に就任した。

 総会後の記者会見で村上村長は「首長たちは強い意志を持って会議に臨んだ。世界的にもインパクトのある画期的な会議。われわれは脱原発を選択したことに自信を持っていい」と力を込めた。
(転載終わり)

(西日本新聞)脱原発へ首長結束 「めざす会議」設立、九州からも12人2012年4月29日 00:34)http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/299696 (2012年4月29日閲覧)(全文転載)

 政府が原発再稼働への動きを本格化させる中、「脱原発をめざす首長会議」の設立総会が 28日、東京都内で開かれた。会員は原発が立地する茨城県東海村の村上達也村長を含む36都道府県の市区町村長70人(元職6人含む)。九州からも12自 治体の首長が名を連ねる。総会では「首長は住民の生命と財産を守る責任がある」との発言が相次ぎ、国任せではなく、自治体からエネルギー政策を提言するこ となどを確認した。

 総会には会員の首長21人や自治体職員を含む約200人が出席。呼び掛け人の静岡県湖西市の三上元市長は「原発は地震や津波に耐えられない、極めて危なっかしいものだ」と指摘。「この会議が(脱原発へ)政党の肩を押してあげないといけない」と呼び掛けた。

 東海第2原発を抱える村上村長は、原発立地自治体では唯一の会員。「他の首長が参加しない中で、ちゅうちょもあった」と明かした上で「長年、原発と共存してきた東海村だが見切りをつける時だ。設立は歴史的に意味がある」と強調した。

 総会では、政府が再稼働に同意するよう地元自治体に要請している関西電力大飯原発3、4号機について「拙速な再稼働」に反対する決議と、政府が検討している新しいエネルギー基本計画に原発ゼロを盛り込むよう求める決議を採択した。

  出席者に九州の首長の姿はなかったが、佐賀県小城市の江里口秀次市長は「ひとたび原発事故が起きれば手に負えない事態になることが今回の事故で分かった」 と会員になった理由を説明。熊本県山江村の横谷巡村長は「保守とか革新とかではなく全首長が真剣に脱原発を考えるべきだ」と話した。

=2012/04/29付 西日本新聞朝刊=

(転載終わり)
 
【動画】(TBSNews)「脱原発を目指す首長会議」設立総会(28日17:13)http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5015703.html(2012年4月28日閲覧)

  原発に依存しない社会を目指そうという呼びかけに応じた全国69の市町村のトップらが「脱原発を目指す首長会議」というネットワークを結成し、28日、都内で設立総会を開きました。

「地震、津波に耐えられないどころか、極めて危なっかしいものが存在している」(三上元湖西市長)

「脱原発を目指す首長会議」は、福島第一原発から20キロ圏にある南相馬市の市長や、東海第二原発を抱える東海村の村長などが中心となって、原発に依存せずに再生可能エネルギー政策を進めようと呼びかけた会議です。

呼びかけには69人の首長や元首長らが応じたほか、顧問として超党派の国会議員らも名を連ねています。再稼働問題で揺れる大飯原発からおよそ50キロの京都府京丹後市長も次のように挨拶しました。

「原発のない社会を作っていく、この趣旨には大賛成。(原発のない)社会を早く実現したい」(中山秦京丹後市長)

(転載終わり)
 
(東京新聞) 脱原発 「国に任せられぬ」 首長会議きょう発足 村上・東海村村長
(2012年4月28日 07時02分) http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042890070238.html (2012年4月28日閲覧)(全文転載)

首長会議の役割と脱原発への思いを語る村上達也村長=茨城県東海村で(林容史撮影)

写真
原発再稼働へと政府が大きくかじを切る中、原発ゼロを訴え、「脱原発をめざす首長会議」が二十八日、東京都内で発足する。原発立地自治体の中で唯 一の会員で、全国の首長に参加を呼び掛けてきた茨城県東海村の村上達也村長(69)は、本紙のインタビューに「住民の命と財産に及ぶ政策を国だけに任せて おくわけにはいかない。首長会議は、政治にインパクトを与えるはず」と意欲を語った。 (林容史)

首長会議には、三十五都道府県の首長・ 元首長六十九人が会員として名を連ねる。二十八日の設立総会には、顧問の佐藤栄佐久前福島県知事ら三十四人が出席する予定だ。「これだけの首長が顔をそろ え、国にものを言えば大きな影響力を持つ。新しい地方主権、民主主義の動きだ」と村上氏は力説する。

◆政府は世論を読めていない

東海村は東海第二原発(日本原子力発電)を抱え、東日本大震災では、自身もあわやの危険を感じた。いまの国の動きは、なし崩し的に原発を再稼働しようとしているようにしか見えない。「政府は一年以上たっても脱原発の世論が読めていない」といら立ちを隠せない。

設立総会では、自らの思いも発表するつもりだ。「福島の原発事故の被害の実態を見てください。なぜ脱原発にならないのか、私は不思議に思う」。故郷に戻れ ない被災者のこと、魚や野菜など農産物を出荷できず死活問題に直面している人が多数いること。放射能被害の天文学的数字と底なしの不安。「人口が密集する この狭い国土に、原発を持つということについて真剣に考える必要がある。これは目先の利益ではなく、われわれ日本人の品格にかかわる問題だ」と訴える。

東海村では一九九九年、核燃料加工工場ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で国内初の臨界事故が発生。村上氏は村長として国や県の対応を待たず、いち早く住民を避難させるため陣頭指揮を執った経験がある。

目に見えない放射能の恐怖を身をもって知ったが、それでも「国策」である原子力政策に異を唱えることはできなかった。それは国に真っ向から歯向かうことを意味したからだ。まして、原子力の恩恵でうるおってきた自治体の長が唱えれば、異端として排除されかねなかった。

しかし、東京電力福島第一原発事故がすべてを一変させた。

昨年十二月、首長会議の設立を準備していた静岡県湖西市の三上元市長が訪ねてきた。「一緒にやろう」との誘いを快諾した。「原発が立地する市町村の住民の中には、いろいろな利害関係はあるが、福島原発事故を経験し、たじろいでいる場合ではなかった」と振り返る。

これからは「脱原発依存」を言いながら、具体的な道筋を示せない政府を、首長会議として脱原発へと後押ししていく考えだ。

◆全基の廃炉へ 国有化要請も

村上氏は「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協)の副会長を十四年以上務めてきたが、五月に都内で開かれる総会で、職を辞すという。「全原協は、 電源交付金を要求しながら、経済産業省と一体となって原発を推進してきた。福島原発事故を防げなかったことに副会長として責任を感じる」と打ち明ける。

全原協の総会の場では、枝野幸男経済産業相に、持論をまとめた「脱原発依存のための制度設計」を突き付け、電力業界にメスを入れて、国内の全原発を将来的な廃炉に向けて国有化するよう迫るつもりだ。
(東京新聞)

(転載終わり)

(東京新聞)脱原発 首長スクラム(2012年4月6日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012040602000115.html (2012年4月28日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第一原発事故を受け、脱原発を宣言する自治体の首長ら十五人の呼び掛けで「脱原発をめざす首長会議(仮称)」が設立されることが分 かった。全国自治体の首長に参加を呼び掛け、設立総会を二十八日に東京都内で開く。脱原発を掲げる城南信用金庫の本店(品川区)が会場になる。

新たな原発は造らせず、早期に原発ゼロ社会を実現するのが目的。今年一月、横浜市で開かれた「脱原発世界会議」に出席した静岡県湖西市の三上元市長(現職)と東京都国立市の上原公子元市長が「継続的な首長のネットワークを」と意気投合し、設立準備を進めてきた。

日本原子力発電東海第二原発のある茨城県東海村の村上達也村長、福島原発に近い福島県南相馬市の桜井勝延市長らが賛同し、呼び掛け人に加わった。 うち十一人が現職の首長。さらに福島県の佐藤栄佐久前知事、自民党の河野太郎衆院議員、民主党の篠原孝衆院議員、社民党の福島瑞穂党首らが顧問に就任する。

設立趣意書では、事故で「原発の安全神話は完全に崩壊した」と断じ、「住民の犠牲の上に経済が優先されていいわけがない」と主張。その上で「黙することなく原発に依存しない社会を目指し、再生可能なエネルギーを地域政策として実現させなければならない」と訴えている。

年二回、情報交換会や勉強会を開き、原発ゼロに向けたプログラムや再生可能エネルギーを導入する具体的施策を練る。先月末、全国約千七百の市区町村長に参加を呼び掛ける案内状を郵送した。

三上市長は「脱原発に向け、一年前から首長の会をつくらなければと思い続けてきた。住民の生命と財産を守るのが首長の責務。生きているうちに原発ゼロを実現したい」と決意を述べている。
(転載終わり)


【関連リンク】

茨城県東海村の村上達也村長が脱原発を発信 http://johosousa.blogspot.com/2012/02/blog-post.html

「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」HP http://npfree.jp/  

Wednesday, April 25, 2012

II.A.13.SPEEDIデータ非開示、福島県が2012年3月になって調査、削除を認める

東京電力福島第1原発事故の発生直後、政府や福島県は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEEDI)による拡散予測の情報を提供しなかった。そのため、浪江町民は知らずに放射線量の高いところへと避難し、原発から北西へ約40キロ離れているが風向きのせいで高放射線量になった飯舘村では、その事実を知らされず、4月になるまで全村避難は行われなかった。だが、放射線拡散の実態が明らかになり、SPEEDIの予測がかなり正確だったことがわかるにつれ、これらの人たちがしなくてもいい被曝をさせられたことが明白となり、SPEEDIのデータを出さなかった政府や県に対する批判が高まった。(その一方で、政府は、米軍にはいち早くデータを提供していた。)

この問題について、福島県は昨年5月、「SPEEDIのデータは3月13日に経済産業省原子力安全・保安院からファクスで受け取ったのが最初で、メールは同月15日に受信した」 と県議会で答弁していた。直後に政府が「3月12日深夜に県災害対策本部に送信した」と国会で答弁し、今年3月には県のデータ消去が明らかになった。

昨年5月時点で県と国の見解が異なっていたにもかかわらず、県は今年3月まで詳細な調査に着手しなかった。4月20日に福島県が発表した調査結果によると、県災害対策本部は昨年3月12日深夜~16日朝、計86通のメールデータを受信した。このうち21通がUSBメモリーや印刷物で保管されたが、残り65通は消去された。 消去の原因について(1)データの取り扱いマニュアルがなかった(2)事故直後で指揮命令系統が混乱した(3)他のメールの受信容量を確保しようとした-ことを挙げている。

(福島民友ニュース) 国、県を刑事告発も SPEEDI活用せず住民被ばく (2012年4月12日) http://www.minyu-net.com/news/news/0412/news8.html (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第1原発事故の発生直後、国や県が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEEDI)による拡散予測の情報を的確に提供しなかった問題で、誤った判断で避難に混乱を生じさせ多くの町民が被ばくしたとして、浪江町が国と県を刑事告発する方向で検討していることが11日、分かった。馬場有町長は「被ばくによる将来の健康被害の不安を考えれば、今の段階で国と県の責任を明確にす る必要がある」としている。

町によると、法律の専門家の助言を受け5月以降に結論を出す方針。罪名は「業務上過失致傷など」(町幹部)を検討。馬場町長は「現時点でも国や県は加害者意識が欠落している」と厳しく批判している。
(2012年4月12日 福島民友ニュース)

(転載終わり)

(毎日新聞) 浪江町長:SPEEDIデータ非開示で国担当者の告発検討(2012年04月11日20時17分(最終更新 04月11日20時20分))http://mainichi.jp/select/news/20120412k0000m040057000c.html (2012年4月25日閲覧)(全文転載)



馬場有町長=田辺佑介撮影
馬場有町長=田辺佑介撮影
東京電力福島第1原発事故で「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)のデータなどを開示 しなかったため、適切な避難指示を町民に出せず79人の災害関連死を招いたとして、福島県浪江町の馬場有町長が業務上過失致死容疑で国担当者の告発を検討 していることが分かった。

SPEEDIデータを消去した県側も告発対象とすることを含め支援の弁護士らと検討しており、5月中旬までに告発内容を決める方針。馬場町長は「当時の実態や責任の所在を公正な場で明らかにしなければ教訓にならない」と語った。

町役場や町民は事故直後の11年3月12日、原発の北西約30キロの同町津島地区へ、15日にはさらに遠くへ避難。情報過疎のため指示は混乱し、15回近く避難を繰り返した町民もいる。馬場町長は、その負担が関連死の一因だと主張している。

国・県からは▽放射性物質の拡散予測▽地上で実測した放射線量▽事故状況−−の連絡がなく、SPEEDIデータは3月下旬、線量は4月上旬に伝えられた。津島地区が町内でも特に高線量だと初めて分かったという。【泉谷由梨子】

(転載終わり) 

(河北新報)SPEEDI 県、データ消去謝罪 伝達・共有態勢に不備2012年04月21日) http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120421t61011.htm (2012年4月25日閲覧)(全文転載)(太字強調は投稿者による)

記者会見で謝罪する荒竹部長(中央)ら=20日午後、福島県庁
福島第1原発事故直後に原子力安全技術センターからメール送信された緊急時迅速 放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータを福島県が消去した問題で、県は20日、データの伝達、共有態勢に不備があり、事実経過の確認も怠ったとする調査結果を公表し、謝罪した。関係職員の処分を検討している。

調査結果によると、県災害対策本部は昨年3月12日深夜~16日朝、計86通のメールデータを受信した。このうち21通がUSBメモリーや印刷物で保管されたが、残り65通は消去された。

消去の原因について(1)データの取り扱いマニュアルがなかった(2)事故直後で指揮命令系統が混乱した(3)他のメールの受信容量を確保しようとした-ことを挙げている。

県は昨年5月、「SPEEDIのデータは3月13日に経済産業省原子力安全・保安院からファクスで受け取ったのが最初で、メールは同月15日に受信した」 と県議会で答弁した。直後に国が「3月12日深夜に県災害対策本部に送信した」と国会で答弁し、ことし3月には県のデータ消去が明らかになった。

昨年5月時点で県と国の見解が異なっていたにもかかわらず、県はことし3月まで詳細な調査に着手しなかった。

荒竹宏之県生活環境部長は記者会見し、「県民の不信と疑念を増幅した」と陳謝。データの消去や非公表が住民避難の遅れにつながったかどうかについては「国会や政府の事故調査委員会の検証結果が出るまで断言できない」と述べた。

(転載終わり)

(東京新聞)拡散予測 福島県が削除謝罪(2012年4月21日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042102000101.html (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第一原発からの放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果が、地元自治体 に伝わらなかった問題で、福島県は二十日「指揮命令系統が混乱し、組織内で適切な情報共有ができなかった。電子メールの受信容量を確保するためデータを削 除した」との検証結果を明らかにした。県はこの日、事故で全町避難した同県浪江町に謝罪、結果を報告した。

県によると、試算は昨年三月十二日午後十一時五十四分から同十六日午前九時四十五分までにメール八十六通を原子力安全技術センター(東京)から受信。USBメモリーなどで保管していたのは二十一通で、残り六十五通はデータを消去していた。

原因は(1)県災害対策本部でメールの取り扱いが明確に定められていなかった(2)情報共有が徹底されていなかった(3)メールの受信容量を確保するため情報を削除した-としている。

同県二本松市にある浪江町役場の移転先を訪問した荒竹宏之県生活環境部長は「データの管理がずさんで、これまで詳細な調査を怠ったことはおわびを するほかない」と陳謝。馬場有浪江町長は「われわれの命をどう思っているのか。とんでもない危機管理の欠如だ」と怒りをあらわにした。
SPEEDIをめぐっては、浪江町が「試算結果が伝わらなかったことで無用の被ばくをした」として、国や県に対する告発を検討している。

(転載終わり)

【動画】(NHK)浪江町長 国会事故調で政府を批判(4月21日 18時42分)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120421/k10014618501000.html (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

原発事故の影響で町全域が避難区域に指定されている福島県浪江町の馬場有町長は、福島県で開かれた国会の原発事故調査委員会に参考人として出席し、原発事故による避難指示について、政府から連絡がなくテレビで知ったとして、政府の対応を批判しました。

国会の原発事故調査委員会は、21日、町の全域が避難区域に指定されている福島県浪江町が役場ごと避難している福島県二本松市で委員会を開きました。

こ の中で、参考人として出席した浪江町の馬場有町長は「震災翌日の早朝、原発から10キロ圏内に避難指示が出ていることをテレビで知った。私どもには連絡が 何もなく、原発でまさかあのような大きな事故が起きていることは、想像だにしなかった」と述べ、政府の対応を批判しました。
また、馬場町長は「町と東京電力、福島県の3者で協定を結んでいて、何かあったら必ず連絡することになっている。これまでは、工具を落としただけでも連絡が来たのに、肝心なときに一切連絡が無かったのは非常に残念だし、協定違反だ」と述べました。

このほか、馬場町長は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムの予測データが、事故後直ちに公表されず、結果的に多くの町民が放射線量が高い方向に避難したことについて、「公開して連絡してもらえば、別の避難の方法もあった」と述べました。

(転載終わり)  

(東京新聞)「東電と福島県 連絡協定違反」 浪江町、国会事故調に(2012年4月22日 朝刊)  http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042202000090.html(2012年4月25日閲覧)(全文転載)

国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会(黒川清委員長)は二十一日、福島県二本松市で会合を開き、同市に集団避難している浪江町の馬場有町長らから、事故当初の状況や事故調べの要望について聞き取りした。

馬場町長は昨年三月十一日の事故発生後、翌十二日早朝にテレビで十キロ圏内の屋内退避指示を知るまで、原発の深刻な状況を把握できなかったと説 明。東京電力、県、町の三者が原発のトラブルに備えて通信連絡協定を結んでいたにもかかわらず、東電と県からは一切情報が来なかったことを明らかにした。

その上で「歩いてでも報告に来るべきだ。協定違反だ」と指摘。経緯を徹底調査するよう求めた。

緊急時に放射性物質の拡散を予測するシステムSPEEDI(スピーディ)のデータ公表の遅れも批判。「連絡していただければ、別の避難の方法もあった」と述べ、原因の究明を求めた。

避難している町民約百八十人との意見交換会も開催。被ばくによる健康被害を心配する声や、政府が進める大飯(おおい)原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働について「国民の命をないがしろにしている」と批判する意見が相次いだ。

二十二日は会津若松市で大熊町関係者からの聞き取りや、町民との意見交換会を行う。

(転載終わり)

【一次資料】

(福島県HP)原子力安全対策課 「福島第一原子力発電所事故発生当初の電子メールによるSPEEDI試算結果の取扱い状況の確認結果について」のページ http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/info/120420.html (2012年4月25日閲覧) 

【動画】(国会事故調チャンネル)国会事故調 第10回委員会 2012/04/21  http://www.ustream.tv/recorded/22003041 (2012年4月25日閲覧)

【関連報道】

(河北新報)神話の果てに 東北から問う原子力 
第2部・迷走(2)放置/拡散予測データ、埋没(2012年04月20日)http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1098/20120420_01.htm (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

原子力安全・保安院の依頼で昨年3月16日朝に計算されたSPEEDIの図。放射性ヨウ素が福島第1原発の北西に拡散しているとの予測だった
<活用されて当然>
「予測を参考に、住民避難などの対応が取られているだろう」
昨年3月16日夜の原子力安全委員会(東京)。日本原子力研究開発機構・原子力基礎工学部門(茨城県東海村)の茅野政道部門長は、開発に携わった緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が作動しているのを確認し、胸をなで下ろした。
SPEEDIを管理する原子力安全技術センター(東京)は昨年3月11日夕、放射性物質の拡散方向などの計算を開始。結果を文部科学省や経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会、福島県などに送っていた。住民の避難や被ばく対策に活用されて当然だった。
ところが、政府の事故調査・検証委員会の中間報告によると、翌12日時点で、保安院は「信頼性が低い」と記載した上で計算結果を官邸に送付。官邸職員は参 考情報にすぎないと考え、当時の菅直人首相に伝えなかった。文科省や県からも活用を訴える声は上がらず、データは放置された。
原子炉の状況が把握できない中、センターは放出される放射性物質の量を仮定し、拡散方向を予測した。結果の信頼性は確かに高いとはいえないが、住民が避難する方向を選ぶ上で大切な情報だった。

<収まらない憤り>
第1原発の北西約30キロの福島県飯舘村長泥地区。農業佐藤明康さん(70)方の放射線量は3月下旬、村による測定で、屋内10マイクロシーベルト、屋外15マイクロシーベルトという高い値を示した。
佐藤さんは事故後、しばらく自宅にいて、普段通り農作業をした。15日は雨にもぬれた。いつものように井戸水を飲み、炊事にも使った。原発事故の報道に、村が危ないという情報はなかった。
2号機の原子炉格納容器下にある圧力抑制室が損傷した15日以降、SPEEDIは何度か、放射性物質が北西方向に拡散すると予測した。保安院の依頼による16日朝の計算でも浪江町津島地区や葛尾、飯舘両村で、地表に多くのヨウ素が蓄積しているとの結果が出ていた。
「(原発から)これだけ離れていれば大丈夫だと思ったが、実はとんでもない状況で暮らしていた」と佐藤さん。速やかに情報公開しなかった政府に憤りが収まらない。
「われわれをばかにしている」

<必要情報出さず>
長年、SPEEDIの開発、改良に取り組んできた茅野部門長は「緊急時には、SPEEDIの予測と放射線量の実測値など、さまざまな情報を総合して判断する必要がある」と強調する。
原発周辺でモニタリングに当たった福島県の担当者は「原発の北や北西で線量が上がり始めていることは、12日の段階で確認し、政府の現地対策本部にも逐一報告していた」と証言する。このモニタリング結果も当時、危険な地域の予測に生かされることはなかった。
住民がその時々に必要としていた情報を開示してこなかった国の事故対応。政府の事故調査・検証委員会は中間報告で、その根底にある問題点を指摘している。
「住民の命と尊厳を重視する立場で、データ公表の重要性を考える意識が薄かった」

(転載終わり)

(JBPress) 福島県庁にSPEEDIのデータは届いていた!メルトダウンの恐怖の中、後回しになった住民避難 (2012.04.19) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35024 (2012年4月25日閲覧)

前回に引き続き、福島県庁に災害対策本部を訪ねた取材の結果(2012年1月上旬)を報告する。
取材に応えた担当者は、名刺を交換したうえで、災害対策本部の話として書いてもいいが、個人名は伏せてほしいと私に依頼した。県庁職員の氏名にニュース価値はないので、それに沿う。

質問は主に2点である。

(1)地元で行われていた原子力災害を想定した避難訓練の内容。
(2)原発事故が起きた場合の放射性物質の流れを予測し、住民を避難させるためのシステム「SPEEDI」は生きていたのか。その情報を福島県庁はどう扱ったのか。避難に役立ったのか。

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2012年5月16日投稿

(週間金曜日) SPEEDIのデータ削除調査――福島県の説明は支離滅裂(2012年4月27日号) http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120515-00000302-kinyobi-soci (2012年5月16日閲覧)(全文転載)

福島県は四月二〇日、福島第一原発事故直後にSPEEDI(放射性物質の拡散予測システム)のデータを受け取りながら、県民に公開せず、削除していたことについて調査結果を発表した。

 県はこれまで、昨年三月一三日以降は原子力安全・保安院から県災害対策本部宛てにファクシミリで、一五日以降は(財)原子力安全技術センターから県災害 対策本部宛てにメールでデータを受信していたと説明。しかし国は一一日二三時四九分から県原子力センターに、一二日二三時五四分から県災害対策本部にデー タをメールで送信したとし、見解が違っていた。

 しかし調査により、県は県災害対策本部で一二日二三時五四分から一六日九時四五分までに八六通をメールで受信し、二一通を除き、六五通は組織で共有せず に「消失」したと見解を変えた。その原因は「防災対策本部が防護対策の検討に活用するものではないことから、取り扱いについて定められていなかった」から だと言う。

 支離滅裂な理由だが、筆者はこの件を本誌昨年七月二二日号で報じている。当時、県原子力災害対策担当者らは三月一一日深夜から未明にかけてデータをメー ルで受け取りながら、担当者がメールが大量であることを理由に削除し、責任者が「とても避難の予測には使えない。公表しても誤解を招く」と考えたと述べて いた。

 四月二二日に同県で開催された国会事故調査委員会で、田中耕一委員が「きわどい状況になったときに住民がパニックになるだろうと、上に立つ者が大切な情 報を隠してしまう」エリートパニックについて指摘していた。福島県でもそれが起きていたのではないか。緊急時に誰も適切に判断できなかったためにどのよう な結果をもたらし、県民が無用な被曝をさせられたのか。教訓として残さなければ、ミスは再び繰り返される。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、4月27日号)

(転載終わり)