Monday, August 22, 2011

VI.2.保安院も「やらせ」を依頼

(1)(47News)保安院が原発シンポで「やらせ」 中部電、四国電に依頼 (2011/07/29 14:20)(2011年9月26日閲覧) 

(全文転載)(太字は投稿者)

中部電力は29日、2007年8月に開かれた浜岡原発(静岡県御前崎市)のプルサーマル計画に関する国主催のシンポジウムで、経済産業省原子力安全・保安院から質問を作成して地元住民に発言させる「やらせ」の依頼があったと明らかにした。四国電力も同日、06年に愛媛県で開いた伊方原発のプルサーマル計画に関するシンポジウムで、保安院から出席者を集めるよう要請があったと公表した。

中部電は質問案を作成したが、コンプライアンス(法令順守)上問題があると判断し、最終的に断った。九州電力の「やらせメール」など一連の問題で、国の関与が明らかになったのは初めて
                                     2011/07/29 14:20   【共同通信】

(全文転載終わり)

(2)(asahi.coom) 保安院やらせ指示、四国電も 原子力関連シンポ (2011年7月29日22時54分) (2011年9月26日閲覧)

(以下全文掲載)(太字は投稿者)
中部電力と四国電力は29日、原子力関連の国主催シンポジウムで、経済産業省原子力安全・保安院から、推進側の参加者動員や発言を指示されていたことを 明らかにした。九州電力に端を発した原発のやらせ問題は、原発を規制する立場の保安院まで関与していたことが発覚。原子力を取り巻く不透明な癒着の構図が 浮き彫りになってきた。

経産省は九電の「やらせメール」の問題を受け、過去5年、計35回の国主催の原子力関連シンポジウムについて、電力7社に調査を指示。29日に各社が報 告した。海江田万里経産相は、記者会見で「極めて深刻な事態。徹底解明したい」と述べ、第三者委員会による調査を指示した。8月末までに結果を出す方針 だ。

保安院がやらせを指示したのは、2006年6月に四電伊方原発のある愛媛県伊方町07年8月に中部電浜岡原発のある静岡県御前崎市であったシンポジウム。使用済み核燃料をリサイクルして使う「プルサーマル発電」の是非をめぐる重要な説明会だった。  

(全文転載終わり)

(3)小出裕章 「九州電力に続いて発覚した今回のやらせ問題も、何の驚きもない」

発覚は氷山の一角
小出裕章・京都大原子炉実験所助教(原子核工学)の話 

原子力行政は、「原子力村」の中で、政府、自治体、電力会社がグルになってずっとやってきた。九州電力に続いて発覚した今回のやらせ問題も、何の驚きも ない。逆に、ようやく今になって原子力行政の「常識」が問題視されるようになったということに驚く。わたし自身、何度も、原発政策を進める自治体でのシン ポジウムで、多くの人が動員され参加するのを見てきた。今回明らかになった問題は氷山の一角にすぎない

 以上、『小出裕章(京大助教)非公式まとめ』より転載させていただきました。(太字は投稿者)
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/30/chunichi-jul-30/

【中部電力】

(1) (asahi.com)保安院、中部電に「やらせ」発言依頼 07年原発シンポ (2011年7月29日12時54分) http://www.asahi.com/national/update/0729/NGY201107290029.html (2011年9月26日閲覧)

(以下全文転載)(太字は投稿者)

経済産業省原子力安全・保安院が、2007年8月の中部電力浜岡原子力発電所のプルサーマル発電に関するシンポジウムの際、中部電に対し、参加者の動員 と会場での発言を依頼していたことが分かった。会場での質問が反対派のみとならないようにするため、地元住民に原発に肯定的な発言をしてもらうものだった という。

本来は原発を監視する立場の保安院が、やらせを事実上指示していたことになる。中部電は依頼にもとづいて社員や下請け業者、町内会長ら地元住民に呼びかけて参加させていた。住民向けに肯定的な発言文案も作成したが、問題があると社内で判断し、発言させることは見送った

29日に中部電が記者会見して明らかにした。

(全文転載終わり)

(2)(東洋経済 Toyokeizai Online)中部電力「やらせ発言依頼」は、浜岡原発の水谷所長がはねつけた - 11/07/29 | 19:53 (2011年9月26日閲覧)

(以下全文転載)
7月29日、中部電力は名古屋証券取引所で第1四半期の決算説明、および定例記者会見を開催した。浜岡原発停止の影響により、通期営業利益は1700億円の営業赤字になる見通しだと発表。1951年の会社設立以来初の営業赤字転落だ。

会見では、同じ浜岡原発関連で、2007年8月に静岡県御前崎市で開かれた国主催の「プルサーマルシンポジウム」についての質問も相次いだ。九電で発生し た「やらせ発言依頼問題」を受け、経済産業省は国が主催したシンポジウム等で特定の意見表明を要請した事実があるかどうか社内調査を行うように電力会社に 指示。その回答期限が29日だった。

中電は、午前中に調査結果を発表し、社員や関係会社社員に対し出席を促す依頼をしていた事実があったものの、原子力安全・保安院から「地元住民に賛成か中立の立場での質問を要請するように」との働きかけは断った、という調査結果を公表したばかり

依頼を断った理由について、水野明久社長は「02年以来、当社はコンプライアンスの強化を推進してきた。そうしたこともあり、意見表明まで要請するのは明らかに行き過ぎだ、との判断が担当者レベルでも働いた」と説明した。

出席者の動員を行ったことについては「当時、そのことで賛成への誘導をする意識があったわけではないが、いま振り返ればそう誤解を受けるような行為だったと思う。申し訳ないことをしたと考えている」と謝罪した。

現場が“良心の砦”に

原子力安全・保安院からの「やらせ依頼」をはねつける判断をした現場のキーパーソンは誰なのかといえば、浜岡原子力発電所のトップである水谷良亮総合事務所長だ。

会見後、法務部の担当者は「地元の信頼が第一である、という考えは、水谷所長の強固な信念。コンプライアンス担当の法務部に相談があったという記録はなく、当該問題の最高責任者である水谷所長が、自らの判断で、正しい判断をした、というのが実際のところだ」と明かした。

本店の原子力部門の社員は、一度は地元住民に依頼する発言の文案を作成していたという。そうした動きはあったものの、現場のトップである水谷所長が、最高責任者としてコンプライアンスに従ってしかるべき処理したということのようだ。

(山田 俊浩 =東洋経済オンライン)

(3)(読売新聞)保安院やらせ要請、「ふざけるな」反発の浜岡 (2011年7月30日12時24分)(2011年9月26日閲覧)

(以下全文転載)(太字は投稿者)
国が2007年8月に静岡県御前崎市で開いた中部電力浜岡原子力発電所のプルサーマル計画に関するシンポジウムで、経済産業省原子力安全・保安院が中部電力に関係者や関連企業の社員を出席させ、会場が反対一色にならないよう質問を依頼、中部電力は「やらせ質問」を拒否していた。

同社が内部調査結果を明らかにした29日、地元関係者から反発の声が相次いだ

シンポジウムは浜岡原発4号機のプルサーマル計画が国に認可されたことを受け、国の主催で地元・御前崎市で開かれ、524人が参加した。国側が審査経緯を説明した後、「プルサーマルの必要性と安全性」について専門家が議論した。

シンポジウムに参加した御前崎市、無職伊藤実さん(70)は「反対派の自分は、手を挙げても指してもらえず、『避けられている』と感じた国や中部電力が主催する説明会でこのようなことがよく見られるので、今更驚かない」とあきれる。さらに「良識を持っている会社に原発を運営してもらいたいが期待できない」と批判した。

掛川市の市民団体「地震で原発だいじょうぶ?会」の代表の藤田理恵さん(54)も参加した一人。「『理解できない』と何度も質問をしたのに、最後に国の担当者は『これで一定の理解が得られたと思う』とまとめていた」と強引な運営方法への不満を語った

住民グループ「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」の鈴木卓馬事務局長(71)は「国が指示していたとはひどい話だ。国は国民の意見を広く聞くべ きで、国民の意見を無視するようなことを進めるのは全くけしからん」と憤り、浜岡原発から約10キロの距離にある「御前崎グランドホテル」の福田昌朋社長 (56)も「ふざけるな、の一言。中部電力がその依頼を拒否したのは安心したが、指示系統のトップがそういう工作をするなんてばかなことはありえない」と語気を強めた。

中部電力の発表を受け、御前崎市の石原茂雄市長は「開催の案内や参加者の動員はある程度理解できる」と一定の理解を示したが、「質問を作成し、地 元の方に質問してもらうよう依頼することには強い違和感を覚える。国民の信頼を失墜させかねず、保安院のあり方が問われるだろう」とコメントした。掛川市 の松井三郎市長も「原発に関する不信感や不安感を一層増加させたことになり、誠に残念」とのコメントを出した。

また、県の小林佐登志・危機管理監も「保安院は安全性を守る立場なのに使命を放棄している第三者機関としての中立性が損なわれている。経産省から早く独立させた方がいい」と厳しく指摘。中部電力に対しても、「質問を断ったのは見識のある判断だが、参加者を集めたことはあってはならない行動」と反省を促した。

(2011年7月30日12時24分  読売新聞)

(全文転載終わり)

【四国電力】

(四国新聞社ShikokuNews)「世論誘導」免れず/四電やらせシンポ (2011/08/06 09:52 (2011年9月26日閲覧)

(以下全文転載)(太字は投稿者)
原子力安全・保安院から電力会社に原発シンポジウムでの動員などの「やらせ」依頼があったとされる問題で、事実関係を調べるための第三者調査委員会が5日設置された。四国電力関係では2006年6月、愛媛県伊方町で国主催の伊方原発のプルサーマル計画に関するシンポジウムがあり、四電は保安院からの要請 を受けて社員らを動員したほか、質問例文まで用意していた。シンポ終了後のアンケートでは、「プルサーマルの必要性を理解した」との回答が6割を超えてい たが、出席者の過半数が社員らだったとも言われており、結果的に“世論誘導”と取られても仕方ない行為だ。

■綿密な計画作成

伊方発電所65人、宇和島支店20人、四電エンジニアリング90人…。

保安院から参加を要請された四電は、関係会社を含む社員らの綿密な「動員計画」を作成。各部署にノルマともとれる参加目安人数を示した上で参加者を集めるよう指示した。
その数305人。会場の定員600人のちょうど過半数に相当する数だ。

これに応え、参加応募した社員らは、目安とほぼ同じ313人に達した。当日、実際に参加した社員らの人数は不明だが、参加応募の人数から、全参加者587人の半数程度が四電関係者だった可能性が高い。

■合意形成の材料

シンポ終了後、保安院がまとめた出席者アンケートによると、プルサーマルの必要性について「理解できた」は27・6%、「だいたい理解できた」は36・2%で、計63・8%が理解を示したと結論づけられた。

シンポは、伊方原発のプルサーマル計画を、06年3月に国が許可し、導入に向けた地元の了承が焦点となる中で開催された。アンケート結果は、その後、地元の合意が形成される過程で、住民の理解が進んだ一つの判断材料として使われた。

四電広報部は「社員が参加したことで、一般参加者が会場に入れなかったことはない」とする。が、社員ら約300人が出席しなかったならば、アンケート結果は変わっていたかもしれない。

■念の入った対応

保安院はシンポの2カ月前、四国電力東京支社の幹部と面会。その席で、保安院の担当者は「広く参加を募り、多くの意見が出るようにしてほしい」という趣旨の要請をしたという。
この担当者は、参加要請したことを認めた上で、「動員ではなく、参加招請だった。発言内容については依頼していない」としている。

一方、四電の対応は、社員らの大量動員だけでなく、事前に例文まで用意して質問をさせる念の入れよう。こうした対応は、当時の原子力本部長を兼ねた副社長にも報告されており、組織的な動きだった。

■7人が例文参考

当時、シンポ会場では15人が発言しているが、うち10人が依頼を受けた社員ら。うち7人が例文に沿い、原発推進の回答を引き出しやすい質問をしていた。
保安院は、同様のシンポを各地で開く際、ほかの電力会社にも同じような要請をしたことが明らかになっている。ただ、その一つの中部電力は「コンプライアンス上問題がある」として依頼を断っており、四電の従順ともいえる対応は際立っている。
原子力事業を進める電力会社と、規制官庁としてその安全性を監視する保安院。今回の問題では、両者のゆがんだ関係が浮かび上がった。第三者委員会での事実関係の究明とともに、再発防止に向けた取り組みが必要だ。
 (全文転載おわり)
-----------------------------------------------
2011年10月1日追加
 
【東北電力】 

(河北新報)保安院、女川原発でも動員 原発シンポ「やらせ」2011年10月01日)(2011年10月1日閲覧)

(記事全文を転載)

緊急の記者会見で動員問題について説明する海輪社長=30日午後6時30分ごろ、仙台市青葉区の東北電力本店
 原発に関するシンポジウムなどで国が電力会社に「やらせ」を要請したとされる問題で、経済産業省が設置した第三者委員会(委員長・大泉隆史弁護士)は30日、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)でも原子力安全・保安院の職員が動員などを働き掛けていたとする最終報告書を枝野幸男経産相に提出した。

最終報告によると、保安院などが2006年、女川原発の耐震安全性を住民に説明するため開いたシンポで、保安院の元課長が東北電の担当者に「東北電力の関係者もどんどん参加して、意見を言いなさい」と動員や賛成意見の表明を求めた

北海道電力泊原発でも資源エネルギー庁の働きかけがあったと認定。08年の泊原発プルサーマル計画に関するエネ庁主催のシンポジウムでは、北海道電の担当者にエネ庁職員が「推進の側で発言いただくことも準備をお願いしたい」と依頼した。

最終報告は中間報告と同様に九州電力玄海原発、四国電力伊方原発、中部電力浜岡原発をめぐるシンポも国の関与を認め、不適切な働き掛けが常態化していたことを浮き彫りにした

最終報告は「電力会社とエネ庁、保安院との間に相互にもたれ合う関係があったことが一因」と分析地元首長の同意を得るためのプロセスとしてシンポなどが開かれ、住民理解を深めるという本来の目的より、空席を減らすなどの「外観」が重視されたと指摘した

国側に、公正性や透明性が不可欠だという認識が希薄で、シンポ運営に関する規範が不明確なまま放置されていたとして、組織改革に取り組むよう求めた。

◎シンポジウム3回、25人参加 東北電力謝罪

経済産業省の第三者調査委員会による最終報告書で、女川原発でも原子力安全・保安院から東北電力への動員要請があったと指摘されたことを受け、東北電の海輪誠社長は30日、仙台市青葉区の同社で緊急の記者会見を開き、「透明性、中立性をゆがめかねない行為だった」と謝罪した。

海輪社長は「当時は(参加要請が)常態化していたと推認される。住民に疑念を抱かせた責任を感じている」と述べた。その上で幹部社員教育の徹底や社外の有識者による専門会議設置などで再発防止を図る方針を示した。

最終報告書が問題視したのは2006年10月に経産省原子力安全・保安院が石巻、女川町で開いた計3回のシンポジウム。同社の調査では関連会社などを含め少なくとも延べ25人が実際に参加していた。

東北電側が原発に理解のある地域住民に意見表明するよう依頼した事実も調査で判明。ただ要請の規模や実際の参加人数は、ともに「記録が残っておらず分からない」(総務部)という。

海輪社長は、社員、地域住民に対する出席の強制は「ともになかった」と語った。

保安院側からの要請に応じたことについて、海輪社長は「もともとシンポを円滑に進めたいという(東北電の)担当者の意思もあり、行き過ぎた行為をしてしまった」と説明した。

2011年10月01日土曜日
(記事全文転載終わり) 

No comments:

Post a Comment