2011年10月1日追加
例5)3月に行った、福島県の子どもの甲状腺の内部被曝検査を8月になってから発表
(asahi.com) 福島の子ども、半数近くが甲状腺被曝 政府調査で判明 (2011年8月17日21時26分)(2011年10月1日閲覧)(太字は投稿者)
東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐり、政府の原子力災害対策本部は[8月]17日、福島県の子ども約1150人を対象にした甲状腺の内部被曝(ひばく)検査で、45%で被曝が確認されていたことを明らかにした。17日、同県いわき市で開かれた説明会で発表した。すぐに医療措置が必要な値ではないと判断され ているが、低い線量の被曝は不明な点も多く、長期的に見守る必要がある。
検査は3月24~30日、いわき市と川俣町、飯舘村で0~15歳の子どもを対象に実施した。原子力安全委員会が当時、精密検査が必要だと決めた基準は甲状腺被曝線量が毎時0.20マイクロシーベルト以上。1150人のうち、条件が整い測定できた1080人は全員、0.10マイクロシーベルト以下だった。
この日、説明会には、検査を受けた子どもの保護者ら約50人が参加した。対策本部原子力被災者生活支援チームの福島靖正医療班長は「問題となるレベルではない」と説明した。
全体の55%の子は検出限界も含み測定値が「0」だった。「0」超では、0.01マイクロシーベルトが26%いた。0.02マイクロシーベルトが11%で、最高は0.10マイクロシーベルトだった。
3月の検査時に、その場で「健康に影響はない」とする結果が保護者らに伝えられた。ただし数値は通知されず、説明を求める声が上がっていた。
対策本部は、当時18歳以下の県内の子ども36万人について、福島県が一生涯続ける予定の甲状腺の超音波検査への協力を呼びかけている。(林義則、大岩ゆり)
(2) 小出裕章・京大助教の評価
8月18日 福島の子どもの甲状腺の内部被曝、厳密に測定すれば恐らく100% 小出裕章(MBS)(2011年10日1日閲覧)
小 出「報告自体を見ていないので、正確にコメントできないかもしれませんが」と前置き。その上で、次の問題を指摘。(ざまあみやがれい!さまのブログの小出裕章「福島の子どもの甲状腺の内部被曝、厳密に測定すれば恐らく100%」8/18(1)を参考にさせていただきました。ただし、太字強調は投稿者のものです。)
- 0.1マイクロシーベル トとの値はおそらく1時間あたりの甲状腺の被ばく線量というものを言っている。それを事故後から積算していって最終的に何 ミリシーベルト、何十ミリシーベルトになる、そういう評価だと思うが、この評価はとっても難しい。いつの時点でヨウ素を吸い込んだ ということに関してかなり、大きな仮定を設けない限りこの評価はできないと思う。
- 今回の事故の場合には事故の起きた当初、11日から15日あるいは16日ぐらいに大量のヨウ素が出ているはず。甲状腺を調べたのは[3月25日から30日まで]。もうヨウ素はかなり当初に出たものは減ってしまっていたし、どのような過程で最終的に全体の被曝評価をしたかとい うことは、かなり誤差の多いというか不確かさの多いことだ、とまず思う。
- 45%というようなことも 、ほとんど意味のないことを言っていると思う。それは要するに検出できたものがただ45%だったということなんであって、もっと厳密に測定をす れば、おそらく100%の子供たちが被曝をしていたということになるはず。
- 事故対応が後手後手にまわってしまったので、結局ヨード剤を使うことも出来なかったし、甲状腺の被ばく線量を正確に評価するというその機会もかなり失った段階で、ようやくにして測定をしたというそういうデータですね。
*0:48あたりから、森議員のこの点についての質問、細野環境・原発担当相の答弁があります。
(4)原子力委員会は検査結果をインターネットに公表していたが、「個人情報保護」のため、インターネットから削除した。この問題については、こちらへ。
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例4)2011年9月2日、保安院が、全電源喪失などを想定し炉心溶融などを予測した「緊急時対策支援システム(ERSS)」の解析結果を、約半年たって公表。「活用を思い至らなかった」、と森山善範・原子力災害対策監。
(毎日新聞)福島第1原発:炉心予測、官邸活用せず 保安院管理ずさん (2011年9月2日 21時53分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110903k0000m040137000c.html (2011年9月2日閲覧)(太字は投稿者)
経済産業省原子力安全・保安院は2日、東日本大震災当日、東京電力福島第1原発1~3号機で全電源喪失などを想定し炉心溶融などを予測した「緊急時対策支援システム(ERSS)」の解析結果を、約半年たって公表した。2、3号機の予測は官邸に送信したが活用されず、1号機は送信もしていなかった。保安院の情報管理のずさんさが問われそうだ。
保安院によるとERSSを開発した原子力安全基盤機構(JNES)は3月11日、保安院の依頼でERSSを起動。同原発で全電源が断たれた事態を想定したパターンを使い、1~3号機の原子炉内の水位や圧力、温度が今後どう推移するかの予測結果を出した。
2号機のデータは11日午後9時半ごろ、JNESから保安院に届いた。保安院の職員はデータを基に「22時50分 炉心露出 24時50分 燃料溶融」など予想される展開を文章にし、同日午後10時45分ごろと12日午前0時過ぎ、危機管理センターに常駐していた保安院職員を通じ内閣府の職員に手渡した。3号機については13日午前6時半ごろに届いたデータを同様の方法で約20分後に官邸に届けたという。しかしこれらは周辺住民の避難指示などに活用されなかった。保安院の森山善範・原子力災害対策監は2日の会見で「事実に基づいたデータではないので活用を思い至らなかった」と釈明した。
また、保安院は1号機の予測から導いた放射性物質の推定放出量を基に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で拡散予測を実施していた。しかしすぐには公表せず、避難指示などにも活用しなかった。保安院はこれまで「全電源喪失でSPEEDIが機能しなかった」と説明していた。【久野華代】
【ことば】緊急時対策支援システム(ERSS)
原発事故の際、原子炉内の温度や圧力、水位などを即時に入手し、それに基づいて事態の進展や放射性物質の放出量を予測するために保安院が導入した コンピューターシステム。事故時、電力会社から集めた運転情報や放射線計測値などを収集し、さまざまな事故のパターンをデータベースから選んで計算する。 炉の状況や予測結果は、経済産業省などオンラインで結ばれた場所で閲覧できる。
毎日新聞 2011年9月2日 21時53分
[9月4日追加](日本経済新聞) メルトダウン予測資料、震災当日に作成 保安院公表(2011/9/2 22:06)(2011年9月4日閲覧)(太字は投稿者)
http://www.jnes.go.jp/bousaipage/system/erss-1.htm (2011年9月3日閲覧)
**JNESのHPから上のページに到達するためのステップ**
1.JNESのHP http://www.jnes.go.jp/
2.トップページ内の<お役立ちページ>のリストの中から 「原子力防災のページ」をクリックすると、このページが現れる↓
[9月4日追加](日本経済新聞) メルトダウン予測資料、震災当日に作成 保安院公表(2011/9/2 22:06)(2011年9月4日閲覧)(太字は投稿者)
経済産業省原子力安全・保安院は2日、東日本大震災の発生直後に作成した東京電力福島第1原子力発電所1~3号機の事故解析・予測資料を公表した。最悪の場合、3月12日未明に炉心溶融(メルトダウン)が起きうるとしていた。官邸の窓口に保安院職員を通じて渡したが説明はしておらず、どう活用されたかは不明という。事故調査・検証委員会の調査で焦点の一つとなりそうだ。
半年もたって急に公表した理由は明らかにしなかった。保安院によると解析は独立行政法人原子力安全基盤機構に依頼。同機構は原子炉への注水が止まり冷却できなくなった場合、炉内の状態がどう変わるかを「緊急時対策支援システム(ERSS)」で計算した。保安院は資料を3月11日午後10時に作成した。
同資料によると、11日午後10時50分に燃料棒が冷却水から露出すると予測。同11時50分に燃料の被覆管が破損し始め、12日午前0時50分に溶融が始まるとした。同3時20分に原子炉格納容器が設計上の限界圧力に達してベント(排気)が必要になり、放射性物質が外部に出ると予測した。
保安院によると資料は3月11日午後10時44分、12日午前0時17分の2回、官邸危機管理センターからアクセスできる電子フォルダーに入れた。官邸にいた保安院職員が印刷して担当者に渡したが、内容の重要性を説明した形跡はないという。
3号機についても同様の解析・予測を進め、13日午前6時50分に官邸側に渡した。また1号機は放射性物質の外部への影響なども計算したが、官邸には送らなかった。
保安院は「ちぐはぐな対応で、良かったとは思っていない」としている。東電は「炉心の損傷割合など社内の計算結果を保安院に出した」というが、保安院の予測が東電と共有されたかは不明だ。
原子力安全基盤機構(JNES)のウェブサイト内の「ERSS(緊急時対策支援システム)の概要」のページはこちらです。半年もたって急に公表した理由は明らかにしなかった。保安院によると解析は独立行政法人原子力安全基盤機構に依頼。同機構は原子炉への注水が止まり冷却できなくなった場合、炉内の状態がどう変わるかを「緊急時対策支援システム(ERSS)」で計算した。保安院は資料を3月11日午後10時に作成した。
同資料によると、11日午後10時50分に燃料棒が冷却水から露出すると予測。同11時50分に燃料の被覆管が破損し始め、12日午前0時50分に溶融が始まるとした。同3時20分に原子炉格納容器が設計上の限界圧力に達してベント(排気)が必要になり、放射性物質が外部に出ると予測した。
保安院によると資料は3月11日午後10時44分、12日午前0時17分の2回、官邸危機管理センターからアクセスできる電子フォルダーに入れた。官邸にいた保安院職員が印刷して担当者に渡したが、内容の重要性を説明した形跡はないという。
3号機についても同様の解析・予測を進め、13日午前6時50分に官邸側に渡した。また1号機は放射性物質の外部への影響なども計算したが、官邸には送らなかった。
保安院は「ちぐはぐな対応で、良かったとは思っていない」としている。東電は「炉心の損傷割合など社内の計算結果を保安院に出した」というが、保安院の予測が東電と共有されたかは不明だ。
[9月3日追加]
http://www.jnes.go.jp/bousaipage/system/erss-1.htm (2011年9月3日閲覧)
**JNESのHPから上のページに到達するためのステップ**
1.JNESのHP http://www.jnes.go.jp/
2.トップページ内の<お役立ちページ>のリストの中から 「原子力防災のページ」をクリックすると、このページが現れる↓
原子力防災のページには、「原子力総合防災訓練」「オフサイトセンター設備」「ERSS」「原子力防災研修」の資料や報告等が掲載されています。
下記のURLをクリックすると原子力防災のページが別ウィンドウで開きます。
http://www.jnes.go.jp/bousaipage/indexj.htm下記のURLをクリックすると原子力防災のページが別ウィンドウで開きます。
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例3)東電が、福島第二も3月11日から3日間一部電源喪失していたという事実を、8月10日になって公表
福島第二も一部電源喪失 (東京新聞2011年8月11日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011081102000032.html (2011年8月11日閲覧)
東日本大震災発生後の津波で、福島第二原発の原子炉を冷やす機能の一部が三日間失われていたことが十日、東京 電力が公表した資料などで分かった。核燃料の過熱で原子炉格納容器が損傷する恐れもあり、増田尚宏所長は国の事故調査・検証委員会の調査に「人海戦術でか ろうじて対応できた。人手が足りなければ無理だった。危機一髪だった」と説明。福島第二も危機的な状況に陥っていたことが浮かんだ。
東電によると、三月十一日の震災直後、敷地の海側にあった海水熱交換建屋が津波で浸水。1、2、4号機で原子炉を冷やす海水をくみ上げるポンプが使えなくなった。配電盤も水に漬かり、電力供給が停止。原子炉が冷やせなくなった。
東電はポンプのモーターを交換するとともに総延長約九キロの仮設電気ケーブルを引いた。発電所内だけでは資材が足りず柏崎刈羽原発(新潟県)から トラックで陸送したり自衛隊のヘリコプターで運んだりした。夜間にヘリが着陸する時は社員の車二十台のヘッドライトを使って誘導した。
この間に1、2、4号機の原子炉格納容器の温度が上昇。圧力が高まって損傷する恐れが出たため、3号機も含めた四基で容器内の蒸気を放出して圧力 を下げる「ベント」を準備。被災から三日後の十四日夕までに、別の建屋から電源を供給することに成功。各原子炉で順次、冷却設備が復旧したため、ベントを 行わずに済んだ。
国の事故調関係者によると、増田所長はヒアリングで、トラックで運んだ仮設ケーブルが重すぎて降ろせず、新たに重機を手配するなどの混乱があったと説明。「金曜日で数千人の作業員がいた。少しずれて土曜日や夜中に起きていたら、とても収束できなかった」と話している。
___________________________ 例2)普天間に放射性廃棄物 米軍6月に外務省へ情報 外務省は8月10日に県や宜野湾市に伝える
普天間に放射性廃棄物 米軍6月に外務省へ情報 (琉球新報2011年8月11日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-180403-storytopic-3.html (2011年8月11日閲覧)
米軍普天間飛行場で、米軍の「トモダチ作戦」による福島第1原発事故後の支援活動で出た放射性廃棄物が保管されていることが分かった。外務省が10日、県や宜野湾市に伝えた。
宜野湾市などによると、外務省は廃棄物は低レベルとした上で「除染に使用した布などを密閉容器に入れて保管している」と説明した。具体的な量や保管場所は 不明としている。廃棄物の処分方法については「検討している」とし、今後の対応については「米側からデータをもらい、詳細については連絡する」と伝えた。 在日米軍から同省に6月下旬に情報提供があったという。
同市の山内繁雄基地政策部長は「外務省が2カ月近くも前に把握していたのにすぐに連絡がなかったのは大きな問題だ。詳細が分からないので確認次第、対応を検討したい」と話した。
在沖米海兵隊報道部は先月、琉球新報の取材に対し、普天間飛行場のCH46中型輸送ヘリ8機が、震災での救難支援のため1カ月、本州に滞在し、救難作戦 終了後に米軍厚木基地で検査し除染したと説明。普天間飛行場に帰還後、6機が機体内部のエンジンなどの放射線量が増えていたことを明らかにしていた。
除染について「米国と日本政府の必要条件に従って処理された」とし、放射線量は米国防総省が定める基準値以下になったと説明していた。
低レベル放射性廃棄物は、長崎県佐世保市の米海軍佐世保基地や、神奈川県横須賀市の米軍や海上自衛隊横須賀基地などでも保管されている。
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例1)福島第1原発:高線量被ばくの作業員は2160人 東電、東芝、日立が試算(3月下旬)--> 保安院に報告 --> 厚労省に報告(4/1)
[毎日新聞] 福島第1原発:高線量被ばくの作業員は2160人 2011年7月27日 21時12分
http://mainichi.jp/select/today/news/20110728k0000m040088000c.html?inb=tw
(2011年7月27日閲覧)
保安院と東電によると、50ミリシーベルト以上100ミリシーベルト未満が約1680人、100ミリシーベルト以上は約480人と試算した。「経 産省によると50ミリ超は約1600人」とする厚生労働省の内部文書が明らかになり、保安院などが27日の記者会見で試算結果を発表。当時公表しなかった 理由について、保安院の森山善範原子力災害対策監は「個別の企業情報が含まれているため」などと述べた。
保安院によると、東電、東芝、日立製作所に試算を依頼し、4月1日に保安院が厚労省に試算結果を報告した。内部文書で厚労省は「50ミリシーベル トを超えた者にも放射線業務に従事してもらわなければ他の原発の安全性の確保が困難となる」と人手不足を懸念。その上で「5年間で100ミリシーベルトを 超えないよう指導する」と、線量管理の方針を決めていた。
放射線業務従事者の被ばく上限は法令上、通常時で年間50ミリシーベルトと規定されている。東電によると13日現在、緊急作業時の上限となる250ミリシーベルト超の被ばくが確定したのは同社社員の6人。50ミリシーベルト超は東電と協力企業の作業員計416人。
厚労省の内部文書は、被ばく労働問題に取り組む「全国労働安全衛生センター連絡会議」が公開請求し、6月に開示された。【池田知広、久野華代】
[毎日新聞]福島第1原発:被ばく50ミリ超1600人 経産省が試算
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110727k0000m040161000c.html (2011年7月27日閲覧)
東京電力福島第1原発事故の収束作業にあたる作業員について、経済産業省が「被ばく線量50ミリシーベルトを超える作業員は約1600人」と試算していたという内容の文書があることが26日、市民団体による情報公開請求で明らかになった。
文書は厚生労働省の内部資料で被ばく労働問題に取り組む「全国労働安全衛生センター連絡会議」が公開請求し、6月に開示された。文書には経産省からの情報として、「今後50ミリシーベルトを超える者が約1600名と試算される」などと記されていた。
資料作成の日付は4月25日。多くの作業員が50ミリシーベルトを超えて被ばくすると予想されることから「50ミリシーベルトを超えた者にも放射線業務に従事してもらわなければ他の原発の安全性の確保が困難となる」と懸念。その上で「5年間で100ミリシーベルトを超えないよう指導する」と、線量管理の方針について記載されていた。
放射線業務従事者の被ばく上限は法令上、通常時で年間50ミリシーベルトと規定。東電によると13日現在、緊急作業時の上限となる250ミリシー ベルト超の被ばくが確定したのは同社社員の6人。50ミリシーベルト超は東電と協力企業の作業員計416人。経産省原子力安全・保安院は「実際に試算をし たかも含め、すぐには確認できない」としている。【池田知広】
毎日新聞 2011年7月27日 2時36分(最終更新 7月27日 9時02分)
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