Friday, July 15, 2011

II.A.1. 書かない、流さない、タブーを作る

2012年2月23日投稿

例7)インターネット・メディアのOurPlanet-TVが制作した検証番組、「検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?」 を、朝日ニュースター(株式会社衛星チャンネル)が放送拒否。

 OurPlanet-TVのHPから転載。 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1334 (本文中の太字強調は投稿者)

【お詫び】3月22日「ContAct」放送中止のお詫び

投稿者: ourplanet 投稿日時: 木, 03/22/2012 - 10:11
本日23時15分より朝日ニュースターでの放送を予定していた「ContAct」が放送中止となりました。視聴者のみなさまにはお詫び申し上げます。

本日、放送を予定していた番組「検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?」は、311後にテレビが原発事故をどのように放送したのかを、一つ一つの報道内容を詳細に検証するものでした。しかし、朝日ニュースター(株式会社衛星チャンネル)の判断により、放送中止となりました。

朝日ニュースター側の説明によると、朝日ニュースターは、3月31日をもって、朝日新聞からテレビ朝日に事業譲渡するため、トラブルが生じる可能性がある番組を放送することは避けたいとのことでした。

OurPlanetTVとしては、現行の朝日ニュースターの編集制作体制が今月3月31日に終了してしまうからこそ、最後にきちんとした検証番組を放送すべきではないかと主張しましたが、聞き入れてはもらえませんでした。OurPlanetTVの「ContAct」は、OurPlanetTVに編集権があ るとの約束で、この8ヶ月間、制作をしてきただけに、大変残念なことですが、放送そのものを強行することは難しく、今回は放送を中止させていただいた次第 です。

なお、番組に穴が空くことになるため、朝日ニュスターから「ContAct」の過去の番組の放送を穴埋めに使いたいとの依頼がありましたが、お断りをいたしました。通常「ContAct」が放送されている時間には、全く異なる番組が放送されておりますが、ご了承ください。

なお、このような事態を受け、OurPlanetTVとしては、同企画を2時間の拡大番組として、改めて企画しなおし、4月中にインターネットにて配信する予定です。ぜひ、ご期待ください。

<放送中止となった番組の告知>
          検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?
~2011年3月22日(木)23:15放送予定~
 
福島原発事故から1年が経った。政府の事故調査委員会や民間事故調、国会事故調と、3つの調査委員会によって、事故直後の東電や政府の対応が徐々に明らかになってきている。また、事故当時を振り返る検証記事も相次いでいる。では、当時、果たしてテレビはどのような役割を果たしていたのか?
311以降、信頼が揺らいでいるマスメディア。とりわけ、テレビへの不信が強まっている。
あの時、テレビは何を言っていたのか?ジャーナリストの小田桐誠さんをゲストに検証する。
 
ゲスト:小田桐誠(ジャーナリスト)
聞き手:白石草(OurPlanetTV)
 
(転載終わり)
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2011年12月7日投稿

例6)桐生市教育委員会が10月に行った学校給食食材の放射性物質検査で、県産白菜から放射性セシウムが検出されていたが、公表して いなかった。

(1)(毎日新聞)東日本大震災:桐生市教委、放射性物質検出隠す 「風評被害懸念」と/群馬 (2011年12月7日) http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111207ddlk10040153000c.html(2011年12月7日閲覧)

 ◇給食食材検査、白菜から微量 


桐生市教育委員会が10月に行った学校給食食材の放射性物質検査で、県産白菜から微量の放射性セシウムが検出されていたにもかかわらず、公表していなかったことが分かった。市教委は「風評被害などを懸念した」と説明しているが、市民の「知る権利」が制約された形だ。5日の市議会教育民生委員協議会 で報告された。

市教委によると、白菜は10月5日、県産チンゲンサイ、長野県産リンゴと一緒にサンプルとして採取し、横浜市内の検査機関に送った。翌6日、白菜から1キロ当たり18ベクレル(暫定規制値=同500ベクレル)のセシウムを検出したが、報道発表文では白菜に一切触れず、チンゲンサイとリンゴについて 放射性ヨウ素、セシウムとも「不検出」と記載していた。

非公表の理由について市教委は「県の野菜検査の検出限界値を下回っていたため」と説明。市教委の検査で使った機器の検出限界値は同1ベクレルで、県(同20ベクレル)よりも精度が高いという。また産地からの要望で「風評被害も懸念した」としている。

白菜については「カニ玉」の食材として使用予定だったが、キャベツで代用した。市教委は「食べても問題はないが、子供への影響の低減を図るため」と説明している。

市教委は2学期から月2回、給食の食材検査を実施しており、使用頻度の高い3品目前後を選んで検査機関に送っている。今後はすべての検出結果を公表する方針。【沢田石洋史】

毎日新聞 2011年12月7日 地方版
(転載終わり)

(2)(読売新聞)給食野菜にセシウム (2011年12月7日 ) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20111206-OYT8T01429.htm (2011年12月7日閲覧)(全文転載)

桐生市教委 安全確かめず使用再開


桐生市教委が10月上旬に行った学校給食の食材検査で、県産ハクサイから1キロ・グラム当たり18ベクレルの放射性セシウムを検出したにもかかわ らず、情報公開していなかったことが6日、分かった。5日の市議会教育民生委員会でも取り上げられ、市教委は6日、「風評被害も考慮して公表しなかった。 今後は公開する」と釈明した。

同市教委は月2回、給食で使用頻度の高い食材を3品目ほど選び、横浜市の検査機関で調べている。検査結果は、桐生市のホームページに掲載している。

検出数値は、国の暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を大幅に下回る微量だが、同市教委は「安全安心な給食を提供するため」として、ハクサイを使わず、キャベツで代用したという。

一方、同市教委が11月、新たに納入された県産ハクサイについては継続した検査を行わず、安全性を確かめないまま給食に使っていたことが分かった。一貫していない安全対策に改善を求める声が高まりそうだ。

同市教委の担当者は「県の放射性物質調査では、ハクサイは放射性物質が不検出だったので、その状況を確認して使用した。独自の調査をした方がよかった」と不手際を認めた。

(2011年12月7日  読売新聞)
(転載終わり)

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2011年12月5日投稿

例5)テレビ朝日が、「原発国民投票を」との巻頭特集を組んだ雑誌「通販生活」(カタログハウス発行)のテレビCMの放送を拒否

 (1)(Jcastテレビウオッチ)通販生活CM拒否!テレ朝「報道ステ」―原発国民投票特集マズイ (2011/11/30 17:25) http://www.j-cast.com/tv/2011/11/30114715.html (2011年12月5日閲覧)

    テレビ朝日はカタログハウス発行の雑誌「通販生活」のテレビCMの放送を拒否していた。29日(2011年11月)の定例会見で早河洋社長が明らかにしたもので、カタログハウスから「報道ステーション」と「徹子の部屋」で流したいと打診があったが、視聴者に誤解を与えかねないと断ったという。

つづきを読む

(2)通販生活 2011年秋冬号 巻頭特集「原発国民投票」 


Uploaded by on Oct 31, 2011

-12月5日の投稿はここまで。 

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例4) (財)放射線影響協会「原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査」(2010年3月)に、長期低線量被曝についての貴重なデータがある。8月1日に、参議院東日本大震災復興特別委員会で古川俊治議員(自民)が取りあげた。だが、メディアは注目せず。

(1)低線量被曝データはあった…なぜ誰もそれに言及しない? (週刊SPA! 8月26日(金)12時6分配信)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110826-00000500-sspa-soci (2011年8月30日閲覧)

(以下に全文を転載。太字は投稿者)

 夜討ち朝寝リポーター神足裕司のコラムKohtari’s News Columnこれは事件だ

見えない恐怖が続いている。放射能は無味無臭で見えない。見えないのだから、政治が悪い。トップの菅直人首相が悪い。いや、信用できないから辞めていた だこう。いや、できる限りのことはした(菅首相)。こんな不毛な応酬が続く。これでいいのか? そんな国会中継のTVをつけていたら、こんな声が聞こえ た。

今までICRP(国際放射線防護委員会)も含めてですね、全然データがないんです

8月1日、参議院復興特別委員会で質問に立った古川俊治議員の声だった。そして、こう続いた。

「実際、長崎、広島、原爆の問題。その後チェルノブイリが1回あっただけです。60年前ですね。その頃の科学的知見は十分ではなかった。チェルノブイリではなかなかモニタリングができなかった。ほとんど世界にデータがないんです。何もわかってないのが現状」

その通り! と相槌を打った。だから、政府、経産省、原子力委員会、東電は、いたずらに「ただちに健康に影響はありません」と繰り返すのでなく、データを公表し、正確にはわからないと告げ、避難については個人の判断にゆだねるべき、と思ってきた。

ところが、古川議員からは意外な言葉が飛び出した。

22万7000人ばかりを調査した、立派な調査があります

それは、文科省の委託を受けた財団法人放射線影響協会が作った「原子力発電施設等 放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第IV調査)平成17年度~平 成21年度」である。原発で働く人を対象にした追跡調査。世界で同様の調査は行われているが、戸籍制度がしっかりしている日本のものが、実は最高に優れて いるという。

その資料を持ちだして、古川議員は何を問おうというのか。

放射線従事者の方々は長期被曝しておられます。一般の方々と比べた場合、癌のリスクは1.04倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって、放射線従事者のほうが、癌がたくさん発生してるんですね

原発などで働く放射線業務従事者の通常の放射線被曝限度は、1年で50ミリシーベルト(以下mSvと略)、5年で100mSvと定めている。であれば、少なくとも限度以内では安全、と思う。ところが、1.04倍。100人に4人は癌の発症が増える。

古川議員はさらに決定的な数字を突きつける。

この放射線従事者の方々の平均の被曝線量は累積で13.3です。20ミリ以下ですね

そして、労災認定の例を挙げる。

「過去に癌を発症して労災認定をされた方は10人いますが、最も少ない人は5ミリの被曝だったんですよ。政府が被曝との因果関係を認めてるわけですよ」

5mSvの労災認定とは、中部電力浜岡原発で働いていた孫請け会社元社員・嶋橋伸之さん(当時29)が慢性骨髄性白血病で91年に死亡し、94年に認定 されたものだ。嶋橋さんの放射線管理手帳によれば、約8年10カ月で累積被曝線量は50.93mSv。従事年数で累積線量を割れば、約5.6mSvとな る。

では、文科省が決め、内閣参与の東大教授が涙ながらに辞任した「校庭利用限度20mSv」は?

「1年経過後に白血病を発症する生徒の皆さん、みーんな補償することになりますよ」(古川)

最も大きな問題は原子力安全委員会が持っていた緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」を5月2日まで公表しなかった点だ

細野首相補佐官(当時)が「(公表すれば)パニックになるから」と言ったことを指摘し、古川議員は「被害を知らなかったとすれば無能だが、故意に隠したなら刑事責任を問われる」と責めたてた。

菅政権が無能かどうかなど問題ではない。原発事故への対応は犯罪だった。これが核心である。

【医師である古川議員が指摘する隠された問題】

参院議員会館へ古川議員を訪ねた。医学博士でありながら司法試験に合格し、弁護士も務めることで話題になった有名人だ。 議員は、放射線影響協会がまと めたデータと政府が安全指針とするICRPのテキストを並べ、「19年間調査した立派な資料です」と、国会答弁と同様に言った。

いわば、政府は国際基準よりずっと詳細なデータを持ちながら、低線量被曝のデータに弱いICRPばかりを根拠にしてきた

古川議員は「普通の議員では、放影協会のデータは、読み解くことができない」とも言う。

議員は、120ページにおよぶ平成22年度の調査書を繰りながら、放射線による有意な(偶然ではない)癌発生との関連を「タバコと飲酒のせいにしている」と憤る。

放射線をたくさん浴びた作業員は喫煙と飲酒量が多いという馬鹿げたグラフがあるのだ

59ページには「累積線量との関連が認められた食道、肝臓および肺の悪性新生物(癌のこと:筆者注)に、喫煙等の生活習慣が交絡している可能性も否定できない」とある。

つまり、放射線と癌の関係は低線量でも認められるのに、それを生活習慣のせいにしている

それこそ、無知か故意かはわからないが、閣僚たちは原子力村がねじ曲げた結論を基に、「健康への影響はない」と言い続けているのだ。

古川議員は議会で被災地域の約20万人のうち3割、6万人が癌で亡くなると断言した。20mSvの被曝なら約960人が、10mSvなら約480人が亡くなる。増えた分はSPEEDIを隠した政府の責任だ。

菅首相は「(SPEEDIを)知らなかった」と応えた。

今後の福島県の調査で数十年後癌患者が増える、その補償をどうする、との問いに海江田経産相は驚くべき答弁をした。

「訴えてください」と言ったのだ。

議論がかみ合っていなかった、とは私も感じた。だが、それは政府側が自分の頭で考えず、原子力専門家の意見を鵜呑みにしているからだ。医師でもある古川議員は非常に重要なことを言った。

従来ないとされていた低線量被曝の影響データは、実は日本にあるあるのに国は目を留めず、この日のやり取りは、どの新聞もTVも取り上げていない

■低線量被曝データが存在?

福島原発事故以降、放射性物質拡散と低線量被曝の危険性について政府は、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準を元に、安全との見解を示してきた。だ が8月1日、参議院復興特別委員会で自民党の古川俊治議員が放射線影響協会の資料を示し、低線量被曝の国内調査結果が存在すると主張。それまで同件の国内 調査結果はないとされていた。


(2)8.1 参議院東日本大震災復興特別委員会 古川俊治議員:自民 


[投稿者による書き起こし - 14:30頃から。太字は投稿者]


古川議員 なぜ100mSV以下の低い線量の被曝のリスクがはっきりしないか? 今まで実際、ICRPも含めて、全然データがない。広島・長崎の原爆の後、チェルノブイリが一回会っただけ。当時、60年前の頃の科学的知見は充分ではなかった。チェルノブイリではなかなかモニタリングができなかった。実際にこうした原子力事故が起こったということは、殆ど世界にデータがない。まさにこの福島はそういう中で起こっている認識を持っていただきたい何もわかっていないのが現状。これから被災者は長期に低線量の被曝をしていくわけだが、長期低線量被曝の調査は、原発従業者を調べている。彼らは長期に被ばくをする。各国でやられている。それでデータをとろうとする。この方法でなかなか評価が定まらないのは原発で働く方々がどっかに行っちゃう、フォローができない。そういう機構が一番整っているのは日本、戸籍制度がしっかりしているから。

日本には27万7千人ばかりを調査したりっぱな調査がある。文部省[ママ]の予算を使ってやっている。

原発従業者を、一般のひとと比べると、がんのリスクは1.04倍。明らかに偶然では説明できない差をもって、放射線従業者のほうががんが沢山が発生している

放射線従業者の平均被ばく線量は累積で13.3mSV. 20mSV以下ですね。

つぎの「内部比較」のデータは、放射線従業者のなかで、どのくらい被曝するとどのくらいがんが増えるかを見ている。被曝量が増えれば増えるほど、どんどんがんの発生が増えるということがいろんながんで認められる

こういうデータがすでに日本にある。累積線量が20や10ミリシーベルトでも、がんが増えてくる。

たばこや飲酒ががん発生に寄与する可能性も考えられる。だが、放射線従業者の間では、心筋梗塞とか消化性潰瘍などの、たばこの影響による他の疾患が増えていない。まさに、がんだけが増えている。飲酒の影響についても同じ。長期累積線量が20や10ミリシーベルトというレベルでも障害が起こっている。

高木文科相、このデータについて検討することがありましたか、今まで?

高木文相: 。。。本調査の結果においては、累積線量が20mSV以下を含め、低線量領域の放射線量ががんの死亡率に影響をおよぼしている明確な証拠は認められなかったと言える、という総合評価がなされております

古川議員: [この調査結果をみると]明らかにがんが増えている。そういう総合評価をした委員会はほとんど業界のひとなんですよ。調べてみました? みんな業界のひとですよたばこや飲酒との関連性が否定できないというレベルで、これを全部、結局「ない」という話をしているんですよ。これは、検討してないということじゃないですか、今大臣がおっしゃってることは。字面だけ見てるんじゃないですか? 明らかに差が出てますよ

[政府は]放射線による障害は100ミリシーベルトで[はじめて]問題になる、と言ってきているが、実際、確率的障害、これはみなさんが金科玉条のごとく言っているICRPも確率的障害は認めている、この前提に立っている。ということは、20mSVであれば20mSV相応のがん患のリスクが出るということ、これが科学的結論。

報道によれば、過去にがんを発症して労災認定された原発労働者は10人で、最も少ないひとは、約5mSVの被曝だった。5mSV以上の被曝で、被曝後1年以内に白血病を発生すれば、労災認定される。これは、政府がある意味で因果関係を認めている、被曝との

(中略)

今まで政府は、20mSV以下で問題ないということで対応してきた。これをどう説明するのか?

高木文相: 厚生労働省の放射線被曝にかかる白血病の労災認定要件の一つには、相当量、これは5mSVX従事年数、放射線被曝をしたという事実、とある。これは、5mSVと放射線被曝と白血病との因果関係は証明されていないものの、労働者への補償に欠けるものがないように、幅広く救済するという観点から設定されたものであって財団法人・放射線影響協会の疫学調査の結果と矛盾するものではない

(以下略)

(3)財団法人 放射線影響協会 『文部科学省委託調査報告書 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査 (第Ⅳ期調査 平成17 年度~平成21 年度)』(平成22年3月) 
http://www.rea.or.jp/ire/pdf/report4.pdf (2011年8月30日閲覧) 
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例3)野村総研の提言家庭における節電対策の推進』(4/15)の中の、「テレビを消す」の節電効果をテレビは無視

(1) 黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告 NEWS ポストセブン8月10日(水)16時5分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110810-00000016-pseven-pol(2011年8月13日閲覧)

「こまめに電灯を消そう」「エアコンの設定温度を28度に」――テレビのワイドショーでは、様々な節電方法が連日紹介されている。その一方で、黙殺され続けている一番効果的な節電方法がある。

それはズバリ「テレビを消すこと」だ。

興味深いデータがある。野村総合研究所が4月15日に発表した『家庭における節電対策の推進』なるレポート。注目したいのは「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」という試算だ。

これによれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果(1時間あたりの消費電力)は130ワット。一方、液晶テレビを1台消すと220ワットとなる。

単純に比較しても、テレビを消す節電効果は、エアコンの約1.7倍にもなるということだ。

この夏、エアコンを使わずに熱中症で亡くなる人が続出している。にもかかわらず「テレビを消す」という選択肢を国民に知らせないテレビ局は社会の公器といえるのか。

自分たちにとって「不都合な真実」を隠しつつ、今日もテレビはつまらない番組を垂れ流し続けている。

※週刊ポスト2011年8月19・26日号



(2) 野村総合研究所 第6回提言 『家庭における節電対策の推進』
http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/pdf/201104_fukkou6.pdf
(2011年8月13日閲覧)

P.5の図表2を参照。

野村総研 News Release 震災復興に向けた緊急対策の推進について http://www.nri.co.jp/news/2011/110415_1.html


投稿者コメント
上記の週間ポスト記事は、テレビが「テレビを消す」の節電効果を無視していると批判しているが、興味深いのは、提言をまとめた野村総研自身もエアコンに関連する節電法に焦点を当てており、プレス・リリースや『提言』の中で「テレビを消す」の節電効果に触れていないことだ。例えば、プレス・リリースで以下のように述べている。

[ プレス・リリースからの抜粋]
本プロジェクトの第6回提言は、「家庭における節電対策の推進」として、逼迫する東京電力管内の電力需給対策に向けた提言を取りまとめました。主な内容は、以下のとおりです。

■提言

NRIでは、この夏の東京電力(および東北電力)供給区域における節電対策を、より効果的に実施するために必要な“節電の呼びかけ”(節電プロモーション)施策の検討のため、生活者の節電対策等に関する意識と実態の把握を目的とした「家庭の節電と計画停電に関するアンケート調査」を、2011年4月初旬に実施しました(調査概要は図表1参照)。
その調査の結果、下記のことが明らかとなりました。
主な節電対策の効果の差
家庭で実施可能な主な節電対策を行うとして、いくつかの仮定をおいて1軒あたりの期待節電量を試算すると、合計で696Wになります(図表2)。一方、震災後の節電対策実施率から試算した、1軒あたりの想定節電量は371Wとなりました(図表3、図表4)。つまり、実績ベースの想定節電量は、期待節電量の約半分に留まっています。また、家庭でお金をかけずに実施できる節電対策の中では、「エアコン使用台数削減」が期待節電量が大きいにも関わらず実施率が低く、有効な節電プロモーションを実施することで、大きな追加節電効果が期待できることがわかりました(図表5)。 また、(1)エアコンの設定温度を上げるという節電対策と、(2)エアコンの使用台数を減らすという節電対策をそれぞれ行った場合、東京電力の供給区域全体での節電効果は、それぞれ(1)20万kW、(2)81万kWが見込めます(図表5)。 今夏、家庭での節電対策をより効果的に行うためには、単に「節電」を呼びかけるだけでなく、効果の大きな節電施策を念頭においた「節電プロモーション」が重要になると考えられます。  [プレス・リリースからの抜粋終わり](太字は投稿者)  ________________________________________________


例2) 児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長の衆議院厚生労働委員会での発言。
インターネットでは大評判。だが、殆どの既存メディアは無視。

1)児玉教授の南相馬市での除染活動を伝える『日経新聞』の記事も、3日前の厚生労働委員会での教授の証言には言及せず。  
放射性物質の除染作業を体験 南相馬で教育関係者 (日経新聞)(2011/7/30 21:44)

2)8月1日 『東京新聞』、コラム「筆洗」で言及するも、ニュースとしては取り上げず。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011080102000018.html

以下、「筆洗」からの抜粋。
「七万人が自宅を離れてさまよっている時に国会はいったい何をやっているのですか」。火を吐くような気迫に衆院委員会室は静まり返った。先週、厚生労働委員会に参考人として呼ばれた東京大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の発言だ▼教授の試算は衝撃的だった。福島第一原発の事故で漏出した放射性物 質は広島原爆の約二十個分。一年後の残存量は原爆の場合、千分の一に減るが、原発から出た放射性物質は十分の一程度にしかならないという▼福島県南相馬市 で自らが手掛けている除染活動を通じ、内部被ばくから子どもを守ろうとする責任感が伝わる発言だった。国会の怠慢を厳しく批判する先には、動きがあまりに も鈍い国への憤りがある。(中略) 学者の良心に希望を感じる。 > (太字は投稿者)

[投稿者コメント] 「火を吐くような気迫」で「国会の怠慢を厳しく批判」し、「衝撃的」な試算を提示した児玉教授のこの参考人証言を、東京新聞は、なぜニュース記事として取り上げなかったのか? なぜ、小さなコラムでの言及でお茶を濁すのか? 証言のビデオがYouTubeで何万回と視聴され、消されても再度投稿されている状況を、東京新聞(や他の大手メディア)は知らないのか? 知らないとしたら、報道機関として怠慢。知っていて無視しているなら、まさに情報操作。筆洗子は、児玉教授の「良心に希望を感じる」と書いた。東京新聞よ、報道機関としての「良心」はないのか?!

3)8月1日、「モーニングバード」が児玉教授の発言をとりあげた。番組当該部分の動画はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=ySK5Vg5nWDs

4) asahi.com My Town 茨城が児玉教授のコメントを掲載(7/01/2011)

放射線から子を守れ(2011年07月01日) ■児玉龍彦・東大教授に聞く

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08001021107010001
(last accessed 8/4/2011)

5) 8月7日、『毎日新聞』が児玉教授にインタビューして記事に。

「放射線:「除染急げ」 東京大アイソトープ総合センター長」

毎日jp 2011年8月7日 21時54分(最終更新 8月7日 22時03分) http://mainichi.jp/select/science/news/20110808k0000m040085000c.html


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例1)日本政府は(炉心溶融についてのデータは66日 に開示したが)「原子炉圧力容器下部の冷却水の量や温度、溶融落下した燃料の温度、さらには実際のプラントでの測定値と唯一比較できる原子炉圧力容器下部 の温度など、燃料が格納容器にまで漏えいしたか否かを判断する参考となる過渡変化の解析結果も未だに開示されていない。」日本原子力学会『不適切な情報開示の例』(7/4/2011)http://www.aesj.or.jp/information/fnpp201103/chousacom/inaeg20110704.pdf

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