http://news.nicovideo.jp/watch/nw86152 (2011年9月24日閲覧。強調は投稿者)
情報開示に格差はないはずのなのに、記者クラブ以外は取材できない――。2012年春から北海道西部の泊原子力発電所でのプルサーマル発電を計画している 北海道電力は、株主総会や社長記者会見などの取材を記者クラブ加盟者にしか認めていない。、メディアによって対応窓口を変え、その"ルール"を破った取材者 には容赦なく退席を命じる。電力各社の株主総会が集中した2011年6月下旬、同社の徹底した「情報統制」のあり方が浮き彫りになる一幕があった。(小笠原淳)
6月29日午前、北海道電力(札幌市中央区、佐藤佳孝社長)が札幌市内の東京ドームホテル札幌で定時株主総会を開いた。福島第一原発の放射能漏洩事故を受 け、会場付近では市民団体が「泊原発を止めよう!」などと書かれた横断幕を掲出、「沈黙のアピール」と銘打った抗議行動を展開した。「311net」メン バーの泉かおりさん(54)は「福島のような事故は、北海道の泊原子力発電所でいつ起きてもおかしくない。北電には、プルサーマル稼動計画の撤回と、送電線の開放を求めていく」と、静かながら強い口調で話す。
地元誌「北方ジャーナル」の取材で訪れていた筆者(小笠原)は、株主総会の様子を見ておこうとホテル地下の会場に足を運んでみた。そこで、北電の職員に制止されることになったのだ。
同社は毎年、株主総会を地元メディアに公開している。開会中の取材は認めていないが、裁判所の法廷で審理前に行われるような"アタマ撮り"は可能だ。ただし、記者クラブ加盟社に限って。
地元企業などを取材する北海道経済記者クラブ(22社加盟)に参加していないフリーライターの筆者は、会場に近づくことが許されなかった。理由は、「記者クラブさんにしかご案内していないので」(北電広報部)というわけだ。では、どこなら取材できるのか。北電職員から返ってきたのは「地上なら...」とい う答えだった。
会場は、地下2階。1階に上った筆者は、受付周辺を何枚か撮影することにした。その間にも、NHKの腕章を着けた記者が職員に促され、地下へと案内されていく。
午前10時、株主総会が開会。アタマ撮りを終えた記者クラブの面々がその後どうするのかというと、ホテル4階のプレスルームに移動するのだ。「報道関係者 御席」の表示がある同室には、会議の様子を中継するモニターがあり、30人ほどが使える長卓と椅子が並んでいる。冷水とコーヒーのポットがあり、室内の記者たちは飲み放題。筆者も彼らに交じって入室し、総会の映像を視聴することにした。4階は「地上」だ。取材は許されている。ところが――「ちょっとこちらへ」
6月29日午前、北海道電力(札幌市中央区、佐藤佳孝社長)が札幌市内の東京ドームホテル札幌で定時株主総会を開いた。福島第一原発の放射能漏洩事故を受 け、会場付近では市民団体が「泊原発を止めよう!」などと書かれた横断幕を掲出、「沈黙のアピール」と銘打った抗議行動を展開した。「311net」メン バーの泉かおりさん(54)は「福島のような事故は、北海道の泊原子力発電所でいつ起きてもおかしくない。北電には、プルサーマル稼動計画の撤回と、送電線の開放を求めていく」と、静かながら強い口調で話す。
地元誌「北方ジャーナル」の取材で訪れていた筆者(小笠原)は、株主総会の様子を見ておこうとホテル地下の会場に足を運んでみた。そこで、北電の職員に制止されることになったのだ。
同社は毎年、株主総会を地元メディアに公開している。開会中の取材は認めていないが、裁判所の法廷で審理前に行われるような"アタマ撮り"は可能だ。ただし、記者クラブ加盟社に限って。
地元企業などを取材する北海道経済記者クラブ(22社加盟)に参加していないフリーライターの筆者は、会場に近づくことが許されなかった。理由は、「記者クラブさんにしかご案内していないので」(北電広報部)というわけだ。では、どこなら取材できるのか。北電職員から返ってきたのは「地上なら...」とい う答えだった。
会場は、地下2階。1階に上った筆者は、受付周辺を何枚か撮影することにした。その間にも、NHKの腕章を着けた記者が職員に促され、地下へと案内されていく。
午前10時、株主総会が開会。アタマ撮りを終えた記者クラブの面々がその後どうするのかというと、ホテル4階のプレスルームに移動するのだ。「報道関係者 御席」の表示がある同室には、会議の様子を中継するモニターがあり、30人ほどが使える長卓と椅子が並んでいる。冷水とコーヒーのポットがあり、室内の記者たちは飲み放題。筆者も彼らに交じって入室し、総会の映像を視聴することにした。4階は「地上」だ。取材は許されている。ところが――「ちょっとこちらへ」
■「会見は、記者クラブさん以外ご参加できません」
地下で対応してくれた広報部の職員氏が、険しい顔で声をかけてきた。訊けば、ここでの取材も記者クラブ限定だという。理由を問うと「際限なく誰にでも対応はできない」との答え。「私1人しかいませんし、何の騒ぎにもなってませんが?」「それは結果論。いられると困るのです」「誰が?」「私が」――。
10分間ほどのやり取りの挙げ句、筆者は別の部屋に案内され、そこで引き続き中継を観せて貰えることになった。だが、これは何の意味があるのだろう。記者クラブ向けの映像とまったく同じ映像の視聴が認められ、しかし同じ部屋にいることは許されない。途中退室して喫煙所に向かうと、職員1人が同行して喫煙終了まで待機、もう1人が室内で留守番してくれる。北朝鮮ではない、現代の日本の話。
翌30日午後、改めて北電を訪ねた。同社総務部は、「記者クラブさんだろうと、それ以外のメディアだろうと、一般のお客様だろうと、開示する情報には何らの差も設けていない」と繰り返し強調した。しかし――
29日の株主総会終了後、北電は記者会見を開いている。筆者はこれに参加しなかったが、申し込んでいたら参加できたのだろうか。
「会見は、記者クラブさん以外ご参加できません。当社主催の会見であっても、幹事社さんの許可が必要です」
筆者は混乱し、念のため再び尋ねてみたが、北電の見解は変わらなかった。すなわち、「情報開示に差は設けていない」――。
参考までに添えておくと、同社の記者クラブ対応窓口は広報部、未加盟メディアの窓口は総務部、それ以外の北海道民の窓口はお客様センター、なのだそうである。
(小笠原淳)
◇関連サイト
・月刊誌「北方ジャーナル」 - 公式ブログ
http://hoppojournal.kitaguni.tv/
______________________________________________
2011年12月4日投稿
(北方ジャーナル)2011年12月02日 北海道電力、記者会見オープン化へ http://hoppojournal.kitaguni.tv/e1859784.html(2011年12月4日閲覧)
北電はこれまで、本店内で開く会見の参加者を北海道経済記者クラブ加盟社(新聞・通信・放送22社)に限定、 雑誌やインターネットメディア、外国プレス、フリーランス記者などの会見場への立ち入りを認めていなかった。これに対し、本誌を含む複数の記者クラブ非加盟メディアがたびたび改善を要望、8月26日の“やらせ”発覚以後は本店を訪ねて直接交渉る記者も増えたが、同社はセキュリティ上の都合などを理由に要望に応じていなかった。
状況が一変したのは11月29日、監督官庁の経済産業省が国内の電力各社に会見オープン化を指示したことによる。同日午前の大臣定例会見に参加した東京都のフリージャーナリスト上出義樹さん(66)が、北電の“フリー締め出し”について枝野幸男大臣に質問、同大臣は「電力会社は政府に準じた高い公益性を 持つので、会見も政府の記者会見に準じて行なう必要がある」と回答し、「全電力会社にその旨を指示する」と明言した。
指示を受けた北電は2日、本誌の確認に対し「次回の会見(日程は未定)からオープンにする方向で調整中。記者クラブさん以外への告知方法などを含め、詳細はこれから検討する」(同総務部)と明かした。これまでオープン化が実現しなかったことについて、本誌が10月21日に文書で質問を寄せた際、北電は 「会見の円滑な進行のため」「セキュリティ上の都合」などの理由を示していたが、今回の方針変更でそれらの理由は成立しなくなる。
一連のプルサーマルシンポジウムでの“やらせ”について、8月に第一報を担った「しんぶん赤旗」東京社会部デスクの森近茂樹さん(55)は、電力会社の会見オープン化を「原発という危険なものを扱う企業としての自覚が問われる問題」と捉える。北電の路線変更は「当然のこと」と評価しながらも、オープン化 までの経緯については「私たちが何度要求しても受入れなかったのに国の一声で豹変するとは、クローズの時とほとんど体質が変わっていないのではないか」 と指摘している。 (ん)
-全文を読む。
地下で対応してくれた広報部の職員氏が、険しい顔で声をかけてきた。訊けば、ここでの取材も記者クラブ限定だという。理由を問うと「際限なく誰にでも対応はできない」との答え。「私1人しかいませんし、何の騒ぎにもなってませんが?」「それは結果論。いられると困るのです」「誰が?」「私が」――。
10分間ほどのやり取りの挙げ句、筆者は別の部屋に案内され、そこで引き続き中継を観せて貰えることになった。だが、これは何の意味があるのだろう。記者クラブ向けの映像とまったく同じ映像の視聴が認められ、しかし同じ部屋にいることは許されない。途中退室して喫煙所に向かうと、職員1人が同行して喫煙終了まで待機、もう1人が室内で留守番してくれる。北朝鮮ではない、現代の日本の話。
翌30日午後、改めて北電を訪ねた。同社総務部は、「記者クラブさんだろうと、それ以外のメディアだろうと、一般のお客様だろうと、開示する情報には何らの差も設けていない」と繰り返し強調した。しかし――
29日の株主総会終了後、北電は記者会見を開いている。筆者はこれに参加しなかったが、申し込んでいたら参加できたのだろうか。
「会見は、記者クラブさん以外ご参加できません。当社主催の会見であっても、幹事社さんの許可が必要です」
筆者は混乱し、念のため再び尋ねてみたが、北電の見解は変わらなかった。すなわち、「情報開示に差は設けていない」――。
参考までに添えておくと、同社の記者クラブ対応窓口は広報部、未加盟メディアの窓口は総務部、それ以外の北海道民の窓口はお客様センター、なのだそうである。
(小笠原淳)
◇関連サイト
・月刊誌「北方ジャーナル」 - 公式ブログ
http://hoppojournal.kitaguni.tv/
______________________________________________
2011年12月4日投稿
(北方ジャーナル)2011年12月02日 北海道電力、記者会見オープン化へ http://hoppojournal.kitaguni.tv/e1859784.html(2011年12月4日閲覧)
(記事の抜粋はじめ)(太字は投稿者)
北海道電力は2日までに、同社の記者会見に記者クラブ加盟記者以外の参加も認める、いわゆる“会見オープン化”の方針を固めた。同本店(札幌市中央区大通東1)内で開かれる次回の会見をめどに、参加資格を拡げる方向で調整を進める。
北電はこれまで、本店内で開く会見の参加者を北海道経済記者クラブ加盟社(新聞・通信・放送22社)に限定、 雑誌やインターネットメディア、外国プレス、フリーランス記者などの会見場への立ち入りを認めていなかった。これに対し、本誌を含む複数の記者クラブ非加盟メディアがたびたび改善を要望、8月26日の“やらせ”発覚以後は本店を訪ねて直接交渉る記者も増えたが、同社はセキュリティ上の都合などを理由に要望に応じていなかった。
状況が一変したのは11月29日、監督官庁の経済産業省が国内の電力各社に会見オープン化を指示したことによる。同日午前の大臣定例会見に参加した東京都のフリージャーナリスト上出義樹さん(66)が、北電の“フリー締め出し”について枝野幸男大臣に質問、同大臣は「電力会社は政府に準じた高い公益性を 持つので、会見も政府の記者会見に準じて行なう必要がある」と回答し、「全電力会社にその旨を指示する」と明言した。
(中略)
一連のプルサーマルシンポジウムでの“やらせ”について、8月に第一報を担った「しんぶん赤旗」東京社会部デスクの森近茂樹さん(55)は、電力会社の会見オープン化を「原発という危険なものを扱う企業としての自覚が問われる問題」と捉える。北電の路線変更は「当然のこと」と評価しながらも、オープン化 までの経緯については「私たちが何度要求しても受入れなかったのに国の一声で豹変するとは、クローズの時とほとんど体質が変わっていないのではないか」 と指摘している。 (ん)
No comments:
Post a Comment