Sunday, October 30, 2011

I.3.海洋への放射性物質流出:東電発表をはるかに上回る試算値

 2011年10月27日、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が、東電福島第一から海に流出した放射性物質の総量を推定した調査報告書を公表した。同報告書は、3月21日から7月半ばまでに海に流出した放射性物質(放射性ヨウ素131、放射性セシウム137、134、136、テルル132)の総量を推定。中でも、放射性セシウム137の総量、2.71京ベクレル(1京は1兆の1万倍)は、5月の東電発表の推計値の30倍、6月の東電推計値と比べても20倍になる。単独の事故によるものとしては過去最大規模とされ、このうち82%は、事故が起きた原子炉を冷やすための放水によって4月8日までに流れ出たものだという。

東電の海洋流出放射線物質量推計値については、9月にも、日本原子力研究開発機構の研究者らが 東電の推計値の3倍の調査結果(セシウムは含まず)を発表していた。(下に転載の読売新聞記事(2011年9月9日)を参照。)

フランスの研究所の発表が時事通信の記事(1)で報じられた後、国内の大手報道各社もこぞって報道した。時事通信の記事が東電の6月の推計値と比べて「20倍」としていたのに対し、その後の各社の報道では、東電の5月発表の推計値と比べて「30倍」と、よりセンセーショナルな見出しが躍っているものもある。

だが、今フランスからの数字に驚いている大手メディアのほとんどは、これまで事故を小さく見せようとする東電と政府の発表を精査することなく伝えてきた。そんな中でいち早く放射能汚染水、海洋汚染の問題を指摘し東電と政府を追及したのは、記者クラブに属さない独立系メディアのジャーナリストたちだった。 

【IRSNの発表についての報道】

(1)(時事)海洋流出、東電推計の20倍か=福島原発のセシウム-仏研究所(2011/10/28-06:36) http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011102800074 (2011年10月30日閲覧)(全文転載)
【パリ時事】フランス政府系の放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は27日、東京電力福島第1原発事故後の3月21日から7月半ばまでに海に流出した放射性セシウム137の総量は2.71京ベクレル(1京は1兆の1万倍)で、東京電力が6月に発表した推計値の20倍に達すると推定した調査報告書を公表した。

単独の事故によるものとしては過去最大規模という。このうち82%は、事故が起きた原子炉を冷やすための放水によって4月8日までに流れ出たとされる。(2011/10/28-06:36)

(転載終わり)

(2)(毎日新聞)セシウム:海洋流出、東電発表の30倍 仏研究所推定(2011年10月29日 11時14分) http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111029k0000e040024000c.html(2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は28日までに、東京電力福島第1原発事故で海洋に流出した放射性物質セシウム137の総量を 約2.7京ベクレル(2万7000テラベクレル。京は兆の1万倍)と推計する調査報告書を発表した。東京電力は5月に海に流れ込んだセシウム137の推計値を発表しているが、その30倍近くに相当する計算になる

報告書によると、これほどの量の放射性物質が海洋に流れ出たのは、過去に例がないという。

調査は3月21日から7月中旬までの流出量を2.71京ベクレル(2万7100テラベクレル)と推計。そのうち82%は4月8日までに流れ出たとしている。

報告書はまた、福島第1原発の立地が強い海流の流れる沿岸部だったため、太平洋の海洋汚染が「例外的なスピードで広まった」と指摘。今年秋以降、遠洋の魚介類に対する汚染の影響は弱まるとしつつ、福島の沿岸部では「相当な汚染が当分続く」と警告している。

セシウム137は半減期が約30年で、汚染が比較的長期にわたる。(パリ共同)

毎日新聞 2011年10月29日 11時14分

(3)IRSNの発表と調査報告書

(IRSNのHP)Accident nucléaire de Fukushima-Daiichi : l’IRSN publie une mise à jour de sa note d’information sur l’impact sur le milieu marin des rejets radioactifs consécutifs à l’accident  27/10/2011 http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Pages/20111027_Accident-fukushima_impact-rejets-radioactifs-milieu-marin.aspx (2011年10月30日閲覧)

(調査報告書)Synthèse actualisée des connaissances relatives à l’impact sur le milieu marin des rejets radioactifs du site nucléaire accidenté de Fukushima Dai-ichi     26 octobre 2011      http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact_accident_Fukushima_sur_milieu_marin_26102011.pdf (2011年10月30日閲覧) 

読者の皆様へのお願い:この報告書は、投稿時点では、フランス語版のみのようです。どなたか日本語に訳してくださると大変ありがたいです。


【関連報道】

(1)(NHK)海に流出の放射能 総量4700兆ベクレル(4月21日 19:45更新) http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110421/08.html(2011年10月30日閲覧)(全文転載)(強調は投稿者) 

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、2号機のピットと呼ばれる施設から海に流出した、高濃度の汚染水に含まれる放射能の量は、東京電力の推計で4700兆ベクレルに上ることが分かりました。
この値は、事故の評価がレベル7に引き上げられた際に、国が福島第一原発から大気中に放出されたと公表した量のおよそ100分の1に当たり、東京電力では、海や海洋生物などへの影響を引き続き調べることにしています。
福島第一原発の2号機では、今月2日にピットと呼ばれる施設から高濃度の汚染水が海に流出しているのが確認され、今月6日に止まるまで流出し続け、海への放射性物質の広がりが深刻な問題になりました
これについて東京電力は、どれだけ海に流出したかを評価し、21日、その結果を公表しました
それによりますと、まず流出の開始時期は、当時の現場付近の放射線量の値などから、流出が確認された日の前日の今月1日昼ごろの時点では、明らかな流出はなかったとしましたが、特定はできなかったとして、今月1日と判断しました。
また、流出状況の監視用に設置したカメラの映像から、1時間当たりの流出量を4.3トンと見積もっています。
そのうえで、今月1日から6日まで流出したと仮定して計算した結果、海への流出量はおよそ520トンとなり、そこから計算される、流出した海水に含まれる放射能の量は、4700兆ベクレルと推定したということです。
東京電力によりますと、この放射能の量は、福島第一原発が保安規定で定めている放射性物質の1年間の放出管理目標値の2万倍に当たります。
また、今回の事故の評価が「レベル7」に引き上げられた際、国が福島第一原発から大気中に放出されたと公表した量と比べると、およそ100分の1で、「レベル5」のスリーマイル島原発の事故の際の放出量と比べるとおよそ1万倍となります。
海への放射性物質の流出は、このほかにも、水素爆発が起きた際に放出された放射性物質が直接海に降ったり、地下水などを通じて流れ込んだりしたものがあるとみられます。
2号機の取水口付近で採取した海水からは、一時、最大で国の基準の750万倍という極めて高い濃度の放射性のヨウ素131が検出されましたが、20日の時点では、放射性のヨウ素131は国の基準の4000倍となっていました。
東京電力では、何らかのルートを通じて汚染水が今も海に流出している可能性があるとして、漏えいルートの特定を急ぐとともに、海や海洋生物などへの影響を引き続き調べることにしています。

(転載終わり)

(2)(毎日新聞) 福島第1原発:3号機取水口で汚染水 ピットから海へ流出 (2011年5月11日 20時49分) http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/archive/news/2011/05/11/20110512k0000m040096000c.html (2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(強調は投稿者)
福島原子力発電所事故対策統合本部は11日、東京電力福島第1原発3号機の海水取水口近くにある「ピット」と呼ばれるコンクリート製の穴に、放射性物質で汚染された水が流れ込み、海に流出しているのを見つけたと発表したいつごろ流出が始まったかは不明だが、東電は同日夕、ピットをコンクリートで 埋め、流出を止める処置をした。汚染水をめぐっては、4月に2号機の取水口から高濃度の汚染水が海へ流出している

東電によると、同日午前、作業員が津波対策として3号機の立て坑を埋め立てる作業をしていたところ、取水口に隣接するピット(深さ約2.3メートル)に壁面から水が流れ込んでいるのを見つけた

調べたところ、1立方センチ当たりセシウム134が法定基準の62万倍に当たる3万7000ベクレル、セシウム137が同43万倍の3万9000ベクレルなど、計約8万ベクレルの放射能を帯びていた。

1~4号機では、タービン建屋内や、ケーブルなどを納めるコンクリート製のトンネル(トレンチ)に合計8万トン以上と見積もられる汚染水がたまっ ており、2号機から優先的に収容施設へ移送している。東電は今回の汚染水が2号機同様、トレンチから流れ込んだと見ている。ピット内の水位は上昇していないため、汚染水はそのまま海に流出したらしい

東電は発見から約8時間後の同日午後、ピットをコンクリートでふさいで海への流出を止めた。政府は在外公館へ連絡。経済産業省原子力安全・保安院は流出経路の特定や海への環境影響を調べるよう東電に指示した。【関東晋慈、日野行介】

 ◇

また保安院は11日、1号機の原子炉建屋2階で1時間当たり1000ミリシーベルトを超える高濃度の放射性物質を測定したと発表した。1号機は冷却装置の設置に向けた準備を進めている。西山英彦審議官は「冷却のための配管のつなぎこみ作業に影響するかもしれない」との見方を示した。
毎日新聞 2011年5月11日 20時49分

(転載終わり)

(3)(ウオール・ストリートジャーナル・日本版) 政府、低濃度汚染水の海への放出に関する分析結果を公表 (2011年 4月 16日  6:25 JST) http://jp.wsj.com/Japan/node_223182 (2011年10月30日閲覧) 

(全文転載)
【東京】政府は15日、被災した福島第1原発から低濃度汚染水1万トン超を海に放出した件に関する報告書を公表した。周辺国で高まる海への汚染拡大に対する懸念を軽減する狙いとみられる。

経済産業省原子力安全・保安院が日本時間15日夜に公表した報告書によると、東電が今月4日~10日に福島第1原子力発電所から海へ放出した比較的低濃度の放射能汚染水合計1万0393トンに上った。放出量の内訳は地下水排水設備が1323トンと、集中廃棄物処理施設が9070トン。

原子力安全・保安院は分析の結果、海に放出した汚染水の濃度は非常に低いことが明らかになったと表明した。含まれる放射性物質の大半は、東日本大震災後1週間以内に原子炉内で発生した一連の水素爆発により生じ、その後の降雨で降下したものとみられているという。

また、保安院の石垣宏毅審査官によると、サンプリング調査が示すところでは、放出された汚染水に含まれる放射能の量はヨウ素131やセシウム134と137など合わせて約1500億ベクレルと、原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準の100倍程度にあたる。

これに先立ち、特に韓国と中国は日本から同計画に関する事前連絡を受けなかったとし、さらに、海への汚染水放出により環境汚染が脅威にさらされる可能性があるとして批判していた。

低濃度汚染水の海への放出は、過熱した原子炉の冷却のための放水作業から生じた高濃度汚染水の移送先を確保するための判断だった。

原子炉の冷却に使用された合計2万7000トンの水のうち大半は大気中に蒸発するか、原子炉の損傷部分から漏出し施設内にたまるなどして、作業員の復旧作業の妨げとなっていた。

中国と韓国が日本の対応をめぐって強い懸念を表明している一方で、ロシアはそれよりも控えめな見方を示している。

ロシアの連邦医療生物局のウラジミール・ウイバ局長は15日、原子力安全・保安院の報告書公表前に、東京のロシア大使館で記者会見し、「汚染水を海に放出する以外に選択肢がなかったことは理解している」と言及。「同じ状況に置かれたら、われわれも同じ事をしていただろう」との見方を示した。

同局長はさらに、福島原発事故による海の汚染と、昨年米メキシコ湾沖で発生したBPの原油掘削施設からの原油流出を比較し、「BPの原油流出のほうが、福島原発の事故よりも環境への影響という点でははるかに深刻だ」との見方を示した

(転載終わり)

投稿者の感想:東電・政府の発表を無批判にそのまま「報告」している典型例。その上、最後にロシアのお役人の「理解」ある発言と「BP原油流出のほうが。。はるかに深刻だ」という言葉をオマケとして引用する念の入れよう。(もしロシアの反応を先に書いて、中国・韓国からの批判で記事を終えていたら、記事全体から受ける印象がかなり変わったのでは?) 東電と政府だけでなく、大手メディアも事故を小さく見せようとしていたと思わせる好例。

(4)(読売新聞)放射性物質、東電推定の3倍も海へ流出か(2011年9月9日07時56分) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110908-OYT1T00890.htm(2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(強調は投稿者)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、汚染水や大気中からの降下分も含めて、海に流出した放射性物質の総量を1万5000テラ・ベクレル(テラは1兆倍)とする試算を、日本原子力研究開発機構の小林卓也研究副主幹らがまとめた。
東電が推定した値の3倍以上になっている。19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。
東電は高濃度汚染水の流出を4月1~6日に限定しておりその間の放射性物質(ヨウ素131、セシウム134、137)の量を4700テラ・ベクレルと推定していた。
小林副主幹らは、原発の取水口付近での放射性物質の濃度をもとに、海で放射性物質が初めて検出された3月21日から4月30日までの流出量を逆算した。推計値をもとに海洋への拡散を模擬計算したところ、原発の周辺海域での観測値に合っていることも確かめた。試算ではセシウム134を含めていないため、総量はより多くなる

(2011年9月9日07時56分  読売新聞)


【フリージャーナリストによる放射性物質汚染水、海洋放出問題の追及】 

(1)ライター木野龍逸(きのりゅういち)氏のブログ『キノリュウが行く』より 

 高濃度の放射性物質を含む汚水の処理が極めて難しい状況になっている


(冒頭の2パラグラフを引用)
東京電力本社、3月30日0時15分開始の会見。ここでのポイントは、汚染された排水の処理方法だった。東電の説明では、1〜3号機のタービン建屋地下に溜まっている高レベルの放射線を放つ水を、放射線防護可能なタンクに移し、なんらかの形で処理するという。
ここでのポイントは、放射線防護可能なタンク容量と、処理可能な容量だ。処理をしなければ汚水は海に出続けるし、処理が不可能ならばどこかに貯蔵しておかなければいけない。

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 放射性物質を含んだ汚染水の海洋投棄理由を明確に説明できない東電

(冒頭部分を引用)
4月4日午後7時過ぎ。東京電力は、放射性物質を含んだ汚水を海に放出し始めた。日本では初の決定を最終的に下したのは経産省。放出の根拠は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」、通称「原子力等規制法」の第64条1項だった。

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聞くときに聞いておかないと、後では確認ができなくなるかもの件

(冒頭の文章と、三番目のパラグラフ全部を引用)
4月16日土曜日、午前11時過ぎからレク開始。 。。。

そうしたレクの中でひとりの記者が、保安院からの指示文書に言及した。東電が配布した資料には「排出基準を超える放射性物質濃度の排水の海洋放出に関する経済産業省原子力安全・保安院からの指示文書の受領について」とある。


 (2)NPJ編集長・弁護士日隅一雄氏のブログ 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)

(3)【動画】東電が「低濃度」の放射性物質汚染水を海に放出する決定をしたことをめぐり、日隅氏、木野氏らが東電をきびしく追及した記者会見

東京電力記者会見 2011年4月4日、25時(4月5日未明)(2011年10月30日閲覧) http://iwakamiyasumi.com/archives/8023

「会見要旨」を、上記の、Web Iwakami 岩上安身オフィシャルサイトのページから転載。

(転載はじめ)
東電会見 4月4日 深夜25時(4月5日未明) 会見要旨

この日、東電は「5.6号機のタービン建屋内の水位が上がり、ディーゼルエンジンの水没を防ぐため」、または「より高濃度の汚染水が溢れて漏出してしまうのを防ぐため」との理由から、比較的低濃度とされる地下の汚染水1万トン以上の海洋への放水を決定。夕方より実施した。

なぜ今日なのか、という質問に明確な答えのないまま、回答は22時の会見へ持ち越された。
しかし、そこでの東電側の説明から、建屋内に染み出している汚染水で確認出来たのは1箇所のみ(2ℓ/分弱)と判明。他にも数ヶ所から漏れており徐々に水位が上がる恐れがあったため、と付け加えたものの、どれほど建屋内に漏れ、どれほど水位が上がっているか、など具体的な情報が曖昧なまま、汚染水1万トン以上を海に垂れ流すという、前代未聞の措置を取ったことが露呈した。

これに対しフリーの日隅記者、木野記者が、本当に放水が必要だったのか、を激しく追及。さらに日隅記者、木野記者にフリーの上杉隆氏も加わり、放水を判断した責任者の名前、この会見時2階の本部にいる(この会見において責任者の名前を出さな いという判断を下した)責任者の名前の開示を、これも再三に渡って求めるものの、最後まで責任者の名前を明かすことはなかった。

会見後のぶら下がりでも、中途半端な会見になった事へのお詫びを述べるばかりで、具体的な情報を出すことはなかった。(音声のみ)

※その後、フリーの木野記者に会見のまとめ解説をして頂きました。

 (転載終わり)

(4)(動画)原発会見に出席し続けて ~歪んだ情報と日本社会~1-3 (2011年8月9日放送の『ニュースの深層』の録画) http://www.youtube.com/watch?v=N3sK7Icnmwk (2011年10月30日閲覧)

 Uploaded by on Aug 9, 2011
ニュースの深層8/9(火)
ゲスト:日隅一雄(弁護士)、木野龍逸(フリーランスライター)
司会:上杉 隆







(4)週間上杉隆:日本が「海洋汚染テロ国家」になる日――放射能汚染水の海洋投棄に向けられる世界の厳しい視線  (2011年4月7日) http://diamond.jp/articles/-/11786 (2011年10月30日閲覧)

(記事の冒頭部分を転載)

「海洋に放射能汚染水を流すなんて信じられない。
これで日本は世界中を敵に回した」

 自由報道協会はきょう(4月6日)、元佐賀大学学長の上原春男氏の共同インタビューを主催した。上原氏は福島第一原子力発電所3号炉(もしくは5号炉)の設計にかかわり、外部循環式冷却装置の開発者でもある。

 震災直後から複数回にわたり、菅直人首相はじめ政府、統合本部、東京電力などから助言を求められている。事故後メディアの前に姿を現すのは今回が初めてであった。

 その上原氏は、放射能汚染水を海洋に流し続けるという決定を下したばかりの政府に対して、繰り返し嘆いた。

 「なんで、あんなことをしたのか。海洋に放射能汚染水を流すなんて信じられませんよ。誰がそんなバカなことを決めたのか。これで日本は世界中を敵に回した。恥ずかしい。せっかく信頼のある国だったのに、本当になんてことをしてくれたんだ」

 いまや政府と東京電力による愚かな決定の数々は、日本を「海洋汚染テロ国家」に仕立て上げようとしている。
 
 記事全文はこちらへ

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