Wednesday, October 26, 2011

IX.5.b.ベトナムへの原発輸出

 ベトナムへの原発輸出は、民主党政権が成長戦略として推し進めている「まるごと原発輸出」の「第一号」である。 2010年10月22日には、電力9社、原発設備メーカー3社と、産業革新機構(官民出資の投資ファンド)から成る『国際原子力開発株式会社』を設立し、原発を新規導入する国々に対して、原子炉建設だけでなく、運転や保守、燃料確保までセットで売り込む体制を整備。その国際原子力開発もベトナムからの受注を当面の最大目標としていた。(【参考資料】を参照。) 昨年の10月31日には、ベトナム訪問した菅前首相がベトナム首相と発表した共同声明のなかで、ベトナムが計画中の原発の建設に日本を「協力パートナー」として選ぶことを明記した。3.11の東電原発事故後滞っていた交渉も、野田新首相の就任後、にわかに勢いづいてきたように見える。 

だが、下にまとめたベトナムへの原発輸出への動きを概観すると、9月22日の野田首相の国連演説での原発輸出継続表明以前に、すでに原発輸出を進める具体的な動きが着々と進行しており、野田国連演説は、その既成事実を追認したにすぎなかった、と言えるだろう。

ベトナムへの原発輸出への動き 

2010年10月22日  国際原子力開発株式会社設立

2010年10月31日 
  • 菅首相(当時)とグエン・タン・ズン首相の「アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明」で、ベトナムがニントゥアン省で計画している原子力発電所(第2サイト)の2基の建設に、日本を「協力パートナー」として選ぶことを決定と明記。
  • 大畠経産相(当時)の声明「ベトナムとの原子力協力について」で、 (1)日本原子力発電(株)とベトナム電力公社(EVN)が共同して行う原子力発電導可能性調査の速やかな開始、(2)国際原子力開発(株)とEVNとの間で原子力発電所の建設・運転・保守等に関する具体的な検討の加速化、についてベトナム側と調整を進める、と発表。
2011年8月11日  高橋外務副大臣(当時)がベトナム訪問し、ハイ副首相との会談で、ベトナムの原発建設支援を確認

2011年9月22日  野田新首相が、国連での演説で原発輸出継続を表明

2011年9月28日 ハノイで、日本原子力発電とベトナム電力公社(EVN)が、日本企業による原発建設の前提となる調査事業の契約に調印

2011年9月29日  ハノイで、(株)国際原子力開発とベトナム電力公社(EVN)が原子力発電所建設に関する協力覚書に調印

2011年10月25日  ベトナムのグエン・スアン・フック副首相が、ハノイでの毎日新聞とのイ ンタビューで、日本との政府間合意締結の方針を表明。


(1)(ANNnews) ベトナム原発、日本が受注 菅総理トップセールス(10/10/31) http://www.youtube.com/watch?v=Y-Frfzjr9mY&feature=youtube_gdata (2011年10月27日閲覧)

(2)(SankeiBiz)原発商談 「日本外し」加速 韓国、受注奪取へ越に親書 (2011.7.27 05:00) http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110727/mca1107270502002-n1.htm (2011年10月27日閲覧)

(全文を掲載)(太字は投稿者)

日本が原子力発電所2基の建設受注で基本合意したベトナムのグエン・タン・ズン首相に対し、韓国の李明博大統領が原発に関する協力を推進する旨の親書を渡 していたことが26日、分かった。ベトナム側も韓国に使節団を派遣するなど前向きだ。原発輸出で優先交渉権を獲得したトルコとの商談でも、トルコ側が日本 との交渉を月内に打ち切る意向を示すなど「日本外し」が加速している。インフラ輸出の有力技術だった原発商談に暗雲がたれこめている。

韓国はベトナムの原発受注に官民を挙げて取り組んでおり、ズン首相への親書は、李大統領が大統領特使としてベトナムに派遣した政府高官が5月下旬に手渡した。これに呼応し、ベトナム政府は7月11~15日、閣僚を含む20人規模の使節団を韓国に派遣した。ベトナムと韓国は 原発やエネルギー資源、産業技術など包括的な協力を検討する機関設立を進めており、日本側からは「韓国に受注を奪われかねない」との声が出ている。

ベトナムの原発受注をめぐっては2010年10月、菅首相が同国を訪問しズン首相と合意した。ところが、菅首相は今月13日の記者会見で「脱原発」を表明。21日の参院予算委員会では原発輸出について「もう一度議論をしなければならない段階にきている」と見直しを示唆した。こうした発言が「日本は原発輸 出を断念する」という観測を広めているようだ。

ベトナムの受注が取り消された場合、原発受注に伴い日本側が表明した総額約790億円の政府開発援助(ODA)などの支援策が無駄になる。原発1基当たりの受注規模は3000億~5000億円で、総額では数千億から兆円単位の損失になりそうだ。

一方、トルコの不信感はさらに強い。トルコ側は東京電力福島第1原発事故後、日本との交渉が進展しないことに不満を募らせており、海江田万里経済産業相は 26日の閣議後会見で「経産省職員をトルコに派遣した。日本の状況や政府の考え方をしっかり説明する」と対応に追われている。

トルコなど 新興国は、自前のエネルギー源としての原子力への期待が依然高く、「これまで原発の技術開発を主導してきた日本が、今度は原発の安全性向上に取り組むのは 国際的な責務」(経産省資源エネルギー庁幹部)との思いが強い。だが、菅首相の「脱原発」発言が障害になり、経産省と官邸の調整も進んでいない。

原発メーカーにも懸念が広がっている。日立製作所の川村隆会長は22日に軽井沢で開かれた経団連フォーラムで「震災後も海外からは『質の高い原発がほし い』といわれている。菅さんが何と言おうと海外展開はやる」と強気の姿勢を強調した。だが、国内の原発関連メーカー首脳は「(菅首相の脱原発発言を)ベト ナムやトルコの首相が聞いたらどう思うのか。原発輸出は国際公約なのだから、首相はもう少し考えて発言した方がいい」と憤る

(転載終わり)

(3)(NHK)ベトナムの原発建設支援確認 (2011年8月11日)  

*2011年10月27日現在、この記事は、NHKのサイトからは削除されています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110811/k10014850371000.html  

以下、 http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/484.html 投稿者 めっちゃホリディ 日時 2011 年 8 月 12 日 01:16:24: 様から転載させていただきました。 (2011年10月27日閲覧)


(NHKの記事全文を転載)


8月11日 16時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110811/k10014850371000.html

ベトナムを訪れている高橋外務副大臣は、11日、ハイ副首相と会談し、ベトナム政府が計画している原子力発電所の建設について、「より高い安全水準で原子力協力を進めていきたい」と述べ、日本が引き続き支援していくことを確認しました。

経済成長に伴い電力需要が高まっているベトナムは、2030年までに原発14基を建設する計画で、このうち2021年の稼働を目指す2基の建設を日本企業が 受注し、日本政府も支援することで去年10月に合意しています。11日、ベトナムのハノイでハイ副首相と会談した高橋副大臣は「東京電力福島第一原子力発 電所の事故の教訓を踏まえたうえで、ベトナム政府の期待に応え、より高い安全水準で原子力協力を進めていきたい」と述べ、ベトナムの原発建設を引き続き支 援していく方針を伝えました。これに対し、ハイ副首相は「日本の技術力を信頼しており、引き続き協力をお願いしたい」と要請しました。菅総理大臣は、原発 への依存度を下げ、原発に依存しない社会を目指す考えを表明しましたが、原発輸出について日本政府は、すでに合意したものや交渉中のものは当面継続する方 針を決めており、11日の会談で、日本とベトナムの両政府が協力の継続を改めて直接確認しました。

(転載終わり)

 (4)(asahi.com) 原発輸出の親書、大臣名に格下げ 菅首相が作成応ぜず(2011年9月11日3時3分) http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY201109100593.html?ref=reca (2011年10月26日閲覧)(全文転載)

日本政府がベトナムに原発輸出を続ける考えを8月に伝えた際、当時の菅直人首相が同国首相あての親書作成に応じず、担当の経済産業相、外相の連名による 親書に「格下げ」されていたことがわかった。ベトナムへの原発輸出は菅氏が主導していたが、東京電力福島第一原発の事故を受けて「脱原発」に転じただけに、難色を示したようだ。

政府関係者らによると、事故後にベトナムからの原発受注工作を強めた韓国を牽制(けんせい)するため、海江田万里経産相(当時)らが日本の輸出継続の方 針をベトナム側に伝える必要があると判断。菅氏にズン首相あての親書を作ることを提案した。しかし、菅氏は消極的な姿勢だったという。

民主党政権は震災前まで原発輸出に前向きだった。エネルギー不足に悩むベトナムは今後10基の原発建設を計画。昨年10月には、菅氏がベトナムを訪問して2基の受注にこぎつけた。 
(転載終わり)
 
(5)(毎日新聞)原発輸出:原電とベトナム電力公社、建設へ調査契約 事業、再始動(2011年9月29日 東京朝刊)http://mainichi.jp/select/biz/news/20110929ddm008020083000c.html(2011年9月30日閲覧)

(記事全文を転載)
日本原子力発電は[9月]28日、ベトナム電力公社(EVN)との間で、日本企業による原発建設の前提となる調査事業の契約を結んだ。日本の官民が出資する国際原子力開発も29日、EVNと協力覚書を締結する予定で、東京電力福島第1原発事故で先行きが不安視される日本の原発輸出が再始動する。【立山清也、和田憲二】

原電の浜田康男社長とEVNのラム副社長が28日、ハノイで契約に調印した。日ベトナム両政府は昨年10月の首脳会談で日本の受注内定に合意原電は同国南部のニントゥアン省の原発2基の着工に向け、地形や地質などを調べ、計画の妥当性を評価する。原発の安全性が疑問視されているため、予定地の 「津波や地震の調査も実施する」(原電)という。

原電は13年3月までにEVNに調査結果を報告。その後、ベトナム政府が日本のプラントメーカーと契約、21、22年に順次運転を開始させる予定だ

震災前、日本政府は原発輸出を成長戦略に位置づけ、官民一体で国際競争力の強化を図ってきた。ベトナムに対しても、政府がトップ外交を展開、内定 を獲得した経緯がある。原発事故後も「ベトナムは一貫して日本側に協力を求めていた」(原電)が、菅直人前首相が「脱原発」を表明するなど、政府の原発輸出戦略は迷走。結局、「交渉が進んでいる案件は推進する」との答弁書を閣議決定野田佳彦首相は今月22日、原発輸出を継続する姿勢を鮮明にした

28日には原発新設に前向きなリトアニアのアルビダス・セクモカス・エネルギー相が来日し、枝野幸男経済産業相と会談。セクモカス氏は同国の原発新設計画について「日本企業に輸出の機会をもたらす意味でも重要」と述べた。

ベトナムへの輸出が再始動したことを、政府関係者は「一歩前進」と評価するが、国内の原発の再稼働の前提は安全評価(ストレステスト)による安全性の検証。それなしでは受け入れ国も困惑するとの見方も根強く、政府が新規案件をどこまで推進できるのか不透明感も残る
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 ◇日本企業が受注を目指す原発輸出先

ベトナム  原電が28日、原発2基の導入可能性の調査事業を契約
リトアニア 日立製作所が7月14日に優先交渉権を獲得
トルコ   10年12月に日本が優先交渉権を獲得
ヨルダン  三菱重工業が仏アレバと共同で受注に向け交渉中

毎日新聞 2011年9月29日 東京朝刊

(記事全文転載終わり)                                             投稿者注:上記文中のリンクは投稿者が加えました。  

(5)国際原子力開発、ベトナムと原発建設覚書-設計から運転まで協力(2011年09月30日) http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820110930caak.html (2011年10月26日閲覧) 

(全文転載)
国際原子力開発(東京都千代田区、武黒一郎社長、03・3504・0892)は29日、ベトナム電力公社(EVN)と原子力発電所建設に関する協力覚書を結んだと発表した。ニントゥアン省ビンハイで計画している原発プロジェクトの実現に向け、国際原子力開発が窓口となってさまざまな協力や支援を行う。具体 的には、原発の設計、建設、運転などを確実に進めるための協力と、昨年10月の日越共同声明でベトナムから提示された6条件の推進など。
ハノイで武黒社長とEVNのファム・レ・タイン社長が覚書に調印した。国際原子力開発は今後、日本の重電メーカーや電力会社、金融機関などとベトナム側の仲介役となり、資金支援や人材育成支援などで日本の各社と調整していく。
28日に日本原子力発電(東京都千代田区)がEVNと結んだ原発導入可能性調査実施契約と併せ、日本からの原発輸出の下地がひとまず整った

 (転載終わり)

(6)国産原子力開発(株)HPから http://www.jined.co.jp/

2011年9月29日 ベトナム電力公社とのニントゥアン第二プロジェクトに関する協力覚書の締結についてPDF(81KB)

(7)(毎日新聞)ベトナム:日本の原発導入「変えぬ」 副首相表明(2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 11時08分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m030153000c.html(2011年10月26日閲覧)(全文を転載)

ベトナムのグエン・スアン・フック副首相
ベトナムのグエン・スアン・フック副首相
【ハ ノイ西尾英之、矢野純一】ベトナムのグエン・スアン・フック副首相は25日、ハノイの首相府で毎日新聞の成田淳・東京本社編集編成局長とのイ ンタビューに応じ、ベトナム南部ニントゥアン省に日本の技術で計画している原子力発電所2基の建設について、事実上のゴーサインとなる日本側との政府間合意を締結する方針を初めて明らかにした。ただ、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散が次々と判明するなど被害状況が不透明な中での原発輸出再開となるだけに、日本国内には抵抗感も強い。

ズン首相が今月30日から訪日し、その際に締結するという。

2基の建設計画を巡っては菅直人首相(当時)が昨年10月に訪越した際、「建設は日本をパートナーとする」基本方針を確認した。3月の東京電力福島第1原発事故後もベトナムは日本の技術導入に積極姿勢を示していたが、政府間の正式な合意はなかった

ベトナムは基本方針の確認を受け、日本政府に対し安全性が確認されている先端技術の導入、核廃棄物の処理方法など6条件を満たすよう求め、日本側は順次克服してきた。

最後まで残った建設資金の原資となるベトナム政府への低利融資についても、双方が合意に達したとみられ、建設のハードルとなっていたすべての問題が解決したとみられる。

フック副首相は「越日両国は戦略的パートナーシップを結んでいる。(福島の)予想外の事故はあったが、両国の(原発協力に関する)関係に変わりはない」と強調した。

ベトナムは2030年までに原発を8カ所計14基建設、稼働させる計画。うちニントゥアン省には2カ所に2基ずつ建設し、第1期の2基は既にロシアが受注した。今回、21~22年にかけて稼働させる2期分の2基で合意締結の運びとなる

菅氏訪越時に合意したレアアースの共同開発方針について副首相は「わが国には大量のレアアースが存在する。規模や開発場所、開発方法などについての問題が残っており、長期的な事業として進めたい」と語った。

また、日本の援助による新幹線の建設構想について、国会は昨年「財源の確保が不十分」として承認を見送ったが、副首相は「計画を国会に再提案し、国会の承認を得られれば日本側に伝えたい」との姿勢を示した。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加については「国内の農業分野に影響を与える問題であり、交渉に参加するか検討している段階」と述べるにとどめた。

フック副首相は政府官房長官を経て今年8月副首相に就任。4人いる副首相の筆頭格で、共産党最高指導部である政治局の局員。今回の取材は、毎日新聞ベトナム訪問団(団長・朝比奈豊社長)の要請に応えた。
毎日新聞 2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 11時08分)

(転載終わり)

(8)(毎日新聞)ベトナム:フック副首相との会見要旨(2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 3時40分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m030159000c.html (2011年10月26日閲覧)

(全文転載)

毎日新聞ベトナム訪問団(団長・朝比奈豊社長)と、ベトナムのグエン・スアン・フック副首相の会見内容は次の通り。

▽原子力発電所建設
両 国は戦略的パートナーシップを結んでおり、福島第1原子力発電所の事故で両国関係には変わりはない。この事業は両国にとって重要で、ズン首相の 訪日では、原子力発電所建設について政府間で合意することになると思う。原発建設の方針は変更せず、原子力の平和目的の利用の方針も変わっていない。

▽レアアースの共同開発
共同開発は両国政府にとって長期的な事業だ。ベトナムのレアアースの埋蔵量は膨大で、今後、開発場所や規模、開発の方法などについて、効率の高い方法を協議して進めたい。

▽新幹線建設計画
効率的なものにするため科学的に実現可能性を検討しており、その内容を国会に提出し、国会が承認した場合には、その結果を日本に伝えたい。

▽TPP参加
国内の農業分野への影響は微妙な問題で、交渉参加については検討中だ。農業への影響と、国民にどのような利益があるかについて検討する。

▽周辺国との領海問題
ベ トナムの地理的特徴から、他国との衝突は避けられないと思う。我が国の原則は国連海洋法条約と、東南アジア諸国連合(ASEAN)で結んだ、南シナ海の領有権を平和的に解決することを定めた行動宣言に基づき、問題を解決する。衝突が起きれば、まず、平和的、友好的に交渉に臨み、周辺国との平和と安定を図る。

▽日本企業の進出と賃金の上昇
我が国に進出した日系企業の98%が成功していると聞いている。前官房長官として、進出企業の問題を取り除く努力をしてきた。特に日本が強みを持っている機械、IT、サービス業分野への投資を呼びかけたい。両国、企業、労働者の3者に利益がある制度作りを進める。

▽日本の震災
日本政府の指導のもとでの復興への国民の強い志に感動した。

▽世界のお巡りさんコンサート
両国関係に有意義で、イベントの成功を高く評価する。

毎日新聞 2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 3時40分)

(転載終わり)

(9)(毎日新聞)原発輸出:日本国内に抵抗感も 首相は解禁明言せず(2011年10月26日 2時32分(最終更新 10月26日 3時51分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m010164000c.html (2011年10月27日閲覧)

(全文転載)

ベトナムのグエン・スアン・フック副首相が25日の毎日新聞との会見で明らかにした、原子力発電所建 設を巡る最終合意締結の方針は、日本が官民一体で展開してきた原発輸出「第1号」に期待感を示したものだ。ただ、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散が次々と判明し、被害状況も不透明な中での原発輸出再開となるだけに、日本国内には抵抗感も根強い。

  国家レベルで原発を売り込むフランスやロシアへの対抗と、国内の経済不況を背景に、日本は09年6月、産学官一体の「国際原子力協力協議会」を発足させ、オールジャパン体制を整備。10年8月には直嶋正行・経産相(当時)が東京電力や日立製作所のトップと訪越し、トップセールスを展開した。

電力9社などが原発技術売り込み専門の新会社「国際原子力開発」も設立。ベトナムでの受注を最初の目標に据えた菅直人首相(同)は10年10月、 ベトナム首相との会談で原発2基建設を受注することで基本合意。このほか、ヨルダン、トルコ、リトアニアでも原発輸出を目指した。

しかし、福島事故で日本国民の間には原発輸出に対する抵抗感が強まり、菅首相が原発輸出政策の見直しを示唆。輸出に必要な原子力協定の国会承認のめどが立たない状況となり、ベトナムとの協議の再開も9月にずれ込んだ。

この間、韓国によるベトナムでの原発受注に向けた動きも取りざたされた。

野田佳彦首相は9月22日の国連原子力安全会合での演説で、原発輸出継続の意向を表明。放射性物質の汚染拡散が深刻視される中で首相発言に批判が続出した。8日後の記者会見では「輸出解禁のような話に受け止められているが、そんなことは一言も言っていない」と反論、政府の方針が曖昧なままとなって いる。【和田憲二、西田進一郎、真野森作】

毎日新聞 2011年10月26日 2時32分(最終更新 10月26日 3時51分)


【参考資料】

(1)外務省HP 「原子力関連条約」のページから「二国間協定」を抜粋 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/topics/jyoyaku.html(2011年10月26日閲覧)

(転載はじめ)



原子力関連条約  平成23年6月

2.二国間協定

二国間原子力協定は,特に原子力の平和的利用の推進と核不拡散の観点から,核物質,原子炉等の主要な原子力関連資機材及び技術を移転するに当たり,移転先の国からこれらの平和的利用等に関する法的な保証を取り付けるために締結するものです。

近年、原子力発電の拡充及び新規導入を計画する国が増加しており,多くの国が原子力発電の分野で高い技術を有する我が国との間での原子力協定の締結を希望しています。

我が国は,米国,英国,カナダ,豪州,中国,フランス,カザフスタン及び欧州原子力共同体(ユーラトム)との間で原子力協定を締結しています。また,ロシア,ヨルダン,韓国及びベトナムとの間で原子力協定に署名を行っています。

現在,インド,南アフリカ及びトルコとの間で原子力協定の締結交渉中です。


(転載終わり)

(2)国際原子力開発株式会社(略称:JINED)201010月設立立               (英名:International Nuclear Energy Development of Japan Co., Ltd.  http://www.jined.co.jp/  

20101022 「国際原子力開発株式会社」の設立登記のお知らせについて(日本語版)

3)外務省HPから、『アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明(仮訳) 平成22年10月31日』ー「1.はじめに」全部と「5.エネルギー、天然資源及び気候変動」の一部を抜粋。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/vietnam_1010_ksk.html

アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明(仮訳)

平成22年10月31日

1 はじめに

菅直人日本国内閣総理大臣は,グエン・タン・ズン・ベトナム社会主義共和国首相の招待を受け,ハノイで開催されたASEAN関連首脳会議に続い て,2010年10月30日から31日までの間,ベトナムを公式訪問した。訪問中,菅直人内閣総理大臣はグエン・タン・ズン首相と日越首脳会談を実施した 他,ノン・ドゥック・マイン・ベトナム共産党書記長及びグエン・ミン・チエット国家主席を表敬訪問した。
10月31日に行われた日越首脳会談においては,両首脳は,近年両国関係が著しく深化したことを歓迎するとともに,アジアの平和と繁栄のために日本とベトナムの間の戦略的パートナーシップを強力かつ更に包括的に一層発展させていくとの強い決意を共有した。

5 エネルギー,天然資源及び気候変動

両首脳は,エネルギー安全保障及び地球環境保全の観点から,原子力の平和的利用の分野における協力の重要性を確認した。両首脳は,核不拡散・保障 措置,原子力安全や核セキュリティを,両国が締結している関連国際条約に従って確保する必要性を認識しつつ,原子力の平和的利用のための必要なインフラ整備を含む原子力分野の二国間協力を強化し,この分野での協力関係を新たな次元に高めることとした。両首脳は,日越間の原子力協定に関する交渉が実質的に妥 結したことを歓迎し,同協定の可能な限り早期の署名への期待を表明した
ベトナム側は,原子力の平和利用分野におけるベトナムに対する日本の継続的な支援を高く評価した。ベトナム側は,日本からの提案を検討した結果, ベトナム政府がニントゥアン省の原子力発電所第2サイトにおける2基の建設の協力パートナーに日本を選ぶことを決定した旨確認した。菅直人内閣総理大臣 は,このベトナム政府の決定を歓迎し,この計画のフィージィビリティ・スタディの実施,同プロジェクトへの低金利の優遇的な貸付け,高い安全基準の下での 最先端技術の利用,技術移転と人材育成,プロジェクトの全期間にわたる廃棄物処理における協力及び安定的な燃料供給等ベトナムが示した条件を充たすことを保証した。両首脳は,本プロジェクトの関連文書への早期署名に向け,両国の関連諸組織が協力して作業を続けるよう指示することで合意した

 (引用終わり。下線強調は投稿者。) 『日越共同声明(仮訳)』の全文はこちらに

(4)経済産業省HPより 大畠経済産業大臣談話・声明 「ベトナムとの原子力協力について」(平成22年10月31日)の全文を転載 (2011年10月27日閲覧) http://www.meti.go.jp/speeches/data_ed/ed101031aaaaj.html

大畠経済産業大臣談話・声明


ベトナムとの原子力協力について

平成22年10月31日

  1.  本日、ベトナム・ハノイで行われた菅総理大臣とズン首相の日越首脳会談での合意を受けて発表された「アジアにおける平和と繁栄のため戦略的 パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明」において、ベトナム南部ニントゥアン省で計画されている原子力発電所(第2サイト)の建設に関 し、我が国をパートナーとすることが明記された。
  2.  これは、我が国とベトナムとの間で長年にわたり培われた協力関係や、本原子力プロジェクトに関する我が国の官民各層での強力な働きかけなどが 高く評価された結果である。今後、本プロジェクトを着実に実行するため、原子力発電に関する我が国の先進的な技術や経験を結集し、官民一体となって協力を 行っていく所存であり、担当大臣として全力で取り組んでまいりたい。
  3.  具体的には、日本原子力発電(株)とベトナム電力公社(EVN)が共同して行う原子力発電導入可能性調査が速やかに開始されるとともに、先般設立された国際原子力開発(株)とEVNとの間で原子力発電所の建設・運転・保守等に関する具体的な検討が加速化されることを目指し、ベトナム側と調整を 進めてまいりたい。
  4.  また、関係省庁とも連携し、ベトナムにおける人材育成や安全規制その他の関連諸制度の整備等にも最大限取り組んでまいりたい。

問い合わせ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 三又、矢作、出雲
電話:03-3501-1991(直通)

最終更新日:2010年10月31日

(転載終わり)

(5)経済産業省「国際原子力協力協議会の設立について」(平成21年6月18日)、国際原子力協力協議会「原子力発電に関する国際協力についての基本的考え方」(平成21年6月18日)ほか (第23回原子力委員会 資料 第 2 - 2 号)   http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo23/siryo2-2.pdf(2011年10月27日閲覧)


【関連報道】

(1)(Eco Japan)電力9社と機器メーカー3社など、「国際原子力開発」を設立し海外向け包括提案 (2010年10月19日) http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20101019/105028/(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
東京電力をはじめ電力9社、東芝など原子力発電設備メーカー3社と産業革新機構の計13社は、原子力発電を新たに導入する国を対象に原発プロジェクトに 関して包括的に提案する新会社「国際原子力開発(JINED=ジーネッド)」を10月22日に設立する。まずベトナムで計画中の原発プロジェクトの受注に 向けて活動していく

設立には、東京、関西、中部、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州の電力会社9社東芝、日立製作所、三菱重工業の設備メーカー3社と、官民が出資する投資ファンドの産業革新機構の合計13社が参加する。資本金1億円、資本準備金1億円で、出資比率は東電が20%、関電15%、中電10%、産業革新機 構10%と、残り9社が5%ずつとなる。社長には、東電の武黒一郎フェローが就任する予定。

国際原子力開発は、新規に原発を導入する国の要望を受け、電力各社や設備メーカーなどと協議して提案を取りまとめたうえで、それぞれの国に合った原発プ ロジェクトを提示する。参加各社のこれまでの経験を生かしながら発電所の建設や運転保守の技術、人材育成のノウハウなどを包括的に提案し、受注につなげ る。

当面は、経済産業省をはじめとした関係機関とベトナム・ニントゥアン省の原発の建設、人材育成の計画提案を進める。日本政府は、原発 導入国を支援すると ともに新規案件を提示し、国際原子力開発を窓口に官民が一体となった受注体制を構築していく。インフラ輸出を成長戦略に掲げる日本政府は、国際原子力開発 によって原発関連の競争力を高め、海外展開を促進する。(日経BP環境経営フォーラム

▼関連情報

(転載終わり)


(2)(ロイター)インタビュー:ベトナムでの受注に全力=国際原子力開発社長(2010年 09月 24日 20:02 JST) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17363720100924(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
[東京 24日 ロイター] 日本の原子力発電プラントや運転技術を海外に売り込む目的で、10月下旬に設立される新会社「国際原子力開発」の社長に就任予定の武黒一郎氏(東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)元副社長)は24日、ロイターのインタビューに応じ、フランスや韓国との競合が見込まれるベトナムでの商談について「日本は総合的な技術力の高さが強み」と語った。
 新会社は当面、ベトナムでの商談に注力するとしている

国際原子力開発は、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)、関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)の電力3社と、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)の原子力プラントメーカー3社が共同出資して設立される。新会社は原発を新規に導入する国での受注を目指し、プロジェクトの提案活動を行う

武黒氏は、新会社の狙いについて「新規導入国のニーズに対して、発電所のEPC(建設一括請負)だけでなく、運転・保守、人材育成、燃料 供給を含めた発電所の運営と、日本政府による相手国での制度整備や資金支援策といった包括的な提案を行い、日本が(海外プロジェクトを)受注できるようにするのが狙い」と説明した。商談の対象国については「率直にいって今はベトナム。他国はベトナムと同じ水準で視野に入る状況ではない」としている。

ベトナム南部ニントゥアン省での原発建設計画では、韓国やフランスの企業との競合が見込まれている。武黒氏は、8月下旬に直嶋正行・前経済産業相による 訪越ミッションに同行し、ズン首相らベトナム政府要人に日本の原発の採用をアピールした。日本側の優位点について武黒氏は「原発は新しいプ ラントだと80年間の運転が可能だと思うが、その間に様々な技術的な課題も生じてくる。これを解決しながら、運転・保守していく総合的な力が高い」と述べ た。 

<安全性はグローバル基準で> 
日本政府は6月策定の「新成長戦略」で原発などインフラ輸出を強化することを盛り込んだ政策目標を示した。一方、この政策の背景には、昨年末、アラブ首 長国連邦(UAE)における原発受注商談で韓国の企業連合に、ベトナム(ニントゥアン省第1期分)ではロシア企業にそれぞれ敗れたことの反省がある。 UAEでの商談では、韓国勢が日本を含む他の企業連合に比べ2割程度安い価格を提示したことも受注につながったとされる。

武黒氏は、日本勢が技術的な優位性に偏り、安全性などに関して過剰品質に陥っているのではと の指摘に対し、「原子力発電所の安全設計というのは本来、世界共通。ただ、構造の規格とか具体的な基準になると、産業の発展段階などが反映され、国によっ て違いが出てくる。その中で、これからはグ ローバル・スタンダードを目指すべきだ」などと述べた。その上で同氏は、「日本の場合、スタンダードに対して裕度を持った作りにしているが裕度が無理や無駄になると(ビジネスの)阻害要因になるので、そうしたものをグローバル・スタンダードに合わせていくべき」と強調した。

(インタビュアー:浜田健太郎、前田りさ)
(ロイター日本語ニュース、浜田健太郎)

(転載終わり)

投稿者のつぶやき:「安全性などに関して過剰品質に陥っているのでは」とか「日本の場合、スタンダードに対して裕度を持った作りにしている」などと言っているのが興味深い。。。
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2011年11月10日投稿

(1)(msn産経ニュース)原発建設の協力を強調 ベトナムで仙谷氏 (2011.10.24 22:04) http://sankei.jp.msn.com/world/news/111024/asi11102422050013-n1.htm (2011年11月9日閲覧)(全文転載)

民主党の仙谷由人政調会長代行は24日、訪問先のベトナム・ハノイでの研究会合で演説し、福島第1原発事故後も、自国の原発建設で日本との協力を続ける姿勢を明確にしているベトナムに対し、できる限りの協力をしていくと強調した。

仙谷氏は、福島第1原発で「人類史上初めての大きな事故を発生させた」日本に対し、引き続き協力を要請しているベトナム政府の姿勢について「日本政府のエネルギー戦略にとって大変心強い支援表明だ」として謝意を示した。

仙谷氏は同日、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席やグエン・ティエン・ニャン副首相らと相次ぎ会談した。(共同)

(転載終わり)

(2)(日経新聞)ベトナム原発商戦の「スジ」を読む ~編集委員 竹田忍 2011/1/10 7:00)(2011年11月10日閲覧)

 (全文転載)
ベトナム政府が同国南部のニントアン省で計画している原子力発電所建設プロジェクトの第2期分(ニントアン2)を日本の企業連合が受注することが、2010年10月31日の日越首脳会談で決まった。受注の受け皿となるのは電力9社、メーカー3社と産業革新機構が共同出資する国際原子力開発 (東京・千代田)だが、どの方式の原子炉を採用するかは決まっていない。関西電力の八木誠社長に「世界の原発では関電が使っている加圧水型軽水炉(PWR)の方が、東京電力などが使う沸騰水型軽水炉(BWR)よりも優勢。勝算はいかが」とたずねると「オールジャパンで受注が決まったことに意義がある」とだけ話してあとは言葉を濁した。
関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。
関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。

実際の方式決定に大きな影響を及ぼすのが事業化調査(FS)で、日本原子力発電が請け負った。原発にはいろいろな炉型があり、BWRなら改良型の「ABWR」「U―ABWR」「ESBWR」、PWRにも改良型の「APWR」「AP―1000」などがある。当然ながら日本原電は中立の立場で評価することが求められている。
では今後の方式決定はどう進んでいくのか考えてみたい。経済成長に伴うエネルギー不足を懸念するベトナム側は、2050年までに総発電量の2割を原発で賄う計画を立てている。最新鋭の技術を盛り込んだ原発を求めている模様で、在来型のBWRやPWRの出番はまずない。

国際原子力開発の (JINED)概要
社 長:武黒一郎
資本金:2億円  
出資者出資比率
(%)
北海道電力
東北電力
東京電力20
中部電力10
北陸電力
関西電力15
中国電力
四国電力
九州電力
東芝
日立製作所
三菱重工業
産業革新機構10

国際原子力開発はオールジャパンを標榜(ひょうぼう)しているため、海外勢が関与している炉型も排除される見通しだ。AP―1000は東芝 が買収した米ウエスチングハウス(WH)の技術に基づいていることと、蒸気発生器の製造を韓国・斗山重工業にいまのところ依存している点がネックになって 難しい。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発に関与しているU―ABWRとESBWRも同様の理由で選外になるだろう。残るのは日本勢で開発した ABWRとAPWRということになる。
ベトナム側は原発メーカーだけでなく、運営ノウハウを持つ電力会社の参画を求めている。ABWRなら東芝または日立製作所に東京電力という 組み合わせが最有力となる。APWRの場合は事情が複雑だ。国内初のAPWRは日本原電が2016年と17年に運転開始予定の敦賀原発3、4号機(福井県 敦賀市)となり、出力はともに153万8千キロワット。PWR勢で国内最大手の関電は現状ではAPWRの運転ノウハウを持っていないため、メーカーの三菱 重工業に日本原電という組み合わせとなる。

また敦賀3、4号基は10年10月に本体着工の予定だったが、国の1次審査が長引き、着工を延期した。新たな着工時期は未定で、3号機が 16年3月、4号機が17年3月と予定している運転開始に遅れる可能性が高い。一方で日本が受注したニントアン2は出力100万キロワットの原発2基を 21~22年に稼働させるのが目標。敦賀とニントアン2の稼働時期が近接するために、日本原電が十分な運転ノウハウを蓄積して商談に臨むのは難しいかもし れない。FSを請け負った日本原電は中立性を求められており、自らが手掛けているAPWRを推奨しにくいという事情もある。
日立は原発機器を大型モジュール化し、クレーンでつり上げて設置できるようにした
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日立は原発機器を大型モジュール化し、クレーンでつり上げて設置できるようにした
こうなると消去法でABWRが浮上してくる。関電の八木社長の歯切れが良くなかった理由もこのあたりにあるのではないか。商談は東芝と日立 の一騎打ちにならざるをえまい。東芝は原発用の燃料からサービスまで一貫して提供できる「オール・イン・ワン」を前面に押し出し、日立は日本で製造する原 発機器を大型モジュール化し、特殊なクレーンでつり上げて設置するため現地施工の効率が高い点をセールスポイントにするだろう。いずれにしても発電事業者としてのパートナーには経験豊富な東電に“当確”がつくのではないか。ちなみに国際原子力開発の筆頭株主は東電である。
産油国、非産油国にかかわらず、世界中で原発の新規導入計画が進んでいる。20年前後の稼働を想定するプロジェクトも多く、ベトナム・ニントアン2の進捗状況は他の原発案件受注にも大きく影響することになろう。

(転載終わり)
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2012年1月20日投稿

(1)【動画】 日本からの原発輸出に抗議するヨルダンの人々(ベトナムについても報道)http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=cf56UkO9Cs0 (2012年1月20日閲覧)

Uploaded by on Jan 12, 2012

(2)動き出した「原発輸出」ヨルダン&ベトナム(動画&内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1416.html (2011年1月20日閲覧)
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2012年4月23日投稿

(毎日新聞)ベトナム:ズン首相 日本からの原発導入に期待表明
毎日新聞 2012年04月21日 20時43分(最終更新 04月21日 20時50分)
http://mainichi.jp/select/news/20120422k0000m030050000c.html (2012年4月23日閲覧)(全文転載)
首脳会談の冒頭、ベトナムのズン首相(右)と握手する野田佳彦首相=東京・元赤坂の迎賓館で2012年4月21日(代表撮影)
首脳会談の冒頭、ベトナムのズン首相(右)と握手する野田佳彦首相=東京・元赤坂の迎賓館で2012年4月21日(代表撮影)
日メコン首脳会議に合わせて来日したベトナムのズン首相は21日、迎賓館で野田佳彦首相と会談し、ベトナム人の看護師や介護士の受け入れなど経済分野で一層の協力を進めていくことを確認した。

 ズン首相は首脳会談に先立ち、東京都内の日本記者クラブで会見し、すでに決定している日本からの原発導入について「(福島第1原子力発電所の)事故を教訓にして、原発の技術を新しい発展段階に持ち上げると信じている」と期待を表明した。

 また、日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加については「世界の繁栄や経済連携を加速すると確信している」と改めて支持を表明。「日本の参加は両国の協力の枠組みをより拡大して、双方に実質的な利益をもたらすと信じている」と話した。【金子淳】

(転載終わり)

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