Sunday, October 30, 2011

I.3.海洋への放射性物質流出:東電発表をはるかに上回る試算値

 2011年10月27日、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が、東電福島第一から海に流出した放射性物質の総量を推定した調査報告書を公表した。同報告書は、3月21日から7月半ばまでに海に流出した放射性物質(放射性ヨウ素131、放射性セシウム137、134、136、テルル132)の総量を推定。中でも、放射性セシウム137の総量、2.71京ベクレル(1京は1兆の1万倍)は、5月の東電発表の推計値の30倍、6月の東電推計値と比べても20倍になる。単独の事故によるものとしては過去最大規模とされ、このうち82%は、事故が起きた原子炉を冷やすための放水によって4月8日までに流れ出たものだという。

東電の海洋流出放射線物質量推計値については、9月にも、日本原子力研究開発機構の研究者らが 東電の推計値の3倍の調査結果(セシウムは含まず)を発表していた。(下に転載の読売新聞記事(2011年9月9日)を参照。)

フランスの研究所の発表が時事通信の記事(1)で報じられた後、国内の大手報道各社もこぞって報道した。時事通信の記事が東電の6月の推計値と比べて「20倍」としていたのに対し、その後の各社の報道では、東電の5月発表の推計値と比べて「30倍」と、よりセンセーショナルな見出しが躍っているものもある。

だが、今フランスからの数字に驚いている大手メディアのほとんどは、これまで事故を小さく見せようとする東電と政府の発表を精査することなく伝えてきた。そんな中でいち早く放射能汚染水、海洋汚染の問題を指摘し東電と政府を追及したのは、記者クラブに属さない独立系メディアのジャーナリストたちだった。 

【IRSNの発表についての報道】

(1)(時事)海洋流出、東電推計の20倍か=福島原発のセシウム-仏研究所(2011/10/28-06:36) http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011102800074 (2011年10月30日閲覧)(全文転載)
【パリ時事】フランス政府系の放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は27日、東京電力福島第1原発事故後の3月21日から7月半ばまでに海に流出した放射性セシウム137の総量は2.71京ベクレル(1京は1兆の1万倍)で、東京電力が6月に発表した推計値の20倍に達すると推定した調査報告書を公表した。

単独の事故によるものとしては過去最大規模という。このうち82%は、事故が起きた原子炉を冷やすための放水によって4月8日までに流れ出たとされる。(2011/10/28-06:36)

(転載終わり)

(2)(毎日新聞)セシウム:海洋流出、東電発表の30倍 仏研究所推定(2011年10月29日 11時14分) http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111029k0000e040024000c.html(2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は28日までに、東京電力福島第1原発事故で海洋に流出した放射性物質セシウム137の総量を 約2.7京ベクレル(2万7000テラベクレル。京は兆の1万倍)と推計する調査報告書を発表した。東京電力は5月に海に流れ込んだセシウム137の推計値を発表しているが、その30倍近くに相当する計算になる

報告書によると、これほどの量の放射性物質が海洋に流れ出たのは、過去に例がないという。

調査は3月21日から7月中旬までの流出量を2.71京ベクレル(2万7100テラベクレル)と推計。そのうち82%は4月8日までに流れ出たとしている。

報告書はまた、福島第1原発の立地が強い海流の流れる沿岸部だったため、太平洋の海洋汚染が「例外的なスピードで広まった」と指摘。今年秋以降、遠洋の魚介類に対する汚染の影響は弱まるとしつつ、福島の沿岸部では「相当な汚染が当分続く」と警告している。

セシウム137は半減期が約30年で、汚染が比較的長期にわたる。(パリ共同)

毎日新聞 2011年10月29日 11時14分

(3)IRSNの発表と調査報告書

(IRSNのHP)Accident nucléaire de Fukushima-Daiichi : l’IRSN publie une mise à jour de sa note d’information sur l’impact sur le milieu marin des rejets radioactifs consécutifs à l’accident  27/10/2011 http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Pages/20111027_Accident-fukushima_impact-rejets-radioactifs-milieu-marin.aspx (2011年10月30日閲覧)

(調査報告書)Synthèse actualisée des connaissances relatives à l’impact sur le milieu marin des rejets radioactifs du site nucléaire accidenté de Fukushima Dai-ichi     26 octobre 2011      http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact_accident_Fukushima_sur_milieu_marin_26102011.pdf (2011年10月30日閲覧) 

読者の皆様へのお願い:この報告書は、投稿時点では、フランス語版のみのようです。どなたか日本語に訳してくださると大変ありがたいです。


【関連報道】

(1)(NHK)海に流出の放射能 総量4700兆ベクレル(4月21日 19:45更新) http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110421/08.html(2011年10月30日閲覧)(全文転載)(強調は投稿者) 

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、2号機のピットと呼ばれる施設から海に流出した、高濃度の汚染水に含まれる放射能の量は、東京電力の推計で4700兆ベクレルに上ることが分かりました。
この値は、事故の評価がレベル7に引き上げられた際に、国が福島第一原発から大気中に放出されたと公表した量のおよそ100分の1に当たり、東京電力では、海や海洋生物などへの影響を引き続き調べることにしています。
福島第一原発の2号機では、今月2日にピットと呼ばれる施設から高濃度の汚染水が海に流出しているのが確認され、今月6日に止まるまで流出し続け、海への放射性物質の広がりが深刻な問題になりました
これについて東京電力は、どれだけ海に流出したかを評価し、21日、その結果を公表しました
それによりますと、まず流出の開始時期は、当時の現場付近の放射線量の値などから、流出が確認された日の前日の今月1日昼ごろの時点では、明らかな流出はなかったとしましたが、特定はできなかったとして、今月1日と判断しました。
また、流出状況の監視用に設置したカメラの映像から、1時間当たりの流出量を4.3トンと見積もっています。
そのうえで、今月1日から6日まで流出したと仮定して計算した結果、海への流出量はおよそ520トンとなり、そこから計算される、流出した海水に含まれる放射能の量は、4700兆ベクレルと推定したということです。
東京電力によりますと、この放射能の量は、福島第一原発が保安規定で定めている放射性物質の1年間の放出管理目標値の2万倍に当たります。
また、今回の事故の評価が「レベル7」に引き上げられた際、国が福島第一原発から大気中に放出されたと公表した量と比べると、およそ100分の1で、「レベル5」のスリーマイル島原発の事故の際の放出量と比べるとおよそ1万倍となります。
海への放射性物質の流出は、このほかにも、水素爆発が起きた際に放出された放射性物質が直接海に降ったり、地下水などを通じて流れ込んだりしたものがあるとみられます。
2号機の取水口付近で採取した海水からは、一時、最大で国の基準の750万倍という極めて高い濃度の放射性のヨウ素131が検出されましたが、20日の時点では、放射性のヨウ素131は国の基準の4000倍となっていました。
東京電力では、何らかのルートを通じて汚染水が今も海に流出している可能性があるとして、漏えいルートの特定を急ぐとともに、海や海洋生物などへの影響を引き続き調べることにしています。

(転載終わり)

(2)(毎日新聞) 福島第1原発:3号機取水口で汚染水 ピットから海へ流出 (2011年5月11日 20時49分) http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/archive/news/2011/05/11/20110512k0000m040096000c.html (2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(強調は投稿者)
福島原子力発電所事故対策統合本部は11日、東京電力福島第1原発3号機の海水取水口近くにある「ピット」と呼ばれるコンクリート製の穴に、放射性物質で汚染された水が流れ込み、海に流出しているのを見つけたと発表したいつごろ流出が始まったかは不明だが、東電は同日夕、ピットをコンクリートで 埋め、流出を止める処置をした。汚染水をめぐっては、4月に2号機の取水口から高濃度の汚染水が海へ流出している

東電によると、同日午前、作業員が津波対策として3号機の立て坑を埋め立てる作業をしていたところ、取水口に隣接するピット(深さ約2.3メートル)に壁面から水が流れ込んでいるのを見つけた

調べたところ、1立方センチ当たりセシウム134が法定基準の62万倍に当たる3万7000ベクレル、セシウム137が同43万倍の3万9000ベクレルなど、計約8万ベクレルの放射能を帯びていた。

1~4号機では、タービン建屋内や、ケーブルなどを納めるコンクリート製のトンネル(トレンチ)に合計8万トン以上と見積もられる汚染水がたまっ ており、2号機から優先的に収容施設へ移送している。東電は今回の汚染水が2号機同様、トレンチから流れ込んだと見ている。ピット内の水位は上昇していないため、汚染水はそのまま海に流出したらしい

東電は発見から約8時間後の同日午後、ピットをコンクリートでふさいで海への流出を止めた。政府は在外公館へ連絡。経済産業省原子力安全・保安院は流出経路の特定や海への環境影響を調べるよう東電に指示した。【関東晋慈、日野行介】

 ◇

また保安院は11日、1号機の原子炉建屋2階で1時間当たり1000ミリシーベルトを超える高濃度の放射性物質を測定したと発表した。1号機は冷却装置の設置に向けた準備を進めている。西山英彦審議官は「冷却のための配管のつなぎこみ作業に影響するかもしれない」との見方を示した。
毎日新聞 2011年5月11日 20時49分

(転載終わり)

(3)(ウオール・ストリートジャーナル・日本版) 政府、低濃度汚染水の海への放出に関する分析結果を公表 (2011年 4月 16日  6:25 JST) http://jp.wsj.com/Japan/node_223182 (2011年10月30日閲覧) 

(全文転載)
【東京】政府は15日、被災した福島第1原発から低濃度汚染水1万トン超を海に放出した件に関する報告書を公表した。周辺国で高まる海への汚染拡大に対する懸念を軽減する狙いとみられる。

経済産業省原子力安全・保安院が日本時間15日夜に公表した報告書によると、東電が今月4日~10日に福島第1原子力発電所から海へ放出した比較的低濃度の放射能汚染水合計1万0393トンに上った。放出量の内訳は地下水排水設備が1323トンと、集中廃棄物処理施設が9070トン。

原子力安全・保安院は分析の結果、海に放出した汚染水の濃度は非常に低いことが明らかになったと表明した。含まれる放射性物質の大半は、東日本大震災後1週間以内に原子炉内で発生した一連の水素爆発により生じ、その後の降雨で降下したものとみられているという。

また、保安院の石垣宏毅審査官によると、サンプリング調査が示すところでは、放出された汚染水に含まれる放射能の量はヨウ素131やセシウム134と137など合わせて約1500億ベクレルと、原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準の100倍程度にあたる。

これに先立ち、特に韓国と中国は日本から同計画に関する事前連絡を受けなかったとし、さらに、海への汚染水放出により環境汚染が脅威にさらされる可能性があるとして批判していた。

低濃度汚染水の海への放出は、過熱した原子炉の冷却のための放水作業から生じた高濃度汚染水の移送先を確保するための判断だった。

原子炉の冷却に使用された合計2万7000トンの水のうち大半は大気中に蒸発するか、原子炉の損傷部分から漏出し施設内にたまるなどして、作業員の復旧作業の妨げとなっていた。

中国と韓国が日本の対応をめぐって強い懸念を表明している一方で、ロシアはそれよりも控えめな見方を示している。

ロシアの連邦医療生物局のウラジミール・ウイバ局長は15日、原子力安全・保安院の報告書公表前に、東京のロシア大使館で記者会見し、「汚染水を海に放出する以外に選択肢がなかったことは理解している」と言及。「同じ状況に置かれたら、われわれも同じ事をしていただろう」との見方を示した。

同局長はさらに、福島原発事故による海の汚染と、昨年米メキシコ湾沖で発生したBPの原油掘削施設からの原油流出を比較し、「BPの原油流出のほうが、福島原発の事故よりも環境への影響という点でははるかに深刻だ」との見方を示した

(転載終わり)

投稿者の感想:東電・政府の発表を無批判にそのまま「報告」している典型例。その上、最後にロシアのお役人の「理解」ある発言と「BP原油流出のほうが。。はるかに深刻だ」という言葉をオマケとして引用する念の入れよう。(もしロシアの反応を先に書いて、中国・韓国からの批判で記事を終えていたら、記事全体から受ける印象がかなり変わったのでは?) 東電と政府だけでなく、大手メディアも事故を小さく見せようとしていたと思わせる好例。

(4)(読売新聞)放射性物質、東電推定の3倍も海へ流出か(2011年9月9日07時56分) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110908-OYT1T00890.htm(2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(強調は投稿者)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、汚染水や大気中からの降下分も含めて、海に流出した放射性物質の総量を1万5000テラ・ベクレル(テラは1兆倍)とする試算を、日本原子力研究開発機構の小林卓也研究副主幹らがまとめた。
東電が推定した値の3倍以上になっている。19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。
東電は高濃度汚染水の流出を4月1~6日に限定しておりその間の放射性物質(ヨウ素131、セシウム134、137)の量を4700テラ・ベクレルと推定していた。
小林副主幹らは、原発の取水口付近での放射性物質の濃度をもとに、海で放射性物質が初めて検出された3月21日から4月30日までの流出量を逆算した。推計値をもとに海洋への拡散を模擬計算したところ、原発の周辺海域での観測値に合っていることも確かめた。試算ではセシウム134を含めていないため、総量はより多くなる

(2011年9月9日07時56分  読売新聞)


【フリージャーナリストによる放射性物質汚染水、海洋放出問題の追及】 

(1)ライター木野龍逸(きのりゅういち)氏のブログ『キノリュウが行く』より 

 高濃度の放射性物質を含む汚水の処理が極めて難しい状況になっている


(冒頭の2パラグラフを引用)
東京電力本社、3月30日0時15分開始の会見。ここでのポイントは、汚染された排水の処理方法だった。東電の説明では、1〜3号機のタービン建屋地下に溜まっている高レベルの放射線を放つ水を、放射線防護可能なタンクに移し、なんらかの形で処理するという。
ここでのポイントは、放射線防護可能なタンク容量と、処理可能な容量だ。処理をしなければ汚水は海に出続けるし、処理が不可能ならばどこかに貯蔵しておかなければいけない。

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 放射性物質を含んだ汚染水の海洋投棄理由を明確に説明できない東電

(冒頭部分を引用)
4月4日午後7時過ぎ。東京電力は、放射性物質を含んだ汚水を海に放出し始めた。日本では初の決定を最終的に下したのは経産省。放出の根拠は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」、通称「原子力等規制法」の第64条1項だった。

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聞くときに聞いておかないと、後では確認ができなくなるかもの件

(冒頭の文章と、三番目のパラグラフ全部を引用)
4月16日土曜日、午前11時過ぎからレク開始。 。。。

そうしたレクの中でひとりの記者が、保安院からの指示文書に言及した。東電が配布した資料には「排出基準を超える放射性物質濃度の排水の海洋放出に関する経済産業省原子力安全・保安院からの指示文書の受領について」とある。


 (2)NPJ編集長・弁護士日隅一雄氏のブログ 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)

(3)【動画】東電が「低濃度」の放射性物質汚染水を海に放出する決定をしたことをめぐり、日隅氏、木野氏らが東電をきびしく追及した記者会見

東京電力記者会見 2011年4月4日、25時(4月5日未明)(2011年10月30日閲覧) http://iwakamiyasumi.com/archives/8023

「会見要旨」を、上記の、Web Iwakami 岩上安身オフィシャルサイトのページから転載。

(転載はじめ)
東電会見 4月4日 深夜25時(4月5日未明) 会見要旨

この日、東電は「5.6号機のタービン建屋内の水位が上がり、ディーゼルエンジンの水没を防ぐため」、または「より高濃度の汚染水が溢れて漏出してしまうのを防ぐため」との理由から、比較的低濃度とされる地下の汚染水1万トン以上の海洋への放水を決定。夕方より実施した。

なぜ今日なのか、という質問に明確な答えのないまま、回答は22時の会見へ持ち越された。
しかし、そこでの東電側の説明から、建屋内に染み出している汚染水で確認出来たのは1箇所のみ(2ℓ/分弱)と判明。他にも数ヶ所から漏れており徐々に水位が上がる恐れがあったため、と付け加えたものの、どれほど建屋内に漏れ、どれほど水位が上がっているか、など具体的な情報が曖昧なまま、汚染水1万トン以上を海に垂れ流すという、前代未聞の措置を取ったことが露呈した。

これに対しフリーの日隅記者、木野記者が、本当に放水が必要だったのか、を激しく追及。さらに日隅記者、木野記者にフリーの上杉隆氏も加わり、放水を判断した責任者の名前、この会見時2階の本部にいる(この会見において責任者の名前を出さな いという判断を下した)責任者の名前の開示を、これも再三に渡って求めるものの、最後まで責任者の名前を明かすことはなかった。

会見後のぶら下がりでも、中途半端な会見になった事へのお詫びを述べるばかりで、具体的な情報を出すことはなかった。(音声のみ)

※その後、フリーの木野記者に会見のまとめ解説をして頂きました。

 (転載終わり)

(4)(動画)原発会見に出席し続けて ~歪んだ情報と日本社会~1-3 (2011年8月9日放送の『ニュースの深層』の録画) http://www.youtube.com/watch?v=N3sK7Icnmwk (2011年10月30日閲覧)

 Uploaded by on Aug 9, 2011
ニュースの深層8/9(火)
ゲスト:日隅一雄(弁護士)、木野龍逸(フリーランスライター)
司会:上杉 隆







(4)週間上杉隆:日本が「海洋汚染テロ国家」になる日――放射能汚染水の海洋投棄に向けられる世界の厳しい視線  (2011年4月7日) http://diamond.jp/articles/-/11786 (2011年10月30日閲覧)

(記事の冒頭部分を転載)

「海洋に放射能汚染水を流すなんて信じられない。
これで日本は世界中を敵に回した」

 自由報道協会はきょう(4月6日)、元佐賀大学学長の上原春男氏の共同インタビューを主催した。上原氏は福島第一原子力発電所3号炉(もしくは5号炉)の設計にかかわり、外部循環式冷却装置の開発者でもある。

 震災直後から複数回にわたり、菅直人首相はじめ政府、統合本部、東京電力などから助言を求められている。事故後メディアの前に姿を現すのは今回が初めてであった。

 その上原氏は、放射能汚染水を海洋に流し続けるという決定を下したばかりの政府に対して、繰り返し嘆いた。

 「なんで、あんなことをしたのか。海洋に放射能汚染水を流すなんて信じられませんよ。誰がそんなバカなことを決めたのか。これで日本は世界中を敵に回した。恥ずかしい。せっかく信頼のある国だったのに、本当になんてことをしてくれたんだ」

 いまや政府と東京電力による愚かな決定の数々は、日本を「海洋汚染テロ国家」に仕立て上げようとしている。
 
 記事全文はこちらへ

Saturday, October 29, 2011

I.2.チェルノブイリとの比較。「チェルノブイリほどひどくない」

例)チェルノブイリとの比較→チェルノブイリほどひどくないと主張

  (1)IAEA、福島とチェルノブイリ「完全に別物」と強調 (MSN産経ニュース 2011.4.13 01:37)(全文転載)(太字は投稿者)

国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は12日、日本政府が福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)を「レベル7」に引き上げたことを受けて記者会見し、福島原発事故と旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は規模などの面で「完全に別物だ」と強調した

  フローリー氏は、福島第1原発の全ての原子炉が東日本大震災直後に停止したとする一方、チェルノブイリ原発は原子炉が試験運転中に爆発するなどの事態が発 生したと指摘。放出された放射性物質もチェルノブイリに比べ少ないとして、福島の事故をめぐる日本側の措置を「信用している」と述べた。(共同)


  (2)「チェルノブイリと違う」 レベル7に東電副社長反論  (MSN産経ニュース 2011.4.12 22:45)(全文転載)(太字は投稿者)

  東京電力福島第1原発の事故が、国際評価尺度(INES)で旧ソ連のチェルノブイリ原発と並ぶ最悪のレベル7に引き上げられたことを受け、12日夜 に記者会見した東電の武藤栄副社長は「今回の事故とは相当違う」と、あくまでも二つの事故レベルが異なるとの立場を崩さなかった 評価レベル引き上げ後、経営陣として初めて会見に臨んだ武藤副社長は「重く受け止めている。ご心配、ご迷惑をお掛けし申し訳なく思う」と淡々とした表情で謝罪。「収束に向けて全力で取り組みたい」と述べた。

 武藤副社長は、これまで東電が、チェルノブイリのような事故は日本の技術では起こらないと広報してきたことを指摘され「原子炉全体が暴走し、大量の放射性物質を短時間で放出したチェルノブイリ事故と比べ、今回は放出のされ方や量が相当違う」と反論した


(3)保安院・西山審議官、BBCとのインタビューで、チェルノブイリとの違いを強張

Fukushima crisis 'no Chernobyl', says nuclear watchdog (4/12/2011)

http://www.bbc.co.uk/news/13045756 (last accessed 8/3/2011) 


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8月29日投稿

(4) チェルノブイリ事故との比較 (平成23年4月15日) 
長瀧 重信   長崎大学名誉教授 
         (元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
佐々木 康人 (社)日本アイソトープ協会 常務理事
                   (前(独) 放射線医学総合研究所 理事長)
 

首相官邸災害対策ページ内の「原子力災害専門家グループ」ページに掲載 http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html (2011年8月29日閲覧) 

[以下、全文を転載]
チェルノブイリ事故の健康に対する影響は、20年目にWHO, IAEAなど8つの国際機関と被害を受けた3共和国が合同で発表(注1)し、25年目の今年は国連科学委員会がまとめを発表(注2)した。これらの国際機関の発表と東電福島原発事故を比較する。

  1. 原発内で被ばくした方
  2. *チェルノブイリでは、134名の急性放射線障害が確認され、3週間以内に28名が亡くなっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認められない。 *福島では、原発作業者に急性放射線障害はゼロ(注3)
  3. 事故後、清掃作業に従事した方
  4. *チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった。 *福島では、この部分はまだ該当者なし。
  5. 周辺住民
  6. *チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算さ れているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに 15名が亡くなっている。福島の牛乳に関しては、暫定基準300(乳児は100)ベクレル/キログラムを守って、100ベクレル/キログラムを超 える牛乳は流通していないので、問題ない。 *福島の周辺住民の現在の被ばく線量は、20ミリシーベルト以下になっているので、放射線の影響は起こらない。
一般論としてIAEAは、「レベル7の放射能漏出があると、広範囲で確率的影響(発がん)のリスクが高まり、確定的影響(身体的障害)も起こり得る」としているが、各論を具体的に検証してみると、上記の通りで福島とチェルノブイリの差異は明らかである。

長瀧 重信   長崎大学名誉教授
         (元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
佐々木 康人 (社)日本アイソトープ協会 常務理事
                   (前(独) 放射線医学総合研究所 理事長)





原典は以下の通り。
[注1]. Health effect of the Chernobyl accident : an overview Fact sheet303 April 2006 (2006年公表)
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs303/en/index.html

[注2]. United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation, SOURCES AND EFFECTS OF IONIZING RADIATION UNSCEAR 2008 Report: Sources, Report to the General Assembly Scientific Annexes VOLUMEⅡ Scientific Annex D HEALTH EFFECTS DUE TO RADIATION FROM THE CHERNOBYL ACCIDENT Ⅶ. GENERAL CONCLUSIONS (2008年原題/2011年公表) P64~
http://www.unscear.org/docs/reports/2008/11-80076_Report_2008_Annex_D.pdf


[注3]. (独)放射線医学総合研究所プレスリリース「3月24日に被ばくした作業員が経過観察で放医研を受診」2011.4.11
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/110411.pdf 


(「チェルノブイリ事故との比較」転載終わり}

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2011年9月16日投稿 上記「チェルノブイリ事故との比較」の批判 ― Peace Philosophy Centreさまのブログから 

(1)IPPNW「チェルノブイリ健康被害」新報告と、首相官邸資料「チェルノブイリ事故との比較」との驚くべき相違
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/blog-post_17.html (2011年9月16日閲覧) 

(2)福島とチェルノブイリの原発事故の比較に関する首相官邸ホームページ専門家グループ解説の医学的疑問点: 医学博士 松崎道幸 
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/05/blog-post_22.html (2011年9月16日閲覧)

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2011年9月14日投稿
(5)【主張】福島レベル7 「最悪」評価はおかしい チェルノブイリとは全く違うmsn産経ニュース 2011.4.13 03:14)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110413/dst11041303140003-n1.htm (2011年9月14日閲覧)(以下、全文転載)(太字は投稿者)

福 島第1原子力発電所の事故に対する国際評価尺度(INES)が、急遽(きゅうきょ)「深刻な事故」とされる「レベル7」に引き上げられた。経済産業省の原 子力安全・保安院が、内閣府の原子力安全委員会の見解などを踏まえて発表した。暫定評価 とはいえ、レベル7の意味は非常に重い。

INESの基準で最も重いレベルに相当するだけでなく、25年前に起きた史上最悪のチェルノブイリ原発事故とも並ぶからだ日本政府の発表によって、世界の抱く福島事故の印象は、チェルノブイリ事故と完全に二重写しになって焼き付いてしまう

≪保安院の発表には矛盾≫

菅直人政権は、レベル7評価の及ぼす影響を理解していないのではないか。事故の実態を国際社会に正しく伝え、誤解を是正していく活動に直ちに取りかからなければならない

保安院の発表には矛盾がある。福島事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの10分の1に過ぎないと認めているではないか。レベル7の根拠は、 2号機が爆発した3月15日ごろの数時間、最大で毎時1万テラベクレル(テラは1兆)の能力を持つ放射性物質が外部に放出されていたと報告されたことである。しかし、今はその1万分の1に減っている

経済産業省が事故後1週間で示した暫定評価は「レベル5」であった。それが今の時点で、いきなり7に引き上げられると、誰しも事態の急な悪化を想像してしまうあるいは、何か深刻な状況を隠しているのではないかと疑心暗鬼にかられかねない

一時的にレベル7の適合要件を満たしていたからといって、それだけで結論を下すのはいかがなものか。評価を引き上げ、発表を急がないと事故が拡大するという局面だろうか。だが、そういう要素は何一つない。唐突感と驚きを振りまいただけである

福島事故とチェルノブイリ事故は重大度が全く違う。チェルノブイリ4号炉は、運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んだ。だから外部にばらまかれた放射能の量も汚染面積も比べものにならない

福島事故では放射線被曝(ひばく)による死者が皆無であるのに対し、チェルノブイリでは約30人の発電所員らが死亡している

福島では、4基の原発から放射性物質が漏れたのに加え、収束に日数を要しているものの最悪の方向には進んでいない

国際関係では、東京などに拠点を置く海外企業の日本脱出に拍車がかかる可能性がある。外国からの観光客も日本を避ける日本からの輸出産品への規制がさらに強まる恐れもある。

環境問題の打開のため、原発活用に舵を切ろうとしていた諸外国のエネルギー政策に及ぼす影響も一段と深刻なものになる。

1979年のスリーマイル島事故以来、凍結されていた国内原発の建設再開に着手していたオバマ米政権は、計画の見直しを余儀なくされかねない。

菅政権は、レベル7への引き上げに際し、世界に波及していく負の衝撃波を検討したのか。国際感覚が問われよう

≪心配な輸出品への規制≫

国内へのレベル7ショックも甚大だ。相次ぐ大きな余震だけでも国民の平常心は揺らいでいる。そこに原発事故の深刻化を誤解させかねない発表が追い打ちをかけることになった

東電以外の他電力の原発も運転継続が難しくなりつつある。首都圏や東北では、今夏に予想される電力不足の深刻化が心配だ

大量の放射性物質を飛散させたチェルノブイリ事故でも、白血病の増加は確認されていない。政府はその科学的事実の周知に力を注ぐべきである。チェルノブイリでの最も深刻な後遺症は、被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)である

日本でもその予防に努めるべきときに、不安を肥大させるだけのレベル引き上げは、不用意の一言に尽きよう。原発周辺住民の退避問題についても、非常時にお ける対外発表手法の改善が望まれる。今回の福島原発事故は、人災と天災の境界線上に位置するものである。日本の原子力発電の安全性回復に向けた努力を丁寧に世界に伝達していきたい

事故レベルの確定は、その後でもよかったはずである。

(全文転載おわり)
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2011年11月5日投稿

日本財団主催の国際会議「放射線と健康リスク」(2011年9月11、12日)の「国際専門家会議『放射線と健康リスク』 結論と提言」(2011年10月1日)(第4回福島県「県民健康管理調査」検討委員会  資料(平成23 年10月17 日)の中の「資料1」 http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/kenkoukanri_231017shiryou.pdf
(2011年11月5日閲覧)

(一部を抜粋)(太字は投稿者)
1)福島の原発事故。。。 今日まで、原発事故による急性放射線障害は発生していない。安定ヨウ素による甲状腺ブロックは、住民に対して原則施行されず、甲状腺の直接測定結果の報告では甲状腺被ばく線量は比較的低かったとされており、必ずしも服用の必要はなかったと考えられている。これらの事象に加えて、報告されている大気圏や海洋へ放出された環境放射能汚染レベルを考慮に入れると、避難民も含めて、一般住民への直接的な放射線被ばくによる身体的健康影響は、チェルノブイリに比べて限定的で非常に小さいと考えられる。チェルノブイリでは、高いレベルの放射性ヨウ素で汚染されたミルクを飲んだことで惹き起こされた小児甲状腺がんのみが、唯一放射線誘発の健康影響であると証明されている。しかしながら、福島原発事故の社会的、精神的、そして経済的な影響は、甚大であることが予想される。 。。。

(抜粋終わり)

「国際専門家会議についての詳細はこちらから

投稿者注:10月27日に発表されたフランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の試算によると、6月の東電発表推計値の20倍にあたる量の放射性セシウムが海洋に流出したとされている。くわしくは、こちらへ


【参考資料】

2011年10月30日投稿 
東電による「福島第一での想定放出量」と「チェルノブイリで放出量」の比較 

東京電力「東日本大震災における原子力発電所の影響と現在の状況について」 (日付なしhttp://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f12np-gaiyou.pdf(2011年10月30日閲覧)

12ページ目の「INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)」に掲載。 

IX.5.d.  インドへの原発輸出

野田政権誕生以来、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて停滞していた原発輸出をめぐる動きが活発化してきたが、10月28日にはインドのクリシュナ外相が来日。29日には玄葉外相と会談して、去年開始したが東電原発事故後事実上中断していた日本とインドの原子力協定の締結交渉を進展させることで一致した。

(1)(NHK)日印外相 原子力協定交渉進展を(10月29日 14時49分)    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111029/k10013598421000.html(2011年10月29日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
玄葉外務大臣は、インドのクリシュナ外相と会談し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、事実上中断していた、日本とインドの原子力協定の締結交渉を進展させることで一致しました。

玄葉外務大臣は29日、外務省の飯倉公館で、日本を訪れているインドのクリシュナ外相と会談し、このあと両外相はそろって記者会見しました。この中で玄葉大臣は、原子力発電所の大幅な増設を検討しているインドに、日本からの原子力関連の技術供与をにする原子力協定の締結交渉が、福島第一原発の事故以降、事実上中断していることについて、「インドから要請があり、交渉を進展させるため実務レベルで緊密に協議していくことで合意した」と述べ、原子力協定の締結交渉を進展させることで一致したことを明らかにしました。そのうえで、玄葉大臣は「私からは、 原発事故の原因の調査状況、原子力安全への取り組みについて透明性をもって情報提供すると伝え、同時に日本の核軍縮・不拡散への立場にも理解を求めた」と 述べました。また、両外相は、ことし8月に両国間のEPA=経済連携協定が発効したことを受けて、両国間の貿易・投資の拡大や、レアアースの共同開発の推進などでも合意したことを明らかにしました。さらに、玄葉外務大臣とクリシュナ外相は、両国の首脳や閣僚の定期的な相互訪問を活発化させることを確認しま した。
(転載終わり)

(2)(asahi.com)日印、原発輸出・レアアース開発推進で合意 外相会談(2011年10月29日13時29分) http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201110290157.html(2011年10月29日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
玄葉光一郎外相は29日午前、都内でインドのクリシュナ外相と会談し、東京電力福島第一原発事故後に停滞している両国間の原子力協定交渉を進展させることで合意した。両国の企業によるレアアース(希土類)の共同開発を進めることも確認した。

両政府は、原発輸出のために必要となる原子力協定の締結交渉を去年始めたが、今年3月の原発事故以降は開いていなかった。会談後の会見で玄葉外相は交渉進展の合意を明らかにする一方、「被爆国日本の核軍縮不拡散への強い思いへの理解を求めた」と述べた。インドが核実験を実施しないことが原子力協力の前提 との日本政府の立場を改めて示したものだ。

会談では、政治・安全保障分野で近く日米インドの局長級協議を開催することや、海賊対策など海洋安全保障での協力強化で一致した。クリシュナ外相は、海上自衛隊とインド海軍の合同演習も提案した

クリシュナ外相は同日午後には野田佳彦首相を表敬訪問し、野田首相の早期のインド訪問に向けた調整をする予定だ。(松村愛)
(転載終わり)


(3)(msn産経ニュース)原子力協定交渉を進展で一致 日印外相会談(2011.10.29 13:26) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111029/plc11102913280004-n1.htm (2011年10月29日閲覧)
 
 共同記者会見を終え、インドのクリシュナ外相(左)と握手を交わす玄葉外相=29日午後、外務省飯倉公館
共同記者会見を終え、インドのクリシュナ外相(左)と握手を交わす玄葉外相=29日午後、外務省飯倉公館

(全文転載)
玄葉光一郎外相は29日午前、インドのクリシュナ外相と都内の外務省飯倉公館で会談し、東京電力福島第1原発事故を受けて中断している原子力協定締結交渉を進展させることで一致した。レアアース(希土類)の共同開発を前進させることも確認した。

また、日本、インドが来年、国交樹立60周年を迎えることを契機に両国関係を強化することを確認。日本、米国、インド3カ国による対話を近い将来実施することでも一致。クリシュナ氏はインド海軍と海上自衛隊が合同演習を行うことを提案した。

会談後、玄葉氏は記者会見で「わが国はインドと基本的な価値観と多くの戦略的利益を共有している。インドの安定と発展は日本の国益にとって重要だ。日本と インドの関係を一段とレベルアップをさせる」と述べた。原子力協定締結交渉については「核軍縮、不拡散への配慮をしながら進めていく」と語った。

クリシュナ氏は午後に野田佳彦首相と公邸で会談する。

(転載終わり)

2011年10月30日投稿

(4)(東京新聞)日印、原子力協定前進へ レアアース共同開発も (2011年10月30日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011103002000027.html (2011年10月30日閲覧)

(全文転載)
玄葉光一郎外相は二十九日、インドのクリシュナ外相と都内の飯倉公館で会談し、東京電力福島第一原発事故を受けて中断している両国の原子力協定締 結交渉を進展させていくことで一致した。昨年十月に当時の菅直人首相とシン首相が一致したレアアース(希土類)共同開発の推進も確認した。

この後、野田佳彦首相もクリシュナ氏と会談し「原発事故を検証して安全対策に貢献し、インドとの協力を考えたい」と強調。年内にインドを訪問する意向も伝えた。十二月二十八日を軸に両国で調整している。

日本はインドやトルコ、ブラジルなど五カ国と締結交渉をしていたが、事故後に見合わせている。今回の合意で原発輸出を進める姿勢を明確にしたが、事故が収束していない中で批判も出そうだ。

また玄葉氏は会談後の共同会見で「唯一の被爆国である日本の核軍縮への取り組みを理解してほしい」として、核実験時の協力停止の協定明記を求めた。

外相会談は二〇〇七年から毎年行われている「戦略対話」として実施。両外相は中国の海洋進出を念頭に南シナ海の安全保障に関するルールづくりが必要との認識で一致、十一月中旬に開かれる東アジアサミット(EAS)で主要議題とすることになった。

経済分野では、今年八月発効した経済連携協定(EPA)を踏まえた貿易や投資の促進、首都ニューデリーと西部の商都ムンバイを結ぶ貨物鉄道建設計画への協力で一致した。
(転載終わり)

(5)原発安全対策、インドに提供=野田首相、年内訪問伝える(2011年10月29日19時6分) http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201110290077.html (2011年10月30日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
野田佳彦首相は29日午後、首相公邸でインドのクリシュナ外相と会談し、外相間の戦略対話で交渉進展を確認した日印原子力協定について「(東京電力)福 第1原発事故の情報を提供し、安全対策についても貢献していきたい」と述べ、原子力技術とともに、原発事故の安全対策も積極的に提供する考えを示した。

また首相は自らのインド訪問について「首脳間の相互訪問を重視している。年内の双方の都合の良い時期で調整したい」と伝えた。日印両政府は12月28日を軸に検討している。 

[時事通信社]

(転載終わり)

【インドでも反原発デモ】

 (asahi.com)反原発デモで死者 インドの予定地、福島の事故引き金(2011年4月19日9時54分) http://www.asahi.com/international/update/0419/TKY201104190084.html (2011年10月30日閲覧)

(全文転載)
インド西部マハラシュトラ州の原発建設予定地で18日、建設反対派住民が警官隊と衝突し、警官隊の発砲で少なくとも住民1人が死亡した。福島第一原子力発電所の事故にもかかわらず、ラメシュ環境相が建設計画の見直しを否定したことが引き金となった。

PTI通信が伝えた。衝突が起きたのは、西部の中心都市ムンバイの南約300キロにある同州ジャイタプール。見直し否定に怒った住民ら600~700人が地元警察署に押しかけ、建物や車両に放火。警官隊が発砲したという。

インド政府は、この予定地に6基の原発を建設して同国最大規模の発電所を造る計画だ。昨年12月、フランスのサルコジ大統領がインドを訪問した際、フラ ンス側がまず2基を供与することで合意し、予定地を囲い込むフェンスの建設が始まっていた。(ニューデリー=武石英史郎)

(転載終わり)
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2012年1月22日投稿

野田首相が12月27日から29日、インドのデリーを国賓として訪問、原子力協定について、「両首脳間で,双方にとって満足のいく合意が得られるよう,協定交渉を進展させていくことで一致」した。

外務省HP 「野田総理夫妻のインド訪問(概要と評価)」(平成23年12月29日のページより抜粋。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/india_1112/gaiyo.html(2012年1月22日閲覧) 

II.首脳会談概要 1.二国間関係 (3)経済・経済協力

 (カ)原子力協力については,シン首相から,日本のセンシティビティはよく理解している旨述べ,両首脳間で,双方にとって満足のいく合意が得られるよう,協定交渉を進展させていくことで一致。
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2012年4月16日投稿

 (週間金曜日ニュース)「日本はどうして原発をインドに売るのか」――インド南部住民の反対運動活発化 (2012 年4 月16 日 2:06 PM)http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1855 (2012年4月16日閲覧)(全文転載)


クランクラム原発に近い漁村。運動拠点となっているキリスト教会裏敷地で議論する。(撮影/福永正明)
 
インド南端タミル・ナドゥ州のクダンクラム原子力発電所建設をめぐり、住民の反対運動が活発化している。二五年間一貫して原発反対を訴える非暴力運動に、インド国内外から支援が集まっている。

三月七日、反対運動拠点の漁村を訪ねると、二〇〇人ほどの住民たちが集い、周囲には昨年三月一一日の東京電力福島原発事故の説明ポスターも掲げら れていた。原発閉鎖を求める「核エネルギーに反対する民衆運動」(PMANE)のリーダーたちは筆者に、福島事故後の原子炉、避難民、放射能汚染などを 次々に問うてきた。筆者は「福島事故で原発の危険性に疑いはない。このクダンクラムでも起こりうる」と答えた。

インド政府の計画では、国営企業インド原子力発電公社がロシア原子力関連企業アトムストロイエクスポルトの援助で、ロシア型加圧水型原子炉二基を インド洋の海岸沿いに建設。昨年前半に一号機の工事が完了し、七月に試験用燃料での試験運転が行なわれ一二月より商業運転開始予定であった。

しかしそこに福島事故が起こった。衝撃を受けた住民は、数万人規模の原発反対運動を続けた。

一九八八年に露印首脳が合意したが長期中断。九七年に建設工事着工、二〇〇四年に資材搬入用の小港湾施設が完成。原発建設工事も本格化した。

計画発表当初からの原発反対運動は、〇一年に地元出身の元大学教授ウダヤ・クマール氏が帰国定住し、自ら設立したPMANEの代表となり活性化した。

リーダーたちは、原発にまつわる危惧一三項目を説明する。(1)津波と地震の危険性、(2)環境影響評価や安全分析報告などが、住民に非公開。公 聴会もない、(3)原発から半径二・五キロ地帯を強制立ち退きとする計画、(4)原発から半径三〇キロ圏内に一〇〇万人居住する、(5)冷却水と低レベル 廃棄物の海への投棄、(6)環境や食物の汚染の危険性、(7)将来、六基追加の計画、(8)露製原発への国際的懸念などである。

原子力発電拡大をめざす中央・州政府は、地元民一〇〇〇人の優先雇用、水道水の安価提供、福祉施設の充実、漁業補償金を掲げつつ、一方でPMANE幹部は反政府武装組織関係者であるなどとデマを流布した。

住民は昨年八月の避難訓練で、「鼻と口を覆って最も近い建物に逃げ込んでドアを閉めること」という指示を受け、怒りを爆発させた。原発反対運動は大きな炎をあげて燃え上がった。

八月以降、拠点となる教会裏敷地には、連日一万人以上が集結し、集会、デモ行進、女性たちの道路封鎖、無期限ハンストなどが繰り返された。建設工 事は中断、保安要員以外は施設内に入れず、七カ月が経過した。この間、ウダヤ・クマールさんらPMANEリーダーは、シン中央政府首相、ジャヤラリタ州首 相らと交渉を続け、ついに州首相は「住民の合意なき建設には反対」と決定した。

しかし今年三月一九日、州首相が方針転換を突如発表。中央政府へ建設容認を伝達した。翌日から工事が再開し、一万人以上の州警察武装部隊が投入さ れ、食糧・医薬品・水など物資搬入禁止、五人以上の集会禁止、PMANE幹部の逮捕状発行、メディアの報道規制、封鎖地域内の住民による外部への移動も禁 止の事態となった。

集会拠点には、無期限ハンストで抗議するウダヤ・クマールさんらリーダーを囲むように連日一万人の住民・支援者が集結し、鋭い抗議の叫びを上げ た。三月二三日に高等裁判所緊急判決で警察の封鎖は解除され、無期限ハンストは三月二八日に解除となった。逮捕者は五〇〇人以上とされるが、集結した住民 たちの数は減少せず、むしろ日に日に増加している。筆者が訪れた運動拠点村は、現在でも輪番でのハンストや集会が続き、原発稼働強行を阻止する態勢だ。

住民は、日印両政府が進行させる原子力協定交渉について「どうして日本は原発をインドへ売るのか」と問いかけた。インドの原発反対運動は、日本の人びとに「原発海外輸出」反対を求めている。
(福永正明・大学教員、4月6日号)

(転載終わり)

Wednesday, October 26, 2011

IX..5.c.トルコへの原発輸出

(1)(ANNnews)原発協力でトルコと合意 正式受注に向け交渉加速(10/12/24) 

 



(2)(asahi.com)トルコは原発建設計画を推進、日本の地震は影響せず=エネルギー相(2011年3月15日) http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201103150033.html?ref=reca(2011年10月27日閲覧)

(全文転載)

[イスタンブール 14日 ロイター] トルコのユルドゥズ・エネルギー相は、2カ所の原子力発電所の建設計画について予定通り進める方針を示した。

1カ所では日本との技術協力で進める予定で、東京電力<9501.T>および東芝<6502.T>と協議を進めている。

エネルギー相はテレビ番組で「日本の今回の地震はトルコの計画に影響しない。今回の事態からの教訓を踏まえ、協議を継続する」と述べた。

トルコには断層帯が通っており、地震も活発。1999年の2回の地震では死者数が2万人を超えた。

(転載終わり)

(3)(asahi.com) 日本への原発発注検討、トルコが震災後も方針変更せず(2011年5月27日18時43分) http://www.asahi.com/international/update/0527/TKY201105270400.html?ref=reca(2011年10月27日閲覧)

(全文転載)

トルコのアブドゥルラフマン・ビルギチ駐日大使が27日、都内で記者会見し、日本側と交渉を進めているトルコの原発建設計画について、「変更する必要はない」と述べ、福島第一原発の事故後も引き続き、日本への発注を視野に検討を続けていることを明らかにした。

トルコは国内2基目となる原発建設を黒海沿岸のシノップに予定しており、昨年12月から日本側と正式に建設交渉を開始、東芝などが強い関心を見せてい た。両国は原発輸出の前提となる原子力協定を今春にも締結する見通しだったが、福島第一原発事故の後、交渉は中断している。
ビルギチ大使は「日本の技術を信頼している。トルコは原子力エネルギーをあきらめることはない。交渉が再開され今年末までに合意すれば、(トルコが目指す)2019年までの稼働に間に合う」と話した。(高橋友佳理)

(転載終わり)

(3)(asahi.com) 原発輸出計画 トルコが「日本との交渉継続」(2011年8月1日15時0分) http://www.asahi.com/international/update/0801/TKY201108010169.html?ref=reca (2011年10月27日閲覧)
日本からトルコへの原発輸出計画で、トルコ政府が日本との交渉を継続する意向を日本政府に伝えたことが1日、わかった。二国間交渉は昨秋に始まったが、 東京電力の福島第一原発事故を受けて中断。菅直人首相の原発輸出戦略の見直し発言などで、日本の姿勢に懸念を抱いたトルコ側は交渉打ち切りを示唆していたが、避けられた形だ。

日本政府は先週末、経済産業省幹部をトルコに派遣。日本政府関係者によると、トルコ側はこの幹部に「今後も日本と交渉していきたい」と語った。幹部は、原発技術や、原発建設に必要な資金調達の支援策など、日本の基本方針を改めて説明したとみられる。

ただ、トルコ側は日本以外の第三国との交渉について「日本との交渉次第」との立場を示したという。日本との交渉が今後前進しなければ、フランスや韓国などと交渉する可能性にも含みを残した。
(転載終わり)


(4)(毎日新聞)枝野経産相:原発交渉の継続 トルコ側に要請(2011年10月19日 12時03分(最終更新 10月19日 20時29分))http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111019k0000e010052000c.html(2011年10月24日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)

【パリ宮川裕章】国際エネルギー機関(IEA)閣僚会議出席のためパリを訪問中の枝野幸男経済産業相は18日、トルコのユルドゥズ・エネルギー天然資源相と会談し、昨年12月に日本が受注の優先交渉権を獲得したトルコの原発建設計画について、交渉の継続を要請した。ユルドゥズ資源相は日本への期待感を示し、具体的な交渉スケジュールについて実務レベルでの協議を始める考えを示した。

トルコの原発建設計画を巡っては、今年3月の福島第1原発事故後、交渉が凍結。トルコは交渉期限を延長したが、菅直人前首相が原発輸出政策を見直す意向を示したことから、トルコ側が優先交渉の打ち切りを示唆した経緯がある。

政府は8月、「すでに輸出に向けた交渉が進んでいる案件は推進する」と閣議決定。枝野経産相はこの方針を受けて、18日の会談でトルコ側に対して「日本の技術を評価し、引き続き交渉を前に進めていただきたい」と要請した

毎日新聞 2011年10月19日 12時03分(最終更新 10月19日 20時29分)

(転載終わり)
  
(5)(共同通信)経産相、原発受注へ交渉継続 トルコに要請 (2011/10/19 10:47) http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011101901000252.html (2011年10月19日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)                                             

【パリ共同】枝野幸男経済産業相は18日、国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会出席のため訪問中のパリで、 各国閣僚と相次いで会談した。トルコに対して日本が受注を目指している現地の原発建設計画について交渉継続を要請。米国とは、原子力分野での技術協力を強化していくことを確認した 

東京電力福島第1原発の事故を受け国内で脱原発依存の道を探る一方、対外政策では原子力技術を活用して原発輸出を進め、景気下支えに向けた成長戦略の一環とする姿勢を鮮明にした。枝野氏が原発輸出の具体的な計画推進に公式に言及したのは初めて。 

(転載終わり) 


【トルコも地震国】

(1)(asahi.com)トルコ東部で大規模な地震 死者、最大1千人の可能性(2011年10月24日0時43分) http://www.asahi.com/international/update/1023/TKY201110230308.html(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)

写真:トルコ東部ワン近郊で23日、地震で崩れた建物のがれきの中に閉じ込められた人を助けようとする人たち=ロイター拡大トルコ東部ワン近郊で23日、地震で崩れた建物のがれきの中に閉じ込められた人を助けようとする人たち=ロイター
図:トルコで起きた地震の震源拡大トルコで起きた地震の震源
トルコ東部のワン近郊で23日午後1時40分(日本時間同7時40分)ごろ、大きな地震が発生した。ワンなど複数の街で建物が倒壊しており、現地からの 報道では少なくとも50人の死亡が確認された。トルコのカンディリ地震観測所は「500~1千人の死者が出ている可能性がある」との見方を示した。

米地質調査所は地震の規模をマグニチュード(M)7.2、カンディリ観測所はM6.6としている。現地からの映像では、ワンでは複数のビルが上から押し つぶされるように崩れ、閉じこめられた人々の救出作業が行われている。AP通信によると、トルコの副首相は建物約45棟が倒壊したと述べた。

ワンの当局者はAFP通信に「倒壊した建物の下から助けを求める声が聞こえる」と話した。地元テレビ局NTVによると、エルドアン首相は同日、予定を変更して被災地に向かうことを決めたという。   ー>続きは朝日新聞デジタルで

(転載終わり)

(2)(毎日新聞)トルコ地震:1200キロ断層の東で 76年にもM7.3(2011年10月24日 12時01分(最終更新 10月24日 13時41分))http://mainichi.jp/select/world/news/20111024k0000e030051000c.html(2011年10月24日閲覧)

(全文転載)
ト ルコの地下では、ユーラシア大陸を乗せたユーラシアプレート(岩板)と、アラビア半島を乗せたアラビアプレートが衝突しており、地震が多く発生 してきた。また、両プレートの衝突などで生じた長さ約1200キロの「北アナトリア断層」が、トルコ国内を東西に横断している。

同断層付近では1939年以降、マグニチュード(M)7以上の大地震が、東から西へ移動するように連続して起きた。断層の西端に当たるイズミトで99年8月に発生したM7・4の地震では1万7000人以上が死亡した。

今回の地震の震源に近いワンは、同断層の東端の延長上に位置するが、99年のイズミト地震を現地調査した遠田晋次・京都大防災研究所准教授(地震地質学)は「北アナトリア断層が直接の原因とは考えにくい」という。

米 地質調査所(USGS)によると、今回の地震は南北方向に力が加わり、地殻が上下にずれる「逆断層型」。これに対し、北アナトリア断層が起こす地震は、断 層の南側と北側が横にずれる「横ずれ断層型」が特徴で、メカニズムが異なる。遠田准教授は「両プレートが衝突する地帯の地殻の中にある別の活断層が引き起 こした地震ではないか」とみる。ワン付近では76年にもM7.3の地震が起きている。

遠田准教授によると、トルコ東 部は政情不安定で研究者が立ち入れないため、西部に比べて過去の地震の研究が遅れているという。建物の耐震構造も、 同じ地震国の日本に比べると脆弱(ぜいじゃく)で、今回のように震源の深さが約20キロと比較的浅い「直下型地震」の場合は、とりわけ被害が大きくなりや すい。【八田浩輔】

毎日新聞 2011年10月24日 12時01分(最終更新 10月24日 13時41分)

(転載終わり)

(3)(韓国・東亜日報)トルコ大地震、韓国の原発輸出に影響必至(OCTOBER 25, 2011 03:13) http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=020000&biid=2011102537648(2011年10月27日閲覧)

(全文転載)

「トルコ政府が、大地震で混乱しているため、原子力発電所建設についての方針を決めかねている。しかし、今後、トルコの原発推進が大変困難になったことは明らかな事実だ」(国内原発業界関係者)

23日(現地時間)、トルコでマグニチュード(M)7.2の大地震が発生し、これまで難航していたトルコの原発建設プロジェクトが実現しないのでないかという観測が出ている。今回の地震を機に、トルコ政府が原発建設計画をあきらめる可能性が高くなったためだ。

●揺れる大地、揺れる原発事業

24 日、原発業界と関連当局によると、今回の地震は、99年にトルコで発生したM7.6の大地震(死傷者2万人)以降12年ぶりに発生した 大規模地震だ。99年の地震はトルコ北西部で起きたが、今回の地震は南東部で発生した。震源の位置が予測していなかった場所に大きく移動したのだ。地盤が 不安定な断層地帯に位置するトルコは、地球上で地震活動が最も活発な国家の一つとされる。実際、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は最近、世界で最も地 震の危険が高い原発として、トルコがロシアとともに推進する「アクユ」原発を挙げた。

しかし、慢性的な電力不足 に悩んできたトルコ政府は、「30年までにエネルギー需要の20%を原発でまかなう」という目標を立て、積極的な 原発建設プロジェクトを推進してきた。アクユ原発のほかにも、トルコ北部のシノプ地域に21兆6000億ウォン規模の原発を建設することを決めた。

韓 国政府はこのシノプ原発の受注のために、昨年3月からあらゆる努力をしてきた。昨年8月には、事業の構造、財源の調達、工程、用地、電力販売の単価、人材 養成など、原発建設に必要なすべての事項に対する両国の共同研究も終えた。しかし、12月に日本がトルコ原発受注に割り込み、状況が変わった。トルコが韓 国との交渉を中断し、日本と交渉を始めたのだ。当時、日本では「トルコ原発が(地震のノウハウがある)日本に向いた」と考えられた。

状況は今年3月に完全に変わった。東日本大地震で福島原発事故が発生し、日本の海外原発事業が全面停止したためだ。トルコ内でも、「日本の原発も不安だ」として反対世論が激しくなった。

●韓国の原発輸出、戦略修正は必至

ト ルコ政府は最近まで、「それでも原発を進める」という立場を守ってきた。7月28日に東京電力がトルコの原発事業をあきらめるなど、日本 との交渉が難しくなると、8月10日に韓国を訪れたトルコのザフェル・チャーラヤン経済部長官が、崔重卿(チェ・チュンギョン)知識経済部長官と会談し た。チャーラヤン長官は、自国メディアとのインタビューで「原発交渉は韓国など様々な国に開かれている」と述べ、国内では再びトルコ原発受注に対する期待 が高まった。

しかし、今回の大地震で、トルコ政府の原発プロジェクトは完全に座礁する可能性が高いと原発業界は見 ている。原発輸出の主要攻略国家の一つ としてトルコを挙げてきた知識経済部(知経部)と韓国電力も、戦略の修正が避けられないもようだ。知経部の関係者は「ひとまず年末までは日本との交渉の推 移を見守る計画だ」と慎重な態度を示した。

(転載終わり)
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2011年12月5日投稿

(日経新聞)枝野経産相「原発事故の教訓、トルコでも生きる」 日本・トルコ経済フォーラム「トルコビジネスの未来」 2011/12/5 16:43) http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959FE2E7E2E0808DE2E7E3E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2(2011年12月5日閲覧)(全文転載)

日本経済新聞社とトルコ共和国政府は5日、日本・トルコ経済フォーラム「トルコビジネスの未来」を東京・大手町の日経ホールで開いた。基調講演した枝野幸男経済産業相はインフラやエネルギー分野での2国間協力が重要だとし、「原子力発電も有力な協力分野」と語った。福島第1原子力発電所の事故の教訓が「同じ地震国のトルコでも生かされるよう協力を進める」とした。

福島原発事故の処理については「着実に収束に向かっており、年内に冷温停止を達成するように取り組む」と述べた。

トルコ経済の今後の成長に期待を示して「潜在力に照らせば、(日系企業の)投資余地はさらに存在する」と指摘した。中東や北アフリカ、アジアと近いという地理的な利点を生かして「経営や流通の拠点機能に期待したい」と述べた。
(転載終わり)
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2012年1月20日投稿

(1)(Asahi.com)トルコ、日本の原発輸出に期待感 両外相会談で表明(2012年1月6日21時3分)http://www.asahi.com/politics/update/0106/TKY201201060541.html (2012年1月20日閲覧)(全文転載)

玄葉光一郎外相は6日、トルコのダウトオール外相とアンカラ市内で会談した。会談後の共同会見でダウトオール外相は、原発輸出の前提となる原子力協定交渉について「日本とこの分野の協力を進めたい」と述べ、東電福島第一原発事故後に中断している締結交渉の早期再開に期待感を表明。玄葉外相は「(トルコ側 の期待感を)踏まえながら検討を進めていかないといけない」と応じた。

原子力協定は外相会談に先立つチャーラヤン経済相との会談で、トルコ側が締結交渉を早く再開するよう求めた。トルコとは2010年秋に交渉を始めたが、原発事故で中断している。

野田政権は原発輸出に前向きで、昨年12月、政府間で署名を済ませていたヨルダン、ベトナム、韓国、ロシアの4カ国との原子力協定を国会で可決した。トルコやインドなど交渉中の国とも、同月の日印首脳会談で締結に向けて努力することを確認している。

ダウトオール外相との会談では、4月に予定される同外相の来日時に、経済協力に関する覚書の署名を目指すことで一致。海外駐在員らが公的年金の保険料を自国と赴任国で二重に負担するのを防ぐ社会保障協定についても、近く交渉を開始することで合意した。同外相は会見で「経済協力を発展させるため、自由貿易協定(FTA)についても考えていきたい」と語った。(アンカラ=比屋根麻里乃)
(転載終わり)

(2)(共同通信)日トルコ、原子力交渉再開へ 外相会談で一致(2012年1月 6日) http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/01/post-4411.html (2012年1月20日閲覧)(全文転載)

【アンカラ共同】日本、トルコ両政府は6日午前(日本時間同日午後)、東京電力福島第1原発事故以来見合わせていた両国の原子力協定締結交渉を年 内に再開する考えで一致した。トルコ訪問中の玄葉光一郎外相とダウトオール外相が首都アンカラでの会談後の記者会見で表明した。

地震多発国のトルコは日本の技術力を評価、黒海沿岸での原発建設計画への日本の関与に期待感がある。一方、地震多発国への原発輸出に日本国内からは慎重論が出そうだ。

会談でダウトオール氏は「自由貿易協定(FTA)の協議をしたい」として両国間のFTA交渉開始を提案。玄葉氏は「閣僚級対話の枠組みを設置し、その中で検討したい」と述べるにとどめた。

トルコが進める大型インフラ事業で協力を推進することを確認。両国の戦略的な関係強化を図るため、外相レベルで定期的に協議をすることでも一致した。
(2012年1月 6日)
(転載終わり)
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2012年3月1日投稿

(NHKニュース)政府 原子力協定の交渉再開へ(3月1日 6時7分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120301/t10013395381000.html (2012年3月1日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

政府は、去年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故以来中断していた原子力関連の技術を輸出できるようにする原子力協定の締結を巡る交渉を再開することになり、1日、トルコとの実務者協議を行うことになりました

原子力協定を巡って、政府は、トルコ、インド、ブラジル、南アフリカ、アラブ首長国連邦の5か国との間で、締結に向けた交渉を進めていましたが、去年3月の東日本大震災と福島第一原発の事故を受けて中断していました。
しかし、政府は「日本の原発の輸出や技術移転に対する各国の期待は高い」として、震災より前から進めていた交渉については再開することになり、ことし1月、トルコとの間で交渉の再開で合意していました。
これを受けて、政府は1日、震災後初めての交渉として、トルコの首都アンカラで実務者協議を行うことになりました。
トルコが建設を計画している原子力発電所を巡っては、当初、日本が受注に向けた競争で先行していましたが、先月には、韓国のイ・ミョンバク大統領が、トルコを訪れて受注を目指す考えを伝えるなど、原発事故の影響で交渉が中断している間に競争が激しくなっています。
(転載終わり)





IX.5.b.ベトナムへの原発輸出

 ベトナムへの原発輸出は、民主党政権が成長戦略として推し進めている「まるごと原発輸出」の「第一号」である。 2010年10月22日には、電力9社、原発設備メーカー3社と、産業革新機構(官民出資の投資ファンド)から成る『国際原子力開発株式会社』を設立し、原発を新規導入する国々に対して、原子炉建設だけでなく、運転や保守、燃料確保までセットで売り込む体制を整備。その国際原子力開発もベトナムからの受注を当面の最大目標としていた。(【参考資料】を参照。) 昨年の10月31日には、ベトナム訪問した菅前首相がベトナム首相と発表した共同声明のなかで、ベトナムが計画中の原発の建設に日本を「協力パートナー」として選ぶことを明記した。3.11の東電原発事故後滞っていた交渉も、野田新首相の就任後、にわかに勢いづいてきたように見える。 

だが、下にまとめたベトナムへの原発輸出への動きを概観すると、9月22日の野田首相の国連演説での原発輸出継続表明以前に、すでに原発輸出を進める具体的な動きが着々と進行しており、野田国連演説は、その既成事実を追認したにすぎなかった、と言えるだろう。

ベトナムへの原発輸出への動き 

2010年10月22日  国際原子力開発株式会社設立

2010年10月31日 
  • 菅首相(当時)とグエン・タン・ズン首相の「アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明」で、ベトナムがニントゥアン省で計画している原子力発電所(第2サイト)の2基の建設に、日本を「協力パートナー」として選ぶことを決定と明記。
  • 大畠経産相(当時)の声明「ベトナムとの原子力協力について」で、 (1)日本原子力発電(株)とベトナム電力公社(EVN)が共同して行う原子力発電導可能性調査の速やかな開始、(2)国際原子力開発(株)とEVNとの間で原子力発電所の建設・運転・保守等に関する具体的な検討の加速化、についてベトナム側と調整を進める、と発表。
2011年8月11日  高橋外務副大臣(当時)がベトナム訪問し、ハイ副首相との会談で、ベトナムの原発建設支援を確認

2011年9月22日  野田新首相が、国連での演説で原発輸出継続を表明

2011年9月28日 ハノイで、日本原子力発電とベトナム電力公社(EVN)が、日本企業による原発建設の前提となる調査事業の契約に調印

2011年9月29日  ハノイで、(株)国際原子力開発とベトナム電力公社(EVN)が原子力発電所建設に関する協力覚書に調印

2011年10月25日  ベトナムのグエン・スアン・フック副首相が、ハノイでの毎日新聞とのイ ンタビューで、日本との政府間合意締結の方針を表明。


(1)(ANNnews) ベトナム原発、日本が受注 菅総理トップセールス(10/10/31) http://www.youtube.com/watch?v=Y-Frfzjr9mY&feature=youtube_gdata (2011年10月27日閲覧)

(2)(SankeiBiz)原発商談 「日本外し」加速 韓国、受注奪取へ越に親書 (2011.7.27 05:00) http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110727/mca1107270502002-n1.htm (2011年10月27日閲覧)

(全文を掲載)(太字は投稿者)

日本が原子力発電所2基の建設受注で基本合意したベトナムのグエン・タン・ズン首相に対し、韓国の李明博大統領が原発に関する協力を推進する旨の親書を渡 していたことが26日、分かった。ベトナム側も韓国に使節団を派遣するなど前向きだ。原発輸出で優先交渉権を獲得したトルコとの商談でも、トルコ側が日本 との交渉を月内に打ち切る意向を示すなど「日本外し」が加速している。インフラ輸出の有力技術だった原発商談に暗雲がたれこめている。

韓国はベトナムの原発受注に官民を挙げて取り組んでおり、ズン首相への親書は、李大統領が大統領特使としてベトナムに派遣した政府高官が5月下旬に手渡した。これに呼応し、ベトナム政府は7月11~15日、閣僚を含む20人規模の使節団を韓国に派遣した。ベトナムと韓国は 原発やエネルギー資源、産業技術など包括的な協力を検討する機関設立を進めており、日本側からは「韓国に受注を奪われかねない」との声が出ている。

ベトナムの原発受注をめぐっては2010年10月、菅首相が同国を訪問しズン首相と合意した。ところが、菅首相は今月13日の記者会見で「脱原発」を表明。21日の参院予算委員会では原発輸出について「もう一度議論をしなければならない段階にきている」と見直しを示唆した。こうした発言が「日本は原発輸 出を断念する」という観測を広めているようだ。

ベトナムの受注が取り消された場合、原発受注に伴い日本側が表明した総額約790億円の政府開発援助(ODA)などの支援策が無駄になる。原発1基当たりの受注規模は3000億~5000億円で、総額では数千億から兆円単位の損失になりそうだ。

一方、トルコの不信感はさらに強い。トルコ側は東京電力福島第1原発事故後、日本との交渉が進展しないことに不満を募らせており、海江田万里経済産業相は 26日の閣議後会見で「経産省職員をトルコに派遣した。日本の状況や政府の考え方をしっかり説明する」と対応に追われている。

トルコなど 新興国は、自前のエネルギー源としての原子力への期待が依然高く、「これまで原発の技術開発を主導してきた日本が、今度は原発の安全性向上に取り組むのは 国際的な責務」(経産省資源エネルギー庁幹部)との思いが強い。だが、菅首相の「脱原発」発言が障害になり、経産省と官邸の調整も進んでいない。

原発メーカーにも懸念が広がっている。日立製作所の川村隆会長は22日に軽井沢で開かれた経団連フォーラムで「震災後も海外からは『質の高い原発がほし い』といわれている。菅さんが何と言おうと海外展開はやる」と強気の姿勢を強調した。だが、国内の原発関連メーカー首脳は「(菅首相の脱原発発言を)ベト ナムやトルコの首相が聞いたらどう思うのか。原発輸出は国際公約なのだから、首相はもう少し考えて発言した方がいい」と憤る

(転載終わり)

(3)(NHK)ベトナムの原発建設支援確認 (2011年8月11日)  

*2011年10月27日現在、この記事は、NHKのサイトからは削除されています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110811/k10014850371000.html  

以下、 http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/484.html 投稿者 めっちゃホリディ 日時 2011 年 8 月 12 日 01:16:24: 様から転載させていただきました。 (2011年10月27日閲覧)


(NHKの記事全文を転載)


8月11日 16時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110811/k10014850371000.html

ベトナムを訪れている高橋外務副大臣は、11日、ハイ副首相と会談し、ベトナム政府が計画している原子力発電所の建設について、「より高い安全水準で原子力協力を進めていきたい」と述べ、日本が引き続き支援していくことを確認しました。

経済成長に伴い電力需要が高まっているベトナムは、2030年までに原発14基を建設する計画で、このうち2021年の稼働を目指す2基の建設を日本企業が 受注し、日本政府も支援することで去年10月に合意しています。11日、ベトナムのハノイでハイ副首相と会談した高橋副大臣は「東京電力福島第一原子力発 電所の事故の教訓を踏まえたうえで、ベトナム政府の期待に応え、より高い安全水準で原子力協力を進めていきたい」と述べ、ベトナムの原発建設を引き続き支 援していく方針を伝えました。これに対し、ハイ副首相は「日本の技術力を信頼しており、引き続き協力をお願いしたい」と要請しました。菅総理大臣は、原発 への依存度を下げ、原発に依存しない社会を目指す考えを表明しましたが、原発輸出について日本政府は、すでに合意したものや交渉中のものは当面継続する方 針を決めており、11日の会談で、日本とベトナムの両政府が協力の継続を改めて直接確認しました。

(転載終わり)

 (4)(asahi.com) 原発輸出の親書、大臣名に格下げ 菅首相が作成応ぜず(2011年9月11日3時3分) http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY201109100593.html?ref=reca (2011年10月26日閲覧)(全文転載)

日本政府がベトナムに原発輸出を続ける考えを8月に伝えた際、当時の菅直人首相が同国首相あての親書作成に応じず、担当の経済産業相、外相の連名による 親書に「格下げ」されていたことがわかった。ベトナムへの原発輸出は菅氏が主導していたが、東京電力福島第一原発の事故を受けて「脱原発」に転じただけに、難色を示したようだ。

政府関係者らによると、事故後にベトナムからの原発受注工作を強めた韓国を牽制(けんせい)するため、海江田万里経産相(当時)らが日本の輸出継続の方 針をベトナム側に伝える必要があると判断。菅氏にズン首相あての親書を作ることを提案した。しかし、菅氏は消極的な姿勢だったという。

民主党政権は震災前まで原発輸出に前向きだった。エネルギー不足に悩むベトナムは今後10基の原発建設を計画。昨年10月には、菅氏がベトナムを訪問して2基の受注にこぎつけた。 
(転載終わり)
 
(5)(毎日新聞)原発輸出:原電とベトナム電力公社、建設へ調査契約 事業、再始動(2011年9月29日 東京朝刊)http://mainichi.jp/select/biz/news/20110929ddm008020083000c.html(2011年9月30日閲覧)

(記事全文を転載)
日本原子力発電は[9月]28日、ベトナム電力公社(EVN)との間で、日本企業による原発建設の前提となる調査事業の契約を結んだ。日本の官民が出資する国際原子力開発も29日、EVNと協力覚書を締結する予定で、東京電力福島第1原発事故で先行きが不安視される日本の原発輸出が再始動する。【立山清也、和田憲二】

原電の浜田康男社長とEVNのラム副社長が28日、ハノイで契約に調印した。日ベトナム両政府は昨年10月の首脳会談で日本の受注内定に合意原電は同国南部のニントゥアン省の原発2基の着工に向け、地形や地質などを調べ、計画の妥当性を評価する。原発の安全性が疑問視されているため、予定地の 「津波や地震の調査も実施する」(原電)という。

原電は13年3月までにEVNに調査結果を報告。その後、ベトナム政府が日本のプラントメーカーと契約、21、22年に順次運転を開始させる予定だ

震災前、日本政府は原発輸出を成長戦略に位置づけ、官民一体で国際競争力の強化を図ってきた。ベトナムに対しても、政府がトップ外交を展開、内定 を獲得した経緯がある。原発事故後も「ベトナムは一貫して日本側に協力を求めていた」(原電)が、菅直人前首相が「脱原発」を表明するなど、政府の原発輸出戦略は迷走。結局、「交渉が進んでいる案件は推進する」との答弁書を閣議決定野田佳彦首相は今月22日、原発輸出を継続する姿勢を鮮明にした

28日には原発新設に前向きなリトアニアのアルビダス・セクモカス・エネルギー相が来日し、枝野幸男経済産業相と会談。セクモカス氏は同国の原発新設計画について「日本企業に輸出の機会をもたらす意味でも重要」と述べた。

ベトナムへの輸出が再始動したことを、政府関係者は「一歩前進」と評価するが、国内の原発の再稼働の前提は安全評価(ストレステスト)による安全性の検証。それなしでは受け入れ国も困惑するとの見方も根強く、政府が新規案件をどこまで推進できるのか不透明感も残る
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 ◇日本企業が受注を目指す原発輸出先

ベトナム  原電が28日、原発2基の導入可能性の調査事業を契約
リトアニア 日立製作所が7月14日に優先交渉権を獲得
トルコ   10年12月に日本が優先交渉権を獲得
ヨルダン  三菱重工業が仏アレバと共同で受注に向け交渉中

毎日新聞 2011年9月29日 東京朝刊

(記事全文転載終わり)                                             投稿者注:上記文中のリンクは投稿者が加えました。  

(5)国際原子力開発、ベトナムと原発建設覚書-設計から運転まで協力(2011年09月30日) http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820110930caak.html (2011年10月26日閲覧) 

(全文転載)
国際原子力開発(東京都千代田区、武黒一郎社長、03・3504・0892)は29日、ベトナム電力公社(EVN)と原子力発電所建設に関する協力覚書を結んだと発表した。ニントゥアン省ビンハイで計画している原発プロジェクトの実現に向け、国際原子力開発が窓口となってさまざまな協力や支援を行う。具体 的には、原発の設計、建設、運転などを確実に進めるための協力と、昨年10月の日越共同声明でベトナムから提示された6条件の推進など。
ハノイで武黒社長とEVNのファム・レ・タイン社長が覚書に調印した。国際原子力開発は今後、日本の重電メーカーや電力会社、金融機関などとベトナム側の仲介役となり、資金支援や人材育成支援などで日本の各社と調整していく。
28日に日本原子力発電(東京都千代田区)がEVNと結んだ原発導入可能性調査実施契約と併せ、日本からの原発輸出の下地がひとまず整った

 (転載終わり)

(6)国産原子力開発(株)HPから http://www.jined.co.jp/

2011年9月29日 ベトナム電力公社とのニントゥアン第二プロジェクトに関する協力覚書の締結についてPDF(81KB)

(7)(毎日新聞)ベトナム:日本の原発導入「変えぬ」 副首相表明(2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 11時08分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m030153000c.html(2011年10月26日閲覧)(全文を転載)

ベトナムのグエン・スアン・フック副首相
ベトナムのグエン・スアン・フック副首相
【ハ ノイ西尾英之、矢野純一】ベトナムのグエン・スアン・フック副首相は25日、ハノイの首相府で毎日新聞の成田淳・東京本社編集編成局長とのイ ンタビューに応じ、ベトナム南部ニントゥアン省に日本の技術で計画している原子力発電所2基の建設について、事実上のゴーサインとなる日本側との政府間合意を締結する方針を初めて明らかにした。ただ、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散が次々と判明するなど被害状況が不透明な中での原発輸出再開となるだけに、日本国内には抵抗感も強い。

ズン首相が今月30日から訪日し、その際に締結するという。

2基の建設計画を巡っては菅直人首相(当時)が昨年10月に訪越した際、「建設は日本をパートナーとする」基本方針を確認した。3月の東京電力福島第1原発事故後もベトナムは日本の技術導入に積極姿勢を示していたが、政府間の正式な合意はなかった

ベトナムは基本方針の確認を受け、日本政府に対し安全性が確認されている先端技術の導入、核廃棄物の処理方法など6条件を満たすよう求め、日本側は順次克服してきた。

最後まで残った建設資金の原資となるベトナム政府への低利融資についても、双方が合意に達したとみられ、建設のハードルとなっていたすべての問題が解決したとみられる。

フック副首相は「越日両国は戦略的パートナーシップを結んでいる。(福島の)予想外の事故はあったが、両国の(原発協力に関する)関係に変わりはない」と強調した。

ベトナムは2030年までに原発を8カ所計14基建設、稼働させる計画。うちニントゥアン省には2カ所に2基ずつ建設し、第1期の2基は既にロシアが受注した。今回、21~22年にかけて稼働させる2期分の2基で合意締結の運びとなる

菅氏訪越時に合意したレアアースの共同開発方針について副首相は「わが国には大量のレアアースが存在する。規模や開発場所、開発方法などについての問題が残っており、長期的な事業として進めたい」と語った。

また、日本の援助による新幹線の建設構想について、国会は昨年「財源の確保が不十分」として承認を見送ったが、副首相は「計画を国会に再提案し、国会の承認を得られれば日本側に伝えたい」との姿勢を示した。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加については「国内の農業分野に影響を与える問題であり、交渉に参加するか検討している段階」と述べるにとどめた。

フック副首相は政府官房長官を経て今年8月副首相に就任。4人いる副首相の筆頭格で、共産党最高指導部である政治局の局員。今回の取材は、毎日新聞ベトナム訪問団(団長・朝比奈豊社長)の要請に応えた。
毎日新聞 2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 11時08分)

(転載終わり)

(8)(毎日新聞)ベトナム:フック副首相との会見要旨(2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 3時40分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m030159000c.html (2011年10月26日閲覧)

(全文転載)

毎日新聞ベトナム訪問団(団長・朝比奈豊社長)と、ベトナムのグエン・スアン・フック副首相の会見内容は次の通り。

▽原子力発電所建設
両 国は戦略的パートナーシップを結んでおり、福島第1原子力発電所の事故で両国関係には変わりはない。この事業は両国にとって重要で、ズン首相の 訪日では、原子力発電所建設について政府間で合意することになると思う。原発建設の方針は変更せず、原子力の平和目的の利用の方針も変わっていない。

▽レアアースの共同開発
共同開発は両国政府にとって長期的な事業だ。ベトナムのレアアースの埋蔵量は膨大で、今後、開発場所や規模、開発の方法などについて、効率の高い方法を協議して進めたい。

▽新幹線建設計画
効率的なものにするため科学的に実現可能性を検討しており、その内容を国会に提出し、国会が承認した場合には、その結果を日本に伝えたい。

▽TPP参加
国内の農業分野への影響は微妙な問題で、交渉参加については検討中だ。農業への影響と、国民にどのような利益があるかについて検討する。

▽周辺国との領海問題
ベ トナムの地理的特徴から、他国との衝突は避けられないと思う。我が国の原則は国連海洋法条約と、東南アジア諸国連合(ASEAN)で結んだ、南シナ海の領有権を平和的に解決することを定めた行動宣言に基づき、問題を解決する。衝突が起きれば、まず、平和的、友好的に交渉に臨み、周辺国との平和と安定を図る。

▽日本企業の進出と賃金の上昇
我が国に進出した日系企業の98%が成功していると聞いている。前官房長官として、進出企業の問題を取り除く努力をしてきた。特に日本が強みを持っている機械、IT、サービス業分野への投資を呼びかけたい。両国、企業、労働者の3者に利益がある制度作りを進める。

▽日本の震災
日本政府の指導のもとでの復興への国民の強い志に感動した。

▽世界のお巡りさんコンサート
両国関係に有意義で、イベントの成功を高く評価する。

毎日新聞 2011年10月26日 2時30分(最終更新 10月26日 3時40分)

(転載終わり)

(9)(毎日新聞)原発輸出:日本国内に抵抗感も 首相は解禁明言せず(2011年10月26日 2時32分(最終更新 10月26日 3時51分)) http://mainichi.jp/select/world/news/20111026k0000m010164000c.html (2011年10月27日閲覧)

(全文転載)

ベトナムのグエン・スアン・フック副首相が25日の毎日新聞との会見で明らかにした、原子力発電所建 設を巡る最終合意締結の方針は、日本が官民一体で展開してきた原発輸出「第1号」に期待感を示したものだ。ただ、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散が次々と判明し、被害状況も不透明な中での原発輸出再開となるだけに、日本国内には抵抗感も根強い。

  国家レベルで原発を売り込むフランスやロシアへの対抗と、国内の経済不況を背景に、日本は09年6月、産学官一体の「国際原子力協力協議会」を発足させ、オールジャパン体制を整備。10年8月には直嶋正行・経産相(当時)が東京電力や日立製作所のトップと訪越し、トップセールスを展開した。

電力9社などが原発技術売り込み専門の新会社「国際原子力開発」も設立。ベトナムでの受注を最初の目標に据えた菅直人首相(同)は10年10月、 ベトナム首相との会談で原発2基建設を受注することで基本合意。このほか、ヨルダン、トルコ、リトアニアでも原発輸出を目指した。

しかし、福島事故で日本国民の間には原発輸出に対する抵抗感が強まり、菅首相が原発輸出政策の見直しを示唆。輸出に必要な原子力協定の国会承認のめどが立たない状況となり、ベトナムとの協議の再開も9月にずれ込んだ。

この間、韓国によるベトナムでの原発受注に向けた動きも取りざたされた。

野田佳彦首相は9月22日の国連原子力安全会合での演説で、原発輸出継続の意向を表明。放射性物質の汚染拡散が深刻視される中で首相発言に批判が続出した。8日後の記者会見では「輸出解禁のような話に受け止められているが、そんなことは一言も言っていない」と反論、政府の方針が曖昧なままとなって いる。【和田憲二、西田進一郎、真野森作】

毎日新聞 2011年10月26日 2時32分(最終更新 10月26日 3時51分)


【参考資料】

(1)外務省HP 「原子力関連条約」のページから「二国間協定」を抜粋 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/topics/jyoyaku.html(2011年10月26日閲覧)

(転載はじめ)



原子力関連条約  平成23年6月

2.二国間協定

二国間原子力協定は,特に原子力の平和的利用の推進と核不拡散の観点から,核物質,原子炉等の主要な原子力関連資機材及び技術を移転するに当たり,移転先の国からこれらの平和的利用等に関する法的な保証を取り付けるために締結するものです。

近年、原子力発電の拡充及び新規導入を計画する国が増加しており,多くの国が原子力発電の分野で高い技術を有する我が国との間での原子力協定の締結を希望しています。

我が国は,米国,英国,カナダ,豪州,中国,フランス,カザフスタン及び欧州原子力共同体(ユーラトム)との間で原子力協定を締結しています。また,ロシア,ヨルダン,韓国及びベトナムとの間で原子力協定に署名を行っています。

現在,インド,南アフリカ及びトルコとの間で原子力協定の締結交渉中です。


(転載終わり)

(2)国際原子力開発株式会社(略称:JINED)201010月設立立               (英名:International Nuclear Energy Development of Japan Co., Ltd.  http://www.jined.co.jp/  

20101022 「国際原子力開発株式会社」の設立登記のお知らせについて(日本語版)

3)外務省HPから、『アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明(仮訳) 平成22年10月31日』ー「1.はじめに」全部と「5.エネルギー、天然資源及び気候変動」の一部を抜粋。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/vietnam_1010_ksk.html

アジアにおける平和と繁栄のため戦略的パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明(仮訳)

平成22年10月31日

1 はじめに

菅直人日本国内閣総理大臣は,グエン・タン・ズン・ベトナム社会主義共和国首相の招待を受け,ハノイで開催されたASEAN関連首脳会議に続い て,2010年10月30日から31日までの間,ベトナムを公式訪問した。訪問中,菅直人内閣総理大臣はグエン・タン・ズン首相と日越首脳会談を実施した 他,ノン・ドゥック・マイン・ベトナム共産党書記長及びグエン・ミン・チエット国家主席を表敬訪問した。
10月31日に行われた日越首脳会談においては,両首脳は,近年両国関係が著しく深化したことを歓迎するとともに,アジアの平和と繁栄のために日本とベトナムの間の戦略的パートナーシップを強力かつ更に包括的に一層発展させていくとの強い決意を共有した。

5 エネルギー,天然資源及び気候変動

両首脳は,エネルギー安全保障及び地球環境保全の観点から,原子力の平和的利用の分野における協力の重要性を確認した。両首脳は,核不拡散・保障 措置,原子力安全や核セキュリティを,両国が締結している関連国際条約に従って確保する必要性を認識しつつ,原子力の平和的利用のための必要なインフラ整備を含む原子力分野の二国間協力を強化し,この分野での協力関係を新たな次元に高めることとした。両首脳は,日越間の原子力協定に関する交渉が実質的に妥 結したことを歓迎し,同協定の可能な限り早期の署名への期待を表明した
ベトナム側は,原子力の平和利用分野におけるベトナムに対する日本の継続的な支援を高く評価した。ベトナム側は,日本からの提案を検討した結果, ベトナム政府がニントゥアン省の原子力発電所第2サイトにおける2基の建設の協力パートナーに日本を選ぶことを決定した旨確認した。菅直人内閣総理大臣 は,このベトナム政府の決定を歓迎し,この計画のフィージィビリティ・スタディの実施,同プロジェクトへの低金利の優遇的な貸付け,高い安全基準の下での 最先端技術の利用,技術移転と人材育成,プロジェクトの全期間にわたる廃棄物処理における協力及び安定的な燃料供給等ベトナムが示した条件を充たすことを保証した。両首脳は,本プロジェクトの関連文書への早期署名に向け,両国の関連諸組織が協力して作業を続けるよう指示することで合意した

 (引用終わり。下線強調は投稿者。) 『日越共同声明(仮訳)』の全文はこちらに

(4)経済産業省HPより 大畠経済産業大臣談話・声明 「ベトナムとの原子力協力について」(平成22年10月31日)の全文を転載 (2011年10月27日閲覧) http://www.meti.go.jp/speeches/data_ed/ed101031aaaaj.html

大畠経済産業大臣談話・声明


ベトナムとの原子力協力について

平成22年10月31日

  1.  本日、ベトナム・ハノイで行われた菅総理大臣とズン首相の日越首脳会談での合意を受けて発表された「アジアにおける平和と繁栄のため戦略的 パートナーシップを包括的に推進するための日越共同声明」において、ベトナム南部ニントゥアン省で計画されている原子力発電所(第2サイト)の建設に関 し、我が国をパートナーとすることが明記された。
  2.  これは、我が国とベトナムとの間で長年にわたり培われた協力関係や、本原子力プロジェクトに関する我が国の官民各層での強力な働きかけなどが 高く評価された結果である。今後、本プロジェクトを着実に実行するため、原子力発電に関する我が国の先進的な技術や経験を結集し、官民一体となって協力を 行っていく所存であり、担当大臣として全力で取り組んでまいりたい。
  3.  具体的には、日本原子力発電(株)とベトナム電力公社(EVN)が共同して行う原子力発電導入可能性調査が速やかに開始されるとともに、先般設立された国際原子力開発(株)とEVNとの間で原子力発電所の建設・運転・保守等に関する具体的な検討が加速化されることを目指し、ベトナム側と調整を 進めてまいりたい。
  4.  また、関係省庁とも連携し、ベトナムにおける人材育成や安全規制その他の関連諸制度の整備等にも最大限取り組んでまいりたい。

問い合わせ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 三又、矢作、出雲
電話:03-3501-1991(直通)

最終更新日:2010年10月31日

(転載終わり)

(5)経済産業省「国際原子力協力協議会の設立について」(平成21年6月18日)、国際原子力協力協議会「原子力発電に関する国際協力についての基本的考え方」(平成21年6月18日)ほか (第23回原子力委員会 資料 第 2 - 2 号)   http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo23/siryo2-2.pdf(2011年10月27日閲覧)


【関連報道】

(1)(Eco Japan)電力9社と機器メーカー3社など、「国際原子力開発」を設立し海外向け包括提案 (2010年10月19日) http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20101019/105028/(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
東京電力をはじめ電力9社、東芝など原子力発電設備メーカー3社と産業革新機構の計13社は、原子力発電を新たに導入する国を対象に原発プロジェクトに 関して包括的に提案する新会社「国際原子力開発(JINED=ジーネッド)」を10月22日に設立する。まずベトナムで計画中の原発プロジェクトの受注に 向けて活動していく

設立には、東京、関西、中部、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州の電力会社9社東芝、日立製作所、三菱重工業の設備メーカー3社と、官民が出資する投資ファンドの産業革新機構の合計13社が参加する。資本金1億円、資本準備金1億円で、出資比率は東電が20%、関電15%、中電10%、産業革新機 構10%と、残り9社が5%ずつとなる。社長には、東電の武黒一郎フェローが就任する予定。

国際原子力開発は、新規に原発を導入する国の要望を受け、電力各社や設備メーカーなどと協議して提案を取りまとめたうえで、それぞれの国に合った原発プ ロジェクトを提示する。参加各社のこれまでの経験を生かしながら発電所の建設や運転保守の技術、人材育成のノウハウなどを包括的に提案し、受注につなげ る。

当面は、経済産業省をはじめとした関係機関とベトナム・ニントゥアン省の原発の建設、人材育成の計画提案を進める。日本政府は、原発 導入国を支援すると ともに新規案件を提示し、国際原子力開発を窓口に官民が一体となった受注体制を構築していく。インフラ輸出を成長戦略に掲げる日本政府は、国際原子力開発 によって原発関連の競争力を高め、海外展開を促進する。(日経BP環境経営フォーラム

▼関連情報

(転載終わり)


(2)(ロイター)インタビュー:ベトナムでの受注に全力=国際原子力開発社長(2010年 09月 24日 20:02 JST) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17363720100924(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
[東京 24日 ロイター] 日本の原子力発電プラントや運転技術を海外に売り込む目的で、10月下旬に設立される新会社「国際原子力開発」の社長に就任予定の武黒一郎氏(東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)元副社長)は24日、ロイターのインタビューに応じ、フランスや韓国との競合が見込まれるベトナムでの商談について「日本は総合的な技術力の高さが強み」と語った。
 新会社は当面、ベトナムでの商談に注力するとしている

国際原子力開発は、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)、関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)の電力3社と、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)の原子力プラントメーカー3社が共同出資して設立される。新会社は原発を新規に導入する国での受注を目指し、プロジェクトの提案活動を行う

武黒氏は、新会社の狙いについて「新規導入国のニーズに対して、発電所のEPC(建設一括請負)だけでなく、運転・保守、人材育成、燃料 供給を含めた発電所の運営と、日本政府による相手国での制度整備や資金支援策といった包括的な提案を行い、日本が(海外プロジェクトを)受注できるようにするのが狙い」と説明した。商談の対象国については「率直にいって今はベトナム。他国はベトナムと同じ水準で視野に入る状況ではない」としている。

ベトナム南部ニントゥアン省での原発建設計画では、韓国やフランスの企業との競合が見込まれている。武黒氏は、8月下旬に直嶋正行・前経済産業相による 訪越ミッションに同行し、ズン首相らベトナム政府要人に日本の原発の採用をアピールした。日本側の優位点について武黒氏は「原発は新しいプ ラントだと80年間の運転が可能だと思うが、その間に様々な技術的な課題も生じてくる。これを解決しながら、運転・保守していく総合的な力が高い」と述べ た。 

<安全性はグローバル基準で> 
日本政府は6月策定の「新成長戦略」で原発などインフラ輸出を強化することを盛り込んだ政策目標を示した。一方、この政策の背景には、昨年末、アラブ首 長国連邦(UAE)における原発受注商談で韓国の企業連合に、ベトナム(ニントゥアン省第1期分)ではロシア企業にそれぞれ敗れたことの反省がある。 UAEでの商談では、韓国勢が日本を含む他の企業連合に比べ2割程度安い価格を提示したことも受注につながったとされる。

武黒氏は、日本勢が技術的な優位性に偏り、安全性などに関して過剰品質に陥っているのではと の指摘に対し、「原子力発電所の安全設計というのは本来、世界共通。ただ、構造の規格とか具体的な基準になると、産業の発展段階などが反映され、国によっ て違いが出てくる。その中で、これからはグ ローバル・スタンダードを目指すべきだ」などと述べた。その上で同氏は、「日本の場合、スタンダードに対して裕度を持った作りにしているが裕度が無理や無駄になると(ビジネスの)阻害要因になるので、そうしたものをグローバル・スタンダードに合わせていくべき」と強調した。

(インタビュアー:浜田健太郎、前田りさ)
(ロイター日本語ニュース、浜田健太郎)

(転載終わり)

投稿者のつぶやき:「安全性などに関して過剰品質に陥っているのでは」とか「日本の場合、スタンダードに対して裕度を持った作りにしている」などと言っているのが興味深い。。。
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2011年11月10日投稿

(1)(msn産経ニュース)原発建設の協力を強調 ベトナムで仙谷氏 (2011.10.24 22:04) http://sankei.jp.msn.com/world/news/111024/asi11102422050013-n1.htm (2011年11月9日閲覧)(全文転載)

民主党の仙谷由人政調会長代行は24日、訪問先のベトナム・ハノイでの研究会合で演説し、福島第1原発事故後も、自国の原発建設で日本との協力を続ける姿勢を明確にしているベトナムに対し、できる限りの協力をしていくと強調した。

仙谷氏は、福島第1原発で「人類史上初めての大きな事故を発生させた」日本に対し、引き続き協力を要請しているベトナム政府の姿勢について「日本政府のエネルギー戦略にとって大変心強い支援表明だ」として謝意を示した。

仙谷氏は同日、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席やグエン・ティエン・ニャン副首相らと相次ぎ会談した。(共同)

(転載終わり)

(2)(日経新聞)ベトナム原発商戦の「スジ」を読む ~編集委員 竹田忍 2011/1/10 7:00)(2011年11月10日閲覧)

 (全文転載)
ベトナム政府が同国南部のニントアン省で計画している原子力発電所建設プロジェクトの第2期分(ニントアン2)を日本の企業連合が受注することが、2010年10月31日の日越首脳会談で決まった。受注の受け皿となるのは電力9社、メーカー3社と産業革新機構が共同出資する国際原子力開発 (東京・千代田)だが、どの方式の原子炉を採用するかは決まっていない。関西電力の八木誠社長に「世界の原発では関電が使っている加圧水型軽水炉(PWR)の方が、東京電力などが使う沸騰水型軽水炉(BWR)よりも優勢。勝算はいかが」とたずねると「オールジャパンで受注が決まったことに意義がある」とだけ話してあとは言葉を濁した。
関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。
関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。

実際の方式決定に大きな影響を及ぼすのが事業化調査(FS)で、日本原子力発電が請け負った。原発にはいろいろな炉型があり、BWRなら改良型の「ABWR」「U―ABWR」「ESBWR」、PWRにも改良型の「APWR」「AP―1000」などがある。当然ながら日本原電は中立の立場で評価することが求められている。
では今後の方式決定はどう進んでいくのか考えてみたい。経済成長に伴うエネルギー不足を懸念するベトナム側は、2050年までに総発電量の2割を原発で賄う計画を立てている。最新鋭の技術を盛り込んだ原発を求めている模様で、在来型のBWRやPWRの出番はまずない。

国際原子力開発の (JINED)概要
社 長:武黒一郎
資本金:2億円  
出資者出資比率
(%)
北海道電力
東北電力
東京電力20
中部電力10
北陸電力
関西電力15
中国電力
四国電力
九州電力
東芝
日立製作所
三菱重工業
産業革新機構10

国際原子力開発はオールジャパンを標榜(ひょうぼう)しているため、海外勢が関与している炉型も排除される見通しだ。AP―1000は東芝 が買収した米ウエスチングハウス(WH)の技術に基づいていることと、蒸気発生器の製造を韓国・斗山重工業にいまのところ依存している点がネックになって 難しい。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発に関与しているU―ABWRとESBWRも同様の理由で選外になるだろう。残るのは日本勢で開発した ABWRとAPWRということになる。
ベトナム側は原発メーカーだけでなく、運営ノウハウを持つ電力会社の参画を求めている。ABWRなら東芝または日立製作所に東京電力という 組み合わせが最有力となる。APWRの場合は事情が複雑だ。国内初のAPWRは日本原電が2016年と17年に運転開始予定の敦賀原発3、4号機(福井県 敦賀市)となり、出力はともに153万8千キロワット。PWR勢で国内最大手の関電は現状ではAPWRの運転ノウハウを持っていないため、メーカーの三菱 重工業に日本原電という組み合わせとなる。

また敦賀3、4号基は10年10月に本体着工の予定だったが、国の1次審査が長引き、着工を延期した。新たな着工時期は未定で、3号機が 16年3月、4号機が17年3月と予定している運転開始に遅れる可能性が高い。一方で日本が受注したニントアン2は出力100万キロワットの原発2基を 21~22年に稼働させるのが目標。敦賀とニントアン2の稼働時期が近接するために、日本原電が十分な運転ノウハウを蓄積して商談に臨むのは難しいかもし れない。FSを請け負った日本原電は中立性を求められており、自らが手掛けているAPWRを推奨しにくいという事情もある。
日立は原発機器を大型モジュール化し、クレーンでつり上げて設置できるようにした
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日立は原発機器を大型モジュール化し、クレーンでつり上げて設置できるようにした
こうなると消去法でABWRが浮上してくる。関電の八木社長の歯切れが良くなかった理由もこのあたりにあるのではないか。商談は東芝と日立 の一騎打ちにならざるをえまい。東芝は原発用の燃料からサービスまで一貫して提供できる「オール・イン・ワン」を前面に押し出し、日立は日本で製造する原 発機器を大型モジュール化し、特殊なクレーンでつり上げて設置するため現地施工の効率が高い点をセールスポイントにするだろう。いずれにしても発電事業者としてのパートナーには経験豊富な東電に“当確”がつくのではないか。ちなみに国際原子力開発の筆頭株主は東電である。
産油国、非産油国にかかわらず、世界中で原発の新規導入計画が進んでいる。20年前後の稼働を想定するプロジェクトも多く、ベトナム・ニントアン2の進捗状況は他の原発案件受注にも大きく影響することになろう。

(転載終わり)
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2012年1月20日投稿

(1)【動画】 日本からの原発輸出に抗議するヨルダンの人々(ベトナムについても報道)http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=cf56UkO9Cs0 (2012年1月20日閲覧)

Uploaded by on Jan 12, 2012

(2)動き出した「原発輸出」ヨルダン&ベトナム(動画&内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1416.html (2011年1月20日閲覧)
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2012年4月23日投稿

(毎日新聞)ベトナム:ズン首相 日本からの原発導入に期待表明
毎日新聞 2012年04月21日 20時43分(最終更新 04月21日 20時50分)
http://mainichi.jp/select/news/20120422k0000m030050000c.html (2012年4月23日閲覧)(全文転載)
首脳会談の冒頭、ベトナムのズン首相(右)と握手する野田佳彦首相=東京・元赤坂の迎賓館で2012年4月21日(代表撮影)
首脳会談の冒頭、ベトナムのズン首相(右)と握手する野田佳彦首相=東京・元赤坂の迎賓館で2012年4月21日(代表撮影)
日メコン首脳会議に合わせて来日したベトナムのズン首相は21日、迎賓館で野田佳彦首相と会談し、ベトナム人の看護師や介護士の受け入れなど経済分野で一層の協力を進めていくことを確認した。

 ズン首相は首脳会談に先立ち、東京都内の日本記者クラブで会見し、すでに決定している日本からの原発導入について「(福島第1原子力発電所の)事故を教訓にして、原発の技術を新しい発展段階に持ち上げると信じている」と期待を表明した。

 また、日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加については「世界の繁栄や経済連携を加速すると確信している」と改めて支持を表明。「日本の参加は両国の協力の枠組みをより拡大して、双方に実質的な利益をもたらすと信じている」と話した。【金子淳】

(転載終わり)

IX.5.e.その他の国への原発輸出

A.ポーランド

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ardB8zFRwUqg (2011年8月22日閲覧)

(記事全文転載)(太字は投稿者)
8月1日(ブルームバーグ):ポーランド初の原子力発電所建設の受注を目指しているゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所原子炉合弁会社GE日立ニュークリア・エナジーは、隣国リトアニアで獲得した原発建設プロジェクトがコスト削減や材料の共有につながることから、ポーランドでの受注に追い風となるとの見解を示した 

 GE日立は、ポーランド最大の公益事業会社PGEとの交渉準備を進めている。PGEは発電量最大3000メガワットの原発建設を目指し、パートナー企業を模索している。リトアニアは先月、旧ソ連時代に建設された原発に代わる原発建設でGE日立を選定した

  GE日立の原発プロジェクト担当シニアバイスプレジデント、ダニエル・L・ロデリック氏はリトアニアのプロジェクトや期限通りの納品実績、ポーランドでの 同社のプレゼンスがライバル企業との競争において有利に働くだろうと述べた。競合する可能性のある企業として、米ウェスチングハウス・エレクトリック (WH)やフランスのアレバを挙げた。

 ロデリック氏は先月28日、ワルシャワでのブルームバーグのインタビューで、「受注に向けて非常に積極的に動く」と述べ、「距離の近い2カ所で同時に原発プロジェクトを進めることは当社にとってコスト削減につながる。また、リトアニア原発建設に必要な労働力や材料の多くはポーランドから来ることになるだろう」と続けた。

原題:GE Plans ‘Aggressive’ Bid to BuildPoland’s First Nuclear Plant 

(記事全文転載終わり)


2011年11月28日投稿 (AFPBB)ポーランド、原発建設候補地3か所を選定 2011年11月26日 16:40 発信地:ワルシャワ/ポーランド http://www.afpbb.com/article/economy/2842635/8131672?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics(2011年11月28日閲覧)(全文転載)

【11月26日 AFP】ポーランドの国営電力会社PGEは25日、2020年までに運用開始が計画されている同国初の原子力発電所をバルト海(Baltic Sea)沿岸に建設すると発表した。

ポーランドの原子力計画を担っているPGEは、3000メガワット級の原子炉2基の建設を目指している。

約100か所の中から、いずれも海岸に近いジャルノビェツ(Zarnowiec)、ChoczewoGaskiの3か所が選ばれた。今後2年以内に最終的に1か所に絞り、建設担当業者の入札結果と合わせて発表する。

ポーランドの原発計画にはフランスの仏電力公社(EDF)と原子力大手アレバ(Areva)の連合、東芝(Toshiba)傘下のウェスチングハウス・エレクトリック(Westinghouse Electric Company)、GE日立ニュークリアエナジーアメリカズ(GE Hitachi Nuclear Energy Americas)の3つの国際コンソーシアムが関心を示しており、入札手続きは年内にも始まる予定。

人口約3800万人、2004年に欧州連合(EU)に加盟したポーランドは石炭が豊富で、現在は電力の約94%を石炭火力発電が占めている。

しかし、石炭火力に依存したままでは、EUの二酸化炭素排出量削減割り当ての達成は難しい。また現在は天然ガスの40%をロシアから、30%を他国からと計70%を輸入しているが、原発によって輸入エネルギーへの依存を減らす狙いもある。(c)AFP
(転載終わり)(11月28日の投稿はここまで)


B.カナダ

日立、小型原子炉を共同開発 カナダ州政府と (47News 2011/8/26 08.19 【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011082601000116.html (2011年8月26日 閲覧)

(記事全文転載)
【ニューヨーク共同】日立製作所グループは25日、カナダのサスカチワン州政府と、小型原子炉やウラン回収などの原子力技術と、放射線医療に関する研究開発を進めることで合意したと発表した。州政府側の開発戦略に日立側が参画する。

 今後5年間で両者折半で総額1千万カナダドル(約7億8千万円)を投資2023~25年ごろの実用化を目指す

 日立子会社の日立GEニュークリア・エナジーなどと同州政府が共同で、出力30万キロワット級の小型原子炉の設計や、燃料棒からウランを取り出して再利用する技術などを研究開発する。

(記事全文転載終わり) 
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2011年11月26日投稿

C. 米国

(1)(読売新聞)米、34年ぶり原発着工へ…年内にも東芝系新型(2011年11月26日14時35分) http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111126-OYT1T00421.htm(2011年11月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)

米国で原子力発電所4基が年内にも着工する見通しになり、東芝が12月上旬にも、タービン周辺機器を米国向けに輸出することが26日、明らかになった。 

米国で原発の新規建設は約34年ぶり。4基はいずれも東芝子会社の米ウェスチングハウス(WH)の新型炉で、米原子力規制委員会(NRC)が近く建設・運転の一括認可を行う方向だ。米国で原発建設が再開すれば、日本からの原発輸出も本格化しそうだ。

着工するのは、ジョージア州のアルビン・ボーグル原発3、4号機と、サウスカロライナ州のV・Cサマー原発2、3号機。2016年以降の運転開始 を目指す。いずれも110万キロ・ワット級の新型炉「AP1000」を採用し、外部電源が喪失しても72時間原子炉を冷却できるなど災害にも強いのが特徴だ。東芝は、蒸気を水に戻すために必要な中核機器を輸出する

(2011年11月26日14時35分  読売新聞) 

*米原子力規制委員会(NRC)が審査している原発人気建設計画地図 http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20111126-OYT9I00416.htm

(転載終わり) 

(2)NRC 商業用原子炉分布図 http://www.nrc.gov/reactors/operating/map-power-reactors.html(2011年11月26日閲覧) 

(3)PSR 米国原発地図 http://www.psr.org/resources/evacuation-zone-nuclear-reactors.html (2011年11月26日閲覧)

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2011年12月24日投稿 

TOSHIBA ニュースリリース http://www.toshiba.co.jp/about/press/2011_12/pr_j2301.htm(全文転載)

新型加圧水型原子炉「AP1000TM」の米国における設計認証取得について
2011年12月23日
  当社のグループ会社であるウェスティングハウス社(以下、WEC)は、このたび、米原子力規制委員会(NRC)から同社の新型加圧水型原子炉「AP1000TM」の設計認証を取得しました。本認証取得により、米国電力会社が「AP1000TM」建設のために、NRCに提出している建設運転一括許可(COL)申請におけるAP1000TM標準設計部分については、NRCにより認証されたことになります。
WECの「AP1000TM」設計認証審査取得は今回で2回目になります。同社は2006年に設計認証を取得しましたが、その後NRCより出された飛行機の衝突事故に対する要求等新しい規制要求に対応して今回設計を見直しました。その結果「AP1000TM」の遮蔽建屋は格納容器を守るため、従来に比べ強度のある構造となりました。
現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて設立されたNRC内の調査チームが、原子炉の安全性強化に向けた提言を出していますが、そのような状況においても、付帯条件なしで「AP1000TM」が予定通りに設計認証を得たことは、標準設計部分において、「AP1000TM」の安全設計がNRCに評価されたものです。
現在、ジョージア州、サウスカロライナ州、フロリダ州に「AP1000TM」の原子力発電所建設を計画している電力会社 は、その建設のための建設運転一括許可(COL)申請をNRCに提出しており、今回の設計認証取得はCOL認定に向けての大きな前進となります。COLが 認定され、建設段階に進めば、20以上の州において材料の調達や労働者の雇用を行うことになります。2基の「AP1000TM」建設により、米国全体で35,000人以上の雇用が創出され、さらにそれぞれの発電所建設サイトでは3,000人以上の雇用を生むと言われています。
原子力発電は、エネルギーセキュリティおよび地球環境保護の観点から、各国における継続した需要が予想されます。当社グループは、国際的な安全評 価及び設備基準の見直し等に対する協力を行い、新設プラント設計及び既設プラント改良に反映し、安全性のさらなる向上に向けて不断の取り組みを行っていき ます。
(転載終わり)




【関連報道】
(1)(asahi.com) 米、原発建設34年ぶり認可へ 東芝傘下の新型炉採用(2011年12月23日21時30分) http://www.asahi.com/international/update/1223/TKY201112230246.html(2011年12月24日閲覧)(全文転載)

米原子力規制委員会(NRC)は22日、東芝傘下の米ウェスチングハウスが開発した改良型加圧水型炉「AP1000」を、米国内で使用できる原子炉として認定した。これによりAP1000の採用が決まっている国内2カ所4基の原発の建設・運転の申請が年明けにも認可される見通しとなった。米国で原発建設 が認可されれば、1978年以来34年ぶりとなる。

米オバマ政権は東京電力福島第一原発事故後も、地球温暖化対策やエネルギーの安定供給のため原発推進を維持する方針を掲げている。

同社によると、AP1000は緊急時に電源や作業員の操作なしでも自動的に原子炉の冷却が維持される仕組みという。2007年の申請以来、NRCの審査 が続けられていた。福島原発事故で認定が遅れるとの見方もあったが、NRCはこの日、「航空機が衝突しても耐えうるような十分な安全性を持った設計である ことが確認された」とするヤツコ委員長のコメントを発表。NRCの広報官は「AP1000の2カ所の新規申請について来年早々にも認可できる準備が整っ た」と述べた。

建設・運転が認可される見通しなのは、ジョージア州のボーグル原発(3、4号機)とサウスカロライナ州のサマー原発(2、3号機)の計4基(いずれも110万キロワット級)。いずれも08年に申請し、10年代後半の運転開始が目標。

ー>続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます

 (転載終わり)

(2)(ウオール・ストリート・ジャーナル日本版) 米原子力規制委員会、東芝の最新型原子炉を認可 (2011年 12月 23日  11:28 JST) (2011年12月24日閲覧)(全文転載)

米原子力規制委員会(NRC)は22日、東芝子会社の米ウェスチングハウス(WH)が開発した最新型の加圧水型原子炉(PWR)「AP1000」の設計を最終認可したと発表した。この結果、米国での同原子炉売却と原子力発電所建設に道が開かれた。

Bloomberg
中国の原発
今年3月の東日本大震災と大津波に伴う福島第1原発事故を受けて、WHの原子炉認可は全く不透明になったとみられていた。しかしWHは今回の認可を受けて、事故前以上にライバル原子炉メーカーに大きな差を付けたようだ。電力会社各社はWHのライバルメーカー設計の原子炉建設を遅らせるか、あるいは棚上げ する計画だからだ。

NRCは2006年初め、「AP1000」の原型モデルを承認していた。しかし設計上の改良が図られ、認可プロセスにその後5年間かかった。

現在、米国の電力会社が求めている「AP1000」原子炉の建設認可は十数基で、他の原子炉の数を大きく上回っている。米ゼネラル・エレクトリック (GE)やフランス・アレバなど競争メーカーの開発・設計に基づく原子炉プロジェクトの建設は遅れたり、キャンセルされたりしている。今回の 「AP1000」の認可の結果、米国ではWHがこれらライバル社に大きな差をつけたことになる。

例えば米アトランタに本拠を置く電力会社サザンはジョージア州でAP1000原子炉2基の建設認可を申請している。総額は140億ドル(約1兆0900 億円)で、それぞれ16年と17年に稼働の見通し。また電力会社スキャナもサウスカロライナ州で原子炉2基をそれぞれ16年、19年までに建設したい意 向。両社ともNRCの建設認可を近く得られると期待している。

NRCの認可を阻止しようと長い間戦ってきた原発批判論者は、今回のNRC認可に失望していると述べている。これら批判派は、原子炉の外部遮蔽建物など 幾つかの点を疑問視している。遮蔽建物は事故発生時に原子炉を保護し、放射能漏れを防ぐ狙いがある。AP1000の遮蔽建物は、厚い鋼鉄プレートで挟まれ たコンクリート層で構成されている。

NRCの著名な技術専門家のジョン・マー博士は昨年11月、WHによる遮蔽建物の強度分析や他のNRCスタッフの見方に異議を唱える意見書をまとめた。 同博士は、遮蔽建物が竜巻、地震、あるいはその他の災害に見舞われた場合、「遮蔽建物がエネルギーを吸収したり拡散できることが証明されていない」ことを 理由に「構造上の一貫性が保証できない」と主張した。

実際、WHのロルフ・ジーリング氏(原子力認可担当ディレクター)は、遮蔽建物の設計が「規制当局の厳しい見直しの焦点だった」と述べ、批判派が表明した数々の懸念を受けて、改良がほどこされたと述べ、「われわれは十二分に改良した」と語った。

WHのアリス・キャンドリス最高経営責任者(CEO)は、日本の原発事故がNRCによる点検プロセスに新たな不透明要因を加えたと述べた。

AP1000は幾つかの点で既存の米原子炉と異なっている。それは受動的な冷却システムを採用しており、重力や原子炉の熱を利用して原子炉を冷やしている。またポンプやバルブといった揺れやすい部品の数を少なくしている。

福島第1原発では、地震と津波で電源が喪失し、冷却システムが機能しなくなった。幾つかの原子炉が過熱で損傷を受け、放射能物質が放出され、周辺地域の 住民の避難を余儀なくされた。AP1000は電源ないしオペレーターの行動がなくても冷却を続けられる設計になっている。

キャンドリスCEOは「福島第1原発事故の教訓は恐らく、受動的な冷却システムを備えて電源の完全喪失に耐えうる能力のある設計にしていない原子炉建設は、意味をなさないということだろう」と述べ、それがAP1000が提供する利点だと強調した。

記者: Rebecca Smith
(転載終わり)
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2012年2月14日投稿

(ロイター)米国で34年ぶりに原発建設へ、東芝子会社の原子炉採用(2012年02月10日) http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE81K30820120210 (2012年2月14日閲覧)(全文転載)
 [東京/ロックビル(米メリーランド州) 10日 ロイター] 東芝(...)は10日、子会社の米ウェスチングハウス(WH)製の原子炉を採用するボーグル原子力発電所(ジョージア州)3、4号機について、米原子力規制委員会(NRC)が建設と運転を承認したと発表した。米国の原発新設は34年ぶり。
昨年の東京電力福島第1原発事 故を受けて、NRCは米国内にある原発104基の安全性を調査。原発需要の旺盛な新興国でも、価格より安全性を重視する傾向が強まっている。米国は 1979年のスリーマイル島原発事故以降、凍結していた原発建設を再開することになり、原発大国の米国が建設を許可したことで、東芝の国際競争力が高まる 可能性がある。

NRCが承認したのは、米電力事業者サザン(SO.N: 株価, 企業情報, レポート)が計画しているボーグル原子力発電所の原子炉2基の建設と運転。WHが開発した新型加圧水型軽水炉「AP1000」で、出力は1基110万キロワット。3号機は2016年後半、4号機は17年後半の運転開始を目指す。昨年12月にはNRCから設計認証が下りていた。

東芝によると、米国では電力事業者よりNRCに対し、28基(審査中断中も含む)の建設・運転一括許可が申請されており、そのうち14基は 「AP1000」で、WHは6基分の設計から建設までのプロジェクト全体の一括契約を締結済み。「AP1000」はテロや災害などを想定して設計され、外部電源喪失時には72時間の原子炉冷却ができ、従来に比べて安全性が高いという。

<ヤツコ委員長は反対票>
NRCは9日の会合で、5人の委員による採決を行い、賛成4、反対1で承認した。反対票を投じたのヤツコ委員長だった。同委員長は福島第1原発事故で生じた安全性への懸念を理由に、「福島(の事故)がなかったかのようなこの認可を支持することはできない」と語った。

原発推進派は同委員長の反対について、NRCが機能不全に陥っている一端が示されたと指摘。NRC委員内の亀裂は、先に行われた米議会公聴会の場でも明らかになっていた。
(転載終わり)
 
(朝日新聞)米で原発2基新設認可 34年ぶり 規制委員長は反対票(2012年2月10日) http://www.asahi.com/special/10005/TKY201202100125.html (2012年2月14日閲覧)(全文転載)
 
 米原子力規制委員会(NRC)は9日、南部ジョージア州で計画されている新規原発2基の建設・運転の申請について5人の委員による投票を行い、賛成多数で認可した。ただ、ヤツコ委員長は東京電力福島第一原発事故を受けた安全対策が規制に反映されていないとして反対票を投じた。

ボーグル原発に増設される3、4号機(いずれも110万キロワット級)で、2008年にNRCに申請が出されていた。東芝傘下の米ウェスチングハウスが 開発した改良型加圧水型炉「AP1000」を採用、16年と17年の運転開始を目標にしている。1979年のスリーマイル島原発事故後、原発の建設が行わ れていない米国で建設が認可されるのは、78年以来、34年ぶりとなる。

反対票を投じたヤツコ委員長は「福島原発事故は無視できない」とする声明を発表。事故を受けた安全対策の規制強化が検討されている最中なのに「まるでこの事故がなかったかのように認可に賛成することはできなかった」と説明した。

オバマ大統領の指名で09年に委員長に就任したヤツコ氏は、原発に厳しい姿勢で知られる。昨年末には運営手法をめぐって他の委員との対立が表面化、米議会が調査に乗り出す事態になっている。

ウェスチングハウスによると、AP1000は外部電源喪失などの緊急時に運転員が操作しなくても自動的に原子炉の冷却が維持される仕組みを備えている。 中国の2カ所で建設が始まっている。米国でも南部サウスカロライナ州のサマー原発で2基の増設計画があり、近くNRCから認可が下りる見通しだ。

米国では104基の原発が稼働中だが、主に経済性の問題で新規申請は長年、控えられてきた。ブッシュ前政権時代に建設のための資金調達をしやすくする原発推進策が導入され、今回の2基を含む計26基の新規申請が出された。

だが、国内での天然ガス価格低下や建設コスト高騰などで、20年までに運転開始できる新規原発は4基にとどまるとみられている。このほか78年以前に認可を受け、長らく工事を中断していた南部テネシー州の原発1基の建設が07年以降、再開している。(ワシントン=行方史郎)
(転載終わり)

(朝日新聞)東芝「原発は今後も不可欠」 新設認可の米で次々受注(2012年2月10日) http://www.asahi.com/business/update/0210/TKY201202100401.html (2012年2月14日閲覧)(全文転載)

 米原子力規制委員会(NRC)が新規の原発建設を認可したことについて、米ウェスチングハウス(WH)を傘下に持つ東芝は10日、「温室効果ガス対策な どの観点から、原発は今後も必要不可欠なエネルギーとして、継続的な需要が見込まれる。安全性向上のためさらに努力を続けたい」とコメントを発表した。

東芝によると、NRCには今回認可された2基以外にも、26基の建設を求める申請が出ており、うち12基がWH、2基が東芝の原子炉を採用している。

東芝は09年、15年度までに自社とWHをあわせて39基の原発を受注。年間売上高1兆円を達成する目標を掲げた。しかし、東京電力福島第一原発の事故を受け、達成が数年間遅れるとの見通しを示している。
(転載終わり)

【プレスリリース】(2012/02/10) http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=302712&lindID=4 (2012年2月14日閲覧)(発表内容と関連リンクのみ転載)

東芝、米NRCがウェスチングハウスによる新型原子炉「AP1000」の建設運転許可を承認

米国サザン電力ボーグル原子力発電所建設運転許可の承認について
-ウェスチングハウス社がAP1000(R)を建設-
 
  米国の電力会社であるサザン電力は、ボーグル原子力発電所3・4号機として当社グループ会社であるウェスチングハウス社(以下、WEC)による新型加圧 水型原子炉「AP1000(R)」を建設する為の建設運転一括許可を米国原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission  以下NRC)が承認したと発表しました。米国における新規原子力発電所の建設は、1978年1月のシアロンハリス1号機以来34年ぶり(注1)となりま す。

AP1000(R)は、ウェスチングハウス社が開発した最新型の加圧水型原子炉(PWR)で、外部動力を使用しない静的安全設計を 採用しています。NRC内の専門調査チームが東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた原子炉の安全性強化に向けた提言を出している状況下においても、昨 年末にNRCから付帯条件なしに設計認証を取得しました。現在、中国において4基が建設中で、今回が米国での初の建設となります。なお、米国においては、 電力事業者よりNRCに対して28基(注2)の原子力発電所の建設運転一括許可が申請されていますが、その内14基はAP1000(R)で、WECは6基 分のEPC(注3)(Engineering Procurement and Construction)契約を締結済みです。

原子力発電は、エネルギーセキュリティおよびCO2削減の観点から、必要不可欠なエネルギーとして各国における継続した需要が予想されます。当社グループは、 国際的な安全評価及び設備基準の見直し等に対する協力を行い、新設プラント設計及び既設プラント改良に反映し、安全性のさらなる向上に向けて不断の取り組みを行っていきます。

注1:建設中断後、建設再開した案件を除く
注2:審査中断中を含む
注3:EPC(Engineering Procurement and Construction)契約:設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を含む、建設プロジェクト全体の一括契約

以上
(転載終わり)

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2011年11月29日投稿

D. ヨルダン

(1)(時事)日・ヨルダン原子力協定審議入り=衆院外務委(2011/08/10-12:01) http://www.jiji.com/jc/zc?k=201108/2011081000046 (2011年11月29日閲覧) (全文掲載)
日本企業がヨルダンの原子力発電所建設を受注するために必要となる、日・ヨルダン原子力協定が10日午前、衆院外務委員会で趣旨説明が行われ、審議入り した。同協定は、原子力の平和利用や国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れ、第三国への移転禁止を規定。参院先議で3月に可決し、衆院に送られたが、 自民党が「政府の原発政策が明確でない」と主張するなどして、審議入りが遅れていた。

政府は協定審議入りに先立ち、原発の海外輸出を当面は継続するとした答弁書を今月5日に閣議決定した。これに対し、自民党は菅直人首相が打ち出した「脱原発依存」との整合性をただす方針だ。ヨルダンの原発受注をめぐっては、三菱重工業がフランスのアレバ社と合弁会社を設立し、ロシアやカナダの企業と入札を競っている。(2011/08/10-12:01)

(転載終わり)

(2)(毎日新聞)原子力協定:今国会成立へ…4カ国対象、民・自が大筋合意 (2011年11月29日) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111129k0000m010122000c.html(2011年11月29日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)


民主、自民両党は28日、政府間で署名を終え国会の承認待ちとなっているロシア、ヨルダン、韓国、ベトナムとの原子力協定を今国会(会期末12月 9日)で成立させる方向で大筋合意した。政府が進める原発の海外輸出に必要な協定だが、東京電力福島第1原発事故後は国会審議が停滞していた。事故はいま だ収束せず、原因究明も途中のため国内には原発輸出に慎重論も根強いが、国際的な信用確保を優先させる判断で両党が折り合った。

自民党はこれまで4協定の審議に抵抗してきたが、野田佳彦首相が衆院外務委員会の質疑に出席するのを条件に、30日に同委で趣旨説明、12月2日 に質疑・採決を行う日程に大筋で同意した。首相の同委出席は異例だが、民主党側がこれを受け入れたことで、2日中に衆院本会議で採決される見通しとなっ た。

終盤国会の展開次第では、野党が多数を占める参院の手続きがこじれて、来年1月召集の通常国会に持ち越す可能性も残る。

協定はロシア(09年5月署名)を除き、民主党政権になってから政府間で合意した。ヨルダンとの協定は10年9月、韓国とは同年12月、ベトナムとは今年1月にそれぞれ署名。今年1月開会の通常国会に提出したが、継続審議となっていた。【横田愛】

毎日新聞 2011年11月29日 2時33分

(転載終わり)
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2012年1月20日投稿

(1)(東京新聞) 【特報】ヨルダン国会議員に聞く 難問山積「原発いらぬ」 下院議員は8割が反対 (2012年1月14日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012011402000062.html(2012年1月20日閲覧)(HP掲載の前文のみ転載)

十三日に改造内閣を発足させた野田佳彦首相。ヨルダンやベトナムに加え、インドやトルコなどへも原発輸出を進めようとしている。首相は「相手の希望があ る」と原発輸出の意義を強調しているが、ヨルダンでは国会でも大きく意見が割れている。「原発は不要だ」。そう主張するヨルダンの国会議員らに原発に反対 する理由を聞いた。 (小倉貞俊、秦淳哉)
(転載終わり)

(2)Independent Web Journal より抜粋
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/2377 (2012年1月20日閲覧)

2012/01/15 ヨルダン国会議員による、日本からの原発輸入にNO

1月14日、15日に開催された「脱原発世界会議2010」。2日目のイベントの一つ、「原発も核兵器もない世界へ」の中で、ヨルダン国会議員による、日本政府、原発メーカーによる原発輸出に反対する発言があったので紹介する。

http://www.ustream.tv/recorded/19772512

発言者:
モオタシム・アワームレ (ヨルダン国会議員/保健・環境委員長)
ジャマール・ガッモー (ヨルダン国会議員/エネルギー委員長)


現在、90%以上のエネルギーを近隣国から輸入しているヨルダン。紛争による石油価格高騰の影響をうけ易い不利な立場を脱するため、政府は原子力発 電に舵を切った。しかし、ヨルダンは中東紛争のホットスポットであり、原子力発電に欠かせない、「水」の資源が最も貧しい国の一つだ。宗教、歴史、政治、 経済的な難しさからも原発立地には向いていない、とヨルダンの国会議員らは訴えた。

つづきを読む

(3)【動画】日本からの原発輸出に抗議するヨルダンの人々 
(2012年1月20日閲覧)
 Uploaded by on Jan 12, 2012

(4)動き出した「原発輸出」ヨルダン&ベトナム(動画&内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1416.html (2011年1月20日閲覧)

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 2012年2月14日投稿

E. ブルガリア

(ロイター)東芝傘下の米ウエスチングハウス、ブルガリア原発協力で合意(2011年06月14日) http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPJAPAN-21677120110613?rpc=122 (2012年2月14日閲覧)(全文転載)

[ソフィア 13日 ロイター] 東芝傘下の米ウエスチングハウスは13日、ブルガリアの国営電力会社と原子炉の設置、核燃料の供給を含む原子力発電プロジェクトでの協力で合意書に調印した。
 国営電力会社ブルガリア・エナジー・ホールディング(BEH)との合意の下、ウエスチングハウスはルーマニアとの国境に近いコズロデュイにある旧ソビエト時代に建設された原子力発電所の寿命延長に協力する。

 さらに同原発での核燃料保管、使用済み核燃料のリサイクルにも協力。さらに、新たな原子炉の設置および老朽化した原子炉の解体作業にも協力する。

 6月13日、東芝傘下の米ウエスチングハウスは、ブルガリアの国営電力会社と原子力発電プロジェクトでの協力で合意書に調印した。写真は2010年3月、協力が行われるコズロデュイの原子力発電所(2011年 ロイター/Oleg Popov) 
(転載終わり)