Sunday, January 22, 2012

XI.7. 政府が原発事故収束宣言(12月16日)

2012年5月31日投稿

(東京新聞)原子炉注入 漏れた水どこへ 高汚染水になりタービン建屋へ(2012年5月30日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012053002000094.html?ref=rank(2012年5月27日閲覧)(全文転載)

写真  

二十二日付朝刊で、「東京電力福島第一原発1号機に毎日大量の水が注入されているのに、格納容器内の水位はわずか四十センチ」と報じたところ、多くの読者から「じゃあ、注入した水はどこに消えたの?」との質問があった。その疑問にQ&Aの形でお答えします。 

Q 2号機の水位も六十センチという記事があったけど、どういうこと?
A 格納容器が損傷している証拠。1~3号機とも炉心溶融が起きた時、原子炉(圧力容器)の底部が壊れ、格納容器も高熱と高圧で弱い接合部などが 壊れた。1号機には毎日百六十トン、2号機には二百二十トンの水が原子炉に注入されているけど、すぐに格納容器に漏れ出し、さらには原子炉建屋地下に流れ 込んでいる。

Q 核燃料は冷えているの?
A 水がどう当たっているかははっきりしないけど、冷えているのは確か。ただ、核燃料に触れた水は高濃度汚染水となって、配管やケーブルの穴を伝って隣接のタービン建屋に流れ込んでいる。

Q たまった水はどこに行くの?
A ポンプで近くの別の建屋に移し、放射性セシウムを除去した後、塩分を取り除く。事故当初に海水を注入していたからね。

Q 処理した水はどうしているの?
A 先週だと、一日平均で約九百トンの汚染水を処理して、うち五百トンを1~3号機の核燃料を冷やすのに再利用した。でも、残りの四百トンは使い道がなくて、敷地内のタンクにためている。

Q ずっとため続けるの?
A それが問題なんだ。敷地内に大小約一千基(容量は計約二十万トン)のタンクを設置したけど、もう残りは四万トン強。あと三カ月もすれば満杯に なる計算だから、また増設する。地下のため池も造る。でも、十年くらいは注水を続けるし、タービン建屋地下には一日数百トンの地下水が流れ込み、高濃度汚 染水と混じって水量を増やしてしまっている。何とかしないと。

Q タンクの水を海に捨てるのでは?
A 東電は昨年末、そうしようとした。でも、漁協などの猛反発で断念した。セシウムは除去できても、ストロンチウムなどは残っているから。こうした放射性物質も除去できる装置を秋ごろ導入するそうだけど、効果はやってみないと分からない。
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2012年5月27日投稿

日本国内ばかりでなく海外からも、強い地震で崩壊するとの懸念が高まっている東電福島第一原発4号機。5月26日、細野豪志原発事故担当相が、4号機の原子炉建屋内に入り視察した。内閣記者会と在日外国報道協会の代表計4社(4人)に同行を許し、4号機の原子炉建屋内部や使用済み核燃料プールを事故後初めて報道陣に公開した

不安を鎮める狙いがあったのだろうが、逆に、折れ曲がった鉄骨やがれきの山、約30分の取材で積算被曝線量90〜110マイクロシーベル トという建屋内の線量の高さなど、逆に 「現場を見るほどに疑念がわいた」(代表取材をした東京新聞記者)という印象を強めることになった。

(東京新聞)福島第一建屋内ルポ 4号機依然危うさ 吹き飛んだがれき山積プールに核燃料1535体 (2012年5月27日 朝刊)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052702000095.html (2012年5月27日閲覧)(全文転載)

政府と東京電力は二十六日、福島第一原発を報道陣に公開した。三回目の今回は、細野豪志原発事故担当相に同行する形で、4号機原子炉建屋に初めて 記者が入り、本紙は代表取材者を務めた。内部は厚さ一メートルもある外壁が吹き飛び、折れ曲がった鉄筋や配管があちこちに残されていた。水素爆発のすさま じさを思い知らされた。 (森本智之)

何度も写真や動画で見たはずだった。しかし、現実の迫力に足がすくんだ。

午後一時四十分、建屋に入ると、すぐ右手が吹き抜けになっていて、最上階まで工事現場で使うような仮設階段が延びていた。人が肩をすぼめて歩けるくらいの幅しかない。中腰のまま頭を何度もぶつけながら上ると、全面マスクの息苦しさも手伝ってすぐに汗が噴き出した。

二階に着くと、多くの人が崩落を心配する使用済み核燃料プールを支えるため、事故後に設置された支持構造物があった。鋼鉄製の支柱をコンクリートの壁が取り囲む構造だという。見上げると、プールの底の部分のコンクリートが見えた。意外なほどきれいな状態だった。

四階まで上ると急に明るくなり、一気に視界が開けた。水素爆発が起きたとされるフロアだ。海側のコンクリート壁は吹き飛ばされ、床には一面にがれき、がれき、がれき。戦争で爆撃を受けた跡のようだ。配管が激しく曲がり、鉄骨もあめのように曲がったままさび付いていた。

五階フロアに立つと、使用済み核燃料プールがあった。がれきがプール内に落ちないよう、水面を浮き板で覆っている。監視カメラがある一画からは水 面が見えた。七メートル下には千五百三十五体もの核燃料が眠る。水は写真で見るよりずっと暗くよどみ、中の様子はうかがえなかった。

プールの隣には、格納容器の黄色いふたがあった。近くの台に上ると、急に放射線量が上がり、一気に毎時〇・三ミリシーベルトを超えた。「3号機から高線量が流れてくるんです」と東電社員。がれきのすき間から、3号機のぐにゃりと曲がった建屋が見えた。

この日の建屋内の取材は約三十分。建屋が傾くなどの異変は感じられなかった。ただ、ここまでぼろぼろになったかという印象だ。東電は東日本大震災 のような震度6強の揺れに耐えられると強調するが、実際に大地震が来たら、本当に耐えられるのか、現場を見るほどに疑念がわいた。

(転載終わり)

(毎日新聞) 福島第1原発:4号機、プール底部を補強…事故後初公開(2012年05月26日 21時06分(最終更新 05月26日 23時15分)) http://mainichi.jp/select/news/20120527k0000m040051000c.html (2012年5月27日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

シートに覆われた福島第1原発4号機の使用済み燃料プールを視察する細野原発事故相ら=福島県大熊町で2012年5月26日午後1時56分、代表撮影
シートに覆われた福島第1原発4号機の使用済み燃料プールを視察する細野原発事故相ら=福島県大熊町で2012年5月26日午後1時56分、代表撮影

政府と東京電力は26日、昨年の東日本大震災で事故を起こした福島第1原発(福島県)4号機の原子炉建屋内部や使用済み核燃料プールを事故後初め て報道陣に公開した。4号機のプールを巡っては、専門家や地元から「耐震性に疑問がある」との指摘があり、耐震補強の状況などを公開し、不安を払拭(ふっ しょく)する狙いがある。

 ◇曲がる鉄骨

細野豪志・原発事故担当相らが廃炉などに向けた作業を視察するのに合わせ、内閣記者会と在日外国報道協会の代表計4社(4人)に同行を許可した。

同行記者によると、建屋1階内部は毎時50マイクロシーベルトだった。5階(高さ約40メートル)に続 く仮設階段は肩をすぼめて通れる程度の幅で、天井は低く中腰の姿勢を強いられた。プール底部を支える鉄筋コンクリートが設置された2階では線量計が鳴り、 「毎時500マイクロ(シーベルト)。急いで通り過ぎて」と促された。

水素爆発があった4階では一気に明るくなり視界が開けた。しかし、がれき撤去は進まず、配管や鉄骨もアメのように曲がり、一部はさび付いている。

5階ではシートの隙間(すきま)からプールの上部が見えた。水の透明度は悪く、黒くよどんでいる。水面から7メートル下にあるはずの燃料は見えな い。黄色い原子炉格納容器のふたが野ざらしになっていた。線量は同330マイクロシーベルト。退出まで約30分の積算線量は90〜110マイクロシーベル トだった。

細野氏は「プール底部の補強を確認できた。新たな懸念が生じていると思わない。来年中には燃料取り出しを始めたい」と語った。

4号機は震災発生時は定期検査中で、原子炉内の核燃料はプールに移され、計1535本保管されている。昨年3月15日には、3号機で発生した水素が流れこんで、水素爆発を起こした。

東電は事故後、プール底部を鋼鉄製支柱やコンクリート壁で補強し、「震度6強の地震でも十分な安全性がある」としている。

元内閣官房参与の田坂広志・多摩大教授は「東電など、事故に責任を負う組織が安全と強調しても、国民の理解は得られない。国会の事故調査委員会などが客観的な立場で安全性を精査すべきだ」と指摘する。【西川拓、中西拓司、清水勝】

(転載終わり)

【動画つき】(テレ朝news)【原発】4号機の内部を公開 細野大臣が安全性PR (05/26 17:31)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220526027.html (2012年5月27日閲覧)

  福島第一原発4号機の内部が初めて報道陣に公開され、細野原発担当大臣が建屋の中に入りました。4号機は水素爆発によって原子炉建屋が大きく壊れ、内部 の燃料プールにある使用済み燃料の安全性が問題になっています。燃料プールの下は補強工事が行われていますが、現在使われている冷却システムは急ごしらえ で作られたもので脆弱(ぜいじゃく)なため、強い地震が起きた場合には配管やプールが壊れて、水がすべて外に流れ出てしまう恐れがあります。

(転載終わり) 

(毎日新聞 地方版) 東日本大震災:福島第1原発事故 構内取材 現実と空想が交錯 廃炉への険しさ実感 /福島 (2012年05月28日)http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20120528ddlk07040077000c.html (2012年6月2日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者) ―2012年6月2日投稿ー

 SF映画、廃虚の模型、負の“現在遺産”−−。恐怖を感じながらも、現実と空想の世界を行きつ戻りつす るような不思議な感覚に襲われた。26日にあった福島第1原発の構内取材。国内の報道陣が入るのは4回目だが、今回は大量の使用済み燃料をプールに貯蔵す る4号機に初めて接近した。事故から1年2カ月。生々しい傷痕を残す原発を前に感じたのは、現在進行中の廃炉への険しさだった。【清水勝】

 バスを降りると、青空の下、無残な姿をさらした4号機の原子炉建屋が迫ってきた。水素爆発で抜けた壁、大きくねじ曲がった鉄骨。子どものころにテレビで見たSF映画の記憶がよみがえってきた。

 題名は「猿の惑星」(1968年)。地球を離れた宇宙船が別の惑星に不時着すると、人間が猿に支配され ていた。脳裏に浮かんだのは、主人公が砂浜に埋もれた自由の女神像を目の当たりにする衝撃のラストシーン。この惑星は核戦争で衰退した「2000年後の地 球」だった。青空と原発、海辺と女神像。自然と人工物の異様なコントラストが重なった。

「100ですっ」。同行する東京電力社員の叫ぶ声でハッとした。ここはどこか遠い世界の話でない。毎時100マイクロシーベルトの目に見えない危険が存在しているのだ。「いま大きな余震に襲われたら」。70メートル先の“恐怖”に背筋の凍る思いがした。

 海抜33メートルの高台。約340メートル離れているせいか、廃虚と化した原発は映画のセットのように映った。4号機の5階部分に小さな人影が現れた。細野豪志・原発事故担当相らだった。米粒ほどの大きさに、建屋の巨大さを思い知らされ、現実に再び引き戻された。

 構内取材で終始覚えたのは不快感だった。着用した防護服は7月から本格導入される通気性のより高い新型だったが、汗がにじみ、靴の上から二重にかぶせたビニールカバーの内側は蒸れて曇った。

 特に全面マスクはこたえた。額の締め付けがきつくて気分が悪くなり、一刻も早く脱ぎたい衝動に駆られた。この日の現地は22度。「夏だったら」と思っただけでめまいがする。炎天下、マスクを外して作業したい気持ちは当然だと思う。

 原発を訪れてみて、科学技術のおごりを示す「負の遺産」だとの思いを強くした。一方で、生身の人間が常時3000人働く現場でもあった。夏の電力不足や地元経済の衰退などを懸念し、原発の再稼働を急ぐ人たちこそ、この場に立ってもらいたいと感じた。

 ◆原発ドキュメント

 8時 Jヴィレッジ(J)内の駐車場に集合。会議室でIDカードや積算計、装備一式を受け取る

 9時56分 報道陣計44人がバス2台に分乗してJ出発。4分後に警戒区域を通過して6号を北上、約 20キロ離れた福島第1原発(1F)を目指す。線量計は毎時1・2マイクロシーベルト。人の気配はなく、作業員を乗せたバスなどが行き交う程度。楢葉町か ら富岡町に入ると、右手に赤い橋が見えた。第2原発に通じるという。電気製品の大型量販店が左手に見えると、同行する現地の東京電力社員は「オープン間際 だったんですよ」と残念がった

 10時25分 大熊町に入り、無人のコンビニがある十字路を右折、1Fまで1・5キロの標識。前方に3〜4号機の排気筒が見えてきた。3分後、正門(1)着

 10時32分 免震重要棟前(2)の駐車場着。同行社員が「鉄板に上がってください」。駐車場は透水性 アスファルトのために除染効果があまりなく、鉄板を2枚重ねて線量を3分の1に低減したという。線量は毎時40マイクロシーベルト。2階で横手焼きそば風 のランチパックと水、ジュースの食事をとる。作業員の朝食はランチパック、夕食は弁当が多く、昼食はどちらか一方らしい

 11時35分 汚染検査の後、2階の「緊急時対策本部室」に。復旧作業の「総司令部」で毎時0・5マイ クロシーベルト。室内の前方中央左側に本店やJなどを結ぶ9分割の画面、右側に1〜4号機の外観を映し出すモニター。各局のテレビを映す大型モニターも。 中央にある楕円(だえん)のテーブルには復旧班、発電班など12班の班長席、周囲に各班のメンバー用の机が並ぶ

 13時5分 つなぎの白い防護服に全面マスクを着用。バスは4号機に向け出発。手は布手袋の上から二重にゴム手袋、靴の上から二重にビニールカバーをつけ、布の帽子の上からフードをかぶる。外の気温は22度。マスクの締め付けがきつく、すでに息苦しい。

 13時13分 今回初めて降車が許可された4号機の原子炉建屋前(3)に着く。建屋から約70メートル の地点。建屋は約45メートルの正方形状だったが、昨年3月15日の水素爆発で5階部分より上は吹き飛んだ。建屋には赤い字で「心をひとつに がんばろ う! 福島」の横断幕。この付近の3〜4階部分に、耐震性などに疑問が示されている使用済み燃料プール(南北約12メートル、東西約10メートル、深さ約 11メートル)があるが、下からは見えない

 13時36分 バスに戻って出発。高台(海抜33メートル)に向かう

 13時40分 4号機から340メートル離れた高台(4)でバス降車。南から順に4〜1号機が並び、後 方に5、6号機が臨める。4号機では建物を覆うカバーを設置する作業が続く。5階の線量は毎時200〜300マイクロシーベルト。高汚染の3号機に近い北側は毎時1500マイクロシーベルトに達するという。5階以上の南半分のがれき撤去は終了、今秋には北側も撤去できる見込み。3号機は最も破損が激しい が、事故直後に原発の北西地域を激しく汚染した2号機は外見上、問題ないように見える。1号機は黄土色のカバーにすっぽりと覆われている

 14時5分 バスで4〜1号機の海側(5)〜(8)をバスで通過。海に近い右手には、土のうの防潮堤 (高さ約4メートル)が積まれているが、心もとない。左手には、津波で流されて横転した重機やトラックが放置。3号機に近づくと、車内で「ピー、ピー」と 線量計のアラーム音が鳴り響いた。同行社員は「1300」と叫んだ。バスはスピードを上げて走り過ぎた

 14時半 正門近くの車両除染場で、バス表面の汚染を調べる。約15分で終了、異常なし。1F構外へ。安堵(あんど)感に包まれた

 15時13分 J着。防護服やマスクなどを脱ぐ。汚染検査やホールボディーカウンターを受けた。積算計は0・066(66マイクロシーベルト)を表示福島市で、私が1カ月間で浴びる線量と同程度だった
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 ◇空間放射線量の測定地点と値

(1)発電所正門        10
(2)免震重要棟前       40
(3)4号機建屋前(降車)  100
(4)高台(降車)       20
(5)4号機横        300
(6)3号機横       1300
(7)2号機横        150
(8)1号機横        100
(9)高台炉注ポンプ     120
 ※単位はマイクロシーベルト毎時

(転載終わり)


【動画】 IWJ 2012/05/26 IWJ緊急特別番組 福島第一原発入構取材レポート 第二弾 (2012年5月29日投稿)

(NHK NEWSWEB) 4号機 燃料プールの健全性は (2012年5月26日 18時47分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120526/k10015398261000.html (2012年5月27日閲覧)(全文転載)

福島第一原発4号機の燃料プールには、最も多い1535体の燃料集合体があり、再び大地震に襲われると、水素爆発で壊れた建屋が倒壊するのではないかという懸念が繰り返し指摘され、地元などから不安の声が上がっていました。

地震発生時、定期検査中だった4号機は、原子炉の燃料すべてがプールに移されていたため、メルトダウンには至りませんでした。

しかし、地震4日後の去年3月15日に原子炉建屋で水素爆発が発生し、プール周辺にある天井や壁が大きく壊れ、燃料プールの健全性に懸念が広がりました。

4 号機の燃料プールには、福島第一原発の中で最も多い1号機から3号機の3倍前後にあたる1535体の燃料集合体があり、発熱量が多いことから、日本政府や アメリカ政府は、余震などによってプールの冷却ができなくなると、短期間で燃料が溶けて大量の放射性物質が放出され、最悪の場合、首都圏を含む広い範囲で 住民避難が必要になるなどと想定していました。

こうした懸念に東京電力は去年5月、燃料プールの耐震性を評価し、原子炉建屋が壊れた影響などを考慮してもプールの強度は十分にあり、再び震度6強の地震が起きても壊れないと発表しました。

さらに去年7月には、プールの底に鋼鉄製の支柱を設置して周りをコンクリートで固める工事を行い、耐震性を20%高めたとしたほか、冷却で注入した海水によってプールが腐食するのを防ぐため、塩分を取り除く装置も設置しました。

しかし、こうした評価や対策をしても水素爆発で壊れた4号機が、余震で倒壊するのでないかという不安の声が地元や一部の専門家の間から繰り返し上がっていました。

こ のため東京電力は、ことしに入って3回にわたり、燃料プールの水位を測定し、建屋が傾いていないことを確認したほか、今月中旬には、建屋の壁の傾きを光を 当てて直接調べたり、プールのコンクリートの強度を特殊なハンマーを使って調べたりするなど、新たな対応も取っています。
政府も先月23日に内閣府の中塚副大臣が4号機の建屋の中を視察し、健全性を確認したと強調するなど、不安の払拭(ふっしょく)に全力を挙げていました。

国 や東京電力が4号機の燃料プールの安全性に問題はないと説明していることについて、福島第一原発の耐震性などについて評価する国の意見聴取会のメンバー で、東京大学の高田毅士教授は「これまでに行ったコンピューターによる耐震性の解析は、厳しい条件で行っており、それなりに信頼できるものだと思う」とし ました。

ただ、安全性を評価するには、地震や爆発の影響が懸念される部分のコンクリートの強度などのデータがまだ不十分だとして、「プール周辺の データをきっちりと集め、被害の度合いを明らかにする必要がある。そして、何がいちばん懸念材料なのか、今後、どういう解析をしてどのような結果を得たい のか、そうした方針も含めて東京電力としての考え方を説明すべきだ。懸念や心配する人たちがいる以上、そうした人たちや第三者の専門家が理解し、判断でき る情報提供、説明が求められる」と話しています。

(転載終わり)
【関連報道】

(テレビ朝日)報道ステーション 「4号機は大丈夫か?」 4号機倒壊問題2012年5月25日)

Published on May 25, 2012 by

 ドイツZDF フクシマの嘘 (連結済み)29分23秒

 Published on Mar 21, 2012 by
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2012年4月25日投稿

(テレ朝NEWS)【原発】福島原発4号機燃料プール映像を初公開(04/24 21:15) http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220424056.html(2012年4月25日閲覧)


  福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの状況が初めて公開されました。建物の天井が吹き飛び、プール自体がむき出しとなっています。

こちらは、第一原発4号機の原子炉建屋5階部分にあたります。使用済み燃料プールはもともと建屋の内部にありましたが、水素爆発で天井が吹き飛んだため、 現在、異物が入らないよう表面が白いシートで覆われています。シートの脇の別のプールにも水が入っているのが確認できます。また、すぐ向こうには、定期検査のため外してあった格納容器の黄色いふたも見えます。事故当時、この4号機の燃料プールには通常の3倍近い1500本以上の燃料棒が入っていて、冷却機能が損なわれましたが、現在は水温が27度前後に保たれています。

撮影:東京電力

(転載終わり)

(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) 福島第1原発は非常に危険 米議員が燃料棒について警鐘 (2012年4月18日  11:25 JST) http://jp.wsj.com/Japan/node_428640 (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

福島第1原発の状況はどのくらい危険なのか。4月に視察を行った米上院エネルギー委員会の有力メンバー、ロン・ワイデン議員によると、非常に危険だという。 

Associated Press
福島第1原発4号機

ワイデン氏は藤崎一郎駐米大使にあてた16日付の書簡で、同原発の原子炉建屋が再び地震や津波に見舞われれば、崩壊し、「当初事故よりも大規模な放射性物質放出」が起こる恐れがあると警鐘を鳴らした。 

特に、日本は動きが遅く、危険な核燃料棒を原子炉から取り出していない。米国はスピードアップに向けた支援をすべきだ。ワイデン氏は藤崎氏のほか、 スティーブン・チュー・エネルギー長官、ヒラリー・クリントン国務長官、 原子力規制委員会(NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長への書簡でもこう訴えて いる。 

東京電力の広報担当者は書簡についてコメントできないと述べ、同社としては行程表を着実にこなすことしかできないと説明した。外務省はコメントを控えた。 

福島第1原発では、昨年3月11日の地震や津波による停電を受け、原子炉3基でメルトダウンが起こった。同3基の核燃料の多くは溶けて圧力容器の下にたまっていると考えられている。悪い状態だが、少なくとも容器が放射性燃料と外の世界を隔てている。 

ただ、事故のとき保守のため閉鎖されていた4号機では、核燃料棒はこうした容器の中ではなく、屋上のプールに保管されていた。この「使用済み燃料 プール」の水が、燃料棒を低温に保ち、外の世界から遮断しているのだ。しかし、水が漏れたり、地震でプールが崩壊したりすれば、この燃料すべてが外の空気 にさらされ、過熱し、大量の放射性物質を放出するだろう。他の原子炉にも使用済み燃料プールはあるが、量は比較的少ない。 

東電によると、4号機のプールを分析し、建屋を補強する必要はないとの結論に至ったが、補強を行って安全余裕(耐震強度)を2割高めた。できるだけ早期の燃料棒取り出しに向けて動いているという。すべてが行程表通りに進めば、14年に作業が始まる可能性がある。

ただ、ワイデン氏によると、この日程は使用済み燃料をすべて取り出す作業に最大10年を当てている。同氏によれば、あまりにリスキーな長さだ。 

同氏は藤崎氏あての書簡で、「この日程は、また重大な地震関連の事象が起こると考えた場合に、甚大で継続的なリスクをはらんでいる」と警告。「同原発の本当の地震リスクに対する過小評価は深刻であり、未解決のままだ」としている。 


 (「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」より) 4月16日 4号機使用済燃料プールの温度上昇について 小出裕章(ソコトコ)http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/04/16/sokotoko-2012apr16/ (2012年4月25日閲覧)


(Yahooニュース) 「福島原発4号機は危機的状況、国際的な責務果たせ」――元駐スイス大使が枝野・細野両大臣と米倉・日本経団連会長に要請
オルタナ 4月13日(金)13時50分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120413-00000308-alterna-soci (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

「福島原発4号機の深刻な状況はもはや世界の重大関心事になりつつある」――。村田光平・元駐スイス大使は4月8日、枝野幸男経済産業相、細野豪志環境・ 原発担当相、米倉弘昌日本経団連会長に対して、使用済み燃料プールが破損した場合に甚大な被害が予想される4号機への速やかな対応を求めた。

福島第一原発の4号機には、1535本もの使用済み燃料がプールに保管されている。このプールの構造は今回の震災で脆弱な状態にあり、次に大地震や不慮の爆発が起きたときにプールが損傷すれば、甚大な被害が予想されている。

4号機のプールから150メートルしか離れていない場所には、6375本の燃料棒がプールに保管されている。

村田氏は「いまだに毎時1億ベクレル近い放射能を出し続ける福島第一、世界を脅かす4号機問題などの本来最優先課題として対処すべきことがなされていないことがついに国際的に明確に問題にされ出した」と指摘。

「問題の本質が全世界の命運に関わるだけにこの勢いは止まらない」と警鐘を鳴らしている。

その上で、原子力委員会の専門部会の提案にもある「第三者機関」の設置を強く両大臣に求めた。

米倉会長に対しては「日本の、そして世界の命運のかかったこの問題がこのように関心を招くのは当然のことで、福島事故を抱えた日本の無関心は異常である」として、日本経団連会長としての理解と支援を求めた。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)
  
(転載終わり)

(FNNnews)福島第1原発4号機の使用済み燃料プール冷却装置で漏えい警報 冷却...

(04/12 23:05) http://www.youtube.com/watch?v=VpTNX5Jj5GE&feature=player_embedded(2012年4月25日閲覧)


Published on Apr 16, 2012 by  

福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置で、12日午後、漏えいの警報が鳴り、システムが自動停止した。東京電力は、復旧を急いでいる。 

【関連報道】

【動画】(47NEWS)4号機の使用済み燃料が破損 http://www.47news.jp/movie/general_national/post_3313/ (2011年04月13日) http://www.47news.jp/movie/general_national/post_3313/ (2012年4月25日閲覧)(全文転載)

水の分析で初確認、福島第1
東京電力は13日、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの水に含まれる放射性物質の量などを調べた結果、「燃料 の一部が破損していた」と発表。「大部分(の燃料)は健全」とした。東電によると、ヨウ素131などの放射性物質を通常より濃いレベルで検出。今回の事故で、プールの燃料の破損が判明したのは初めて。
2011年04月13日

(転載終わり)

(47NEWS) 4号機の使用済み燃料が破損 水の分析で初確認、福島第1(2011/04/13 21:21) http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041301000799.html (2012年4月25日閲覧)(全文転載)


 コンクリートポンプ車(中央)で福島第1原発4号機の使用済み燃料プールから水を採取する作業=12日午後1時20分ごろ(東京電力提供)

 東京電力は13日、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの水に含まれる放射性物質の量などを調べた結果、「燃料の一部が破損していた」と発表した。「大部分(の燃料)は健全」とした。

 東電によると、放射性のヨウ素131やセシウム134、セシウム137を通常より濃いレベルで検出した。今回の事故で、プールの燃料の破損が判明したのは初めて。

 4号機は東日本大震災発生時は定期検査で停止中だったが、炉心にあった燃料は原子炉脇の使用済み燃料プールに保管中。冷却機能が失われ、プールの水温が上昇、燃料が損傷した可能性が指摘されていた。火災も起きて建屋は壊れている。

 燃料や建屋を詳しく調べ、プールから燃料が取り出せるかなどを探る。

 同プールでは12日、水を採取、福島第2原発に運び分析を進めていた。

 燃料は被覆管で覆われ、通常は核分裂によってできた放射性物質は閉じ込められるが、プールの水位が下がってむき出しになり、高温になった燃料が損傷、放射性物質が水に漏れだしている可能性があった。

 2号機ではタービン建屋外の立て坑から高濃度汚染水を建屋内の復水器に移す作業を進めた。

 一方、小宮山洋子厚生労働副大臣は13日の衆院厚労委員会で、原発の復旧作業などで、被ばく線量が100ミリ シーベルトを超えた作業員は同日未明までに1人増え、22人に上ったと明らかにした。最も高い被ばく線量は198・24ミリシーベルト。厚労省は今回の事 故に限って上限を250ミリシーベルトに引き上げている。

2011/04/13 21:21   【共同通信】
 (転載終わり)

―4月25日の投稿はここまで―
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2012年4月10日投稿

(毎日新聞) 東日本大震災:福島はいま/2 原発作業員 『収束』などあり得ない /広島
毎日新聞 2012年03月14日 地方版 http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20120314ddlk34040446000c.html
 (2012年4月10日閲覧)(全文転載)

 ◇「燃料が入っている限り再臨界の危険性がある」

2月12日午後、「冷温停止状態」になっているはずの東京電力福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部 にある温度計の数値が、保安規定規制値の80度を超えた。同じころ、第1原発で働く50代の男性作業員が、原発から西に約100キロ離れた県西部の街で取 材に応じていた。作業員は避難している妻子の元を訪れていた。

「原発に燃料が入っている限り、再臨界の危険性がある。『収束』なんてとんでもない」と吐き捨てるように言った。東電はその後、「温度計の故障だった」と発表した。

作業員は東電のグループ会社に勤務し、原発近くにある宿泊施設から毎日、第1原発に通って収束作業に当 たっている。事故収束の前線基地である楢葉町の「Jヴィレッジ」で防護服を身に着け、原発の敷地に入る。事故後の被ばく線量は7ミリシーベルトを超えた。 国が定める平時の一般人の線量限度は、年間1ミリシーベルト以下だ。

第1原発が立地する大熊町の出身。30年以上前から原発作業員として働き、福島や新潟の原発を転々とした。「大熊町は東電の恩恵は受けてきた。雇用は生まれたし、建物も建った。原発がなければ、人はいなくなっている。ただ、違っていたのが『安全』と言われていたこと」

震災発生時は、休暇中で隣町にいた。原発から数キロの大熊の自宅に戻ると壁にひびが入り、水道と電気が 止まっていた。近くの体育館で一夜を過ごした。翌日、迎えに来たバスに乗り、町外へ避難した。「原発が爆発する危険性なんて何も知らされなかった。『2、 3日くらいで帰れる』という感覚だった」

避難所を転々とするうちに、第1原発での勤務を命じられた。家族と別れ、仕事の拠点があるいわき市へ移った。妻子は県西部の借り上げ住宅で暮らし、離ればなれの生活が続く。事故後、ボーナスや退職金が削減され、「被害者なのに」という不満が募る。

毎日、原発までの道すがら、無人となった大熊町の光景を見てむなしくなる。町内では除染作業が始まっ た。しかし、帰郷のめどは全く立っていない。「再臨界の危険のあるところに誰が帰るのか。除染で線量が低くなっても、幼い子を連れて帰れるか。将来、健康 被害が出たら誰が補償してくれるのか。気の遠くなる話ではないか」

沿岸の大熊町ではめったに積もらない雪が、真冬の山あいの街には、しんしんと降っていた。【樋口岳大】

(転載終わり)
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2012年3月29日投稿

(東京新聞)格納容器内7万2900ミリシーベルト 福島2号機 6分で人死ぬ量(2012年3月28日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012032802000077.html (2012年3月29日閲覧)(全文転載)

東京電力は二十七日、福島第一原発2号機の格納容器内で、最大で毎時七万二九〇〇ミリシーベルトの極めて高い放射線量が計測されたと発表した。こ の値の場所に六分ほどいるだけで人間は100%死亡する。炉心溶融(メルトダウン)した核燃料が原子炉を壊し格納容器にまで溶け落ちていることが、高線量 の原因。これほどの値だと、ロボットでも長時間の作業は難しい。政府や東電は三十~四十年後に廃炉を実現する計画だが、大きな狂いが生じる可能性もある。

格納容器に開けた穴から線量計を入れて計測した。底部からは四~七メートルの高さで、内壁から五十センチと一メートル離れた位置の上下計八カ所で測ったところ、三万一一〇〇~七万二九〇〇ミリシーベルトを計測した。

通常、原子炉が停止した状態では、格納容器内の線量は〇・一ミリシーベルト程度で、いかに異常な状態かが分かる。

二十六日に内視鏡で撮影された映像を見ると、上にある原子炉から大量の水が降り注いでおり、炉に穴が開いている状況がうかがえる。水は格納容器の損傷部から高濃度汚染水となって建屋地下に流れ込んでいる。
格納容器の壁面では塗装がはがれたり、浮き上がっている場所も多く、事故当初の過熱や腐食の影響とみられる。カメラが水をかぶっている間は映像はクリアだが、水がなくなると画面いっぱいにノイズが広がる。高い放射線によるものだ。

問題は、この高い線量が廃炉に与える悪影響だ。東電は格納容器内の作業にはロボットを多用する計画だが、ロボットも本体は耐えられても、作動を制御する電子回路などが放射線で壊れる。今回の計測に使った内視鏡も十四時間程度しか耐えられない。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「高線量に耐えられる機器を開発する必要がある」と語った。
政府は昨年暮れ、原発内では事故が収束したと宣言したが、実情は厳しい。

(転載終わり)


(読売新聞)2号機格納容器内「被曝すれば8分で死に至る」(2012年3月28日) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120327-OYT1T01013.htm?from=tw (2012年3月29日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者) 

東京電力は27日、福島第一原子力発電所2号機の格納容器内の線量を事故後、初めて直接測定し最高で毎時73シーベルトだったと発表した。

事故後に測定した最高線量で、人が被曝(ひばく)すれば1分弱で嘔吐(おうと)などの症状が発生し、約8分で死に至る。東電は「容器内での人の作業は不可能で、内部の状況を把握するためには、高い放射線に耐える機器開発が必要になる」としている。

調査は26日に内視鏡を挿入した配管に、線量計を入れて測定した。壁面から50~100センチの場所で計8か所測り、線量は毎時31~73シーベ ルトだった。定期検査中の格納容器内の線量に比べ、10万倍以上高い。格納容器内に溶け落ちた核燃料や、格納容器内に拡散した放射性物質による放射線の影響と見られる。
(2012年3月28日00時27分  読売新聞)

(転載終わり)

(日経新聞)福島1・2号機の格納容器、最大72.9シーベルト 廃炉作業困難に(2012/3/27 20:38) http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E69D8DE0E5E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2 (2012年3月29日閲覧)(全文転載)

 東京電力は27日、福島第1原子力発電所2号機の格納容器内の放射線量を測定、最大で毎時72.9シーベルトだったと発表した。これまで原子炉建屋などで 測った数値に比べて、2~3桁高く、人だと数分間いれば死亡する。2号機の格納容器は大きく損傷しているとみられるが、今後の廃炉作業は極めて難しいことが改めて浮き彫りになった。

東京電力は福島第1原発2号機の格納容器内の映像を公開した
東京電力は福島第1原発2号機の格納容器内の映像を公開した

格納容器の内壁から約1メートル離れた場所と約50センチ離れた場所を計測。それぞれ高さに応じて4カ所、計8カ所を測定した。約1メートルのところで毎時39.0~72.9シーベルト、約50センチのところで毎時31.1~48.0シーベルトだった。

圧力容器を貫通して格納容器の底に溶け落ちたとされる核燃料や、事故時に容器内に拡散したとされる放射性物質が高い放射線量の原因とみている。

東電は福島第1原発1~4号機について、最長40年かけて廃炉にする計画。核燃料を取り出すには壊れた格納容器を補修しなければならないが、今回、当面、人が近づいて作業はできないことがわかった。

松本純一原子力・立地本部長代理は27日の記者会見で「まだ(廃炉計画が)遅れるか早まるかなどは評価できない」と指摘したうえで、「機器の開発をどう進めていくかが今後の課題」と話した。

東電はまた、内視鏡を使って26日に撮影した2号機格納容器内部の動画も公開した。内視鏡が水面に入ると細かい堆積物が舞い上がっている様子が確認できた。

 (転載終わり)

(福島民報)廃炉工程見直し必至 第一原発2号機 格納容器から高い線量 (2012/03/29 08:39)  http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9955750&newsMode=article (2012年3月29日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第一原発2号機の格納容器内で最大約70シーベルトという極めて高い線量が検出されたことから、廃炉工程の見直しは避けられないとする見方が 28日までに浮上してきた。破損した格納容器の修復には特殊ロボットが用いられるが、放射線が電子機器に障害を及ぼし作動不能となる可能性があるためだ。 政府・東電中長期対策会議は同日、実証実験施設の整備構想をまとめ公表したが、放射線防護対策には新たな技術開発が必要となり難航も予想される。

第一原発2号機の原子炉格納容器は、冷却水の水位が底から約60センチと溶け落ちた燃料の冷却に不安が持たれている。水位の低い原因は格納容器の破損に より冷却水が漏れ出しているとみられるためで、修復は急務だ。作業は遠隔操作ロボットに頼らざるを得ないが、約70シーベルトの極めて高い放射線を浴びた 場合、半導体が破壊され「ロボットそのものが動かなくなる」(日本原子力研究開発機構・福島技術本部)という。ロボットの電子部品を少なくしたり、遮蔽 (しゃへい)板を取り付けるなどの技術開発が必要になる。

さらに、格納容器内部の全体の状況を把握する手段がないため、ロボットの侵入路を検討していくことが難しい状態だ。

廃炉に向けて政府と東電が公表した廃炉までの工程表では、2号機の溶けた燃料の取り出しを「10年以内の開始を目標」としている。しかし、こうした課題 が山積しているため、見直しを迫られる可能性が否定できない。工程表管理の事務局を担当する資源エネルギー庁は、スケジュールの見直しについて「(2号機 の高線量や格納容器内の水位に関する)東電の具体的な評価を見て判断する」と、今後に含みを持たせている。
(2012/03/29 08:39)  

(転載終わり)
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 2012年3月10日投稿

福島第一原発の4号機の燃料プールが危険な状態にある。東電は、3月7日、プール上部を覆うクレーン付きのカバーを設置するを発表、来年末には燃料の取り出しに着手したいと言うが、それまでにまだ2年近くある。その間に地震などで燃料プールから水がなくなる事態になれば、使用済み燃料を冷やせなくなり、燃料が溶けて、その中に含まれていた膨大な放射能が外に噴き出してきてしまう、と専門家は警告している。
 
【動画】(テレビ朝日)そもそも総研「反原発 訴え続け40年『冷温停止』はもう出来ない」(2011年12月29日) http://www.at-douga.com/?p=4830 (2012年3月10日閲覧)

【動画】(テレビ朝日) モーニングバード「そもそも総研」 (2012年3月7日) http://www.youtube.com/watch?v=CezLuBZqd8U (2012年3月10日閲覧)

小出裕章:4号機燃料プールが崩壊すれば日本は"おしまい"です

 Uploaded by on Mar 7, 2012

(ZDF)4号機燃料プールが崩壊すれば日本の終わりを意味する (ZDF) (2012年3月7日) http://www.youtube.com/watch?v=UtqF4PHPPlg&feature=related (2012年3月10日閲覧)

Uploaded by on Mar 7, 2012


【動画】(テレビ朝日)4号機燃料取り出し建屋カバー建設「前例なき」燃料棒の取り出しへ (2012年3月8日) http://www.youtube.com/watch?v=eBSZfOfcBLM&feature=watch_response (2012年3月10日閲覧)

Uploaded by on Mar 8, 2012
 
【関連情報】
 
東京電力が、「1~4号機の廃止措置等に向けた研究開発計画に係る国際シンポジウム」を3月14日に開催。山名 元 京都大学原子炉実験所教授、 岡本 孝司 東京大学大学院工学系研究科教授などが参加。

【資料5】東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた研究開発計画に係る国際シンポジウムの開催について

(冒頭部分を抜粋)

東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた
研究開発計画に係る国際シンポジウムの開催について
平成24年2月27日
政府・東京電力中長期対策会議

研究開発推進本部・事務局

1.目的
・東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた研究開発計画にお
いて取り組む課題及び対応の方向について国際的な情報発信を行う。
・関連分野における知見・経験を有する国内外の有識者・専門家の参加を得て、これら課題
及び対応の方向について討議を行い、技術的な提案・アドバイスを含め国内外の関係機関
からの協力を得られる体制作りを目指す。


2.日時・場所
・日時: 3月14日(水)9:00~18:00
・場所: 大手町・サンケイプラザ



―つづきを見る

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 2012年2月14日投稿

2月に入って原子炉底部の温度が70度前後に上昇していた2号機で、13日、93.7度に達したと東京電力が発表した。だが、保安院は「安全性に問題はない」。東電は、「冷温停止状態」宣言の見直しではなく、「冷温停止状態」の定義を見直す必要があるとしている。

原子炉底部の温度が同原発の保安規定にある80度以上になっても「冷温停止状態」だと言えるように定義を変えるということか?(松本純一原子力・立地本部長代理:「原子炉全体が冷えていることが重要」) この動きは、収束宣言を出すために、収束の条件を「冷温停止」から「冷温停止状態」へと変えた経緯を思い起こさせる。そして今、その「冷温停止状態」の定義も手直しして、あくまで「収束」を押し通したいのか?

(東京新聞)福島第一原発 2号機90度超える(2012年2月13日 夕刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012021302000038.html (2012年2月14日閲覧)(全文転載)

東京電力は十三日、七〇度前後に上昇していた福島第一原発2号機の原子炉底部の温度が同日午前、冷温停止状態宣言後の最高値となる九三・七度に達したと発表した。格納容器内の気体の成分分析からは、連鎖的に核分裂が起きる臨界は起きていないとしている。

東電は同原発の保安規定で、原子炉底部の温度を八〇度以下に維持するよう定めている。温度計の値が八〇度を超えたのは、昨年十二月に冷温停止状態を宣言して以降、初めて。東電は経済産業省原子力安全・保安院に対し、保安規定に違反したと報告した。

東電は炉心への注水量を毎時約四トン増やし、同一七・四トンにした。温度が上昇しているのは、底部の三カ所に設置してある温度計の一つ。この温度 計のみが七三~九〇度強の間で大きく変動する一方、他は三五度前後で低下傾向を示しているため、故障の可能性が高いとみている。

保安院は東電に対し、温度の把握の方法を再検討するよう指示した。森山善範原子力災害対策監は「原子炉の冷却はできている。放射性物質の放出も確認できず、安全性に問題はないと考えている」と述べた。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「底部の温度だけで(冷温停止状態の)判断をしているが、少し定義の見直しが必要かと思う。原子炉全体が冷えていることが重要」と話した。

(転載終わり)


 (朝日新聞)福島2号機原子炉、93度を記録 温度計が故障か(2012年2月13日12時36分) http://www.asahi.com/national/update/0213/TKY201202130122.html  (2012年2月14日閲覧)(電子版に掲載の全文を転載)


図:圧力容器内のイメージ拡大圧力容器内のイメージ
表:異常を示している温度計指示値の振れ幅拡大異常を示している温度計指示値の振れ幅

東京電力は13日、炉心溶融事故を起こした福島第一原発2号機の原子炉圧力容器底部の温度計の値が93度まで上昇したと発表した。東電は温度計の故障の可能性が高く、原子炉の冷却は維持されているとみているが、実際に温度が上昇している可能性も否定できないので、原子炉の冷却をさらに進めるため、12日 午後3時半に注水量を増やした。 

東電は、原子炉の温度を80度以下に保つことなどを定めた保安規定に従って運転管理してきたが、12日午後2時15分に82度に達して規定から逸脱したため、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。温度計の値は13日午前11時現在で93.7度。原子炉が安定した状態を示す冷温停止状態を宣言した昨年 12月以降、最も高い。 

東電は、この温度計の値が2月上旬から上昇したことから、2月5日から少しずつ注水量を増やしてきた。ただ、圧力容器底部の温度を測るほかの二つの温度 計の値は5日以降下がり続け、13日には33度になったほか、この温度計の1.5メートル下に取り付けた温度計も40度前後で、低下傾向にあるという。 
 (転載終わり)

(読売新聞)2号機原子炉温度計「確実に故障」…回路に異常(2012年2月13日20時42分) http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120213-OYT1T00878.htm?from=top (2012年2月14日閲覧)(全文転載)

東京電力は13日、温度上昇を示していた福島第一原子力発電所2号機の原子炉圧力容器底部の温度計が同日午後の点検後、記録上限の400度を超えて振り切れるなど、異常な数値を示したと発表した。

東電は「ほぼ確実に故障している」とみている。温度計は炉心溶融で高温にさらされた後、湿度の高い環境に置かれていた。

東電は同日午後2時頃から、中央制御室内で温度計の電気回路の点検を実施。回路の電気抵抗が通常より大きく、温度計の指示値が高く出やすいことが判明した。検査直後、回路を元に戻した際には342度を示し、一時振り切れるまで数値が上昇した。

 温度計は、2種類の金属を接合したセンサー(熱電対(ねつでんつい))で温度を検知する。センサーが熱を受けると電流が流れる仕組みで、回路に異常が生じたために電圧が変化し、極端な値が表示された可能性がある。
(2012年2月13日20時42分  読売新聞)

(転載終わり)

【東電記者会見動画】iwakamiyasumi2より
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2012年2月7日投稿

昨年12月16日の「収束」宣言後も、依然として原子炉内部の状態を把握できていない上に、水漏れなどのトラブル続いていた東電福島第一原発。 さらに2月に入って、「冷温停止状態」になっているはずの2号機で、東電によると、それまで50度前後で推移してきた圧力容器の底の温度が20度近く上昇。6日午前7時に73.3度を記録した。核分裂反応が連続的に起きる「再臨界」は起きていないとしながらも、再臨界の「予防措置」としてホウ酸を注入し、原子炉への注水量も増加した。

(NHK)2号機 注水増やすも温度計高い状態(2月6日 20:20更新) http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20120206/index.html (2012年2月7日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第一原子力発電所の2号機の原子炉で、温度計の1つの値が70度前後と、ここ4日間で20度ほど上昇していることを受けて、東京電力は、6日夜のうちに原子炉への注水量を増やして、その後の温度の傾向を確かめることにしています。

福島第一原発の2号機では、原子炉の底にある温度計の1つが、先月27日には45度前後を示していたのが、その後、徐々に温度が上がって、5日午後4時には71.7度となり、特にこの4日間で20度以上と急激に上昇しています。

このため東京電力は、6日午前1時半ごろに、原子炉への注水量を1時間当たり1トン増やして10.6トンとする対策をとりました。

ところが、午前7時に73.3度を記録し、その後も、午前11時に71度、午後5時でも69.2度と、温度が高い状態が続いています。

この状況を受けて、東京電力は、6日夜のうちにも、原子炉への注水量をさらに1時間当たり3トン増やして、その後の温度の傾向を確かめることにしています。

一方、原子炉の底にあるほかの2つの温度計は、先月下旬以降変わらず、44度程度を示しているということです。

東京電力は、配管の工事に伴って、原子炉に水を入れる2つのルートのうちの1つをいったん止めて再開したところ、水の流れが変わり、溶け落ちた燃料の一部を十分に冷やせなくなった可能性が高いと説明しています。

また、原子炉の周辺で気体の調査をした結果、核分裂が連続して起きる「臨界」のときに発生する放射性物質の「キセノン」は検出限界以下で、「臨界が起きていないことが確認できた」としています。

福島第一原発では、去年12月、政府と東京電力が1号機から3号機の原子炉で100度以下に下がったとして、「冷温停止状態」を宣言していますが、原子炉の状態は依然、詳しく把握できない状況が続いています。

東京電力は「冷温停止状態を受けて定められた新たな規定では、原子炉の温度を80度以下に抑えるよう求められている。注水量を増やして、温度が下がる傾向になるか、様子を確かめたい」と話しています。

今回の温度上昇について、経済産業省の原子力安全・保安院は、「複数の温度計があり、1つの温度計で一時的に80度を超えたとしても、原子炉の冷却に問題 が起きているとは考えない」として、「冷温停止状態」が維持できているかどうかについては、「温度の条件だけでなく総合的に判断する」と話しています。

原子炉の冷温停止状態を維持するため、東京電力は先月、「保安規定」を見直し、原子炉の底の部分の温度を80度以下に維持するよう定め、原子力安全・保安院も見直しの内容を了承しました。

これは、冷温停止状態の条件の1つ、原子炉の底の温度が100度以下という方針に対し、温度計の計測に最大で20度の誤差があるためで、仮に今後、80度を超えれば、東京電力は、原子炉への注水量を増やすなど、緊急的な対策を取ることが求められます。
これについて原子力安全・保安院は、ほかにも2か所で原子炉の底の温度を測っており、おおむね45度前後で安定していることなどから、「1つの温度計で一 時的に80度を超えたとしても、原子炉の冷却に問題が起きているとは考えない」として、「冷温停止状態」が維持できているかどうかについては、「温度の条件だけでなく総合的に判断する」と話しています。

しかし、今回の事態は、メルトダウンした核燃料など、原子炉の内部の状態を把握できていないことを改めて浮き彫りにしたことになり、こうした状況の中で「冷温停止状態」と判断した根拠などについて、国は納得のいく説明をすることが求められます。

(転載終わり)

(東京新聞)福島2号機 続く高温 注水を大幅増 保安規定違反(2012年2月7日 朝刊)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012020702000039.html (2012年2月7日閲覧)(全文転載)

写真

東京電力福島第一原発2号機の原子炉の温度上昇が続き、東電は六日、同日深夜から非常用の注水口からの注入量を毎時三・八トンから毎時六・八トン に増やすと発表した。福島第一の保安規定では、注水量の増加を「二十四時間あたり毎時一トンまで」と定めている。今回の注水量変更は保安規定に抵触する 上、汚染水を増やすリスクがあるが、原子炉の冷却を優先したという。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「経済産業省原子力安全・保安院の了承を受けている。計画的な逸脱だ」と話した。

東電によると、温度が上がっているのは原子炉下部の温度計。一月下旬まで五〇度程度で安定していたが、二月一日夜に五二・〇度を記録。六日朝には七三度を超えた。

保安規定では、温度計の誤差が二〇度あっても炉内を一〇〇度未満に保つため「八〇度以下」にするよう定めており、規定まで一〇度を切っている。

このため、東電は原子炉への注水量を一気に増やし、再臨界防止のために中性子を吸収するホウ酸水も注入する方針を固めた。

なぜ温度が上がり続けるのか。東電の担当者は「注水の流れに変化が生じ、うまく燃料付近に当たっていない」とみている。

炉内の冷却は現在、通常運転時に用いる側面からの注水と、非常時用の上からスプレー状に水を注ぐ二通りの方法を使っている。このうち上からの注水を一月二十六日に行った注水ポンプ配管交換作業の際、約六時間ストップ。その影響で水の当たる場所がずれたとの見方だ。

エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長は「燃料を支える網目状の板に載っていた溶けた燃料の一部が原子炉の底に落ち、局所的に小山のようにたまって発熱量が増えたのでは」と推測する。

東電は「汚染水は処理して循環させるので増えない」と説明。一方で、処理水が増えることで、処理施設のフィルターなど高濃度の放射性廃棄物が増えることを認めている。
(転載おわり)


(朝日新聞)4号機建屋内で汚染水8.5トン漏れる 福島第一(2012年2月1日12時44分) http://www.asahi.com/special/10005/TKY201202010261.html (2012年2月7日閲覧)(全文転載)

写真:東京電力福島第一原発4号機原子炉建屋1階の水漏れ場所(写真中央付近)=東京電力提供拡大東京電力福島第一原発4号機原子炉建屋1階の水漏れ場所(写真中央付近)=東京電力提供
写真:東京電力福島第一原発4号機原子炉建屋1階の水漏れ場所(写真中央付近)=東京電力提供拡大東京電力福島第一原発4号機原子炉建屋1階の水漏れ場所(写真中央付近)=東京電力提供
東京電力は1日、福島第一原発4号機の原子炉建屋内で放射能汚染水が漏れたと発表した。建屋内の原子炉から漏れた水と見られる。漏れた量は約8.5トン と推定。原子炉建屋外への流出はないという。漏れた原因を調べている。事故当時、4号機の原子炉には核燃料は入っていなかった。

東電によると、1月31日午後10時半ごろ、4号機原子炉建屋1階にある炉内の水を循環させるポンプの流量を測るのに使う配管から水漏れを見つけた。配管が外れてすき間から水が漏れていた。約10分後に弁を閉めて水漏れを止めた。

放射能濃度は、1リットルあたり3万5500ベクレル。周辺は震災直後の爆発事故でがれきが散乱している。漏れた汚染水の多くは、建屋地下の高濃度汚染水に混じったと見ている。
(転載終わり)

-2月7日の投稿はここまで-
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2011年12月16日(金曜日)午後6時、野田首相が会見し、東電福島第一原発が「冷温停止状態」を達成し、「工程表」の第2ステップが完了したとして、事故の「収束」を宣言した。しかし、「冷温停止」(それをさらに、政府は「冷温停止状態」なる言葉に置き換えた)を収束の証拠に出来ないことは早くから指摘されていたし、11月30日には、東電自身が、溶融核燃料が圧力容器を突き破って格納容器の底の一部をも溶かしているという推測を発表し、「冷温停止」論に批判的な専門家の推測した通り、原子炉の健全性が損なわれていることを東電も認めざるを得なくなっていたのである。

そのわずか2週間後、しかも金曜日の夜、なぜ「収束」宣言をしたのか?  それは、原発の状態に関係なく、年内に「収束させる」ことを政府があらかじめ決めていたからとしか考えられない。「冷温停止状態達成」なるものは、そのための言い訳にすぎない。

なぜ年内に収束「させる」必要があったかは、年末年始の原発関連の動きを見ると明らかだ。12月9日には、韓国、ロシア、ベトナム、ヨルダンとの原子力協定の国会承認案が成立し、今年からこの4国への原発輸出が可能になった。年末年始に、野田首相がインドで、玄葉外相がトルコで、原子力協定の交渉を進めることで両国と一致。さらに、1月18日には保安院が、福井県の大飯原発再稼動のため関西電力が出したストレステストの評価結果を妥当とする審査書案を公表し、その審査案の意見聴取会を、傍聴者を排除した上、それに抗議した2人の委員欠席のまま強行した。1月23日-30日には、国際原子力機関(IAEA)の調査団が来日し助言をする。

野田首相が就任当初語っていた、「原発依存度引き下げ」は国民世論へのリップサービスにすぎなかったこと、はじめから原発再稼動、原発輸出を進めようとしていたことは、この4か月の動きから明らかだ。 「世界が日本に望むのは脱原発ではない。福島の教訓を世界と共有し、より安全な原発に貢献することだ」と明言する世界の原発推進勢力の後ろ盾を得て、その意向通りに、着々と原発推進回帰を進めている。

さらには、「収束」宣言をすることで、福島第一事故後盛り上がった反原発、脱原発、原発懐疑の世論を冷まし、国民が再び原発問題、放射能汚染問題に無関心になることを期待しているのだろう。そして、原発事故後落ち込んでいる農産物や工業製品の輸出、外国人観光客数の回復も視野の中にあるだろう。

だが、「収束」宣言に対して、特に原発被災地からの反発は強く、12月27日に福島県議会は、「収束」宣言撤回求める意見書を全会一致で可決したほどだ。インターネット上の批判はもとより、一般紙さえも宣言に批判的な社説を載せている。

さらには、「収束」宣言とは裏腹に、それを否定する高濃度の汚染水漏れなどが福島第一で次々と起きている。

I. 政府の東電福島第一原発事故「収束」宣言

(1)【原発】総理が事故収束宣言ノーカット 1/6(11/12/16)

Uploaded by on Dec 16, 2011
野田総理大臣が午後6時から会見を開き、福島第一原発が冷温停止状態を達成したとして、事故の収束を宣言しました。会見ノーカットです。


(2) 細野豪志  環境、原発事故担当相  日本記者クラブ 記者会見 第2ステップ終了を受けて「収束」宣言 ( 2011年12月19日)

Uploaded by on Dec 19, 2011

II. 「冷温停止」の無意味さ 

圧力容器が健全でない状態で「冷温停止」を云々しても無意味だということは、京大の小出裕章助教などが早くから指摘していたことである。たとえば、9月20日にテレビ朝日「報道ステーション」で、小出氏は次のように説明した。 

小出裕章「冷温停止というのは圧力容器が健全の形でその中に水を蓄えられて。その中に炉心というものがまだ存在しているということを前提にして、圧力容器 の温度が100度を下がるか上がるかという。そういうことを議論しているわけで。そもそも融けて、炉心が融けてしまって圧力容器の外に出てしまっていると いう、状態であれば。そこの温度をいくら測ったところで意味のない事を言っていて。これから問題なのは落っこちてしまった炉心が、いったいどこにあるのか。それをどうやって閉じ込めることができるかという、そういう議論こそ、本当はしなければいけません。」

以上、小出裕章(京大助教)非公式まとめ 「9月20日 これから問題なのは落っこちてしまった炉心がどこにあるのか 小出裕章(報ステ)」より抜粋。http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/09/22/tvasahi-sep20/ (2012年1月22日閲覧)

【動画】小出裕章:『冷温停止』について 


さらに、11月30日に、東電は、1号機で溶融燃料が圧力容器の底を突き破って格納容器に落下し、容器の底のコン クリートを溶かして最大で65センチ浸食、さらに、2号機と3号機でも、一部が格納容器に落下していると推定される、と発表した。

 NHKかぶんブログ2011年11月30日 (水) から転載。 http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/102709.html (2012年1月22日閲覧)

1号機溶融燃料 65cm浸食

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東京電力福島第一原子力発電所の事故で、メルトダウンが起きた1号機の燃料は、鋼鉄の原子炉の底を突き破って相当の量が格納容器に落下し、容器の底のコン クリートを溶かして最大で65センチ浸食していると推定されることが、東京電力の解析結果から分かりました。2号機と3号機についても一部の燃料は格納容 器に落下していると推定しており、改めて事故の深刻さが浮き彫りになっています。

ーこのニュース全体【動画】がこちらで見られます。 


III. さらに、「収束」宣言後も、それを否定する事態が次々と起こっている

 Peace Philosophy Centre Wednesday, January 11, 2012
「収束宣言」後原発からまた水漏れ: リットルあたり5億ベクレル!  http://peacephilosophy.blogspot.com/2012/01/blog-post_11.html (2012年1月22日閲覧)

原発事故が「収束」したと野田首相が言って内外で呆れられた福島第一原発では相変わらずトラブルが続いている。今回の水漏れの以下のニュース(下方参照)を見て思ったことは:

―つづきを読む

投稿者注:上の記事中にある、知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」の動画がこちらにあります。 



【関連報道】


(中国新聞) 原発事故の「収束」宣言 先見えぬのになぜ急ぐ('11/12/17) http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201112170085.html (2012年1月22日閲覧)(全文転載)

野田佳彦首相はきのう、東京電力福島第1原発の事故の「収束」を宣言した。原子炉が「冷温停止状態」になったためという。

だが原子炉は依然として予断を許さない状況である。なぜ「事故そのものは収束した」と言い切れるのだろうか。

これでは避難を余儀なくされている住民も到底、納得できまい。

政府は冷温停止状態を、原子炉圧力容器の底の温度が100度以下で、放射性物質の放出が大幅に抑えられている―と定義する。確かに事故直後に比べれば、原子炉は少しは安定してきたようだ。

とはいえ1号機は核燃料のほぼ全て、2、3号機は6割程度が圧力容器を貫通し、外側の格納容器に溶け落ちたと推定されている。メルトダウン(炉心溶融)だ。
これらの燃料はいまだにくすぶっているとみられ、冷却を止めるわけにはいかない状況にある。

しかも高い放射線量に阻まれ、1~3号機の原子炉内部の詳細な様子は不明である。4号機の使用済み核燃料も撤去されていない。1号機は建屋カバーが設置されたものの、爆発した3、4号機の建屋はむき出しのままだ。

地中部分の汚染状況もさっぱり分かっていない。

冷温停止状態と宣言することで国民に無用の心配をさせまいという政府の判断は分からぬわけでもない。しかし、そうだとしても「事故の収束」とするのは早計にすぎないか。

放射性物質の大気への放出は随分減ったとはいえ、今もなおわずかに漏れ続けている。

放射性物質を除去する処理を施して循環させている冷却水にも課題が多い。建物の壁がひび割れ、1日数百トンの地下水が流入しているからだ。

汚染水の流出事故も相次ぐ。今月に入っても処理装置から放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。

処理した水を海洋に放出する東電の計画に、漁業関係者が強く反発するのも当然だ。敷地内のタンクにたまり続けているが、来年前半には限界を迎えるという。

放射性物質を完全に閉じ込められず、今後もその保障ができない状況にあることは、疑いようもないだろう。

ここで事故への順調な対応を内外にアピールすることにより、食品などの風評被害を抑える効果はありそうだ。一方、安心感を醸成することで停止中の他の原発の再稼働につなぐ目的もあるとすれば、本末転倒というほかない。

今回の宣言がただちに、避難している住民の帰郷につながるわけでもない。政府は年内に避難区域再編の考え方をまとめるようだが、放射線量のきめ細かい測定や、徹底した除染が前提になることは言うまでもない。

原子炉から燃料を取り出すにもあと20年程度はかかるとされる。放射性物質を封じ込め、廃炉を達成してはじめて、事故は完全に収束したと言えるのではないか。
(転載終わり)

(しんぶん赤旗)原発事故 賠償縮減狙う東電 「収束」宣言 怒る福島(2011年12月26日) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-26/2011122601_01_1.html (2012年1月22日閲覧)

福島第1原子力発電所の事故について、政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)が16日に出した「収束」宣言―。故郷を離れ県内外への避難を 余儀なくされている15万5千人(福島県)の人々に、帰還の見通しは全く立っていません。「収束」宣言強行に県内外から厳しい批判の声があがっています。 (中祖寅一)

―全文を読む

(毎日新聞)福島県議会:収束宣言撤回求める意見書 全会一致で可決(2011年12月27日) http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111228k0000m040054000c.html(2012年1月22日閲覧)(全文転載) 

政府が東京電力福島第1原発事故収束に向けた工程表のステップ2完了を宣言したのに対し、福島県議会は27日、宣言の撤回を求める意見書を全会一致で可決した。

政府は16日、原子炉が「冷温停止状態」になったとして「事故そのものは収束に至った」と発表したが、意見書は、原子炉の燃料が溶けて状態が確認できていないことや、冷却装置が安定していないことなどを指摘。「収束宣言は県の実態を理解しているとは言い難く、避難者の不安・不信をかき立てる」とし て、宣言の撤回と、宣言に至った経緯の説明を政府に求めた。

27日にステップ2完了報告に訪れた東電の西沢俊夫社長に対し、県議会の斎藤健治議長は「収束なんて誰も本気にしていない。『何を言っているんだ』という思いだ」と述べた。【関雄輔】
毎日新聞 2011年12月27日 20時25分
(転載終わり)

(毎日新聞)福島第1原発:政府の「事故収束」宣言波紋 被災地反発 (2012年1月3日) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120103k0000e010086000c.html (2012年1月22日閲覧)(全文転載)

東京電力福島第1原発事故に関し、野田佳彦首相が昨年12月16日の記者会見で「発電所の事故そのものは収束に至った」と宣言したことに波紋が広 がっている。「収束」宣言の背景には、昨年中に除染や避難区域見直しの方向性を示すことで、先が見えない状況に不安を抱く被災地の心情に配慮する狙いが あったが、福島県議会は27日、撤回を求める意見書を全会一致で可決。県内の自治体首長の反発も強く、逆効果となった形だ。【笈田直樹】

政府・東電は12月16日、原子炉の冷温停止状態が達成されたとして、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」完了を発表。首相会見の表現は、細 野豪志原発事故担当相や枝野幸男経済産業相らが約1カ月前から調整を進めてきた。細野氏は19日、日本記者クラブの記者会見で「私自身が『収束』というこ とで説明すべきだと考えた」と述べた。

収束宣言には二つの狙いがあった。まず、年内に除染や避難区域見直しの方向性を示すには、原発が安定状態になったと明確にすることが必要だった。 細野氏は25日のテレビ番組で「(被災者が)年末年始にかけて次の生活を考える時、(政府が)一定の方針を示さないと、新しい生活に踏み出すタイミングを逸する」と説明した。

政府は26日に避難区域見直しの考え方を決定。28日には除染で生じる汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設を福島県双葉郡内に設置したい考えを地元に説明している。

また政府には、日本産食品の輸入規制措置や国内への観光客の減少が続くなか、収束宣言で風評被害を含む諸外国の懸念や不安を払拭(ふっしょく)し たい狙いもあった。政府は「客観的に条件がそろった時が望ましい」(政府関係者)として、収束宣言を出す時期を「冷温停止状態達成」のステップ2完了に合わせた。

野田首相は会見で「オフサイト(原発敷地外)の問題は引き続き課題がある」と述べた。事故収束はあくまでオンサイト(原発敷地内)の話であり、今後原発の状況が悪化して新たな避難指示を出すなどの可能性は消えた、という意味であることを強調したのだ。

だが、こうした政府の見解が、被災地感情との間でズレのあるのは否めない。住民の避難生活が長引き、放射性物質の拡散が相次いで判明する中、被災 地では「収束とは、町民が戻って安心した生活を送れること」(渡辺利綱・大熊町長)など、除染を含む原発敷地外での対応がすべて済んで初めて「収束」と受 け止める考えが強い。福島県議会の意見書は「燃料がどの部分にたまっているのかさえ確認できていない」と、原発事故自体の収束にも疑問を呈している。

政府関係者は「どこかで節目をつけないといけなかった」と話すが、未曽有の原発事故から9カ月余りを経た今も、政府・東電と現場の間の溝は埋まっていない。
毎日新聞 2012年1月3日 11時24分
(転載終わり)

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