Saturday, December 24, 2011

IX.5.a.リトアニアへの原発輸出

東電福島第一原発事故収束が依然見えない中、原発メーカーや経済産業省原発輸出を目指して動いている。7月14日、日立製作所は、リトアニア原発のプラント建設の優先交渉権を獲得したと発表。福一事故後、世界初の契約。 

(1)リトアニア原発、日立陣営が優先交渉権 事故後の契約は世界初 (MSN産経ニュース 2011.7.14 23:36) 
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110714/biz11071423440027-n1.htm (2011年8月22日閲覧) (記事全文を転載)(太字は投稿者) 
 
 日立製作所は14日、リトアニア政府が2020年の稼働を目指すビサギナス原子力発電所について、プラント建設の優先交渉権を獲得したと発表した。 年内の正式受注を目指す。受注額は4千億円規模とみられる。東京電力福島第1原発事故後、日本メーカーも含めて世界で原発新設の契約が結ばれたのは初めて。同原発計画には日立・米ゼネラルエレクトリック(GE)連合と、東芝・米ウェスチングハウス連合が応札し、受注競争を繰り広げていた。 

 日立・GEが提案したのは、福島第1原発の沸騰水型軽水炉(BWR)を改良した「改良型沸騰水型軽水炉」(ABWR)。炉心冷却用の電源が喪失した場合の代替電源を確保し、冷却機能も強化した。

 リトアニアは、ロシアからのエネルギー供給への依存度を引き下げるため、原発の建設を計画。同原発から電力を供給する周辺のエストニア、ラトビア、ポーランドなども計画に参画する予定だ。

 受注が正式決定した場合、日立・GEは、リトアニアが08年に設立した原発プロジェクト会社に出資した上で、プラントの建設を進める。 

(記事全文転載終わり 

(2) リトアニアの原発建設 日立が優先交渉権獲得の裏側
(J-CASTニュース 2011/8/ 5 11:40)
http://www.j-cast.com/2011/08/05103233.html?p=all (2011年8月22日閲覧)(記事全文転載)

菅 直人首相の「脱原発」発言で日本の原発政策が迷走する中、日立製作所・米ゼネラルエレクトリック(GE)連合が2011年7月14日、リトアニアの原発建 設の優先交渉権を獲得し た。東日本大震災後も日本の原発技術への信頼性が揺らいでいないことの証明となったが、選定の真の決め手は日立による建設計画への多額の 出資とみられている。関係者の間では「日立は原発を『売った』のではなく、『買った』」との皮肉な見方がもっぱらだ。
   リトアニアのスベダス・エネルギー省次官は会見 で、日立を選定した理由について「資金面で最も有利な提案をした」と説明。同省は「資本面での関与も考慮した」との声明を出し、日立によるプロジェクトへの多額の出資が決め手になったことを示唆した。

日立・GE連合と東芝・米ウェスチングハウス連合が激しく競り合う

   2020 年の稼働を目指すリトアニアのビサギナス原発の受注を巡っては、日立・GE連合のほか、東芝・米ウェスチングハウス連合も名乗りを上げ、激しく競り合っ た。震災後、日本メーカーにとって初の海外案件とあって、受注すれば自社の原発の安全性をアピールする絶好の機会になるからだ。日立、東芝とも原発事業を 拡大する戦略を堅持しているだけに、この案件を震災の逆風にさらされる原発輸出の突破口にしたい考えだった。
    日立の中西宏明社長は6月中旬、リトアニアのクビリウス首相と面会し、原発建設プロジェクトへ出資する姿勢を強調した。ウェスチングハウス欧州部門のトップも6月下旬、首相に出資の意向を示し、一歩も引かない構えを見せた。

「数千億円も出資して利益が出るのか」

   だが、両陣営の出資に関する提案内容には開きがあったようだ。関係者によると、東芝陣営が1割程度の出資比率を打診したのに対し、日立は5割程度、数千億円規模の出資を提案した模様だ。最終的に、この点が両陣営の評価を分けたという。
    業界では、日立の提案に対して「数千億円も出資して利益が出るのか」と疑問視する向きが多い。それでも日立が多額の資金を出すのは、震災で国内の原発新設 が事実上不可能になる中、原発事業を継続していくには輸出を増やすことが不可欠だからだ。「日立は自分でお金を出してでも、海外に原発を建てたいのだろ う」と皮肉る業界関係者もいる。 

(3)GE日立:ポーランド初の原発受注、リトアニアでの計画が追い風にBloomberg.co.jp 2011/08/02 01:02 JST)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ardB8zFRwUqg (2011年8月22日閲覧)(記事全文転載)(太字は投稿者)

8月1日(ブルームバーグ):ポーランド初の原子力発電所建設の受注を目指しているゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所原子炉合弁会社GE日立ニュークリア・エナジーは、隣国リトアニアで獲得した原発建設プロジェクトがコスト削減や材料の共有につながることから、ポーランドでの受注に追い風となるとの見解を示した 
 GE日立は、ポーランド最大の公益事業会社PGEとの交渉準備を進めている。PGEは発電量最大3000メガワットの原発建設を目指し、パートナー企業を模索している。リトアニアは先月、旧ソ連時代に建設された原発に代わる原発建設でGE日立を選定した
  GE日立の原発プロジェクト担当シニアバイスプレジデント、ダニエル・L・ロデリック氏はリトアニアのプロジェクトや期限通りの納品実績、ポーランドでの 同社のプレゼンスがライバル企業との競争において有利に働くだろうと述べた。競合する可能性のある企業として、米ウェスチングハウス・エレクトリック (WH)やフランスのアレバを挙げた。
 ロデリック氏は先月28日、ワルシャワでのブルームバーグのインタビューで、「受注に向けて非常に積極的に動く」と述べ、「距離の近い2カ所で同時に原発プロジェクトを進めることは当社にとってコスト削減につながる。また、リトアニア原発建設に必要な労働力や材料の多くはポーランドから来ることになるだろう」と続けた。

原題:GE Plans ‘Aggressive’ Bid to BuildPoland’s First Nuclear Plant 
 (記事全文転載終わり)
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2011年9月30日投稿
 
来日したリトアニアのセクモカス・エネルギー相が枝野経産相と会談】

(1)(時事)リトアニア原発に協力=輸出に前向き-枝野経産相 (2011/09/28-21:25)(2011年9月30日閲覧)

(記事全文を転載)
枝 野幸男経済産業相は28日、原発の新設を計画しているリトアニア政府のセクモカス・エネルギー相と経産省で会談した。同国政府は、東京電力福島第1原発事 故後の7月、新設プロジェクトの優先交渉権を日立製作所に与えており、同相は「日本企業にも輸出の機会をもたらすものだ」として、計画実現に日本政府の支 援を要請。枝野経産相は、世界最高水準の安全性を有する原発の実現に向けて協力していく意向を伝えた

野田佳彦首相は先の国連会合で原発輸出に前向きな考えを示しており、枝野経産相もこれに沿ってリトアニア政府に協力する姿勢を示したとみられる。(2011/09/28-21:25

(記事全文を転載終わり)  
投稿者注:文中のリンクは投稿者が加えました。 

(2)(日経)日本の原発技術に期待 リトアニア・エネルギー相 (2011/9/28 19:54)(2011年9月30日閲覧)  

( 記事全文を転載)   
来日したリトアニアのセクモカス・エネルギー相は28日夕、経済産業省で枝野幸男経産相と会談した。7月に日立製作所・米GE連合が優先交渉権を獲得し たヴィサギナス原子力発電所建設計画(出力130万キロワット)について、エネルギー相は「今後(日本とは)重要な関係が続いていくと思う」と述べ、日本 の原発技術に期待感を示した。経産相は「福島原発事故の教訓を生かし、世界最高水準の安全性を有する原発の実現に向けて協力したい」と話した。 (全文転載終わり)                         
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2011年10月27日投稿

日立GEニュークリア・エナジー(株)HP より http://www.hitachi-hgne.co.jp/index.html

(1)リトアニアにおける新規原子力発電所建設プロジェクトのストラテジック・インベスターに選定 2011年7月14日 株式会社日立製作所 http://www.hitachi-hgne.co.jp/news/2011/20110714.html (2011年10月27日閲覧)

株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、リトアニア共和国(以下、リトアニア)が計画するビサギナス原子力発電所建設プロジェクトのストラテジック・インベスター*1に選ばれました。日立は今後、正式受注に向けた条件の調整を独占的に行っていきます。

リトアニアは、同国北東部 のビサギナスで新規原子力発電所の建設を計画しており、2020年の運転開始を めざしています。2008年には、同原子力発電所建設プロジェクトに対する出資に関する交渉を行い、同プロジェクトを進めるためのプロジェクト会社ビサギ ノ・アトミネ・エレクトリネ(Visagino Atominė Elektrinė/以下、VAE)を設立し、2009年にはリトアニア議会がビサギナスでの原子力発電所建設を認める法案を採択しています。

日立および日立GEニュー クリア・エナジー株式会社(取締役社長:魚住 弘人/以下、日立GE)は、リトアニア政府に対して、ストラテジック・インベスターとしてビサギナス原子力発電所建設プロジェクトに出資を行い、第三世代 原子炉として世界で唯一運転実績のある改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor/以下、ABWR)を提供すること提案しています。今回提案しているABWRは、東日本大震災の経験を踏まえ、代替電源の確保や機動的な除 熱機能の復旧対策反映等、さらに安全性を向上させたものです。
なお、建設プロジェクト遂行にあたっては、日立の原子力事業のパートナーである米国GEおよびGE日立ニュークリア・エナジーとも連携します。さらに、日 立および日立GEは、本プロジェクトにおいて現地企業との協力関係も構築し、現地の産業における発電所の建設と運営の双方での雇用の創出にも貢献していき ます。

日立は、GEとの連携の下、安全性を高めた最新の技術を通じて、リトアニアおよび周辺協力国*2への電力の安定供給と経済発展に貢献していきます。
*1
ストラテジック・インベスター:原子力産業での経験を有する1社が選ばれ、本新規原子力発電所建設プロジェクトに対して、出資を伴うプロジェクト受注に向けた優先交渉権をもつ。
*2
周辺協力国:エストニア共和国、ラトビア共和国およびポーランド共和国の国営電力会社がビサギナス原子力発電所建設プロジェクトに参画予定。
続きを読む

(2)日立GEニュークリア・エナジー(株)HP 「ニュースリリース」のページ http://www.hitachi-hgne.co.jp/news/index.html (2011年10月27日閲覧)(一部を抜粋)

2011年09月21日
GE日立ニュークリア・エナジー、ポーランドの原子力発電プロジェクトにおいて米国のエンジニアリング会社と提携(GE日立ニュークリア・エナジープレス)
 
2011年09月16日
世界の主要原子力企業が行動原則を採択
2011年09月06日
GE日立ニュークリア・エナジー、ポーランドの大学と共同で、人材教育に関する協力体制を構築(GE日立ニュークリア・エナジープレス)
2011年08月26日
カナダ サスカチュワン州と日立が放射線医療分野における共同研究開発に関する覚書を締結
2011年08月01日
GE日立ニュークリア・エナジー、ポーランド初の原子力発電所建設プロジェクトへの協力に向けポーランド企業のネットワークを拡充(GE日立ニュークリア・エナジー プレス)
2011年07月25日
東南アジアにおける原子力エネルギー分野の人材育成プログラムを開始

(抜粋終わり)

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2011年11月11日投稿

(ロイター)リトアニア、日立連合の原発建設で年末までの契約締結目指す (11月11日(金)14時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111111-00000249-reu-int (2011年11月11日閲覧)(全文転載)

 [ビリニュス 10日 ロイター] リトアニアのセクモカス・エネルギー相は、同国のビサギナス原発建設プロジェクトで、政府が日立製作所 <6501.T>・米ゼネラル・エレクトリック(GE)<GE.N>連合と今年末までの契約締結を計画していることを明らかにした。同地のエネルギー関連 会議で語った。

セクモカス・エネルギー相と同じ会議に出席していた日立GEニュークリア・エナジーの齊藤荘蔵取締役会長は、同相が示した合意期限が可能かとのロイターの問いに対し、「そう期待する」と答えた。

一方で、セクモカス・エネルギー相は、原発建設で提携する近隣国がもっと時間を必要とする場合、出資者と利権に関わる契約締結は2012年初めにずれ込む可能性がある、との考えを示した。

ラトビアとエストニアはすでに原発建設プロジェクトに関心を示しているが、独自で原発建設を計画しているポーランドはまだ最終決定を行っていない。

計画では、各パートナーは出資割合に応じて原発から原価で電力供給を受け、市場での売電もできる。

同計画のプロジェクト会社ビサギノ・アトミネ・エレクトリネ(VAE)のRimantas Vaitkus最高経営責任者(CEO)は「原発自体は非営利ベースで稼働する予定だ」と語り、総建設費は50億ユーロを下回るとの見方を示した。

齊藤取締役会長は「価格について推測はしたくない。依然交渉中だ」と語った。

リトアニアは、日立が改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の提供だけでなく、プロジェクトへの出資に関わることも望んでいる。

同氏は、計画している出資額の公表は避けたものの、「明らかに、われわれは50%以上を占めていない」と述べた。


(転載終わり)
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 2011年12月24日投稿

(1)(読売新聞)日立、リトアニアの原発建設で仮契約(2011年12月23日20時15分) http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111223-OYT1T00514.htm(2011年12月24日閲覧)(全文転載)

日立製作所は23日、リトアニア北東部で計画されているビサギナス原子力発電所の建設について、リトアニアのエネルギー省と仮契約を結び、暫定合意したと発表した。

来年2月中旬に最終的な契約を結ぶ予定だ。

ビサギナス原発は、2020年の運転開始を目指している。日立は21日に、リトアニアのエネルギー省に対して原発建設で導入する技術について詳細を報告し、承認を得たことで仮契約に至った。

日立は今後、ラトビアなど周辺国を交え原発建設への出資額などを協議する。日立は今年7月中旬、最新型で出力も大きい改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の建設で、優先交渉権を獲得していた。
(2011年12月23日20時15分  読売新聞)
(転載終わり)

(2)(asahi.com) 日立、リトアニアと原発建設の仮契約締結 (2011年12月23日23時49分)
 (2011年12月24日閲覧)(全文転載)

  日立製作所は23日、リトアニア政府が建設を計画中のビサギナス原子力発電所の建設受注に向け同国と仮契約を結んだと発表した。今後、ラトビア、エスト ニアを加えて共同出資のプロジェクト会社をつくり、来年2月の基本合意を目指す。正式に契約できれば日立が海外から原発建設を受注する初のケースとなる。
(転載終わり)

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