Sunday, September 11, 2011

II.A.8. 黒塗りにした文書を提出する

例)東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」のほとんどを真っ黒に塗りつぶし、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出していたことが9月7日、分かった。12ページ中9ページ分は全て塗りつぶされ、読み取れるのは全部足しても十数行。

(1)(共同通信) 東電、真っ黒な手順書でも秘密? 衆院委に提出 (2011年9月7日 19時52分 (2011年9月7日 19時58分 更新)
 http://www.excite.co.jp/News/science/20110907/Kyodo_OT_MN2011090701001014.html (2011年9月11日閲覧)(太字は投稿者)

東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」のほとんどを真っ黒に塗りつぶし、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)に提出していたことが7日、分かった。同委員会が「事故原因の徹底的検証に必要」と提出を要求していた。東電が提出した手順書は12ページ知的財産や核物質防護上の問題として9ページ分は全て塗りつぶされ読み取れるのは全部足しても十数行

(2)(しんぶん赤旗)東電 黒塗り手順書 原発事故発生時の運転操作 過酷事故への対応は未提出 (2011年9月8日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-09-08/2011090815_01_1.html (2011年9月11日閲覧)(太字は投稿者) 

東京電力が作成した福島第1原発事故発生時の運転操作手順書の内容の一部が7日、明らかになりました。2日に開かれた衆院科学技術・イノベーショ ン推進特別委員会の理事会に、経済産業省原子力安全・保安院が提出したもので、同委員会の川内博史委員長(民主党)が公表しました。会見には日本共産党の吉井英勝衆院議員が同席しました。手順書はほとんどの部分が黒塗りされています。

手順書には、原子炉を緊急停止した後の圧力調整や格納容器の冷却原子炉の冷却装置の使用などについて、当直長や運転員の操作内容が書かれています

「原子炉圧力調整」の項目では、当直長が「SRV(逃がし安全弁)による原子炉圧力制御指示」を行い、操作員が「原子炉圧力上昇時は、SRVを順 次『手動開』又は非常用復水器使用により、原子炉圧力『■MPa(メガパスカル)』~『■MPa』に維持実施、報告」するなどとあります。(■は黒塗り部分)

提出された手順書は津波後の過酷事故への対応を含んでいなかったため、理事会は過酷事故発生時の手順書を改めて7日に提出するよう求めていましたが、東電は知的財産が含まれることや核物質防護を口実にして提出を拒んでいます理事会は改めて提出を求め、12日に同委員会を開催する方向で調整が進んでいます

吉井氏は「東電は加害者としての責任をどう考えているのか。東電に知的財産を理由に非公開を求める資格はない。全交流電源喪失での過酷事故を想定した手順書が本当にあるのかも疑わしい事態だ」と話しています。

解説

全容解明へ 検証必要

事故時における運転操作手順書は、事故原因を解明するうえで不可欠なものです。

今回、福島第1原発は地震・津波によって電源が失われ、原子炉の冷却が不能になりました。原子炉への注水やベント操作(原子炉格納容器の圧力を下げるためにガスを逃がす操作)など、対応の遅れが事故の拡大につながったという見方があります。電源喪失時の操作が手順書で想定されていたのか、実際の対 応はどうだったのかなど検証が必要です。

東京電力が、過酷事故発生時の手順書の国会提出を拒んでいることは、言語道断です。

政府や電力会社はこれまで、過酷事故は「わが国では起こりえない」などとして対策を怠ってきました。

過酷事故(シビアアクシデント)は、原子炉の暴走や冷却材喪失などによって炉心の核燃料が損傷するような重大事故です。過酷事故に至った場合の 「アクシデントマネジメント」については、1992年に指針が策定されて以来見直されず、電力会社の自主的取り組みとされて法規制の対象としてきませんで した。そのため、経済産業省原子力安全・保安院は、電力各社の過酷事故時の運転操作の内容を把握していないと説明しています。

しかし、事故の重大性を考えるなら、手順書は、一企業の社内文書として公開を拒むことは許されません。全容を国民の前に明らかにし、今後の教訓としなければなりません。(中村秀生)

(3)東電、事故時の黒塗り手順書を提出(2011年9月11日閲覧)


(4)愛川欽也 パックイン・ジャーナル 20110910 4/92011年9月11日閲覧)
 この問題についての、元東芝原子炉格納容器設計者の後藤政志さんのコメントが、9:40頃からあります。


愛川欽也 パックイン・ジャーナル 20110910 5/9


(5)[動画―9月12日追加]  2011/9/12 CNIC Ust 後藤政志氏解説
「この後に及んで技術情報を出さない東電という会社」(2011年9月12日)
http://www.ustream.tv/recorded/17228787 (2011年9月12日閲覧)

[9月12日追加] 
東京電力は、9月12日、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会理事会で「1号機運転操作手順書(シビアアクシデント)」の表紙と目次(A4判計3枚)を開示した。目次の序文など50行のうち48行が黒塗りにされた手順書は非公開の同委員会理事会で委員に配られたが、内容についての説明はなく、会議後回収された。一方、経済産業省原子力安全・保安院がこの日の同委員会理事会で、原子炉等規制法などによって手順書の開示命令ができるという初めての説明をした。これを受けて、同委員会は経済産業相に対し、初めて原子炉等規制法に基づいて開示命令を出すように請求した。

(1)(asahi.com) 50行中48行黒塗り 東電、国会に原発事故手順書提出 (2011年9月12日20時54分)
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY201109120347.html (2011年9月12日閲覧)(太字は投稿者)

福島第一原発の事故で、東京電力は12日衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)の求めに応じて、過酷事故に対処する手順書の一部を開示した。ただ、「機密」などを理由に、開示したのは黒塗りにした表紙と目次だけ。委員会側は事故の解明に支障をきたすと反発し、同日、東電を所管する経済産業相に対して、法に基づき東電に資料提出を命じるよう要請した

東電が開示した資料は、「1号機運転操作手順書(シビアアクシデント)」の表紙と目次で、A4判計3枚。12日、保安院を通じて、非公開の同委員会理事会で委員に配られた

川内委員長によると、手順書は2003年7月1日に作成され、今年2月1日に改定されたと記されていた。目次の序文など50行のうち48行が黒塗りにさ れ、その場で回収された読めた単語は「消火系」「不活性ガス」だけ。委員からは、「資料開示に応じないのははなはだ遺憾」などと批判が出たという。

東電の松本純一・原子力・立地本部長代理は12日の会見で、大半を非開示とした理由について「手順書は社内の文書なので一般公開するものではない。知的財産、核物質防護上の面もある」と説明した。

同委員会は8月26日、過酷事故の手順書を提出するよう保安院を通じて要請東電は9月2日に「事故時運転操作手順書」などを提出したが、「知的財産が含まれる」「安全確保・核物質防護上の問題が生じるおそれがある」として大半は黒塗りだった

しかも過酷事故の手順書は開示せず、同委員会が再び提出を要請東電が開示を拒否したことから、「不十分・不誠実」として提出を再要請していた

(2)(毎日新聞)福島第1原発:東電、過酷事故発生時の手順書も黒塗り (2011年9月12日 19時36分(最終更新 9月12日 21時27分))

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110913k0000m040058000c.html (2011年9月12日閲覧)

東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒塗りして開示した問題で、再開示を要求していた衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)は12日同社が別の「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」でもほとんどすべてを塗りつぶして開示したことを明らかにした。

一方、経済産業省原子力安全・保安院がこの日の同委員会理事会で、原子炉等規制法などによって手順書の開示命令ができるという初めての説明をした。このため、同委員会は経済産業相に対し、初めて同法に基づいて開示命令を出すように請求した。開示請求は通算4回目。

理事会では、保安院と東電幹部がシビアアクシデント手順書を持参して説明した。資料は表紙と目次のA4判3枚で、目次50行のうち開示されたのは 「消火系」と「不活性ガス」と書かれた2行のみ両者から内容についての説明はなく東電は会議後に資料を回収し、「核物質防護と知的財産上の問題」と説明したという

川内委員長は「これだけの事故を起こしておいてまったく資料開示に応じないのは遺憾。保安院も法的権限があるのを知りながら、これまで何もしていなかったということで理事からも怒りの声が上がった」と話した。

一方、この日の会見で東電は「あくまで運転操作にかかわる手順書は社内文書一般的に公開するものではないと考えている」としている。【関東晋慈】

毎日新聞 2011年9月12日 19時36分(最終更新 9月12日 21時27分)


 

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