Wednesday, October 26, 2011

IX.5.原発輸出への動きが活発化

自民党政権下の1970年代から、日本企業は原発用の機器などの輸出を行ってきた。また、自民党政権末期の2009年6月、経済産業省が、「新規に原子力発電導入・拡大を検討する国からの、国を挙げての協力要請に応えるため、原子力分野で専門的知見を有する我が国関係機関の総力を結集し、効果的かつ効率的な国際協力の実施を目指」して、「国際原子力協力協議会」を設立した。

2009年9月に成立した民主党政権は、その流れを更に推し進め、原子炉建設だけでなく、運転や保守、燃料確保、低利融資までセットにして輸出する「丸ごと輸出」を経済成長戦略のひとつとして位置づけ、積極的に推進していた。が、2011年3月11日の東電福島第一原発事故でその勢いが一時的に鈍る。だが、財界や経産省の輸出推進派は、収束の「しゅ」の字も見えないまま無残な姿をさらしつづける東電福島第一原発の現状もものかは、「世界の趨勢は原発推進」という自信は揺らいでいないようだ。(下の、【推進派の現状認識】を参照) 現に、7月半ばには、リトアニアの原発入札で、日立が優先交渉権を獲得。他国に遅れをとるのでは、というあせりを背景に、8月に入って菅前首相の辞任が明らかになると、原発メーカーも外務省、経産省などの関係省庁も原発輸出に向けた動きを活発化させた。

その動きに棹をさすかのように、9月22日に野田新首相が国連で原発輸出継続を表明。9月末には、リトアニアのエネルギー相が来日して枝野経産相と会談。枝野氏はさらに、10月19日、パリでトルコのエネルギー天然資源相と会談し、昨年12月に日本が受注の優先交渉権を獲得したトルコの原発建設計画について、交渉の継続を要請した。さらには、9月末、日本原子力発電と国際原子力開発(JINED)が相次いでベトナム電力公社との調査契約(原電)と建設覚書(JINED)を結んだ上、10月25日にはベトナムの副首相が、原子力発電所2基の建設について日本との政府間合意を締結する方針を表明するなど、ここに来て原発輸出推進の動きが活発になっている。

(1)(asahi.com) 原子力協定、交渉ペースダウン 福島第一の事故影響(2011年4月26日20時28分) http://www.asahi.com/politics/update/0426/TKY201104260395.html?ref=reca (2011年10月26日閲覧)

(全文転載)

外務省は26日、原発の輸出に必要な「原子力協定」について、日本が交渉中のインド、トルコ、ブラジル、南アフリカの計4カ国との交渉ペースが、福島第 一原発事故の影響で落ちていることを明らかにした。内閣府原子力委員会の定例会後、報道陣に説明した。ただし「交渉の凍結や中断はない」としている。

原子力協定は、原子力関連機材や技術を輸出入する際、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れなどを相手国に確認するルールの一つ。核物質の軍事転用を防ぐ意味があり、協定を結ばない国には輸出できない。

すでに署名が済み、国会に承認を求めている韓国、ベトナム、ヨルダン、ロシアについては相手国からの見直し要求はないという。

菅政権はこれまで積極的に原発輸出を進めてきた。昨年10月には官民一体の売り込みでベトナムから原発2基の受注にめどをつけると同時に、原子力協定の交渉も進めていた。

(転載終わり)

(2)(asahi.com) 原発輸出で政権内温度差 首相は見直し姿勢だけど… (2011年7月22日0時0分) http://www.asahi.com/politics/update/0721/TKY201107210698.html?ref=reca(2011年10月26日閲覧)(全文を転載)(太字は投稿者)

図:原発輸出をめぐる発言拡大 原発輸出をめぐる発言

 菅直人首相は21日の参院予算委員会で、原発輸出推進の政府方針を将来的に見直す考えを示した。ただ枝野幸男官房長官はこれに慎重姿勢を示し、海江田万里経済産業相も輸出に積極姿勢を示すなど、政権内で認識の違いが出ている。

野 党は、首相の「脱原発」発言と、政権の原発輸出推進政策との整合性を追及。首相は答弁で「今回の(原発)事故を受けてより安全性を高めて進めていく考 えをベースにしているが、もう一度きちんとした議論がなされなければならない段階にきている」と述べた。ただ、首相自身がトップセールスで受注したベトナ ムへの原発輸出については、「外交交渉の現状に留意しつつ、相互の信頼を損なわないように対応していきたい」と述べ、中止に慎重な姿勢を示した。

野党側は、首相が「脱原発」会見翌日の14日にトルコのエルドアン首相に出した総選挙勝利の祝電で、原発輸出に言及していることも指摘。これに対し、首相は「親書でいろいろな分野で協力の進展を期待すると伝えた。案件には原子力も入っている」と認めた。

枝野氏は21日の予算委でベトナムへの原発輸出について、「国際間の信頼関係を損なわない、従来のお約束はしっかり守っていくことが前提だ」と、外交手続きが進む輸出は継続させる方針を表明。さらに会見では首相答弁について「(原発輸出の)見直しを示唆したとは受け止めていない」とした。外務省では「枝野発言が政府の方向性だ。政策の見直しは当面必要ない」(幹部)との受け止めが広がっている。

(転載終わり)



(3)(asahi.com) 原発輸出、当面は継続方針 内閣が閣議決定 (2011年8月5日11時15分) http://www.asahi.com/politics/update/0805/TKY201108050150.html?ref=reca (2011年10月31日閲覧)(全文転載)  

菅内閣は5日、「諸外国が我が国の原子力技術を活用したいと希望する場合には、世界最高水準の安全性を有するものを提供していくべきだ」として、当面は 原発輸出を継続するとの方針を記した答弁書を閣議決定した。自民党の小野寺五典衆院議員が質問主意書で見解をただしていた。

答弁書は「我が国の原子力技術に対する期待は、引き続き、いくつかの国から表明されている」と記した。菅内閣はヨルダンやロシア、韓国、ベトナム各国との間で原発輸出に際し締結する原子力協定の承認を今国会で求めており、答弁書でも「外交交渉の積み重ねや国家間の信頼を損なうことのないよう、引き続き承 認をお願いしたい」と明記した。

菅直人首相は東京電力福島第一原発の事故を受け将来的な原発輸出見直しに言及しているが、答弁書では長期的な方針について「事故原因の調査や国際原子力機関(IAEA)の検討を踏まえつつ、できるだけ早い時期に我が国としての考え方をとりまとめる」と記すにとどめた。
(転載終わり)

(4)(asahi.com) 原発輸出の親書、大臣名に格下げ 菅首相が作成応ぜず(2011年9月11日3時3分) http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY201109100593.html?ref=reca (2011年10月26日閲覧)(全文転載)

日本政府がベトナムに原発輸出を続ける考えを8月に伝えた際、当時の菅直人首相が同国首相あての親書作成に応じ ず、担当の経済産業相、外相の連名による 親書に「格下げ」されていたことがわかった。ベトナムへの原発輸出は菅氏が主導していたが、東京電力福島第一原発の事故を受けて「脱原発」に転じただけ に、難色を示したようだ。

政府関係者らによると、事故後にベトナムからの原発受注工作を強めた韓国を牽制(けんせ い)するため、海江田万里経産相(当時)らが日本の輸出継続の方針をベトナム側に伝える必要があると判断。菅氏にズン首相あての親書を作ることを提案した。しかし、菅氏は消極的な姿勢だったという。

(転載終わり) 

(4)『朝日新聞』2011年8月22日 朝刊 4面 「原発輸出へ官も民も メーカー、海外一層重視」



(以下、記事全文を Nuclear F.C : 原発のウソ様のブログより転載させていただきました。文字の色は全て黒に戻し、下線強調も変更させていただきました。) http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/4572283.html (2011年10月26日閲覧)

8/22 原発輸出、再始動 メーカー、海外一層重視

東京電力福島第一原発事故の影響で滞っていた原発輸出が動き始めた。原発メーカーや経済産業省は国内で原発への抵抗感が強まる中、海外輸出に活路を求める。「脱原発」の急先鋒(きゅうせんぽう)だった菅直人首相の辞任も決まり、勢いづいている。

2011071799085427 7月中旬。東欧リトアニアの原発入札で、日立製作所が米ゼネラル・エレクトリックとともに東芝傘下の米ウェスチングハウスを抑え優先交渉権を得た。中西宏明社長が現地に乗り込み、アピールした成果だ。

事故後、国内では原発の新規建設が難しくなった。東芝、日立、三菱重工業の原発メーカーは、輸出をますます重く見始めている。
 各社は海外の原発需要を「中長期的には堅調」(日立の中西社長)とみる。電力需要が急増する新興国で原発への期待は強い。事故後、計画を明確に凍結したのはインドネシアやタイぐらい。経産省も「2020年の世界の原発市場は年16兆円」とした昨年の予測を変えていない。
「電源喪失しても原子炉を24~72時間冷却できる」(東芝)と説明。福島の事故を受けて各国が強化する安全基準を満たす設計にして売り込む。

TKY201108020707  それだけに原発輸出への政権の煮え切らぬ姿勢に大手幹部は不満げだ。「リトアニアと違い、大国相手では国と国の交渉。官民ががっちり組まないと」。交渉の司令塔役となる政府の役割は不可欠とみる。
ただ、民間側の「オールジャパン」態勢もきしむ。

「海外輸出は一切考えていない」。東電の西沢俊夫社長は9日の決算発表で断言した。事故の収束と賠償に集中するためだ。

原発の受注獲得に電力会社は欠かせない。新興国は原子炉建設だけでなく、運転や保守、燃料確保までセットで求める。運転を担う電力会社は原発メーカーと並ぶ輸出戦略の両輪だ。

だが、東芝が目指すトルコへの原子炉輸出は、 東電が運転支援を担う予定だったため黄信号がともる。「日本と交渉を続けたいが、原発の運転支援はどこがしてくれるのか」。トルコ政府高官は7月末、日本 から派遣された経産省幹部にこんな不安を語った。トルコは別の運転事業者を選ぶよう求めており、その作業が遅れればフランスや韓国などとの交渉に乗り換える可能性も出ている。(小暮哲夫、大宮司聡)

■国内は原発減らし海外には売る  二重基準、次期政権に宿題*
 菅首相が衆院財務金融委員会で「新しい代表が選ばれた時は総理を 辞する」と明言した10日。その1階下にある部屋で開かれていた外務委員会で、日本・ヨルダン間の原子力協定の審議が始まった。協定は3月にまず参院で可決され、4月に衆院で可決・成立する予定だったが、原発事故で遅れていた。「なにとぞ承認を」。松本剛明外相は深々と頭を下げた。

日本政府はこれまで米国など7カ国1地域と協定を締結しており、今国会は4カ国との承認を目指す。31日の会期末までにすべてを可決するのは厳しい情勢だが、松本外相は「日本の技術は多くの国から注目されている」と意欲的だ。

民主党政権は震災まで原発輸出に積極的だった。新成長戦略の柱に原発を位置づけ、官民一体のインフラ輸出戦略を描いた。政権交代から1年半の間に韓国な ど4カ国との協定に次々署名。さらに5カ国と交渉に入った。首相も自らベトナムとの協定を主導し、1月の施政方針演説で「私自ら働きかけ、原子力発電施設 の海外進出が初めて実現した」と胸を張っていた。

 ところが、3月の震災で状況が一変。首相は「原発依存からの脱却」へと舵(かじ)を切り、政府交渉や国会審議が全面ストップ。政権内では「輸出は一度立ち止まらないといけない」(玄葉光一郎国家戦略相)との声が相次ぎ暗礁に乗り上げた。
 
 動かぬ状況に危機感を覚えたのが、松本外相と枝野幸男官房長官だ。菅政権は8月上旬、「外交交渉の積み重ねや信頼を損なうことのないよう留意し進めていく」との答弁書をまとめた。首相は輸出維持の方針を書くことに「かなりごねた」(周辺)というが、2人が説得した。

 国内で原発を減らす一方で海外には売る「ダブルスタンダード」には批判も多い。「次の総理に宿題は残った。原発政策への立ち位置が問われる」。閣僚の一人は語る。(冨名腰隆)

◇
 〈原子力協定〉 平 和利用を前提に核物質や原子力機器などを移すため、国や国際組織間で結ぶ法的枠組み。国 際原子力機関(IAEA)の査察受け入れや第三国への移転規制を定めた協定に政府が署名し、国会が承認する。日本企業は自民党政権下の1970年代から圧力容器などの機器を輸出。民主党政権は原発全体の建設を担う「丸ごと輸出」を推進。今国会提出のベトナムが初のケースだ。
朝日新聞:2011年8月22日 

(転載終わり)

*投稿者注:この小見出しは、新聞記事のとおりに書き直しました。

(5)(asahi.com)前原・民主政調会長、原発輸出に推進姿勢(2011年9月21日23時24分) http://www.asahi.com/politics/update/0921/TKY201109210660.html?ref=reca (2011年10月31日閲覧) 

(asahi.com掲載の全文を転載。太字は投稿者)

写真:インタビューに答える民主党の前原誠司政策調査会長=21日午後、東京・永田町の衆院議員会館、堀英治撮影拡大インタビューに答える民主党の前原誠司政策調査会長=21日午後、東京・永田町の衆院議員会館、堀英治撮影
 民主党の前原誠司政策調査会長は21日、朝日新聞などのインタビューに応じ、「日本の原発の安全性に対する信頼は揺らいでいない。輸出はしっかりやるべきだ」と述べ、野田政権でも原発輸出を引き続き推進する考えを示した。 

前原氏は菅内閣の外相当時、ベトナムなどへの原発輸出を進めた。東京電力福島第一原発の事故を踏まえ、「より安全性を高める機運は高まっている。事故の原因究明、再発防止策でしっかりと技術を高め、世界に広げる責務がある」と指摘した。 

また、国民新党が東日本大震災の復興財源に盛り込むよう求める日本郵政株の売却について「将来の売却益を償還財源に充てる」と語り、民主党案では将来的な税外収入として位置づけるものの、具体的な金額は示さない考えを示した。

→続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます。

(転載終わり)
(6)原子力安全及び核セキュリティに関する国連ハイレベル会合 野田総理大臣スピーチ  平成23年9月22日 ニューヨーク
首相官邸HPより http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201109/22speech.html
(2011年年10月13日閲覧)

(以下、スピーチのなかの、10.のみを抜粋。太字は投稿者) 

10.日本は、原子力利用を模索する国々の関心に応えます。数年来、エネルギー安全保障や地球温暖化防止のため、新興諸国を始め、世界の多くの国々が原子力の利用を真剣に模索し、我が国は原子力安全の向上を含めた支援をしてきました。今後とも、これらの国々の我 が国の取組への高い関心に、しっかりと応えていきます。

(7)(読売新聞)首相、菅流「脱原発」を次々修正…輸出政策継続 (2011年9月24日10時32分) http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110924-OYT1T00271.htm (2011年10月26日閲覧) (全文転載)

野田首相が菅前首相の「脱原発」路線の修正に踏み出した。

持論の財政健全化実現への「車の両輪」にすえる日本の経済成長には、原子力発電の活用による電力の安定供給が不可欠だとの思いがあるようだ。

22日、ニューヨーク・国連本部での「原子力安全に関する首脳級会合」で演説した首相は、「多くの国々が原子力利用を真剣に模索し、わが国は支援をしてきた。今後とも高い関心にしっかり応える」と述べ、海外への原発輸出政策を継続する意向を表明した。

訪米直前の20日に受けた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューでは、再稼働の目標時期を明言した。立地県の理解と安全確認の徹底 を条件にしながらも、「来年春以降、夏に向け、再稼働できるものは再稼働していく」と強調し、完成が近い建設中の原発についても稼働の可能性に言及した。

(2011年9月24日10時32分  読売新聞)

(転載終わり)

*記事中の「野田首相と菅前首相の原発政策 」の画像はこちらから→http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110923-OYT9I00736.htm

【参考資料】

(1)外務省HP 「原子力関連条約」のページから「二国間協定」を抜粋 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/topics/jyoyaku.html(2011年10月26日閲覧)

(転載はじめ)

原子力関連条約  平成23年6月

2.二国間協定

二国間原子力協定は,特に原子力の平和的利用の推進と核不拡散の観点から,核物質,原子炉等の主要な原子力関連資機材及び技術を移転するに当たり,移転先の国からこれらの平和的利用等に関する法的な保証を取り付けるために締結するものです。

近年、原子力発電の拡充及び新規導入を計画する国が増加しており,多くの国が原子力発電の分野で高い技術を有する我が国との間での原子力協定の締結を希望しています。

我が国は,米国,英国,カナダ,豪州,中国,フランス,カザフスタン及び欧州原子力共同体(ユーラトム)との間で原子力協定を締結しています。また,ロシア,ヨルダン,韓国及びベトナムとの間で原子力協定に署名を行っています。

現在,インド,南アフリカ及びトルコとの間で原子力協定の締結交渉中です。

(転載終わり)

(2)国際原子力協力協議会 (2009年6月18日設立)

 経済産業省HP 「国際原子力協力協議会(第1回)-議事要旨」ページ http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004596/index01.html (2011年10月27日閲覧)

経済産業省 「国際原子力協力協議会の設立について」( 平成21年6月18日 )  http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo23/siryo2-2.pdf

(3)国際原子力開発株式会社(略称:JINED)                     2010年10月設立    (英名:International Nuclear Energy Development of Japan Co., Ltd.)   http://www.jined.co.jp/  

2010年10月22日 「国際原子力開発株式会社」の設立登記のお知らせについて(日本語版)

(4)(Eco Japan)電力9社と機器メーカー3社など、「国際原子力開発」を設立し海外向け包括提案 (2010年10月19日) http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20101019/105028/(2011年10月26日閲覧)

(全文転載)(太字は投稿者)
東京電力をはじめ電力9社、東芝など原子力発電設備メーカー3社と産業革新機構の計13社は、原子力発電を新たに導入する国を対象に原発プロジェクトに 関して包括的に提案する新会社「国際原子力開発(JINED=ジーネッド)」を10月22日に設立する。まずベトナムで計画中の原発プロジェクトの受注に 向けて活動していく。

設立には、東京、関西、中部、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州の電力会社9社、東芝、日立製作所、三菱重工業の設備メーカー3社と、官民が出資する投資ファンドの産業革新機構の合計13社が参加する。資本金1億円、資本準備金1億円で、出資比率は東電が20%、関電15%、中電10%、産業革新機 構10%と、残り9社が5%ずつとなる。社長には、東電の武黒一郎フェローが就任する予定。

国際原子力開発は、新規に原発を導入する 国 の要望を受け、電力各社や設備メーカーなどと協議して提案を取りまとめたうえで、それぞれの国に合った原発プ ロジェクトを提示する。参加各社のこれまでの経験を生かしながら発電所の建設や運転保守の技術、人材育成のノウハウなどを包括的に提案し、受注につなげ る。

当面は、経済産業省をはじめとした関係機関とベトナム・ニントゥアン省の原発の建設、人材育成の計画提案を進める。日本政府は、原発導入国を支援すると ともに新規案件を提示し、国際原子力開発を窓口に官民が一体となった受注体制を構築していく。インフラ輸出を成長戦略に掲げる日本政府は、国際原子力開発によって原発関連の競争力を高め、海外展開を促進する。(日経BP環境経営フォーラム)

▼関連情報

(転載終わり)

【原発推進派の現状認識】

(1)(日経新聞)原発事故に水を差された「原子力ルネサンス」 日本エネ研の村上氏に聞く
編集委員 滝順一
 (2011/4/27 7:00) http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A9C93819499E0E7E2E2888DE0E7E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E2E4E2E7E0E2E3E2E3E7E5E7 (2011年10月27日閲覧) 

(全文を転載)(太字は投稿者)

東京電力の福島第1原子力発電所の事故は、日本国内はもとより世界のエネルギー政策や地球温暖化対策に影響を与える。近年高まりを示してきた世界での原発新設ブームは終息するのか。日本エネルギー経済研究所の村上朋子・原子力グループリーダーは「福島の事故で世界各国の原子力政策が百八十度転換することはなさそうだ」と話す。

――世界的な「原子力ルネサンス」は、事故で水が差された形です。

「ルネサンスはそもそも世界一様の動きではなかった。各国それぞれであり、原発建設に積極的な国でここへきて方針を転換した国はない。もともと脱原発の傾向があった国では改めて脱原発の動きが強まった。事故を契機に政策が百八十度転換した国はない」

――ドイツをはじめ、欧州の動きがとりわけ急です。
日本エネルギー経済研究所原子力グループリーダーの村上朋子氏
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日本エネルギー経済研究所原子力グループリーダーの村上朋子氏 

「ドイツでは昨年来、やがて止めることになっていた既設原発の運転延長を決めるなど脱原発路線から政策転換の兆しがあった。しかし福島第1の事故で原発に反対する政治勢力が勢いを得て、『脱・脱原発』が頓挫した格好だ。イタリアも原発をやめて久しく、最近になって新設の動きが出てきていたが、これも無期延 期になった。もともと脱原発色の濃い国はもとの路線に戻ったということだ」

「欧州は事故に敏感に反応した。欧州共同体(EU)は域内の運転中の原発にストレステスト(安全性確認試験)をする。全電源喪失など福島第 1で起きたような事態を想定して、原発がそれに耐えうるかをシミュレーションする。5月にも各国の原子力規制機関の間で合意し、半年くらいかけて実施する という。それに先立って各電力会社はすでに自主的な安全確認を進めている。ストレステストは合格すれば稼働を続けるということで、原発利用の継続を前提に した措置だ」

――中国など新興国の動きは。

「新興国への影響は限定的だ。中国は原発を積極的に推進する立場には変わりがないと表明しており、建設中や、すでに計画が決定した原発の工事などは遅れもなく進んでいるようだ。ただ設置の可否を審査中だった原発については、審査をいったん止めている。このため2015年以降着工、20年ころ 完成を目指していた原発は予定に遅れが生じるだろう」

「インドも事故発生直後に路線を変えないと表明した。技術導入で世界から支援を受ける姿勢も変えないという。アラブ首長国連邦(UAE)や サウジアラビア、ヨルダンなど中東諸国、トルコも方針を変えていない。地震国トルコでは対岸のギリシャで反対運動が高まるなど、あつれきは増すかもしれな いが、方針が揺らぐとは思えない」

――米国や韓国は。

「米国もいわれるほどルネサンスではなかった。30基を超える新設の計画があったが、当の発電事業者の本気度はそれほど高くなかった。米政府は融資保証などで後押ししているが、事業者にとって魅力のあるインセンティブではないようだ。今回の事故の影響がはっきりと表れたのは、サウス・テキ サス・プロジェクト原発計画(テキサス州)で、東芝と組んでいた電力大手のNRGエナジーが撤退を正式に表明した」

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「韓国は3月下旬に原子力委員会を開き、国内の原発利用の方向に変化はなしと表明した。また輸出についても、狙っていたのが中東やトルコなど新設意欲が強い市場だったこともあって、基本路線に変更はない」

――国内ですが、福島第1の1~4号機について東電は廃炉の方針を示しました。5、6号機や福島第2原発の将来をどうみますか。

「福島第1の5、6号機や福島第2の原子炉はほとんど無傷と聞いており、技術的には再稼働できる。しかし政治的・社会的情勢はなかなか難し いと言わざるを得ない。中部電力がかつて浜岡原発1、2号機の廃炉を決断したときは、長期の運転停止の後に最終的に採算がとれないとみて判断した経緯があ る。東京電力がすぐに明確な方向を打ち出すとは思えない」

――直接的に東日本大震災の影響を受けなかった原発はどうでしょうか。例えば、東電の柏崎・刈羽原発は中越沖地震後の修理や安全チェックのため7つ原子炉があるうち、3つが動いていません。夏の電力不足対策として動かしたいという意見もある。

「報道によると、柏崎市長がこの夏に起動させるのは無理だと話している。地元首長の意向は重いだろう」

「国内には現在、定期点検中か、点検が終わって調整運転中の原子炉が7つある。九州電力の玄海2、3号、中国電力の島根1号、関西電力の大飯3号と高浜1号、中部電力の浜岡3号、北海道電力の泊1号だ。これらで発電を開始できるかどうかが大きな課題だ」

「また近々検査入りするとみられる原子炉が、四国電力の伊方3号、関西電力の美浜3号の2つある。これもどうなるか。震災で福島第1、第 2、東北電力の女川など15基が動かなくなっており、さらにこれらの原発が定検後も稼働できないとなると、電力供給の面で深刻な事態になりかねない」

「原子力安全・保安院は3月末に、電源喪失時の対策として電源車の配備などを電力会社に求め、各社は実施を約束した。100%完璧な対策で はないかもしれないが、いますぐにできることとしては技術的には意味がある。津波から施設を守るため堤防を高くするなど中長期的な対策はこれから考え、実 施していかなければいけないが、応急的な手はうったといえる」

――6月にウィーンで開く国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合で原子力安全の国際基準を設ける議論が始まると聞いています。

「安全のガイドラインのようなものをつくる動きになるのではないか。具体的には、原発が全電源喪失や崩壊熱除去機能の喪失に耐え、安全を 確保するにはどうしたらよいのか議論し、世界共通の基準としていくことになろう。世界にとっては、津波が問題なのではない。全電源喪失はテロ攻撃でも起こ りうる。米国は9.11の同時多発テロ以降、重要機器を一度に破壊するようなテロ攻撃に備えて、訓練をし設備面での対応もしてきたと聞いている」

――ひとつの要因で多数の機器が壊れることを「共通要因故障」と呼ぶそうですが、中長期的には原発の安全基準に共通要因故障を考慮しなければならないのでは。

「それは原発の設計段階での対策になる。現在、共通要因故障をまったく考慮に入れていないわけではないが、要因が非常に大きく取り込みが難 しい。例えば、日本の原発は余分な熱を排出する最終的なヒートシンク(熱の捨て場)を海にしており、今回の事故で、津波という共通要因でこのプロセスに問 題が生じた。欧米のように巨大な冷却タワーを設けて河川と大気に熱を捨てることも論理的にはありうる。しかし既設の原発で冷却タワーを建てる余裕があるのか。既設原発の設備配置などを大幅に変えるのは容易ではない」

――事故後の動きで、フランスのアレバなど欧州企業に廃炉や汚染処理の技術があることに気づかされました。

「欧州は汚水処理や除染にノウハウがある会社が多い。60年代に建てた古い炉が廃止措置になっており、その処理にあたった経験がある。日本企業はそれに比べ経験値が低い。アレバやシーメンス、スタズビック(スウェーデン)などにとっては福島事故は大きなビジネスチャンスになるだろう」 

<取材を終えて>
村上さんによると、中国やインドなど新興国が原子力依存を強める動きは、福島第1原発の事故があっても大筋で変わらない。日本国内も原発を動かさずに電気を安定して供給することは難しそうだ。むしろ事故を契機に、多数の原発の運転が止まると電力危機を招きかねない。
ただこれは当面のこと。長期的に見れば、日本が原子力への依存を減らしていくことは決してできないことではない。この点は当面の電力不足対策とは別に、国民的な議論が必要だろう。
また、この夏の電力不足を招来しないため、応急的な安全対策で既設原発の運転を続けることは必要だろうが、安全策が本当に機能するのかどうか、検証はきっちりやっておかなければいけない。
(転載終わり)

投稿者注: (財団法人)日本エネルギー経済研究所 http://eneken.ieej.or.jp/

(2)(SankeiBiz)原発商談 「日本外し」加速 韓国、受注奪取へ越に親書 (2/2ページ)(2011.7.27 05:00) http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110727/mca1107270502002-n2.htm (2011年10月27日閲覧)

 (最後の2パラグラフを転載)(太字は投稿者)
トルコなど新興国は、自前のエネルギー源としての原子力への期待が依然高く、「これまで原発の技術開発を主導してきた日本が、今度は原発の安全性 向上に取り組むのは国際的な責務」(経産省資源エネルギー庁幹部)との思いが強い。だが、菅首相の「脱原発」発言が障害になり、経産省と官邸の調整も進ん でいない。
原発メーカーにも懸念が広がっている。日立製作所の川村隆会長は22日に軽井沢で開かれた経団連フォーラムで「震災後も海外か らは『質の高い原発がほしい』といわれている。菅さんが何と言おうと海外展開はやる」と強気の姿勢を強調した。だが、国内の原発関連メーカー首脳は「(菅首相の脱原発発言を)ベトナムやトルコの首相が聞いたらどう思うのか。原発輸出は国際公約なのだから、首相はもう少し考えて発言した方がいい」と憤る。

(転載終わり)

(3)2011年9月15日、BSフジ・プライムニュース

IEA(国際エネルギー機関)前事務局長の田中信男氏の発言:「世界は日本の脱原発を望んでいない。世界が日本に期待するのは、福島の教訓を世界に還元して、完全に安全な原発の実現に貢献することだ。」 「世界の国々の中でドイツやスイスのような脱原発は少数派。途上国も含め世界の趨勢は原発推進」。

(4)総合資源エネルギー調査会 総合部会 第1回基本問題委員会(2011年10月3日)
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/1th.htm

榊原定征・東レ会長:「最近欧州に行って向こうの経済人と話した。彼らが日本に期待するのは、福島の経験と教訓を生かして、原発の安全性を高める、進化させる、それを世界に示して提案していくことだ」

(5)「市民・科学者国際会議」(2011年10月12日)セバスチャン・プフルークバイル氏講演資料より

「原子力発電所はいかに安全かを、フクシマの原発事故が証明してくれる。」
 2011年9月, ロンドンで開かれた世界原子力協会(World Nuclear Association、略:WNA) の年間総会で。

投稿者註:世界原子力協会(WNA)は、原発のグローバル化を推進する国際業界団体。1975年にロンドンに設立されたウラン研究所(Uranium Institute)を前身とし、2001年に現在の名称に。原発産業に関するニュースを発信するWorld Nuclear News (WNN), 原発産業界のリーダーを養成するWorld Nuclear University、世界の原発産業で働く女性を支援するWomen-in-Nuclear (WiN)、「放射性物質の、安全で、効率がよく、信頼のおける輸送」を専門とするWorld Nuclear Transport Institute (WNTI) などと連携している。

(5)推進派の見方がよく出ている産経新聞の記事

(msn産経ニュース)日本の原発 信頼揺るがず ベトナム、トルコ耐震性評価 (2011.6.16 22:50) http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110616/biz11061622520037-n1.htm (2011年10月27日閲覧)

 (全文転載)(太字は投稿者)

東京電力福島第1原子力発電所の事故後も、耐震性を中心に、日本の原発技術に対する新興国の信頼は揺らいでいない。一部先進国で脱原発の動きが強まるものの、経済成長を支える安定的な電力供給へのニーズを背景に、原発導入を計画する国は拡大し ている。政府は、東日本大震災後の国内経済の立て直しにもつながる原発輸出戦略を引き続き推進していく考えだ。

「これまで通り連携」

「脱原発に向かっているのは元から原発に懐疑的だった国。多くは日本に期待してくれている」。資源エネルギー庁幹部は、福島第1原発事故後の世界の原発ニーズをこう分析する。

昨年10月に日本と原発建設で合意したベトナムのハイ副首相は5月下旬、東京で海江田万里経済産業相と会談し、「これまで通り日本との連携を進めていく」と表明した。トルコやヨルダンも日本との原発交渉を継続する方針だ。

これらの国が日本に期待するのは、日本の原発がフランス、ロシア、韓国など地震の少ない国の原発に比べ、耐震性などの基準が高いと評価しているからだ。特に、日本と同じ地震国のトルコやヨルダンの信頼は厚い。

増大する需要

新興国には「大量の化石燃料が必要な火力発電だけでは、電力需要に追い付かない」(資源エネルギー庁)事情がある。日本エネルギー経済研究所の村上朋子・ 原子力グループリーダーは「東欧では、エネルギー源のロシア依存から抜け出そうという安全保障上の理由からも、原発志向が強まっている」と話す。

日本の原発関連企業も、動きを再開した。日立製作所は1日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)との合弁会社がリトアニアの原発計画に応札したと公表した。この計画には、東芝も米子会社が応札している。

三菱重工も、平成26年度に原子力事業の受注額を6千億円に拡大するという目標を維持し、今後は全体の6割を海外で稼ぐとしている。

国際的な責任

先進国ではドイツ、イタリア、スイスなどで脱原発の動きが進む。ただ、米国、フランスといった原子力大国や、電力不足に悩む中国やインドは原発推進の姿勢を変えていない。「世界的にみれば安全性を確認しながら原発を利用していく国が圧倒的多数」(村上氏)だ。

日本が原発輸出を控えれば、代わりに中国やロシアの原発が増える。経産省には「安全な原発の普及は日本の国際的な責任」との声もある。しかし、事故後に東電が海外事業を縮小するなど、建設から運転・管理までサポートするソフト面での態勢が整わなくなっており、「原発を初めて導入する国のニーズにどう応える か」、新たな課題も浮上している。

(転載終わり)

(6)国際原子力機関(IAEA)などの推進派は、チェルノブイリやフクシマのような壊滅的な事故でさえも、原発の根本的な危険性の証明としてではなく、「より安全な」原発への「教訓」を引き出す「機会」としてとらえている。 

例)IAEAのプロモーション動画:Discover the IAEA [6:05 min] 23 February 2011

(動画のナレーションの日本語訳の一部を引用。強調は投稿者)

「IAEAは、核物質と放射性物質の安全性とセキュリティを高めるべく各国を支援しています。1979に米国のスリーマイル島で起きた炉心の一部溶融や1986年のチェルノブイリの惨事のような事故を防ぐために、原子力施設の安全基準を設定します。チェルノブイリ事故は、人間にとっての悲劇であると同時に、原子力産業全体にとって壊滅的な打撃でした。

原子力を止めるかに思われた事故は、逆説的にも、全世界を原子力の安全性の再検討に向かわせました。各国は、原子力の安全性は全世界の関心事であることを理解したのです。原子力発電への公衆の信頼を取り戻すために、国際査察団が原子力発電所を視察して安全性の再点検をし最良の実践についての情報交換をします。」

ナレーションの全文の日本語訳はこちらにあります。
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2011年11月6日投稿

(asahi.com) 国内は脱原発依存、でも輸出は推進 枝野経産相が明言 (2011年11月5日20時28分) http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY201111050392.html?ref=rss (2011年11月6日閲覧)

(記事冒頭を転載)

枝野幸男経済産業相は5日、東日本大震災後に停滞している原発輸出について、相手国から要請があれば輸出するべきだとの考えを明らかにした。都内の早稲 田大学で行った講演で、「わが国がいま持っている技術について海外の評価にこたえるのは、むしろ国際的な責任だ」と語った。

枝野氏は、原子力にはプラス面がある一方でリスクもあると指摘。「リスクをどの程度重視するかは国によって違う。地震や津波がない国もあるが、日本は圧倒的に原子力を使うには適さない」と述べ、国内での原発の新規立地には否定的な考えを示した。

そのうえで、原発依存を減らすことと輸出推進との関係について、枝野氏は「(原発)技術を国内で使わなくなるかもしれないが、(外国が)評価するなら、それにこたえることは矛盾でない」と話した。
→続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます
 (転載終わり)
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2011年11月10日投稿

原発輸出に熱心な産経新聞が「及び腰」の日本を叱咤激励ー

(msn産経ニュース)及び腰」日本を尻目に進む、世界各国の原発政策(2011.11.10 08:13) http://sankei.jp.msn.com/world/news/111110/asi11111008150000-n1.htm (2011年11月10日閲覧)(全文を転載)

 
今年6月にシンガポールを訪れてドイツの脱原発方針を説明したメルケル首相(左)に対し、リー・シェンロン首相は原発研究を続ける考えを示した(ブルームバーグ)
今年6月にシンガポールを訪れてドイツの脱原発方針を説明したメルケル首相(左)に対し、リー・シェンロン首相は原発研究を続ける考えを示した(ブルームバーグ)

「アジアで日本を除いて原発建設をやめた国はない」-。

今月はじめ、シンガポールで開かれた電力に関する円卓会議で、講演したフ ランスの原子力大手、アレバのセレナ・ン東南アジア太平洋地域部長はこう述べ、福島第1原発の事故後も、東南アジアで脱原発を鮮明にした国はひとつもない ことを指摘し、アジア市場への強い関心をにじませた。

日本が足踏みしているのを好機とばかり、フランスやカナダなど欧米諸国だけでなく、韓国や中国が原発輸出に意欲をみせる。さらに、注目されるのがシンガポールの動きだ。

今年6月にハンガリーで開かれたアジア欧州会議(ASEM)外相会合で、シンガポール政府は2012年に原子力の安全基準に関する会議を同国で開くことを提案。同時に欧州企業が専門技術を紹介する場も提供する考えを示した。

◆首相が推進方針

同国はこれまでもバイオメディカルや太陽光発電など先端技術の研究者を招聘(しょうへい)、研究費や施設を提供し、それぞれの分野でのアジアのハブ(中心)となることを目指してきた。今回提案した原子力会合は、原子力分野でも技術を集積していく方針を明確にした。

シンガポールのリー・シェンロン首相は6月に同国を訪れたメルケル独首相に対し、「シンガポールが原発は不要だと思っても近隣諸国は原発を建設する。その影響をわれわれは知る必要がある」と述べ、脱原発を訴えたメルケル氏にあくまで原発研究を続ける考えを示した。

一方の日本。野田佳彦首相は10月末のベトナムのグエン・タン・ズン首相との首脳会談で、ベトナムでの原子力発電所建設に日本が協力していくことを再確認し、合意文書に署名した。

同原発建設は、昨年10月に当時の菅直人首相が、ズン首相との間で合意し、日本が成長戦略として位置づけた官民協力に基づくインフラ輸出の具体的な成果 だった。しかし、3月の福島第1原発事故を受け、菅氏が脱原発を宣言、そのときの共同声明に明記された事業化調査さえも実施が遅れていた。

ベトナム側は福島第1原発の事故後も、「日本との協力により2021年に稼働する計画に変更はない。ただ原発建設にあたっては最新技術を使用する必要があ る。事故の教訓を生かし、大きな津波が来ることを想定し、安全レベルを最も高いレベルにあげたい」(グエン・フー・ビン駐日大使)などとして、導入に強い 意欲を崩していない。原発以外に有望なエネルギー源がない以上、当然の選択だった。

◆支援は後手後手

日本は野田政権の発足を受けて、原発導入支援はこれまで通り進める方針をベトナムなどに伝えた。ただ、問題はベトナムなどでは原発建設だけでなく発電所の運転も当面、日本が行うため、国内の電力会社などから長期にわたって人材を派遣しなければならないことだ。

現状では「反原発の風潮が強いのに加え、事故の際の賠償責任などを日本政府が保証しない限り協力は難しい」(電力OB)ため、各社とも及び腰だ。

ベトナムでの原発稼働は10年後のため、「合意を受けて作業を進めれば十分間に合う」(日本外務省幹部)としているが、日越原子力協定の国会承認のメドさえ立っていない。約束はしたものの、政府が本腰を入れない限り、実現は容易ではない。

シンガポールはすでに太陽光発電など次世代エネルギー研究で地域のハブとなりつつある。それでも「原子力は排除できない選択」(リー首相)として推進する姿勢を明確にしている。また、インドネシアやマレーシアも原発建設に向けた作業を進める。原発政策で「及び腰」の日本は、アジアの現実についていくのが やっとのようだ。(編集委員 宮野弘之)

(転載終わり) 
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2011年11月29日投稿

(毎日新聞)原子力協定:今国会成立へ…4カ国対象、民・自が大筋合意(2011年11月29日) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111129k0000m010122000c.html  (2011年11月29日閲覧)(全文転載)

 民主、自民両党は28日、政府間で署名を終え国会の承認待ちとなっているロシア、ヨルダン、韓国、ベトナムとの原子力協定を今国会(会期末12月 9日)で成立させる方向で大筋合意した。政府が進める原発の海外輸出に必要な協定だが、東京電力福島第1原発事故後は国会審議が停滞していた。事故はいまだ収束せず、原因究明も途中のため国内には原発輸出に慎重論も根強いが、国際的な信用確保を優先させる判断で両党が折り合った。

 自民党はこれまで4協定の審議に抵抗してきたが、野田佳彦首相が衆院外務委員会の質疑に出席するのを条件に、30日に同委で趣旨説明、12月2日 に質疑・採決を行う日程に大筋で同意した。首相の同委出席は異例だが、民主党側がこれを受け入れたことで、2日中に衆院本会議で採決される見通しとなった。

 終盤国会の展開次第では、野党が多数を占める参院の手続きがこじれて、来年1月召集の通常国会に持ち越す可能性も残る。

 協定はロシア(09年5月署名)を除き、民主党政権になってから政府間で合意した。ヨルダンとの協定は10年9月、韓国とは同年12月、ベトナムとは今年1月にそれぞれ署名。今年1月開会の通常国会に提出したが、継続審議となっていた。【横田愛】

毎日新聞 2011年11月29日 2時33分
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2011年12月3日投稿 

(1)(NHK) 原子力協定締結案 衆院委員会可決(12月2日 14時47分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111202/t10014362291000.html (2011年12月3日閲覧)(全文転載)

ヨルダンやベトナムなど4か国に、日本の原子力関連の技術を輸出できるようにする原子力協定締結の承認案は、2日の衆議院外務委員会で採決が行われ、民主党と自民党の賛成多数で可決しました。

原子力協定を巡って、政府は各国で日本の原発の輸出や技術移転に対する期待感が強いことを受けて、 ことし1月までに、ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国の4か国との間で署名を済ませており、速やかに日本の原子力関連の技術や設備を輸出できるよう、今の国会での承認を目指しています。2日の衆議院外務委員会で、この原子力協定締結の承認案の審議が行われ、野田総理大臣は「原発事故を踏まえて、わが国の経 験や教訓、それに知見を、国際社会と共有していくことがわれわれの責務だ。諸外国が日本の協力を希望する場合に、相手国の事情を見極め、平和利用などを確保しながら、安全性の高い技術を提供し、協力することは意義がある」と述べ、承認に理解を求めました。一方で、野田総理大臣は、今後、新たにほかの国と原子力協定を結ぶかどうかについて、「新規の場合は原発事故の検証などを踏まえながら対応していきたい」と述べ、慎重に対応していく考えを示しました。このあと採決が行われ、原子力協定締結の承認案は、民主党と自民党の賛成多数で可決しました。承認案は2日の衆議院本会議に上程されて採決が行われる予定でしたが、自民党が「原発事故を踏まえ、原子力の平和利用に関する党の考えを本会議で表明したい」と主張したため、採決は来週に先送りされました。このため、 来週6日の衆議院本会議で承認案の採決が行われることになり、参議院での審議が順調に進めば、今の国会で承認される見通しです。

(転載終わり)

(2)(読売新聞)原子力協定 原発輸出へ国会の承認を急げ(12月3日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20111202-OYT1T01251.htm?from=y10 (2011年12月3日閲覧)(全文転載)

日本とヨルダン、ベトナムとの原子力協定承認案が、衆院外務委員会でそれぞれ可決された。

両国へ原子力発電所を輸出する前提となる協定である。両国は承認手続きを終えている。日本も、今国会中の承認を実現し、早期に発効させる必要がある。

協定は、核物質の平和利用や第三国への移転制限などを明記している。発効すれば、原発輸出のほか、原子力技術の提供、専門家の育成などの協力が可能となる。

協定承認案は、先の通常国会に提出されたが、福島での原発事故後、与野党から慎重論が出たため、継続審議となっていた。

野田首相が、衆院外務委で「日本の高水準の技術がぜひ欲しい、という国がある。そうした国の原発の安全性が高まることに貢献するのは意義がある」として、早期承認を求めたのは妥当である。

ヨルダンの原発は日本・フランス連合とロシアなどが受注を争っている。ヨルダンは日本の技術を評価し、事業者選定に向けて、年内の発効を促しているという。

ベトナムは日本からの原発輸入を決めている。10月に来日したズン首相は「世界で最も安全な原発を建ててほしい」と語った。

中国などの新興国や途上国では事故後も、原発新設の機運は衰えていない。安全性に関する技術やノウハウをそうした国々に提供することは、事故を起こした日本の信頼回復につながろう。

原発を輸出すれば、結果的に、資源が乏しい国々の発展を支えることにもなる。

原発輸出は1基3000億~4000億円規模の巨大ビジネスであり、政府の成長戦略の大きな柱の一つだ。政府は、国際協力銀行の融資など万全の支援策で民間を後押ししなければならない。

さらに、海外から受注すれば、運用や補修への協力を長期間求められる公算が大きい。

日本は、今後も技術水準を高め、専門家を育成することが必要である。原発から完全に撤退する、と各国から誤解されないようにすべきだ。

衆院外務委では、韓国、ロシアとの原子力協定承認案も可決された。韓国は、日本に機材や技術の移転を求めている。

ロシアとの協定は、将来、日露両国によるウラン濃縮事業での連携を可能とする。

協定は、原発輸出の促進だけではなく、国際的な原子力の平和利用にも寄与する。そうした視点も忘れるべきではない。

(2011年12月3日01時24分  読売新聞)
(転載終わり)

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 2011年12月7日投稿、12月11日追記。

12月6日、ヨルダン、ベトナム、ロシア、韓国との原子力協定締結の承認案が、 衆議院本会議で賛成多数で可決され、参議院に送られた。 オリンピックとパラリンピック東京招致に関する決議案、復興庁設置法案と四つの原子力協定承認案の「審議」と採決に要した時間は、わずか16分だった。

衆議院HPから。
第179回国会(臨時会) 
議事日程(平成23年12月6日) http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_honkai.htm
 

 議事経過



 国会回次 179
 本会議年月日 平成23年12月6日(火)
 開会時刻 午後 1時 3分
 散会時刻 午後 1時19分

開会午後一時三分
第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大
会東京招致に関する決議案(鳩山由紀夫君外十九名提出)
右議案は、委員会の審査を省略して議事日程に追加するに決し、こ
れを議題とし、提出者鳩山由紀夫君の趣旨弁明の後、可決した。
中川文部科学大臣は、右の決議に対して政府の所見を述べた。

日程第一 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロ
シア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百
七十七回国会、内閣提出)

日程第二 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府と大
韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百七
十七回国会、内閣提出)

日程第三 原子力の開発及び平和的利用における協力のための日本国
政府とベトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承
認を求めるの件(第百七十七回国会、内閣提出)
 日程第四 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨ
ルダン・ハシェミット王国政府との間の協定の締結について承認を
求めるの件(第百七十七回国会、内閣提出、参議院送付)
右四件を一括して議題とし、外務委員長の報告の後、四件とも委員
長報告のとおり承認するに決した。

復興庁設置法案(内閣提出)
右議案は、議事日程に追加するに決し、これを議題とし、東日本大
震災復興特別委員長の報告の後、委員長報告のとおり修正議決した
。
散会午後一時十九分

(投稿者註:読みやすいように、議案と議案の間にスペースを加えました。)

衆議院TV ビデオライブラリ http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=TD 
 (ページの一部を転載)

このビデオライブラリは、国会審議テレビ中継で収録した音声と映像をそのまま提供しています。
(第174回国会〔2010年1月18日〕以降のものを継続して提供)
案件・発言者情報
開会日 : 2011年12月6日 (火)
会議名 : 本会議
収録時間 : 20分
審議を初めからご覧になるには「 中継中 」をクリックしてください。

ページ全体を見る。


【関連報道】

(1)(NHK)原子力協定締結案 衆院通過(12月6日 16時26分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111206/t10014443181000.html (2011年12月7日閲覧)(全文転載)

ヨルダンやベトナムなど4か国に、日本の原子力関連の技術や設備を輸出できるようにする原子力協定締結の承認案は、6日の衆議院本会議で採決が行われ、民主党や自民党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。

原子力協定を巡って、政府は、各国で日本の原発の輸出や技術移転に対する期待感が強いことを受け て、ことし1月までに、ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国の4か国との間で署名を済ませており、今の国会での承認を目指しています。この原子力協定締結の承認案は、先週、衆議院外務委員会で可決されたのを受けて、6日、衆議院本会議に上程されて採決が行われ、民主党や自民党、国民新党、たちあがれ日本など の賛成多数で可決され、参議院に送られました。公明党、共産党、社民党、みんなの党は、反対しました。承認案は、このあと参議院の外交防衛委員会で審議入 りし、審議が順調に進めば、今週9日の参議院本会議で、可決・承認される見通しです。一方、承認案の採決で、民主党の京野公子議員が党の方針に従わず反対 したほか、民主党の議員10人余りが本会議場を退席しました。
(転載終わり)

(2)(毎日新聞)原子力協定:衆院を通過、来月発効へ 原発事故後初 (2011年12月6日 22時02分(最終更新 12月7日 0時05分)) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111207k0000m010047000c.html (2011年12月7日閲覧)(全文転載)

衆院は6日の本会議で、ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国との原子力協定の国会承認案を、民主、自民両党などの賛成多数で可決した。承認案は9日 までに国会承認され、来年1月にも発効する見通しだ。民主党政権が進める原発輸出の前提となる協定で、東京電力福島第1原発事故の発生後、初めての国会承認となる。

 ◇原発輸出、具体化へ

協定は、核物質など原子力関係の資機材や技術を移転する際に、平和利用への限定や国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れ、第三国への移転制限 などを定める。今後、ヨルダン、ベトナムへは原発輸出、ロシアとは日本の使用済み核燃料から回収したウランの再濃縮の委託、韓国へは原発関連資機材の輸出について、具体的な交渉が可能となる。

政府が協定発効を急ぐのは、「脱原発依存」の方針の下、国内での原発の新増設が見込めない中、経済産業省や原子力関連メーカーが海外展開に活路を求めているからだ。

4協定の国会承認にめどがついたことを受け、政府は、既に交渉入りしている▽インド▽トルコ▽南アフリカ▽ブラジル▽アラブ首長国連邦--などとの協定締結を目指す。特にインドとの間では今月末に予定される首脳会談で議題とする方向だ。

原子力協定を巡る今国会での審議で野田佳彦首相は「日本の技術が必要だという国には、個別に事情を判断しながら対応する」と答弁。首相周辺は「(首相は)何でもかんでも、どこへでもというわけではないが、日本の技術は海外できっと役に立つという思いはある」と解説する。

経産省も、協定の承認を受け、原発輸出容認の流れを作りたい考えだ。「原子力の平和的利用だけで高い技術力を持つ日本への需要は高い」(経産幹部)とされ、原発輸出は政府の新成長戦略でも目玉と考えられていたからだ。さらに国内で「脱原発」が進んだとしても、稼働中の原発のメンテナンスや使用済み核燃料の扱いなど、安全面で技術基盤の確保は必須。国内原発の新規建設が極めて厳しい中、海外への輸出が滞ると「中国や韓国など海外に有望な技術者が流 出してしまう」との危惧も強い。

 ◇アクセルへの懸念

だが、日本としてこれからも原発輸出を続けるのか否かについて、現時点で政府全体の方針が定まっているわけではない。原発事故を受け、政府は「電 力の50%超を原発で賄う」とのエネルギー政策の抜本的な見直しに入っているためだ。原子力政策の見直しは、原発輸出の考え方にも関わるが、結論が出るのは来年夏。原発事故の原因究明を担う政府の「事故調査・検証委員会」の結果が出るのも来夏で、それまでは原発輸出にアクセルを踏み込むことは難しい。

国内では、核兵器を保有しながら核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドへの原子力協力に対し、「核軍縮・不拡散の観点から問題」との批判も出ている。【横田愛、野原大輔、竹地広憲】

 ◇民主議員から造反 2人反対、約15人退席

衆院本会議の採決では、公明、共産、社民、みんなの各党が反対したほか、民主党からも京野公子氏(秋田3区)、小林正枝氏(比例東海)が反対し、約15人が退席した。

京野氏は国会内で記者団に「事故収束ができていない中で、日本の議員として賛成しかねる」と説明。原発事故を受け国内で「脱原発依存」にかじを切った民主党政権が、海外には原発を輸出することへの批判が与党内にも根強いことが改めて浮き彫りとなった。【木下訓明】

毎日新聞 2011年12月6日 22時02分(最終更新 12月7日 0時05分)
(転載終わり)

(3) (時事ドットコム)原発の輸出継続明確に=受注競争背景に発効急ぐ-政府 (2011/12/06-22:37) http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011120600931&g=pol (2011年12月7日閲覧)

ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国への原発輸出や原発技術供与の前提となる原子力協定の承認案が6日、衆院を通過した。4カ国との協定とも今国会中に承認され、年明け早々にも発効する見通し。菅直人前首相は在任中、東京電力福島第1原発事故を受けて原発輸出見直しを示唆したが、野田政権は協定の早期発効の必要性を説き、輸出を継続する姿勢を明確にした。

「放射能汚染を広める死の商人の片棒を担ぐとしか見えない」。承認案を質疑・採決した2日の衆院外務委員会で、公明党の赤松正雄氏は事故が収束していない段階での承認に強く反対した。6日の衆院本会議の採決では、脱原発を主張する民主党の京野公子氏ら2人が反対したほか、10人以上の同党議員が棄権。事故を起こした当事国が輸出を続けることへの慎重論の根強さを示した。

これに対し、野田佳彦首相は「日本の技術は素晴らしいので生かしたいという国がある」と指摘、原発輸出はその安全性向上にも寄与するとして理解を求めた。玄葉光一郎外相は、4協定とも相手国での承認手続きが済んでいることに触れ、「国家間の信頼関係を損なわないようにすべきだ」と訴えた。

政府が承認を急いだ背景には、民主党政権がもともと原発輸出を成長戦略の柱に据え、各国と激しい受注競争を繰り広げてきた経緯がある。年内に建設業者を選 定するヨルダンでは、日本とフランスの合弁企業がロシア企業などと受注を競う。外務省幹部は「ヨルダン側は安全性では日仏連合に分があるとみている」と述 べ、協定が発効すれば受注に大きく前進すると自信を示す。

ただ、政府は国内の慎重論に配慮して、原発輸出の対象は、協定を締結済みか、締結交渉 を行っている国に限定。新規受注の開拓は、福島原発事故の検証結果を踏まえて対応すると説明している。インドやトルコとは既に締結交渉に入っているため、 「新規輸出」には当たらないとして、合意を急ぐ方針だ。(2011/12/06-22:37)
(転載終わり) (文中のハイパーリンクは原文のもの。)
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2011年12月11日投稿

12月6日に衆議院本会議を通過した、ロシア、韓国、ベトナム、ヨルダンとの原子力協定承認案は、6日と8日に参院外交防衛委員会で討議・承認された後、7日に参議院本会議で賛成多数で可決、承認された。相手国はいずれも承認を終えており、4カ国との原子力協定は来年1月にも発効する見通し。

(1)参議院HP より 外交防衛委員会経過
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/koho/179/keika/ke2700066.htm

(2)参議院HPより 原子力協定承認案 投票結果  (四承認案とも同じ投票結果)

投票総数 224   賛成票 183   反対票 41

ロシア   http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/179/179-1209-v009.htm

韓国   http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/179/179-1209-v010.htm

ベトナム  http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/179/179-1209-v011.htm

ヨルダン  http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/179/179-1209-v012.htm

(2)参議院インターネット審議中継 2011年12月9日 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

【関連報道など】

(1) (毎日新聞)参院本会議:原子力協定を承認 ベトナムなど4国と (2011年12月9日 12時26分(最終更新 12月9日 13時19分)) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111209k0000e010152000c.html (2011年12月11日閲覧)(全文転載)

 参院は9日の本会議で、ヨルダン、ロシア、ベトナム、韓国との原子力協定の国会承認案を、民主、自民両党などの賛成多数で可決、承認した。4カ国はいずれも承認を終えており、来年1月にも発効する。東京電力福島第1原発事故の発生後、協定の国会承認は初めて。

 原発輸出の前提になる原子力協定は、核物質などの原子力関係の資材や技術を移転する際、平和利用への限定や国際原子力機関(IAEA)の査察受け 入れ、第三国への移転制限などを定める。ロシア(09年5月署名)を除く3カ国とは民主党政権になって政府間で合意した。協定が発効すれば、各国と具体的 交渉が可能になる。【横田愛】
ここから本文です。現在の位置は
毎日新聞 2011年12月9日 12時26分(最終更新 12月9日 13時19分)
(転載終わり)

(2)(テレビ朝日)「原発輸出」協定で民主党から造反相次ぐ(12/10 00:02) http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/211209053.html (2011年12月11日閲覧)(全文転載)


日本の原発技術などをヨルダンなど4カ国に輸出するための原子力協定が参議院本会議で可決され、承認されました。しかし、与党・民主党から造反者が続出です。

 採決を棄権した民主党・有田参院議員:「党の判断よりも、歴史に対する責任のほうが大きいですからね」
  今回、承認されたのは、平和利用のために原子力の技術を輸出するためのもので、ヨルダン、ベトナム、韓国、ロシアの4カ国と締結した協定です。9日の参議 院本会議では「原発事故が収束しないなかで賛成できない」として、12人の民主党議員が採決を棄権しました。今月6日の衆議院本会議でも約20人近くが造 反したため、執行部は造反議員に対し、党の役職を辞任するよう求めました。
(転載終わり)

投稿者註:上記「原子力協定承認案 投票結果」のリンクに投票の内訳があります。
 
(3)(毎日新聞) 原発:海外展開に弾み…4カ国と原子力協定、1月にも発効 (2011年12月8日) http://mainichi.jp/select/biz/news/20111209k0000m020058000c.html (2011年12月11日閲覧)
  
日本の国際原発ビジネス
ヨルダンなど4カ国との原子力協定の国会承認案が8日、参院外交防衛委員会で民主、自民などの賛成多数で可決された。9日の参院本会議でも可決、 承認される見通しだ。来年1月にも発効する見通しで、政府が成長戦略に位置づける原発事業の海外展開に弾みがつく。国内の原発メーカーは「輸出に向けて前 向きな一歩」と評価するが、野田政権は国内向けには「脱原発依存」を掲げており、政府がどこまで支援できるかは見通せない。【野原大輔、竹地広憲】

協定を結ぶのはヨルダン、ベトナム、韓国、ロシア。今年1月までに署名していたが、東京電力福島第1原発事故の影響で国会承認が先送りされていた。

原発事故で、原発メーカーの原発事業の見通しは弱含んでいる。東芝は原発事業の売上高を11年3月期の約5800億円から16年3月期には1兆円に伸ばす計画だったが、「達成は数年遅れる」。日立製作所も21年3月期の原発事業の売上高を11年3月期比2倍の3800億円に引き上げる目標を掲げて いたが、6月に200億円下方修正した。

一方で、新興国では原発新増設の動きが急だ。原発の新設を決めたヨルダンでは、三菱重工業がロシア勢やカナダ勢と受注競争を展開。ヨルダン政府は 来年1~3月に優先交渉権を一つに絞るとしており、今回の承認はギリギリのタイミングだ。同社は「今国会での承認を期待していた」と安堵(あんど)の表情 を浮かべる。

日立製作所は7月、リトアニアの原発建設で優先交渉権を獲得。東芝も子会社の米ウェスチングハウスが受注した米国の新型原子炉向けに大型機器を輸出するなど、海外での営業に力を入れる。ベトナムも日本の原発導入を決め、東芝、日立、三菱重工の3社が受注を目指す。

ただ、政府の支援態勢はおぼつかない。政府は国際協力銀行(JBIC)などの融資や保証機能を活用して側面支援する構えだが、新興国との交渉は トップセールスがものをいう。政府が来夏に予定しているエネルギー政策の抜本見直しでは、「脱原発依存」色が濃くなる見通しで、政府内では「首相が先頭に なって売り込むことは難しい」(経済産業省幹部)との見方が強い。
毎日新聞 2011年12月8日 21時10分(最終更新 12月8日 21時41分)
(転載終わり)

(4)(毎日新聞)社説:原子力協定承認 拙速にすぎはしないか(2011年12月10日) http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111210k0000m070084000c.html(2011年12月11日閲覧) 

政府がヨルダン、ベトナム、ロシア、韓国と結んだ原子力協定が、国会で承認された。これにより、協定は来年1月にも発効し、原発輸出が可能になる。

しかし、東京電力福島第1原発の事故はまだ収束していない。原因の究明、検証もこれからだ。安全確保をめぐる十分な議論がないままでの国会承認は、あまりに拙速だといわざるを得ない。
原子力協定は、原子力関連技術や資材を輸出する際、相手国での軍事転用を防ぐために締結するもので、原発輸出の前提になる。日本は米、仏、中国、欧州原子力共同体など7カ国1機関と締結済みだ。

今回承認を得たヨルダンとベトナムには原発輸出、ロシアにはウラン濃縮の委託、韓国には原子炉部品の輸出を想定している。

国会審議で、野田佳彦首相は「日本の現状や反省も踏まえ、なお協力してほしいというなら、できることをすることは国際的な原子力安全の向上に資する」と説明した。

しかし、「安全の向上」と胸を張る根拠はあるのか。確かに、国内原発産業の技術力は高い。しかし、それだけで原発を稼働し、運営する際の安全が確保できるわけではない。

輸出先で運営を主導すると期待された東電の参画は望めない。また、事故の原因がはっきりしないままでは、安全性を訴えても説得力はあるまい。

一方で首相は、「事故の経験や教訓を国際社会と共有するのはわれわれの責務だ」とも強調した。もっともだが、共有すべきは、事故の徹底的な検証を前提にした事故防止のための知見であるはずだ。

今回の国会審議は、議案の審議入りから承認までわずか10日しかなかった。例えば、ヨルダンは地震多発国であり、原発建設予定地が内陸部にあるため大量の冷却水を確保しにくいとされるが、安全対策の議論は生煮えだった。

政府は、締結相手国での受注競争で日本企業が不利にならないよう、年内承認を急いだとの指摘もある。しかし、採決では与党内からも反対者が出た。「身内」も納得しない審議では、国民や国際社会の理解も得られまい。

政府は現在、インド、南アフリカ、トルコとも原子力協定の締結交渉を進めている。核保有国でありながら核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドとの交渉は、とりわけ慎重であるべきだ。

国内で「脱原発依存」を進める一方で、海外に危険や不安を輸出することがあってはならない。
そのために、政府・国会には事故の検証を踏まえ、安全をめぐる議論を深めるよう改めて求める。
毎日新聞 2011年12月10日 2時30分
 (転載終わり)

(4) 明石昇二郎「原発輸出ーこれだけのリスク」(『世界』2011年1月号) http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/pdf/skm1101-2.pdf (2011年12月11日閲覧)

(5)恐山あれこれ日記 師走の「偏見」(2011/12/10)http://indai.blog.ocn.ne.jp/osorezan/2011/12/post_ac73.html (2011年12月11日閲覧)

この種のことは、あまり当ブログに書きたくないのですが、あえてひと言。

福島の原発事故が収束もせず、きちんと原因の検証もされないうちから、原発輸出や再稼動が話題に出ていますが、私はやめた方がよいと思います。

その最大の理由は、原発の安全担保は不可能だと思うからです。

ーつづきを読む。
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2012年1月20日投稿

(1)【動画】(原子力資料情報室)日本の原発輸出問題 ジャーナリスト 鈴木真奈美(2011年12月13日録画) http://www.ustream.tv/recorded/19121178#utm_campaign=t.co&utm_source=19121178&utm_medium=social

(2) (msn産経ニュース)原発輸出巻き返しに懸命 東芝認可「大きな前進」 政府支援に不安
2011.12.23 20:57 (1/2ページ)http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111223/biz11122320580017-n1.htm (2012年1月20日閲覧)(全文転載)
 
国内原発メーカー各社は、東京電力福島第1原発事故で世界的に原発への不安感が高まるなか、輸出の巻き返しに懸命だ。東芝子会社の設計認可に加 え、来年1月には、ベトナム、ヨルダン、韓国、ロシアとの4カ国との間で、輸出の前提となる原子力協定が発効する予定で、追い風も吹く。ただ、エネルギー政策の見直しで「脱原発依存」を色濃くする日本政府の全面バックアップを受けられるかは不透明で、海外勢との激しい受注合戦を勝ち抜くのは簡単ではない。

「建設・運転の一括認可に向け大きな前進となる」

東芝は23日、設計認可を受け、歓迎のコメントを発表した。

東芝は、ウェスチングハウスを中核とする原発事業の売上高を2016年3月期に1兆円に拡大する目標を掲げる。佐々木則夫社長は、原発事故の影響で「達成時期が数年遅れる可能性がある」としながらも、「海外の原発受注は大きく伸ばせるはずだ」と自信をみせる。

三菱重工業も17年3月期に売上高6千億円を目指す目標を維持。日立製作所は21年3月期の目標を200億円引き下げ、3600億円としたが、原発事業強化の方針は揺るがない。

米国では20基以上の新設計画があるが、主戦場となるのは、東南アジアや中東の新興国だ。欧米メーカーに加え、中国、ロシア、韓国も交え、激しくしのぎを削っている。

 (2/2ページ)http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111223/biz11122320580017-n2.htm
原発新設を進めるベトナムとヨルダンとの間では、12月に国会で原子力協定の締結が承認された。協定は核物質や関連機器、関連技術が軍事目的に利用されることを防ぐもので、原発輸出の前提となる。すでに協定を結んでいるライバルとようやく同じ土俵で戦えるようになった。

06年に協定が発効したリトアニアでは、今年7月に日立製作所が1基の優先交渉権を獲得した。ベトナムでは、すでに2基を日本に発注することが内定してお り、東芝、日立、三菱重工の3社が売り込みをかけている。ヨルダンでも、来年の1~3月にも受注企業が選定される見通しで、三菱重工が、ロシア勢などと 争っている。

各社は、「実績を積み上げることで、トルコやインドとの協定交渉につながる」と期待する。

不安材料は、日本 政府の支援態勢だ。原発受注には、政府首脳によるトップセールスが決め手となるケースが多い。日本は原発事故前まで原発輸出を成長戦略の柱の一つに位置づ けていた。だが、脱原発依存に方向転換すれば、輸出推進を堅持しても「国内政策と矛盾し対外的に信頼されない」(業界関係者)と懸念する声は多い。

国内の新設・増設がストップすれば、研究開発が停滞し技術力の維持・向上に支障が出る恐れもある。

東芝は「安全性のさらなる向上に向けて不断の取り組みを行っていく」と表明した。

日本として原発をどう位置づけていくのか。事故の当事国として安全性を高めていく責務を含め、国民的な議論が必要だ。(今井裕治)

(転載終わり)

(3)(msn産経ニュース)新春直球緩球 東芝・佐々木則夫社長「原発輸出ほぼ計画通り」 (2012.1.17 21:11) http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120117/biz12011721110036-n1.htm (2012年1月20日閲覧)(全文転載)

--ヨルダンやベトナムなど4カ国との原子力協定発効が予定される
「原子力協定は原発輸出に向けたステップであり、歓迎だ。国内勢はすでに原発2基をベトナムから受注しているが、福島第1原発の事故を受け、より安全なものを総合的に提供していきたい」

--4カ国以外で期待される国は
「一番は中国だ。中国では2基を受注、米国でも4基を契約している。1基の計画があるフィンランドは価格、条件が折り合うか次第。子会社の米ウェスチングハウスの新型原子炉『AP1000』は、米国での採用に続き、英国、チェコでも有望だ」

--平成28年3月期に原発事業で1兆円の目標を掲げる
「福島第1原発の事故で規制がどう変わるかわからないし、歴史的な円高も響いている。ただ、狙っている市場については、計画に遅れは出ていない」

--半導体NAND型フラッシュメモリーは世界トップを争う勢いだ
「スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末など、急成長市場の顧客向けに需要があるが、23年10~12月期は鈍化しており、今年度の首位は厳しい」

--テレビ事業は国内各社ともに苦戦している
「他社ほどではなかったが、今年度上期は赤字になった。地上デジタル放送への移行後、売れ行きが落ち込み、単価も下落しており、テレビ事業は依然、厳しい状況だ」
(今井裕治)
(転載終わり)

【参考資料】
社団法人 日本原子力産業協会HPより





Monday, October 24, 2011

IX.9.「武器輸出三原則」緩和への動きが活発化

全国紙と通信社の報道によると、11月12、13両日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際して行われるオバマー野田会談をひかえて、日本政府が「武器輸出三原則」の見直し・緩和を鮮明にしつつある。かねてから日米軍事同盟の強化を持論にし、自衛隊の海外での武器使用拡大も唱えてきた前原誠司・民主党政調会長が、「武器輸出三原則」緩和についても先頭に立って論議を推し進め、政府に「提言」、「要請」した。その結果、当初懐疑的な態度を記者会見で表明していた藤村官房長官も、10月21日、政府として検討に入っていることを認めた。
インターネットで見る限り、この問題に関しては毎日新聞が最も精力的に報道してきた。10月24日午前現在、読売新聞(10月14日)と産経新聞(10月21日)の二紙が、11月のオバマ大統領との会見で野田首相が緩和を表明する意向だと伝えている。

以下、関連報道を早いものから時系列的に並べた。 これらの記事から見えてくるのは、米ワシントンでの発言でこの問題を「再燃」させた前原氏から、オバマ会談への「手土産」(産経新聞によれば)として緩和を表明するとされる野田首相まで、国民無視は言うに及ばず、国会でさえ議論せず、緩和への政策転換があわただしく進められている、ということだ。まさに、原発事故長期化・放射性物質拡散というどさくさにまぎれての動きだといえよう。

(1)(毎日新聞)「武器輸出三原則」見直し論が再燃 前原政調会長が口火 国際共同開発の潮流を受け(2011年10月11日)http://mainichi.jp/select/seiji/forum/file/news/20111005org00m010037000c.html (2011年10月24日閲覧)(全文を転載)(太字は投稿者)

■安保・防衛
 政府・民主党内で「武器輸出三原則」の見直し論が再浮上している。政策決定の要にいる前原誠司民主党政調会長が「見直すべきだ」と発言したことがきっかけだ。昨年末に閣議決定した新防衛大綱の策定過程でも検討されたが、国会対策や民主党内の異論などで先送りされた難題だ。しかし防衛省と産業界には 国際的な共同開発・生産の流れから取り残されるという強い危機感が募っている。平和国家の基本理念との兼ね合いもあり、その是非を巡り論議が沸騰する可能性がある。

 前原氏の発言の舞台は米ワシントンで開かれた日米同盟に関するシンポジウムの講演だった。同氏は武器輸出三原則について「見直さなければならな い」と明確に語り、「日本の防衛産業が共同技術開発への参画すら検討できず、最先端技術にアクセスできないことから生じるリスクを回避できる。装備品高騰 への対応も可能だ」とその理由を述べた。

 一方で「国際共同開発・生産に踏み込むと、日本の技術が第三国に移転される。慎重な議論は必要だ」とも発言。国際紛争に日本の技術が悪用され平和国家の理念に反しかねない事態が生じるおそれがあることも指摘することを忘れなかった。

 前原氏は外交・安全保障問題では民主党内随一の論客。しかも、野田佳彦政権下で、政府の政策決定への事前審査の権限が与えられた政調会長という要職に就いた人物の発言だけに、米側関係者の視線もことのほか熱かった。同じ講演で、日本の国際貢献の拡充に向けて、国連平和維持活動(PKO)の武器使用基準について「他国の軍隊を急迫不正の侵害から防衛できるようにすべきだ」と緩和すべきだとの考えも表明した。

 日米同盟の深化に向けて日本の主体的な防衛力整備は重要で、それを支える防衛産業の維持・育成が必要というのは前原氏の持論だ。帰国後、武器輸出 三原則とPKOで海外に派遣された自衛隊の武器使用基準の見直しについて、党政調の防衛部門会議で議論するよう指示したことを明らかにした。長い間の懸案 が与党・民主党の正式な政策論議のテーブルに載せられることになった。同氏は「武器の共同生産については党内で意見がまとまっている」と、党内の一部から 「唐突で、いつものパフォーマンスだ」との批判に反論している。

 武器輸出三原則は、東西冷戦真っ盛りの自民党の佐藤栄作内閣にさかのぼる。1967年4月の衆院決算委員会で佐藤首相が、(1)共産圏諸国(2) 国連決議により武器輸出が禁止されている国(3)国際紛争当事国またはそのおそれのある国--に対して武器輸出を認めないことを表明した。さらに三木武夫 内閣時の76年2月、三原則対象地域以外の地域についても「武器輸出を慎む」との政府統一見解を出し、事実上あらゆる地域への輸出が禁じられた。

 しかしその後、同盟関係にある米国から技術供与の要請が強まり、中曽根康弘内閣時の83年1月、官房長官談話で対米武器技術供与への道を開いた。それ以後、支援戦闘機(F2)や弾道ミサイル防衛の関連技術など計20件の対米技術供与が認められている。

 東西冷戦構造が崩壊した後、「冷戦時代の遺物」として三原則の見直しは自民党政権時代からいく度となく議論の俎上に載せられた。背景には90年代以降、国防予算削減への対応から米欧の軍需産業の統合・再編が激しくなり、国際的な共同開発・生産がグローバル化の進展に伴って世界的な潮流になってきている状況がある。

 日本の防衛産業は、三原則の縛りがあるため、民間企業でありながら生産する装備品がすべて防衛省・自衛隊向けに限られている。その生産額は約2兆円で、自動車産業の約20分の1にとどまっているが、関連企業が戦車で約1300社、戦闘機は約1200社、護衛艦では約2500社といわれ、その裾野の広いのが特徴だ。中小企業対策としても防衛産業の維持・育成は重要との声が高まっている。

 防衛省と防衛産業界にとって現在の最大の懸念は、F2戦闘機の生産が今年度で計94機をもって終了した後、50年代後半から続いていた戦闘機生産 が空白期を迎えることだ。F2戦闘機は、80年代後半、日米貿易摩擦も絡んで国産か輸入かの外交問題になった。結果的に日米共同で開発されることになり、 対米武器技術供与のシンボル的な存在だ。

 主力装備品の戦闘機は、最新鋭の技術が凝縮されており、同省は「防衛生産技術の基盤の維持と育成に極めて重要」としている。航空自衛隊の次期戦闘機(FX)の候補機種の一つとされるF35は、米、英、蘭、伊など9カ国により共同開発されたが、対米以外の共同開発を認めていない日本はカヤの外に置かれた。

 菅直人前内閣は昨年、新防衛大綱の策定にあたり、三原則を緩和した新たな基準を作り、米国以外の国も含めた共同開発・生産に参加できるようにすることと、PKOで活用した重機など装備品を相手国に供与することを認めるように見直しをする方針だった。しかし、国会対策で社民党の協力を得る必要があっ たことなどから、最終的に菅氏は踏み切ることができなかった。

 それでも新大綱で「装備品の国際共同開発・生産が先進国では主流。このような大きな変化に対応する対策について検討する」と明記し見直し論議への下作りをしている。また、中期防衛力整備計画(11~15年度)の期間中に「真に国内に保持すべき重要なものを特定し、その分野に維持・育成に注力する、 選択と集中の戦略を策定する」こととしている。

 これを受けて、防衛省は有識者による「防衛生産・技術基盤研究会」(座長・白石隆政策研究大学院大学学長)を昨年12月発足。今年7月にまとめた 中間報告で「従来の国産か輸入かという二者択一論ではなく、国際共同開発・生産が選択できる枠組みが不可欠だ」と、武器輸出三原則の緩和を提起している。
2011年10月11日

(2)(毎日新聞)武器輸出三原則:見直し求め、民主防衛会議が政府に提言へ(2011年10月13日 21時49分)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111014k0000m010088000c.html (2011年10月24日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

民主党防衛部門会議(座長・榛葉賀津也元副防衛相)は13日、原則すべての武器輸出を禁じる「武器輸出三原則」の見直しを政府に求める方針を改めて確認した。前原誠司政調会長を通じて提言する。

党側は、武器輸出を例外的に認める基準として、▽完成品の海外移転は平和構築や人道目的に限定▽国際共同開発・生産の対象国は抑制的に▽相手国との間で第三国移転の基準と体制整備--の3点を要求する。 

民主党は、昨年12月の党常任幹事会で三原則見直しを盛り込んだ「防衛計画の大綱(防衛大綱)見直しに関する提言」を了承。しかし、党内の護憲派や政権運営への協力を期待していた社民党が反発したため、当時の菅政権は防衛大綱での明記を見送っていた。

前原氏は今年9月、国内の防衛産業が最先端技術に参画できるよう三原則を見直すべきだとの考えを示している。部門会議は三原則見直しに積極的な前原氏を後押しした形だが、党内の慎重論は根強く、調整が難航する可能性もある。【朝日弘行】
毎日新聞 2011年10月13日 21時49分


(3)(読売新聞)武器輸出3原則を緩和、米大統領に表明へ (2011年10月14日03時08分) http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111014-OYT1T00078.htm (2011年10月24日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者) 

 野田首相は、原則としてすべての武器と関連技術の輸出を禁じる政府の武器輸出3原則を緩和する意向を固め、11月に行われる見通しの日米首脳会談で、オバマ大統領に表明する調整に入った。

複数の政府筋が13日、明らかにした。緩和は、世界的な潮流である武器の国際共同開発・生産への参加に道を開くもの で、巨額の財源が必要な防衛装備品調達のコストダウンにもつながる。米国は、日本の高い技術力を共同開発に生かすことを以前から求めており、首相は、日米同盟の強化にも資すると判断した。

武器輸出3原則は、冷戦時代の1967年、佐藤内閣が共産圏諸国や紛争当事国などに武器や関連技術の輸出を認めない方針を打ち出したのが源流で、三木内閣が76年、対象をすべての国に広げる見解を出した。

今回の緩和は、輸出を禁じる対象国を限定し、国連決議など国際的な武器の輸出管理規制に参加する国に限って共同開発・生産を行うことなどが柱。緩和により、戦闘機や艦船、ミサイル防衛など重要装備の国際共同開発に日本企業が参加できるようになる。また、人道支援のための装備品輸出も可能になる。
(2011年10月14日03時08分  読売新聞)

 (4)(毎日新聞)武器輸出三原則:見直し論議に否定的見解 官房長官(2011年10月14日 12時58分(最終更新 10月14日 13時19分))http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111014k0000e010062000c.html (2011年10月24日閲覧)

藤村修官房長官は14日午前の記者会見で、武器輸出三原則について「政府として何か今、変更するということではない」と述べ、現時点での見直し論議には否定的な見解を示した。一方で、民主党防衛部門会議が13日に前原誠司政調会長を通じて政府に見直しを求めることを決めたのに対しては「要請された時点で、そこから検討が始まる」とも述べた。

一川保夫防衛相も14日午前の記者会見で「具体的にどうするという方向を決めたわけでもない」としつつ、部門会議の意見を踏まえ「政府でしっかり議論して方向性を出した方がいい」と述べた。【朝日弘行】
毎日新聞 2011年10月14日 12時58分(最終更新 10月14日 13時19分)

(5)(毎日新聞)武器輸出三原則:首相が見直しに前向き(2011年10月14日)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111015k0000m010046000c.html (2011年10月24日閲覧)

野田佳彦首相は14日、武器と関連技術の輸出を原則禁止する武器輸出三原則に関し「(昨年12月の)新防衛大綱に書いてある通りだ。平和国家の理念を堅持しながら、そのあり方については、具体的な不断の検討は必要だ」と述べ、見直しに前向きな考えを示した。視察先の横浜市で記者団に語った。民主党 の前原誠司政調会長は武器の共同開発・生産への参加を可能にするため見直しを主張しており、首相発言はこれを事実上容認したとみられる。

民主党は13日の防衛部門会議で見直しを政府に求める方針を確認した。首相は「党で議論していることは承知しているし、これからの参考にしたい」と述べ、党内情勢を踏まえて判断する意向も示した。

ただ、11月に予定されているオバマ米大統領との会談の際に見直しを表明するとの見方については、「事実ではない」と明確に否定した。民主党内には異論があり、政権が連携を模索する公明党でも見直しへの反対論が根強いことから、首相は表明する時期を慎重に見極める考えとみられる。

武器開発は開発・製造コストの高騰から、国際共同開発・生産が主流になっている。しかし、日本は三原則が制約となり、米国などが行っているF35 の共同開発に加われなかった。このため、年末に決める次期主力戦闘機(FX)も、他国から購入せざるを得ず、割高になるとの指摘がある。防衛予算が縮小さ れる中、防衛産業にはこのままではじり貧になるとの危機感も強い。米国も日本の技術を活用するために見直しを求めてきた。

見直しを巡っては、昨年12月の「防衛計画の大綱」(防衛大綱)策定の際、当時財務相だった首相や外相だった前原氏ら関係4閣僚は見直し方針で一致した。だが、社民党の反対で大綱への明記を見送っていた。【朝日弘行、中島和哉】
毎日新聞 2011年10月14日 19時37分

(6)(msn産経)首相、武器輸出三原則緩和に前向き「不断の検討必要」(2011.10.14 22:59) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111014/plc11101422590023-n1.htm (2011年10月24日閲覧)(全文を転載)(太字は投稿者)

 野田佳彦首相は14日、武器輸出三原則に関し「あり方について不断の検討が必要だ」と述べ、緩和に前向きな考えを示した。視察先の横浜市で記者団の質問に答えた。

 三原則緩和は、世界の趨勢となった戦闘機などの国際共同開発に日本の防衛産業を参加可能にするための措置。三原則は昭和42年の佐藤栄作首相(当時)の国会答弁にすぎず法的拘束力はないため、官房長官談話で緩和方針を打ち出すことを想定している。

 三原則の制約で日本は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)候補のF35ライトニング2の共同開発に参加できなかった。今後20年以内に予定される現主力戦闘機F15の後継機の共同開発に道を開くには三原則の緩和が不可欠となる。

 このため緩和に際しては、三原則の理念は維持しつつ、紛争当事国などへの輸出を禁じ、輸出管理が適正な国との共同開発を可能とすることなどが柱となる見通し。

 民主党も13日の防衛部門会議で、昨年11月に党外交安全保障調査会がまとめた提言をたたき台に早急な検討を政府に求めることを決めた。菅直人前首相も緩和を検討したが、社民党との連携を優先し見送った。

 (転載終わり)


(7)(時事通信)日本の武器輸出緩和を協議へ=来週の日米防衛相会談 (2011/10/21-10:28)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011102100211 (2011年10月24日閲覧) (全文転載)(太字は投稿者)
【ワシントン時事】米国防総省高官は20日、来週訪日するパネッタ国防長官が、一川保夫防衛相との会談で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画履行を再確認するとともに、日本政府が検討を進めている武器輸出三原則の緩和についても意見を交わすことを明らかにした。

同高官は、日米防衛相会談では6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で協議した内容が対象になると説明。米軍再編のほか、武器輸出三原則緩和やミサイル防衛、軍拡を進める中国、北朝鮮の核など地域の安全保障問題を挙げた。

2プラス2の共同発表では、日本政府が防衛装備品の国際共同開発・生産の流れに対応するための「検討を促進する」とし、米側は武器輸出三原則緩和に向けた日本の取り組みに期待を表明。野田佳彦首相も日米同盟強化の観点から三原則緩和を検討する姿勢を見せている。

同高官は、難航している普天間飛行場移設について、「日米が合意した現行の移設計画は長年にわたる日本政府との協議を経てできたものだ」と述べ、現行計画履行に向けた方針を堅持することを改めて強調した。

パネッタ長官は21日に日韓などのアジア初歴訪に出発。日本には24~26日に滞在し、25日に野田首相、一川防衛相、玄葉光一郎外相と会談。在日米軍兵士との対話集会も予定されている。

訪日前の23日にインドネシア・バリ島での東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議に出席。訪日後、韓国を訪れ、金寛鎮国防相らと米韓定例安保協議を行う。(2011/10/21-10:28)

(8)(時事通信)武器輸出緩和の検討認める=藤村官房長官 (2011/10/21-19:12) http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011102100659(2011年10月24日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

藤村修官房長官は21日午後の記者会見で、原則として全ての武器と関連技術の輸出を禁止する武器輸出三原則の緩和について、「政府としても今検討に入っ ていることは事実だ」と述べ、具体的な検討を開始したことを明らかにした。野田佳彦首相は、11月に想定される日米首脳会談でオバマ米大統領に緩和の方針を表明することも視野に入れており、政府内の議論を加速させたい考えだ。

藤村長官は、民主党の前原誠司政調会長から先週、要請があったと説明。「防衛大綱見直しの過程で、防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策を検 討することは明記されている」と指摘し、緩和検討の必要性を強調した。ただ、結論を得る時期については「はっきりといつまでにと検討しているわけではな い」と述べるにとどめた。

三原則が緩和されれば、米国をはじめ他国との間で戦闘機などを共同開発することが可能になるため、政府・民主党内には国内防衛産業の技術力アップにつながるとの期待がある。(2011/10/21-19:12) 

(9)(msn産経ニュース)5つの対米公約表明へ TPP、武器輸出三原則… 来月の日米首脳会談(2011.10.21 01:37) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111021/plc11102101370002-n1.htm(2011年10月24日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

野田佳彦首相は、11月のオバマ米大統領との首脳会談で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加や武器輸出三原則緩和など5つを「対米公 約」として早急に実現に移す考えを表明する方針を固めた。複数の政府高官が明らかにした。日米最大の懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市) 移設問題に進展の兆しがない中、米側がかねて要求してきた案件をすべてのまざるを得ない状況に追い込まれた。[投稿者註]

首相が表明する「対米公約」 は、(1)TPP交渉への参加(2)武器輸出三原則の緩和(3)南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣(4)牛海綿状脳症(BSE) 問題を機に実施された米国産牛肉輸入規制の緩和(5)国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟-の5つ。

首相は、11月12、13両日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際し行われるオバマ大統領との会談で、5つの案件を早急に実現する考えを表明した上で、安全保障・経済の両面で米国との関係強化を打ち出す。

オバマ大統領は9月21日に米ニューヨークでの初の首脳会談で、普天間移設について「結果を求める時期が近づいている」と不快感を表明した上で、TPP、牛肉輸入規制、ハーグ条約加盟の3案件を挙げ「進展を期待する」と迫った。[投稿者註]

普天間問題では、名護市辺野古に関する環境影響評価(アセスメント)の評価書提出以上の進展が望めないだけに、首相は、TPPなど3案件に、かねて米側が求めてきた武器輸出三原則緩和と南スーダンPKOを「おまけ」に加えることで、オバマ大統領に理解を求める考えだという。[投稿者註]

加え て、オバマ大統領は来年11月の大統領選を控え、高失業率や反格差社会デモにあえいでおり、協調姿勢を打ち出す好機だと判断した。米側が韓国を「太平洋安 保の礎」と位置づけ、自由貿易協定(FTA)を推進するなど対韓関係強化に傾斜する動きに歯止めをかける狙いもある。

対米公約に武器輸出三原則緩和を加えた意義は大きい。戦闘機開発などで日本の技術への米側の期待は高く、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの共同開発も可能となる。

一方、TPP交渉参加をめぐり民主党内は賛否が二分しており、首相が対米公約に掲げれば混乱に拍車をかける可能性がある。ハーグ条約加盟も、ドメスティック・バイオレンス(DV)からの母子保護などの観点から反対が根強い。

(転載終わり)

投稿者註:この記事でも使われ、9月21日のオバマー野田会談についての報道にも頻繁に現れた、オバマ大統領が野田首相に「迫った」(圧力をかけた)という表現には問題があるという指摘があります。詳しくはこの記事をご覧ください, Peace Philosophy Centre、「野田オバマ会談報道はおかしい 「琉球新報」10月1日の2記事 オバマ発言はねつ造と」
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/10/blog-post.html(2011年10月24日閲覧)



【参考資料】

(1)経済産業省 『武器及びその部分品等の輸出について』 http://www.meti.go.jp/policy/anpo/kanri/sinsa-unyo/sinnseisyo-tenpsyorui-itiran/tenp1kou/bukioyobisonobubunhin.htm
(2011年10月24日閲覧)(ページ全体を転載)

武器及びその部分品等の輸出について

輸出注意事項56第5号・56貿局第38号
昭和56年 2月 2日 貿易局

 最終改正 輸出注意事項17第2号・平成16・12・24貿局第3号

平成17年1月20日 貿易経済協力局

 武器及びその部分品等の輸出について、政府は、「武器輸出三原則」及び昭和51年2月27日に国会において表明した「武器輸出について」の政府方針(参考参照)に則り、厳格な運用を行っているところであります。
 しかしながら、最近、我が国から韓国内の企業向けに輸出貿易管理令上砲の部分品と認められるものを通商産業大臣の承認を受けずに輸出するという事例が発生しました。
 かかる事例の発生は、まことに遺憾であり、政府としては、上記方針に反して武器並びにその部分品及び附属品を輸出するようなことがあれば、今後とも断固たる姿勢で対処することとしております。
 輸出者各位におかれては、このような政府の武器輸出に関する方針を十分御認識のうえ、いやしくも政府の方針に反することのないよう十分注意して下さい。
 なお、輸出しようとする貨物が、輸出貿易管理令に基づき規制対象となっている武器等に該当するか否かについて疑義がある場合には、「特定貨物・役務取引 等の許可申請に係る事前相談及び一般相談について(お知らせ)」の規定に基づき、輸出しようとするものの依頼に応じ、回答しますので、念のためお知らせします。

(参 考)
武器輸出について
昭和51年2月27日
1 政府の方針
 「武器」の輸出については、平和国家としてのわが国の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない。
(1)三原則対象地域については、「武器」の輸出を認めない。
(2)三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
(3)武器製造関連設備(輸出貿易管理令別表第1の第109の項など)の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。
2 武器の定義
 「武器」という用語は、種々の法令又は行政運用の上において用いられており、その定義については、それぞれの法令等の趣旨によって解釈すべきものであるが、
(1)武器輸出三原別における「武器」とは、「軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの」をいい、具体的には、輸出貿易管理令別表第1の第197の項から第205の項までに掲げるもののうちこの定義に相当するものが「武器」である。
(2) 自衛隊法上の「武器」については、「火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置 等」であると解している。なお、本来的に、火器等をとう載し、そのもの自体が直接人の殺傷又は武力闘争の手段としての物の破壊を目的として行動する護衛艦、戦闘機、戦車のようなものは、右の武器に当たると考える。

(注)
1「武器輸出三原則」とは、次の場合には原則として武器の輸出を認めないことを内容としている。
(1)共産圏諸国向けの場合
(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
(3)国際紛争当事国又はそのおそれのある国向けの場合
 したがって「三原則対象地域」とは上記(1)、(2)及び(3)の地域をいう。

2 「武器輸出三原則」上の「武器」には輸出貿易管理令別表第1に「部分品」又は「附属品」が規定されている場合は、その「部分品」又は「附属品」も含まれる。

注:平成3年11月の輸出貿易管理令の一部改正により、1-(3)の「第109の項」及び2-(1)の「第197の項から第205の項」は、「第1の項」に変わっております。

(2)(一般法人 安全保障貿易センター)『武器輸出三原則』のページ http://www.cistec.or.jp/export/buki3gensoku/index.html (2011年10月24日閲覧)

武器及びその部分品等の輸出について  (経済産業省HP)
国策となっている武器輸出三原則についての経済産業省通達です。  

(3)防衛生産・技術基盤研究会中間報告(2011年7月6日)

防衛省・自衛隊HP 防衛生産・技術基盤研究会のページから http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/seisan/houkoku/houkoku.html(2011年10月24日閲覧)

(4)防衛省・自衛隊HP 「防衛生産・技術基盤研究会」の設置について http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/11/29c.html(2011年10月24日閲覧)

防衛省では、「防衛生産・技術基盤研究会」を設置しましたのでお知らせします。

なお、本研究会の開催趣旨・構成員については、別紙1及び別紙2のとおりです。

(5)(毎日新聞)質問なるほドリ:武器輸出三原則、見直す動きがあるの?=回答・坂口裕彦 (2011年7月15日)http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/archive/news/2011/07/20110715ddm003070115000c.html (2011年10月24日閲覧)(読みやすさのために、見出しと質問を太字にしました―投稿者)

<NEWS NAVIGATOR>
◆武器輸出三原則、見直す動きがあるの?

 ◇他国と共同開発、目的に コスト減狙い、なし崩し緩和の恐れ

なるほドリ 日本は武器輸出を原則禁止していたと思うけど「輸出しやすくしよう」という話し合いを米国としたそうだね。

記者 防衛省の研究会が6日、戦闘機などを他国と共同開発・生産するため「武器輸出三原則」の見直しを提案しました。日米の外務・防衛担当閣僚に よる6月の安全保障協議委員会(2プラス2)も国際共同開発参加に向け、「日本政府は現在行っている(三原則見直しの)検討を促進する」と文書を交わしま した。

Q 三原則とは?
A (1)共産圏(2)国連決議で禁止した国(3)紛争当事国--への輸出を認めないこと。76年に三木武夫首相(当時)が三原則の対象国以外の国への輸出も「慎む」と踏み込み、全面輸出禁止となりました。

Q 例外は?
A 83年に米国向けの武器技術供与を、04年にミサイル防衛の日米共同開発・生産を官房長官談話で例外としました。政府開発援助(ODA)によるインドネシアへの巡視船無償供与も認めています。

Q 見直しの背景は。
A 装備品のハイテク化、高価格化が加速する中、欧米諸国は財政負担を減らすため、開発、生産をほかの国と分担しています。しかし、日本の場合は、完成品、部品の国境を越えた移動を制限する三原則が障害になっています。また、財政難に苦しむ日本は防衛予算の抑制を進めており、注文数減少によるコ ストと販売価格の上昇、一層の注文減という悪循環に国内防衛産業が陥りかねません。そこで海外との共同開発でコストを下げようという動きが強まっているの です。

Q 問題はないの?
A 2プラス2は、日米が共同開発する海上配備型迎撃ミサイルの、米国から第三国への輸出を認めました。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題が行き詰まり、米国内の対日強硬論が強まる中、「ミサイルを輸出したい」との米国の要望に配慮する形で結論を急ぎました。日本が開発に携わったミサ イルが、米国以外に輸出されることは三原則の事実上の緩和です。歯止めとして、「日本の安全保障に資する場合」「国際平和や安定につながる場合」との基準を置きましたがいずれもあいまいで、日本の平和外交の理念である三原則がなし崩しになる恐れがあります。見直しの際には、対米配慮だけでなく国民への分かりやすい説明と透明性ある議論が欠かせません。(政治部)
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◆武器輸出三原則を巡るこれまでの動き
1967年 4月 佐藤栄作首相が衆院決算委で三原則を表明
76年 2月 三木武夫首相が衆院予算委で厳格化を表明
83年 1月 中曽根康弘内閣が米国向け技術供与を例外化
2004年12月 小泉純一郎内閣が米国との弾道ミサイル防衛システムの共同開発・生産を例外化
11年 6月 日米両政府が海上配備型迎撃ミサイルの米国から第三国への輸出容認を確認

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なるほドリコーナーへの質問をお寄せください。〒100-8051(住所不要)毎日新聞「質問なるほドリ」係 naruhodori@mainichi.co.jp
毎日新聞 2011年7月15日 東京朝刊

(6)(毎日新聞)前原政調会長:PKO武器使用基準「緩和すべきだ」 (2011年9月8日 11時27分(最終更新 9月8日 14時06分))http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/09/08/20110908k0000e010031000c.html (2011年10月24日閲覧)(全文転載)

【ワシントン古本陽荘】民主党の前原誠司政調会長は7日、ワシントンで開かれた日米同盟に関するシンポジウムで講演し、自衛隊の国連平和維持活動 (PKO)を拡充するため、他国の軍隊を防護できるよう武器使用基準を緩和すべきだとの考えを表明した。PKOなどで海外に派遣された自衛隊が一緒に活動する他国の軍隊を守るために武器を使用することは憲法で許される「必要最小限の武器使用」を超えると解釈されてきたが、前原氏は「急迫不正の侵害から防衛できるようにすべきだ」と提起した。

また、同様に憲法上、行使できないとされている集団的自衛権についても「未解決の課題」と指摘し、憲法解釈の見直しが必要との認識を示した。さらに、日本の防衛産業が戦闘機などの国際共同開発に参加できるよう「武器輸出三原則を見直さなければならない」と明言した。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題については「一定の時間が必要だ」と述べ、問題の早期進展は困難との見通しを示した。「鳩山政権以 降、移設計画が転換されたことで沖縄に多大な迷惑をかけた」と率直に認めた上で、「米側から見て(物事が)全く進んでいないように見えても、進んでいることもあり得る」と米側に理解を求めた。

一方、台頭する中国については「既存の規則を変更しようとしているとの指摘がある」と語り、国際規範に従わせるため日米両国が連携すべきだとの考えを強調した。
毎日新聞 2011年9月8日 11時27分(最終更新 9月8日 14時06分)

(7) (東京新聞)【社説】ミサイル輸出 国是なし崩しにするな (2011年6月14日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011061402000045.html (2011年10月24日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

北沢俊美防衛相はシンガポールでゲーツ米国防長官と会談し、日米で共同開発を進めているミサイルの第三国への輸出を認める方針を伝えた。武器の禁輸方針になぜ風穴を開けようとするのか。

このミサイルは、飛来する弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛(MD)システムに含まれる海上発射型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」で、一九 九九年から日米で共同技術研究を進めてきた。米国と日本が保有するイージス艦から発射するため、第三国への輸出は想定する必要がなかった。

風向きが怪しくなったのは、二〇〇六年六月、日米交換公文で事前同意のない第三国への供与を禁じた時点である。事前同意さえあれば、武器禁輸の例外扱いとなっている米国を経由して、日本の技術で製造されたミサイルを第三国へ輸出できる余地が生まれた。

米国はSM3ブロック2Aを地上発射型とする改造を進めている。オバマ米政権は核開発疑惑のあるイランの弾道ミサイルを迎撃するため、東欧にレー ダー、ミサイルなどのMDシステムを置き、地上発射型のSM3ブロック2Aを一八年にポーランドへ配備する計画を明らかにしている。

MDシステムの東欧配備は米軍が武器類を持ち込み、運用する。第三国への輸出は含まれないのに、日本に輸出容認を迫るのは、将来、SM3ブロック2Aを他国に売却する狙いと推測できる。

一方、日本側の狙いは、かなりはっきりしている。今月二十一日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)の開催が見込まれているが、確定していな い。沖縄の普天間飛行場移設など日米が合意した案件が軒並み足踏みしているからである。せめて米国が求めるミサイルの第三国移転で正式合意できるならば、 2プラス2の開催が確実になるというハラだろう。

菅直人政権は、昨年十二月閣議決定した「防衛計画の大綱」に武器輸出三原則の緩和を含めようとした。連携を想定していた社民党の反対で先送りされたが、北沢防衛相に至っては一〇年一月、防衛産業が集まった賀詞交歓会で見直しをぶち上げている。

ミサイルの第三国移転を認めれば、なし崩しのうちに武器輸出が解禁されかねない。ましてや菅政権は末期状態にある。日本は武器輸出三原則を堅持し、一発の弾丸も一丁の銃も輸出してこなかった。その国是を議論らしい議論もないまま転換してはならない。

(転載終わり)
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2011年11月19日投稿

1. 「武器輸出三原則」見直しについての続報

11月12-13日のAPEC会議に際して行われたオバマ-野田会談についての日米両政府の発表、大手報道機関の報道には、武器輸出の問題は出てこない。


(1)外務省HP: 日米首脳会談(概要)平成23年11月18日 http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/j_usa_1111.html (2011年11月19日閲覧) 

投稿者注:この概要は11月18日づけになっているが、、「野田総理大臣のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議出席」のページにある日米首脳会談(概要)へのリンクには11月13日の日付が書いてある。http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/apec_2011/index.html%20

確かに、13日には既に概要は掲載されていた。 Satoko Oka Norimatsu さんが13日にツイートしている。

PeacePhilosophy Satoko Oka Norimatsu
外務省:日米首脳会談(概要) fb.me/1c6QXY0wB
11月13日

とすると、概要の内容は、18日に改定されたのだろうか?だとしたら、外務省のHPからは、何がどう改定されたのかわからない。 (それとも、単なる数字の打ちまちがいだろうか。。。?)

(2) The White House Office of the Press Secretary, Remarks by President Obama and Prime Minister Noda of Japan (November 12, 2011) [ホワイトハウス 報道官室 「オバマ大統領と日本の野田首相の発言(2011年11月12日)] http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/remarks-president-obama-and-prime-minister-noda-japan (2011年11月19日閲覧)


(3) The White House Office of the Press Secretary, Readout by the Press Secretary on the President's meeting with Prime Minister Noda of Japan (November 12, 2011) [日本の野田首相との大統領の会談についての報道官の読み上げ文(2011年11月12日)]http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/11/12/readout-press-secretary-presidents-meeting-prime-minister-noda-japan (2011年11月19日閲覧)  


2. 石井光太氏のブログ、石井光太 - 旅の物語、物語の旅 -より。

武器輸出について (2011年9月08日) http://kotaism.livedoor.biz/archives/2011-09.html#20110908(2011年11月19日閲覧)  

(転載はじめ)

武器の輸出条件を緩和させようという動きがあるらしい。
今後、武器市場にはロボット技術がかなり導入されるだろうし、その技術は今の所日本が一番。
八方ふさがりの経済状況のなかで、軍需産業の進出が「復興」の足がかりになるかもしれない、と考えているのだろうか。

が、僕は、ほんと、これだけはダメなのである。

日本にいると、武器を輸出することがどういうことか想像できない。
しかし、戦争している国に訪れると、それが痛いほどわかる。

以前、コンゴでゲリラ兵に話を聞いたことがあった。
戦争で捕虜として捕えられたゲリラ兵に塀の中で話を聞いたのだ。
そのゲリラ兵は、僕が日本人だと名乗ると、「日本製は素晴らしい」と言った。
何が素晴らしいのかと尋ねてみると、車が素晴らしいと思う。よく言われることなので、とりあえず「ありがとう」と答えておいた。
すると、その兵士はニッと笑ってこう言った。

→つづきをよむ。

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2011年12月23日投稿

(東京新聞)武器三原則緩和へ 共同開発参加認める(2011年12月23日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011122302000028.html (2011年12月23日閲覧)(全文投稿)(太字は投稿者)

27日にも閣議決定

 政府は二十二日、武器と関連技術の輸出を原則として禁止している「武器輸出三原則」を緩和し、国際共同開発・生産と人道目的での装備品供与を認める方針を固めた。二十七日の閣議で決定し、藤村修官房長官が談話を発表する方向で調整している。

 見直しは旧共産圏と紛争当事国、国連武器禁輸国への輸出を禁じた三原則は維持しながら(1)米国や友好国との国際共同開発・生産への参加(2)自衛隊が国連平和維持活動(PKO)などの海外派遣で使用した装備品の人道目的や平和構築目的での供与-を可能にする。

 政府は見直しに合わせて、官房長官談話に「国際紛争の助長を回避する」などの文言を盛り込み、平和国家の理念の堅持に努める方針を明らかにする。

 一九七六年に政府統一見解で事実上の全面禁輸を決めて以降、対米関連などの例外措置を除き、抜本的な見直しは初めて。

 戦闘機などハイテク装備品の開発・生産では、高騰化した調達コストを下げるため、先進国の間では共同出資や分業が主流となっている。日本はこれまで三原則により、米国以外との共同開発には参加できなかった。

 防衛省は予算を効果的に使うため、共同開発への参加を認めるように主張。産業界も、国内の防衛産業基盤が衰退するとの懸念から緩和を求めていた。

 民主党は昨年、国際共同開発の対象として武器輸出管理の厳格な国▽共同開発の相手国との間で秘密保持体制を整備-などの条件を示していた。
(転載終わり)

(2)(毎日新聞)武器輸出三原則:緩和、年内決定 27日にも 国際共同開発可能に (2011年12月23日)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111223ddm001010051000c.html (2011年12月23日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)

政府は22日、戦闘機などの国際共同開発・生産と、国連平和維持活動(PKO)などで海外に持ち出した装備の他国への供与を可能とする武器輸出三原則の緩和を年内に正式決定する方針を固めた。27日にも官房長官談話として発表する方向で最終調整している。

戦闘機など最新鋭の装備は複数国による国際共同開発が主流となりつつあり、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)も米国など9カ国が開発中のF35に決定したばかり。防衛産業の育成や調達費の抑制のため、昨年12月、新たな防衛計画の大綱(防衛大綱)を策定する際にも三原則の緩和を検討したが、反対する社民党に配慮して見送った経緯がある。

政府は11月末以降、外務、防衛、経済産業各省の副大臣級会合(座長・長浜博行官房副長官)を3回開催。民主党が10年11月にまとめた提言を基に検討を進めてきた。官房長官談話は(1)装備品の海外移転は平和構築や人道目的に限定(2)国際共同開発・生産の対象国は同盟国の米国と北大西洋条約機構(NATO)加盟国などの友好国に限定(3)共同開発の相手国との間で第三国移転の基準と態勢を整備--を条件に三原則の例外を認める内容になる見通しだ。

政府関係者は「これまで個別に例外を認めてきたが、基準を作って整理する。武器輸出三原則自体は堅持する」と強調する。しかし、共同開発した武器や日本の技術が紛争当事国などに流出する懸念は消えず、民主党内の護憲派や公明党に慎重論も根強い。【朝日弘行】
毎日新聞 2011年12月23日 東京朝刊
(転載終わり)
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2012年3月11日投稿

2011年12月27日、政府は、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」の緩和を正式に決め、藤村官房長官の談話として発表した。これまでは、例外として輸出を認めるかどうか個別に判断した。これを抜本的に見直し、新たに設ける基準に従い、平和・人道目的や、国際共同開発・生産への参加であれば輸出を容認する。同日の安全保障会議(議長・野田佳彦首相)で了承し、閣議で報告した。

(msn産経ニュース) 藤村官房長官、武器輸出三原則緩和の談話発表 (2011.12.27 13:37)  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111227/plc11122713380014-n1.htm (2012年2月4日閲覧)(全文転載)
 
藤村修官房長官は27日午前の記者会見で、武器輸出を事実上全面禁止している武器輸出三原則について、国際共同開発・生産への参加や平和貢献・国際協力での装備品供与を例外として認める談話を発表した。同日の安全保障会議(議長・野田佳彦首相)で了承し、閣議で報告した。

政府はこれまで官房長官談話などで弾道ミサイル防衛(BMD)に関する日米共同開発など個別に例外を設定してきたが、談話では「包括的に例外化措置を講じる」と明記。昭和42年に佐藤栄作首相(当時)が三原則を表明してから初めて抜本的な緩和となる。

一方、「平和国家として国際紛争を助長することを回避するとの基本的理念を堅持する」として、共産圏や紛争当事国、国連武器禁輸国への輸出を禁止した三原則は維持する方針を強調した。目的外使用や第三国への移転については、日本政府の事前同意を義務付け、「厳格に管理が行われることを前提」として厳禁した。

戦闘機など高額な最先端装備品の調達は、複数国による出資や分業でコストを抑制する国際共同開発・生産が財政難の欧米では主流だが、 日本は三原則が障壁になり米国以外との国際共同開発に参画できない。談話では、米国以外の安全保障の協力関係国とも連携し、「防衛装備品の国際共同開発・ 生産を進め、最新の防衛技術を獲得し、わが国の防衛産業の生産・技術基盤を維持・高度化するとともにコストの削減を図るべきだ」としている。

平和貢献や国際協力については、自衛隊が国連平和維持活動(PKO)などの海外派遣で使用したヘルメットや防弾チョッキなど人を直接殺傷する可能性が低い装備品を派遣先の国に供与できるようになる。

武器輸出三原則は、佐藤内閣が政府の運用方針として国会答弁。51年には三木武夫首相(当時)がその他の国にも輸出を慎む政府統一見解を示し、事実上の全面禁輸となった。
(転載終わり)

(msn産経ニュース)武器輸出緩和、ハイテク装備品の国際共同開発に道 無人戦闘機も?(2011.12.27 22:37) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111227/plc11122722380023-n1.htm (2012年2月4日閲覧)(全文転載)

武器輸出三原則緩和は、戦闘機をはじめ高度な技術開発と巨額な経費を要するハイテク装備品の国際共同開発・生産への参加に道を開くものだ。政府は これまで米国との弾道ミサイル防衛(BMD)共同開発などを除いて事実上の禁輸政策を続けたために、欧米諸国で主流になった国際共同開発・生産の枠組みか ら取り残されてきた。その遅れを取り戻すことが急務だ。(峯匡孝)

政府は共同開発国の相手として「わが国と安全保障面で協力関係にある米国以外の諸国」(藤村修官房長官談話)としているが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国、豪州、韓国などが想定される。

20日に決定した航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最新鋭ステルス戦闘機F35ライトニング2(米ロッキード・マーチン社)は米国主導で英国、イタリ アを含む9カ国の共同開発・生産の戦闘機だ。各国の開発費負担は異なるが、日本は三原則が障壁になって加われなかったため、参加国に比べ価格面などで不利 な条件を突き付けられるのは避けられそうにない。

欧米各国と同様に、日本政府も税収減や社会保障費の増大で財政難が続き、防衛関連経費はここ10年連続して削減され、現在の防衛力を維持、拡張するのは困難だ。また、F2戦闘機の生産終了で、国内での戦闘機生産にかかわる防衛産業の維持が喫緊の課題として残されている。

F35では実現できなかった国際共同開発・生産体制への参加わることで、将来的な装備品の調達コストを抑制できるほか、日本独自では開発が困難な最先端技 術の入手が期待できる。桜井修一官房副長官補は戦闘機開発を例に挙げ「日本は(完成機の)輸入かライセンス生産、国内生産の道しかなかった。友好国の技術 を取り入れれば、自国だけで作るより安くよりいいものが手に入る」と明言する。

例えば、「最後の有人戦闘機」ともいわれるF35の次世代機として、無人戦闘機の共同開発に日本が参加できれば、最新鋭の機体性能や武器、通信ネットワークといった国内の防衛産業にとって未知の最先端技術を入手できる可能性も開けることになる。
(転載終わり)

(msn産経ニュース)政府、JAXA法改正へ 平和目的規定を削除、安保分野での宇宙利用を促進 (2012.1.3 07:24) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120103/plc12010307250004-n2.htm (2012年2月4日閲覧)(全文転載)

政府は、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)の設置法(JAXA法)を改正し、宇宙開発を平和目的に限定する項目を削除する方針を固めた。安全保障分野での宇宙利用促進が狙い。1月24日召集予定の通常国会に改正案を提出する。ミサイル防衛(MD)の精度向上に向け、偵察衛星や早期警戒衛星の研究開発が可能となり、中国の衛星攻撃兵器(ASAT)開発にも対抗できるようになる。

現JAXA法は、機構の業務を宇宙開発・研究、人工衛星の開発・打ち上げなどと規定するが、いずれも「平和目的に限る」としており、JAXAの活動は大きな制約を受けていた。

改正案では、平和利用規定を削除。宇宙開発の理念を定めた政府の宇宙基本法に合わせ「わが国の安全保障に資するよう行われなければならない」との規定を新たに盛り込む方針。

また、JAXAの所管を文部科学省から、文科省と内閣府の共管に改正。関係省庁が一体となって宇宙開発を進めることができるよう体制を整備する。

改正案提出に合わせ、内閣府に宇宙政策の司令塔となる「宇宙戦略室」や、統括役となる「宇宙審議官」を置くための内閣府設置法改正案も提出する方針。

宇宙開発をめぐり、衆院は昭和44年に全会一致で「わが国における宇宙の開発および利用の基本に関する決議」を採択。これにより、日本の宇宙開発は軍事以外の目的に限定された。

しかし、北朝鮮の核保有や、中国の軍事力増強を受け、日米両国はMDを推進。中国は対抗策としてASATを開発、平成19年1月には自国の人工衛星破壊に成功した。
このような情勢変化を受け、与野党は20年に宇宙基本法を制定。「非軍事」に限ってきた宇宙利用目的を世界標準の「非侵略」と再定義した。

■ 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙に関する基礎研究・開発を行う研究機関。平成15年10月に宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所、宇宙科学研究所 を統合した。国産ロケット「H2A」「H2B」の開発・打ち上げや、22年6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の運用などを担ってきた。
(転載終わり)

(YOMIURI ONLINE) COME ON ギモン  Q. 日本は武器を輸出して「死の商人」になるの? (2012年1月5日)http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/qapolitics/20120105-OYT8T00356.htm (2012年2月4日)

Q. 日本は武器を輸出して「死の商人」になるの?

A. 厳格管理で懸念払拭

政府は昨年(2011年)12月27日、「武器輸出3原則」を緩和することを決めました。
これは、いわゆる「死の商人」のように、戦争や国際紛争をあおるような形で日本が武器を輸出する、ということではありません。

(毎日新聞)特集ワイド:今さらですが 武器輸出三原則 共同開発、供与…進む緩和 「平和主義」守れるか (2012年1月31日 東京夕刊) http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120131dde012010009000c.html (2012年2月4日閲覧)

 原則すべての武器の輸出を禁ずる「武器輸出三原則」が大幅に緩和され、友好国との武器の共同開発・生産や、国際協力のための供与が解禁された。生産コストの削減などのためだが、平和主義から生まれた三原則の形骸化を心配する声もある。今さらですが、「武器輸出三原則」とは?【宮田哲】

<中略>

◇武器輸出三原則緩和までの主な流れ

11年 9月7日 前原誠司・民主党政調会長が米国で「三原則」を見直すべきだと発言
8日 藤村修官房長官が「三原則の基本理念は堅持する。(見直しは)前原氏の持論」と否定
10月13日 民主党防衛部門会議が見直しの要求を確認
14日 野田佳彦首相が見直しに前向き発言
11月 4日 藤村官房長官が見直しの検討開始を表明
28日 見直しの副大臣級の初会合が開かれる。計3回開催
12月24日 一川保夫防衛相(当時)が緩和方針を表明
27日 安全保障会議(議長・野田首相)で、大幅緩和を決定。藤村官房長官が談話発表

=>全文を読む。



【参考資料】

(1)日本国憲法
(昭和二十一年十一月三日憲法) 

政府のe-govサイトより

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


(2)「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話[PDF形式](H23.12.27)  首相官邸HP>官房長官談話等のページから転載

「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話
平成二十三年十二月二十七日

政府は、 「平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱」 (平成二十二年十二月十七日閣議決定。以下「新大綱」という。 )を踏まえ、防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策について慎重に検討を重ねた結果、次の結論に達し、本日の安全保障会議における審議を経て閣議において報告を行った。今後、防衛装備品等の海外への移転については、以下の基準によることとする。

一.  政府は、これまで武器等の輸出については武器輸出三原則等によって慎重に対処
してきたところである。

二.   他方、これまでも、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則
等のよって立つ平和国家としての基本理念を堅持しつつ、 我が国が行う国際平和協力、国際緊急援助、人道支援、国際テロ・海賊問題への対処といった平和への貢献や国際的な協力(以下「平和貢献・国際協力」という。 ) 、弾道ミサイル防衛(BMD)に関する日米共同開発等の案件については、内閣官房長官談話の発出等により、武器輸出三原則等によらないこととする措置(以下「例外化措置」という。 )を個別に講じてきた。 

三.  新大綱においては、近年の防衛装備品をめぐる国際的な環境変化について、 「平和への貢献や国際的な協力において、自衛隊が携行する重機等の装備品の活用や被災国等への装備品の供与を通じて、より効果的な協力ができる機会が増加している。また、国際共同開発・生産に参加することで、装備品の高性能化を実現しつつ、コストの高騰に対応することが先進諸国で主流になっている。 」としており、政府は、こうした認識の下、平和国家としての基本理念を堅持しつつこのような大きな変化に対応するための方策について検討を行ってきた。 


 四.  今日の国際社会においては、国際平和協力、国際緊急援助、人道支援、国際テロ・海賊問題への対処等を効果的に行うことが各国に求められており、我が国は、平和国家として、国際紛争等を助長することを回避するとの基本理念を堅持しつつ、こうした平和貢献・国際協力への取組に、 より積極的・効果的に取り組んでいく必要がある。 
同時に、国際社会の平和と安定を損なうおそれがある防衛装備品等の不正な流通及
び拡散を防止するため、途上国等の輸出管理能力の強化に向けた支援などにも積極的に取り組んでいくべきである。
また、我が国は、これまで米国との間で安全保障に資する防衛装備品等の共同研
究・開発を行ってきたところであるが、国際社会が大きく変化しつつある中で、我が

国の平和と安全や国際的な安全保障を確保していくためには、米国との連携を一層強
化するとともに、我が国と安全保障面で協力関係にある米国以外の諸国とも連携して
いく必要があり、これらの国との間で防衛装備品等の国際共同開発・生産を進めてい
くことで、 最新の防衛技術の獲得等を通じ、 我が国防衛産業の生産・技術基盤を維持・
高度化するとともに、コストの削減を図っていくべきである。

五.   こうした観点から、政府としては、防衛装備品等の海外への移転については、平和貢献・国際協力に伴う案件及び我が国の安全保障に資する防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件は、従来個別に行ってきた例外化措置における考え方を踏まえ、包括的に例外化措置を講じることとし、今後は、次の基準により処理するものとする。 

(1)平和貢献・国際協力に伴う案件については、防衛装備品等の海外への移転を可能
とすることとし、その際、相手国政府への防衛装備品等の供与は、我が国政府と相
手国政府との間で取り決める枠組みにおいて、我が国政府による事前同意なく、①
当該防衛装備品等が当該枠組みで定められた事業の実施以外の目的に使用される
こと(以下「目的外使用」という。 )及び②当該防衛装備品等が第三国に移転され
ること(以下「第三国移転」という。 )がないことが担保されるなど厳格な管理が
行われることを前提として行うこととする。

(2)我が国の安全保障に資する防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件については、我が国との間で安全保障面での協力関係がありその国との共同開発・生産
が我が国の安全保障に資する場合に実施することとし、当該案件への参加国による
目的外使用や第三国移転について我が国政府による事前同意を義務付けるなど厳
格な管理が行われることを前提として、防衛装備品等の海外への移転を可能とする
こととする。なお、我が国政府による事前同意は、当該移転が我が国の安全保障に
資する場合や国際の平和及び安定に資する場合又は国際共同開発・生産における我
が国の貢献が相対的に小さい場合であって、かつ、当該第三国が更なる移転を防ぐ
ための十分な制度を有している場合でない限り、付与しないこととする。 


 (3)もとより、武器輸出三原則等については、国際紛争等を助長することを回避する
という平和国家としての基本理念に基づくものであり、上記以外の輸出については、
引き続きこれに基づき慎重に対処する。


(転載終わり)


(3)独立行政法人宇宙航空研究開発機構法
(平成十四年十二月十三日法律第百六十一号)

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO161.html

(4)宇宙航空研究開発機構(JAXA)HPの宇宙航空研究開発機構法のページから
日本の宇宙法(宇宙法ページ)

【関連ブログ】

(1)(マガジン9)2012年 憲法どうなる? どうする? 第3回(その1)半田滋 「国是であったはずの武器輸出三原則の緩和。国会の論議さえなしに決定されたことは、大きな問題です。」(2011-02-01) http://www.magazine9.jp/kenpo2012/120201/ (2012年2月4日閲覧)

(2) 突然浮上した『武器輸出三原則の緩和・JAXA法改正』は、2004年の経団連の提言そのまんまだ!(ざまあみやがれい!さまのブログより)(2012年2月4日閲覧)

武器輸出三原則の緩和と、軍事的な宇宙開発計画を可能にするJAXA法改訂を、2004年の経団連の「提言『今後の防衛力整備のあり方について』」との関連を分析。
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2012年4月11日投稿

(東京新聞)日英が武器共同開発 首脳会談 三原則緩和後初 (2012年4月11日 朝刊) http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012041102000105.html (2012年4月11日閲覧)(全文転載)

会談前にキャメロン英首相(左)と握手する野田首相=10日、首相官邸で
写真

野田佳彦首相は十日、英国のキャメロン首相と官邸で会談し、武器・装備品の共同開発を進める方針で合意した。日本政府は昨年十二月に武器輸出三原則に基づく事実上の禁輸措置を大幅緩和して以来、初めて共同開発に関する具体的な協議に踏み出す。

両首脳は、北朝鮮が「衛星」打ち上げと称する長距離弾道ミサイル発射について、弾道ミサイル技術の使用を禁じた二〇〇九年の国連安全保障理事会決議に違反するとして「深い懸念」を確認。自制を求めることで一致した。

武器の共同開発について米国以外と合意するのは初のケース。会談後、両首脳は共同声明を発表し「少なくとも一つの武器開発計画を早期に開始する」とし、日本側が条件に掲げる目的外使用や第三国移転の事前同意に関する取り決めを策定する方針を盛り込んだ。

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)について野田首相は「早期の交渉入りに強い支持を期待する」と述べ、キャメロン首相は「英国は強力なサポーターだ。他の国を説得したい」と応じた。

国際的な課題への対応を協議する外相レベルの戦略対話の枠組み立ち上げを決定。イラン問題をめぐっては外交努力と経済制裁の両面から核開発放棄を求めるとした。

両首脳は東京電力福島第一原発事故に絡み、原発の廃炉や使用済み核燃料の管理について緊密な協力を確認した。

<武器輸出三原則の緩和> 1967年に佐藤栄作首相が(1)共産圏諸国(2)国連決議による武器禁輸国(3)紛争当事国-への武器輸出を認めな いと表明。76年に三木内閣が事実上、全面輸出禁止とした。83年に対米武器技術供与を、2004年に米国とのミサイル防衛の共同開発・生産を例外扱いと した。野田内閣は昨年12月、武器の国際共同開発・生産と人道目的での装備品供与を解禁する三原則の大幅緩和を決定。目的外使用や第三国移転について相手 国に事前同意を義務付けている。

(転載終わり)

(毎日新聞) 武器共同開発:三原則緩和後で初、英国と着手へ(2012年04月04日 10時26分(最終更新 04月05日 00時57分)) http://mainichi.jp/select/news/20120404k0000m010151000c.html (2012年4月11日閲覧)(全文転載)

日英両政府は3日までに、武器(防衛装備品)の共同開発に着手する方針を固めた。日本政府が昨年12月 に「武器輸出三原則」を緩和し、日本と安全保障協力がある国との間で武器・技術の国際共同開発・生産が解禁されてから初のケースとなる。野田佳彦首相は、 来日するキャメロン英首相との10日の首脳会談で、共同開発や技術供与の具体化に必要な政府間枠組みの構築に向け、正式に協議に入ることを確認する。

政府は、これまで武器輸出三原則の「例外」として、ミサイル防衛(MD)の日米共同開発・生産などを行ってきたが、米国以外の国と共同開発に踏み切るのは初めて。

三原則緩和を受け、オーストラリアやフランスなど複数の国が日本との共同開発に関心を示す中、英国を初 の共同開発の相手国に選んだのは、英国が特に日本の技術に期待感を示していることに加え、「昨年末の航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定の際、英国が 強く推したユーロファイターではなく米国中心に開発しているF35を選定した埋め合わせ」(政府筋)の意味合いもあるという。

防衛省はすでに担当者を英国に派遣し、具体的な共同開発案件について協議を始めている。ただ、武器輸出 三原則は緩和されたとはいえ、武器の国際共同開発・生産には高いハードルがある。目的外使用や第三国移転には日本の事前同意を義務付けており、第三国がさ らなる移転を防ぐ十分な制度を持たない限り同意しない仕組みだ。

このため防衛省幹部は「個別の案件より先に事前同意を得るための枠組み作りをする必要がある」と指摘。英国と具体的な案件を決めるには「1年くらいかか るかもしれない」との見通しを示す。「戦闘機などの大型案件ではなく装備品など小型のものから徐々に進める」(外務省幹部)意向だ。【横田愛、朝日弘行】

(転載終わり)
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2012年4月19日投稿

(東京新聞)【社説】英との武器開発 平和国家を汚さないか(2012年4月11日) http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012041102000131.html (2012年4月19日閲覧)(全文転載)

 日英両首脳が武器(防衛装備品)の共同開発で合意した。武器輸出を厳しく制限してきた日本が、武器の輸出や共同開発に積極姿勢へと転じれば、平和国家の体面を汚すことにならないか、心配だ。

 武器輸出や関連技術移転を禁じる武器輸出三原則は、冷戦下の一九六七年に佐藤内閣が打ち出し、七六年に三木内閣が確立した。

 その後、ミサイル防衛(MD)のために米国との共同開発を例外的に認めたことはあるが、昨年十二月、三原則を抜本的に緩和して米国以外との武器の共同開発を解禁したのは野田民主党内閣だ。

 解禁後、英国を含む多数の国から共同開発の打診があり、キャメロン英首相訪日にも軍事産業など多くの英財界人が同行している。

 武器を共同で開発すれば開発コストを抑え、相手国の技術力も活用できる。ともに財政事情が厳しく、防衛費削減と軍事・防衛産業の育成を迫られる日英双方の思惑が一致したのだろう。

 キャメロン首相はヘリコプターの共同開発に言及したようだが、どんな武器が対象なのかは両政府間でこれから検討するという。対象が決まらないまま話を進めるのは、とにかく共同開発を既成事実化したいからではないのか。

 英国側には高い技術力を持つ日本との共同開発で他国に売れる武器をつくり、自国の軍事産業を育てたいとの思惑があるのだろう。が、軍事的緊張が高まるアジアを武器売り込み対象として視野に入れているのなら看過できない。

 台頭著しい中国に対抗するためとはいえ、周辺国が最新鋭兵器を導入すれば、双方が軍拡を進め、地域が不安定化する「安全保障のジレンマ」に陥る可能性がある。

 野田内閣が三原則を緩和した際も共同開発の条件に「わが国の安全保障に資する場合」を挙げている。英国との共同開発がアジア・太平洋地域での軍事的緊張を高める結果になるのなら本末転倒だ。

 日本が武器輸出を禁止してきたのは国際紛争を解決する手段として武力の行使や威嚇をしない平和国家の崇高な理念からだ。

 武器輸出三原則と核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という非核三原則を国是とした日本だからこそ、軍備管理・軍縮分野で影響力を持てたのではないか。

 武器輸出や共同開発をなし崩しで解禁すれば、日本の平和国家イメージを損ない、国益を毀損(きそん)する。野田佳彦首相はそのことをあらためて肝に銘じるべきである。

(転載終わり)