Thursday, December 8, 2011

II.A.11. 証言を「修正」してから発表する

保安院が8月に東電福島第一原発の吉田昌郎・前所長らに現場の状況などを聴取した結果の概要を9月に発表した際、東電本店の依頼に応じて、証言の内容を「修正」していたことが、12月6日に保安院が公表した聴取結果の資料から分かった。

日本経済新聞)前所長らの証言内容、保安院が東電依頼で修正 (2011/12/7 10:37) http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E2E4E2E6E08DE2E5E3E0E0E2E3E39180E2E2E2E2 (2011年12月7日閲覧)(全文転載)

経済産業省原子力安全・保安院が東京電力福島第1原子力発電所の吉田昌郎・前所長らに現場の状況などを聴取した結果の概要を9月に発表した際、東電本店の依頼に応じて、証言の内容を修正していたことが6日に保安院が公表した聴取結果の資料から分かった。

保安院は「(事実関係が確認できず)表現を東電と調整した」と説明している。事故発生当初の現場関係者の声に手を加えて発表してきたことになり、調査の信頼性が問われそうだ。

保安院は8月に吉田前所長ら8人に聴取し、9月に結果の概要版を発表した。概要版では、福島第1原発1号機の非常用復水器2台の津波襲来時の運転状況について「両方とも隔離弁の開閉状態は不明」と説明していた。

ところが6日公開された聴取結果の資料によると、現場関係者は実際には「両方とも閉止していた」と証言していた。保安院によると、9月の概要版公表前に東電本店と内容を調整。証言が事実かどうか不明と東電側が主張したため「不明」と書き換えたという。

保安院は6日、記者会見し「公開しない前提で調査し、(東電の)意向を尊重した」と説明。聴取結果の資料の20カ所以上の黒塗り部分についても「東電からの依頼で非公開にした」という。
(転載終わり) 


【一次資料】

(1)経済通産省 「原子力発電所の事故にかかる保安調査の結果について」(2011年9月16日公表)http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110916003/20110916003.html (2011年12月8日閲覧)

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故にかかる保安調査の結果について(PDF形式:326KB) (ページ7から、当該部分を転載)


(2)経済産業省 「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る保安調査に関連する文書の公開について」(2011年12月6日公表) http://www.meti.go.jp/press/2011/12/20111206002/20111206002.html (2011年12月8日閲覧)

別添2:福島第一原子力発電所の事故にかかる保安調査について(PDF形式:233KB) (ページ3から当該部分を転載)
 


(3)【動画】2011/12/06 16:00~ 経産省原子力安全・保安院による記者会見
http://iwakamiyasumi.com/archives/15205#more-15205(ページの一番下)(2011年12月8日閲覧)

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