自治体などが健康調査や食品検査を行う場合、「安心してもらう」ため、という目的を挙げることが多い。この目的は、実際の被曝の程度を調べてしかるべき対処をするためとか、それ以上の被曝をさせないため、あるいは、食品からの内部被曝を避けるため、といった目的とは明らかに違う。
ひとつには、実際の被曝量、放射性物質摂取量よりも、「安心するかどうか」を最優先している。ふたつめは、「安心する」という結論があらかじめあるように聞こえる。 検査してみなければ「安心」できる量であるかどうかわからないはずなのに、安心させるのが目的だと言う。すると、下の東京新聞の記事のように、はじめから「結論ありき」だったと見られても仕方がないだろう。
さらに、小出裕章・京大助教などの専門家が、放射能には「安全なレベル」などないと説くのに対し。「安心してもらう」のための調査や検査は、「安心してもいい」外部被曝・内部被曝のレベルがあるような印象を広めるのに役に立つ。
こうして自治体や調査機関が、実際の被曝防止よりも「安心させる」ことに重きを置いているように見えるのは、 放射能の害は心理的害、「放射能トラウマ」だ、という考え方と関連があるのだろうか?
(日経新聞)原発事故の健康調査、宮城でも実施へ 子供の甲状腺検査 (2011/10/26 1:55) http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C889DE1E7EBE2EAEAE4E2E0E4E3E2E0E2E3E39180EAE2E2E2(2011年10月29日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)
宮城県は25日、東京電力福島第1原子力発電所事故に関する有識者会議を開き、県南部で健康への影響を調査することを決めた。福島県に隣接する宮城県丸森町の子供を対象に甲状腺の検査などを行う方針。岡部敦・保健福祉部長は「対象年齢や検査項目を詰め、できるだけ早く調査したい」と話した。
会議には久道茂・宮城県対がん協会長ら医療、放射線関係の有識者5人が参加。県内で測定された放射線量については「健康への影響はなく、検査する必要はない」との評価で一致したが、県民の不安を払拭するため比較的線量が高い県南部で、対象を絞って調査することにした。検査対象は最大でも 100人程度の見込み。
(転載終わり) 会議には久道茂・宮城県対がん協会長ら医療、放射線関係の有識者5人が参加。県内で測定された放射線量については「健康への影響はなく、検査する必要はない」との評価で一致したが、県民の不安を払拭するため比較的線量が高い県南部で、対象を絞って調査することにした。検査対象は最大でも 100人程度の見込み。
(河北新報)放射性物質「健康に影響なし」 県有識者会議が報告書 (2012年02月15日) http://www.kahoku.co.jp/news/2012/02/20120215t13018.htm (2012年2月19日閲覧)(全文転載)(太字は投稿者)
福島第1原発事故で拡散した放射性物質が健康に与える影響を探る宮城県の有識者会議(座長・久道茂県対がん協会長)は14日、「科学的、医学的に健康への悪影響は考えられず、健康調査の必要性はない」とする報告書を公表した。
丸森町筆甫、耕野両地区で行った甲状腺超音波検査、ホールボディーカウンターによる内部被ばく検査についても「甲状腺がんの心配はなく、食品中の放射性物質も多くの品目で定期的に測定している」と指摘。両検査の継続は不要と判断した。
報告書は「100ミリシーベルト以下の低線量被ばくの場合、発がんへの影響は他の要因に隠れるほど小さい」とする広島と長崎の原爆被爆者の追跡調査結果を提示。県内で比較的線量が高い福島県境付近の被ばく線量が年間5ミリシーベルト程度であるとして「健康に及ぼす影響はない」と結論づけた。
健康不安を払拭(ふっしょく)させる対策としては、放射線に関する普及啓発の強化やがん検診の受診勧奨を挙げた。
報告書は県のホームページ「放射能情報サイトみやぎ」にも掲載した。
2012年02月15日水曜日
(転載終わり)
【関連情報】
1.放射能情報サイトみやぎ 「宮城県健康影響に関する有識者会議」について http://www.r-info-miyagi.jp/r-info/yushikisya/
**宮城県の「放射能情報サイトみやぎ」のトップページには、放射線医学総合研究所ホームページから、このおなじみの表が転載されている。
- ■一回あたりに受ける放射線量
身近な事例 放射線量
(μSv/回)胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン) 6900 胃のX線集団検診(1回の検査) 600 東京からニューヨーク航空機旅行(往復) 200 胸のX線集団検診(1回の検査) 50
2.「がん協会」の「朝日がん大賞」、昨年度(2011年)は、山下俊一教授に授与。
http://www.jcancer.jp/archive/asahi/ (東京新聞)福島の子ども被ばく調査 「問題なし」結論ありき(2011年12月14日)
一輪の花さまのブログから転載させていただきました。http://blogs.yahoo.co.jp/erath_water/63400979.html (2011年12月14日閲覧)
(転載はじめ)
福島の子ども被ばく調査
「問題なし」結論ありき 東京新聞 12月14日
調査対象は夏以降、事故当初は無視!!
福島県内の子どもに配布した『個人線量計で測った累積放射線量(空間被曝線量の累積値)の結果が、順次公表されている。
一般人の年間被ばく限度1ミリシーベルトを大幅に上回るケースもあるが、専門家は「問題なし」。
対象期間は夏以降が多く、東電福島原発事故発生から数カ月間の大量被曝は無視されている。
●----------------------------------------------------------●
福島県郡山市は8日、小中学生を対象に、10月5日から33日間測定した累積放射線量を保護者に通知した。
平均値は0.12ミリシーベルトで、これは年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年換算では4.98ミリシーベルトにも達した。
だが、財団法人・放射線影響研究所の大久保利晃理事長ら市アドバイザーの評価は、『健康に影響を与えるような数値ではない」。保護者には個人データとアド バイザーのコメントのほか、「放射線被ばくの早見図」が届けられた。国際放射線防護委員会ICRPが事故後の復旧段階にあびてもよいとしている年間放射線 量1~20ミリシーベルトが太線で囲まれている。
専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張り。」
「平常時の法的な上限は1ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返した。
そもそも、なぜ10月なのか?事故発生から数カ月間はどうだったのか?
福島県が子どもと妊婦計30万人に、個人線量計を配布すると発表したのは6月。県が購入費として、1台あたり1万5千円を補助する事業だ。
郡山市は8月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイザーの人選などに時間がかかったため、配布は10月にずれ込んだ。3月から9月までの被 ばくの影響については(内部被曝を検査する)ホールボディカウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年夏」。
福島市は10月28日、小中学生を対象に9月の約1カ月間実施した累積放射線量の測定結果を保護者に通知した。
平均値は出しておらず、最大値の0.6ミリシーベルトが3人、0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリシーベルトが44人など。
医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は、「健康に影響を与える数値ではない」。現在、10、11月分の結果を分析中だが、それ以降の調査は予定していない。
市放射線健康管理室は「現在の空間放射線量から考えると、妥当な結果だ。今すぐ対処しなければならないようなものではない」と主張。
9月以前の被ばく状況については、研が全県民を対象鬼進めている健康管理調査に「頼るしかない」と言葉少なだった。
県健康増進課によれば、田村市や白河市、川俣町でも測定結果が出ているが、いずれも「健康に影響尾を及ぼすような数値ではない」という。
郡山市では、児童や生徒ら14人が市に学校ごと疎開する措置を求め、福島地裁氷や支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と会けク的避難区域以外では、自主避難任せで、あくまでも『定住政策』にこだわる国や行政への批判は根強い。
福島子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さんは、「本気で子どもを守る気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフォーマンスはやめてほしい」と憤りを隠さなかった。
(転載終わり)
「問題なし」結論ありき 東京新聞 12月14日
調査対象は夏以降、事故当初は無視!!
福島県内の子どもに配布した『個人線量計で測った累積放射線量(空間被曝線量の累積値)の結果が、順次公表されている。
一般人の年間被ばく限度1ミリシーベルトを大幅に上回るケースもあるが、専門家は「問題なし」。
対象期間は夏以降が多く、東電福島原発事故発生から数カ月間の大量被曝は無視されている。
●----------------------------------------------------------●
福島県郡山市は8日、小中学生を対象に、10月5日から33日間測定した累積放射線量を保護者に通知した。
平均値は0.12ミリシーベルトで、これは年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年換算では4.98ミリシーベルトにも達した。
だが、財団法人・放射線影響研究所の大久保利晃理事長ら市アドバイザーの評価は、『健康に影響を与えるような数値ではない」。保護者には個人データとアド バイザーのコメントのほか、「放射線被ばくの早見図」が届けられた。国際放射線防護委員会ICRPが事故後の復旧段階にあびてもよいとしている年間放射線 量1~20ミリシーベルトが太線で囲まれている。
専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張り。」
「平常時の法的な上限は1ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返した。
そもそも、なぜ10月なのか?事故発生から数カ月間はどうだったのか?
福島県が子どもと妊婦計30万人に、個人線量計を配布すると発表したのは6月。県が購入費として、1台あたり1万5千円を補助する事業だ。
郡山市は8月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイザーの人選などに時間がかかったため、配布は10月にずれ込んだ。3月から9月までの被 ばくの影響については(内部被曝を検査する)ホールボディカウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年夏」。
福島市は10月28日、小中学生を対象に9月の約1カ月間実施した累積放射線量の測定結果を保護者に通知した。
平均値は出しておらず、最大値の0.6ミリシーベルトが3人、0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリシーベルトが44人など。
医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は、「健康に影響を与える数値ではない」。現在、10、11月分の結果を分析中だが、それ以降の調査は予定していない。
市放射線健康管理室は「現在の空間放射線量から考えると、妥当な結果だ。今すぐ対処しなければならないようなものではない」と主張。
9月以前の被ばく状況については、研が全県民を対象鬼進めている健康管理調査に「頼るしかない」と言葉少なだった。
県健康増進課によれば、田村市や白河市、川俣町でも測定結果が出ているが、いずれも「健康に影響尾を及ぼすような数値ではない」という。
郡山市では、児童や生徒ら14人が市に学校ごと疎開する措置を求め、福島地裁氷や支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と会けク的避難区域以外では、自主避難任せで、あくまでも『定住政策』にこだわる国や行政への批判は根強い。
福島子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さんは、「本気で子どもを守る気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフォーマンスはやめてほしい」と憤りを隠さなかった。
(転載終わり)
(さいたま市HPから) http://www.city.saitama.jp/www/contents/1329090086717/index.html (2012年2月19日閲覧)(太字は投稿者)
市立保育園給食の放射性物質検査結果について
本市では、保護者や市民の皆様に、保育園給食の安全性について、より一層理解をし、安心していただけるよう、市立保育園における給食の放射性物質検査を実施いたしましたので、検査結果及び保育園給食による内部被ばく量の情報提供をいたします。
検査結果及び内部被ばく量について、詳細は以下のとおりです。
―つづきを見る。
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